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これがWindows 11で生まれ変わったマウス「DAIV 5N」。RTX 3060搭載高性能ノートの実力を検証
2021年11月30日 06:50
マウスコンピューターが10月に販売開始した、クリエイター向けブランドDAIVの15.6型ノートPC「DAIV 5N [Windows 11]」。従来機「DAIV 5N」の後継品にあたり、製品名の通りOSに最新の「Windows 11 Home」を搭載するほか、CPUにIntelのノートPC向けハイエンドSKU「Core i7-11800H」を採用するなど、性能面/機能面での更新を図ったモデルだ。
直販価格はメモリ16GBモデルが23万780円、32GBモデルが25万2,780円で、シーンを問わず快適なクリエイティブ用途を求めるユーザーにおすすめできる。
この記事ではDAIV 5N [Windows 11]の製品サンプルをもとに、特徴や使い勝手などのインプレッション、およびベンチマークによる性能チェックを実施していく。
OSに加え、CPUの世代更新により総合性能が向上
【表】DAIV 5N [Windows 11]の主なスペック | ||
---|---|---|
CPU | Core i7-11800H(8コア/16スレッド/2.3GHz/TB時最大4.6GHz/24MBスマートキャッシュ) | |
チップセット | Intel HM570 チップセット | |
GPU | GeForce RTX 3060 Laptop GPU(6GB GDDR6)/Intel UHDグラフィックス | |
メモリ | 16GB(DDR4-3200、8GB×2/デュアルチャネル) | 32GB(DDR4-3200、16GB×2/デュアルチャネル) |
ストレージ | 512GB(M.2NVMe SSD) | 1TB(M.2NVMe SSD) |
ディスプレイ | 15.6型WQHD(2,560×1,440ドット)非光沢(LEDバックライト) | |
OS | Windows 11 Home | |
ネットワーク | 2.5Gigabit Ethernet、Intel Wi-Fi 6 AX201(最大2.4Gbps)+Bluetooth 5モジュール内蔵 | |
バッテリ駆動時間 | 約6時間 | |
本体サイズ(幅×奥行き×高さ) | 355.5×236.7×20.6mm | |
重量 | 約1.73kg | |
直販価格 | 23万780円 | 25万2,780円 |
まずはハードウェアの基本的な構成を確認していこう。従来製品からの大きな変更点と言えるのが、10月にリリースされたばかりのOSであるWindows 11 Homeを搭載していることだ。
OSの更新というと互換性に不安を覚える読者もいるかもしれないが、筆者がこれまでWindows 11を試した限り、Adobe系のアプリや有名どころのPCゲームタイトル、Officeスイートといった各種アプリは問題なく動作しており、少なくともメジャーなアプリを活用する上では大きな問題はないと思われる。Windows 10とは使い勝手が異なる面もあるが、このあたりは慣れの問題だろう。
マルチタスク向けのスナップレイアウト機能やTeamsの統合など、基本的にはニューノーマルな働き方を強く意識したOSということもあって、ビジネスで本製品を活用する場合の相性はそれほど悪くないと思われる。
もう一つの大きな変更が、CPUにノートPC向けIntel第11世代のCore i7-11800Hを採用する点だ。
Tiger Lake世代のノートPC向けハイエンドSKUであるCore i7-11800Hは、従来製品に搭載されていたCore i7-10870Hとコア/スレッド数こそ変わらないものの、10nm SuperFinプロセスの導入といった変更で性能が大幅に向上している。
本製品に関しては、従来モデルからシングルスレッド性能で約24%、マルチスレッド性能で約20%の向上を謳っており、CPU性能に関しては大きなジャンプアップを果たしていると言っていいだろう。
GPUのGeForce RTX 3060 Laptopは、ミドルクラスのクリエイティブ/ゲーミングPCでは鉄板のチョイス。本製品はディスプレイ解像度がWQHD(2,560×1,440ドット)までということもあり、フルHD(1,920×1,080ドット)~WQHD解像度の素材を利用した映像編集であれば性能的には十分だろう。
ビデオメモリが6GBなので、高解像度の映像編集をメインにするような用途ではやや心もとないが、極端に高い負荷のかかる処理を行なわない場合は4K映像などの編集も可能なはずだ。
ディスプレイはサイズが15.6型、解像度は先に述べた通りWQHDまで対応で、色域はsRGB比100%を謳う。なお、本製品は特にゲーミング向けというわけではないのだが、パネル自体は165Hzのハイリフレッシュレート仕様だ。映像編集などではそれほど有用とは言えないが、息抜きにPCゲームをプレイするような場面では役立ってくれるだろう。
メインメモリの容量は16GB(DDR4-3200、8GBデュアルチャネル)または32GB(DDR4-3200、16GBデュアルチャネル)。従来モデルはDDR4-2666動作だったため、このあたりも地味ながら性能アップに寄与しているポイントだ。
ストレージは512GBまたは1TBのNVMe SSDであり、どちらも今どきのノートPCとしては一般的だ。大量の写真や重めの動画ファイルを複数保存しておくのであれば、購入時のカスタマイズメニューから最大で2TBまでのアップグレードメニューを適用するのもいいだろう。
ネットワークに関しては、本体背面のGigabit Ethernetに加え、内蔵するIntel AX201モジュールによるWi-Fi 6無線通信にも対応する。自宅では有線で接続し、外出先では無線に切り替えるなど、シーンに合わせた柔軟な選択が可能だ。
本体重量は1.73kgと比較的軽量、Thunderbolt 4も利用可能
続いて、本体の外観やインターフェイス類をチェックしよう。本体サイズはおよそ355.5×236.7×20.6mm(幅×奥行き×高さ)で、筐体そのものは従来モデルやゲーミング向けの「G-Tune E5」と同様のものだ。
ディスプレイの上辺および左右辺のベゼルを狭めたナローベゼルデザインにより、15.6型サイズのノートPCとしては比較的コンパクトで、本体重量は約1.73kg。PC単体では2kg以下に収まっており、実測約840g前後のACアダプタを加えても、合計重量は約2.6kgほど。日々の持ち歩きに十分耐えられる範囲だろう。
インターフェイスは、HDMI端子、Thunderbolt 4、USB 3.0×2、USB 3.1、microSDカードスロット、Gigabit Ethernet、ヘッドフォン出力端子、マイク入力端子。また、ディスプレイ上部には100万画素のWebカメラを内蔵しており、Windows Helloによる顔認証を利用可能だ。
新たにThunderbolt 4の接続に対応したため、外付けのHDDやSSD、カードスロット、ディスプレイの接続に活用できるなど、従来モデルよりも取り回しは良好と言えそうだ。
キーボードは合計100キー、テンキーありの日本語配列を採用。キーピッチは18.75mm、キーストロークは1.4mmで、どちらもモバイルノートPCよりは余裕のある作りだ。Enterキーの列とテンキー列の間が詰まっているあたりは人によってタイプミスを誘発しそうだが、テンキーありのノートPCにはありがちな問題でもあり、慣れるほかないだろう。
キーボードバックライトはRGB LEDによりマルチカラーで発光する。プリインストールアプリの「Control Center」から発光パターンとカラーを調整可能で、パターンは「虹色」や「ブリーズ」(呼吸)などオーソドックスなものを用意。必要がなければ、アプリやファンクションキーから完全に消灯することも可能だ。
DAIV 5N [Windows 11]の性能をベンチマークでチェック
では、DAIV 5N [Windows 11]の性能をいくつかのベンチマークで計測してみよう。今回はメモリ16GBモデルのサンプル機を使用し、「Cinebench R23」「PCMark 10」「3DMark」「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」「UL Procyon」といった各種ベンチマークアプリに加え、簡単な写真編集、動画編集のテストを実施した。
なお、計測時の本体動作モードは工場出荷時の「バランスモード」ではなく、性能が向上する「パフォーマンスモード」を選択している。
【表】ベンチマーク結果 | |
---|---|
Cinebench R23 | |
CPU(Multi Core) | 11,261pts |
CPU(Single Core) | 1,530pts |
PCMark 10 v2.1.2519 | |
PCMark 10 Score | 6,091 |
Essentials | 8,481 |
App Start-up Score | 8,952 |
Video Conferencing Score | 7,725 |
Web Browsing Score | 8,822 |
Productivity | 8,221 |
Spreadsheets Score | 11,155 |
Writing Score | 6,060 |
Digital Content Creation | 8,796 |
Photo Editing Score | 12,266 |
Rendering and Visualization Score | 11,301 |
Video Editting Score | 4,910 |
PCMark 10 Modern Office Battery Life | 5時間47分 |
3DMark v2.20.7250 | |
Time Spy Extreme score | 3,969 |
Time Spy Extreme Graphics score | 3,917 |
Time Spy Extreme CPU score | 4,299 |
Time Spy score | 8,178 |
Time Spy Graphics score | 8,145 |
Time Spy CPU score | 8,373 |
Fire Strike Ultra score | 5,196 |
Fire Strike Ultra Graphics score | 5,049 |
Fire Strike Ultra Physics score | 22,853 |
Fire Strike Ultra Combined score | 2,680 |
Fire Strike Extreme score | 9,905 |
Fire Strike Extreme Graphics score | 10,220 |
Fire Strike Extreme Physics score | 23,336 |
Fire Strike Extreme Combined score | 4,730 |
Fire Strike score | 18,820 |
Fire Strike Graphics score | 21,489 |
Fire Strike Physics score | 23,262 |
Fire Strike Combined score | 8,487 |
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク | |
1,920×1,080ドット 最高品質 | 15,492 |
2,560×1,440ドット 最高品質 | 11,758 |
UL Procyon v2.0.279 | |
Photo Editing Benchmark score | 6,375 |
Image Retouching score | 6,094 |
Batch Processing score | 6,670 |
Video Editing score | 5,011 |
Lightroom Classic | |
動画書き出し時間 | 5分30秒42 |
Premiere Pro | |
動画書き出し時間 | 5分54秒85 |
Cinebench R23のスコアは、マルチスレッドテストのスコアが11,261pts、シングルテストのスコアが1,530pts。過去に従来モデルと同様のCore i7-10870H搭載ノートPCでベンチマークを実施した際は、マルチテストで10,000pts前後、シングルテストで1,200pts前後の結果だったため、かなり性能が向上しているのは確かだろう。
特に写真の書き出しといった作業はCPU性能が重要になるため、性能面でのアドバンテージが大きいはずだ。なお、工場出荷時のバランスモードで計測した場合はマルチテストのスコアが8,700pts前後まで低下してしまったため、負荷の高い作業をする場合は動作モードを変更することを推奨したい。
PCMark 10および3DMarkは、どちらも妥当な結果だろう。PCMark 10はどのテストグループでも優秀なスコアが出ており、本製品の主な用途であるDigital Content Creationの総合スコアは8,796となった。個別に見ていくとPhoto Editing Scoreが特に良好で、更新されたCPUの性能が発揮されたと言ってよさそうだ。
3DMarkに関しては、CPUとGPUがいずれもミドルクラスのゲーミングPC水準の性能であることから、内部的に4K解像度で描画されるTime Spy Extremeのようなテストを除き、満足な結果が出ている。先に述べた通りディスプレイがハイリフレッシュレート仕様であることから、本来の用途からは外れるもののゲーミングPCとしての利用にも期待が持てるだろう。
実際、ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマークでは、どちらのテストでも高い水準のスコアが計測できた。
プロクリエイター向けの写真・動画編集系のテストであるUL Procyonは、どちらの結果もノートPCとしては優秀だ。写真編集に関しては、データのレタッチ時の快適さを測るImage Retouching score、バッチ処理の快適さを測るBatch Processing scoreのスコアがどちらも6,000を超えており、作業フローを通してスムーズな動作が期待できる。
一方のVideo Editing scoreは約5,000前後と、写真編集系には若干見劣りするが、こちらも十分に健闘しているスコアだ。写真と動画編集、どちらの用途でもある程度の快適さは保証されているだろう。
実際の素材を使った書き出し時間の計測も実施してみた。Lightroom Classicでは、299枚のNEFファイル(7,360×4,912ドット、容量12.5GB)を最高画質のJPEG画像に書き出すまでの時間を計測したところ、結果は5分30秒42となった。過去に第10世代Coreプロセッサを搭載したクリエイティブ向けのノートPCで計測した際は7~9分台が当たり前であったため、本製品の処理はかなり高速と言えそうだ。
一方、Premiere Proでの動画書き出しに関しては、再生時間7分41秒の4K動画素材(容量2.5GB)を、形式「HEVC(H.265)」、プリセット「4K UHD」でMP4ファイルとして書き出すまでの時間を計測している。こちらは5分54秒と、おおよそ6分程度で作業が完了した。外出先にノートPCを持ち出して素材を撮影し、そのまま編集して書き出しといったような使い方も十分に可能だろう。
シーンを問わず、快適なクリエイティブ作業を実現
ここまで見てきたように、「DAIV 5N [Windows 11]」はクリエイティブな使用に耐えうる十分な性能を備えたノートPCだ。従来モデルと比べた場合、特にCPU性能の向上もあって、よりキビキビとした動作が期待できるのが魅力だろう。
メモリとSSD容量の異なる2モデルをラインナップしているため、どちらを購入するべきかは悩みどころだが、SSD容量の不足はThunderbolt 4接続の外付けストレージなどである程度対応できることから、純粋に必要なメモリの容量で選ぶのがおすすめだ。