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新筐体にフルモデルチェンジされた「MacBook Air」を実機レビュー

Apple「MacBook Air」134,800円~

 Appleは、新筐体でフルモデルチェンジした新型「MacBook Air」を10月30日に発表、11月7日に販売を開始した。

 前モデルのMacBook Airは2012年6月12日に発表され、Mid 2012、Mid 2013、Early 2014、Early 2015、Mid 2017とモデルチェンジされてきたが、2017年に発売されたMid 2017でも第5世代(Broadwell)のプロセッサが採用されており、ほかの製品に比べて明らかにアーキテクチャが古かった。新型MacBook Airでは第8世代(Amber Lake Y)のCore i5が採用されており、最新アーキテクチャに刷新されたことになる。

 今回Appleより新型MacBook Airの標準構成上位モデル(Core i5/メモリ8GB/ストレージ256GB)を借用したので、製品概要、性能、AV品質、操作性などについてレビューしていこう。

標準構成モデルは2機種だけ、メモリとストレージのみカスタマイズ可能

 新型MacBook Airの標準構成は2モデルのみ。下位/上位モデルの両方に、CPUは第8世代(Amber Lake Y)の「Core i5-8210Y」(2コア4スレッド、1.6~3.6GHz)、メモリは8GBのLPDDR3-2133 SDRAMを採用。ストレージのみ差別化が図られており、下位モデルに128GB 、上位モデルに256GBのPCIe接続SSDが搭載されている。

 Apple Storeなどで購入するさいにカスタマイズできるのはメモリ、ストレージ、キーボードのみ。CPUは変更できない。

 メモリは8GB/16GB、ストレージは256GB/512GB/1.5TB、キーボードは日本語(JIS)/英語(米国)/英語(英国)/中国語 - 拼音/中国語 – 注音/韓国語/スペイン語から選択が可能だ。ちなみにメモリを16GB、ストレージを1.5TBに選択した場合の税別価格は288,800円、税込価格は311,904円となる。

 Core i5-8210Yは新型MacBook Air発表とほぼ同時期に追加されており、Core i5-8200Yとベースクロック、ターボブースト時の最大クロック、TDP、対応メモリ、内蔵グラフィックスなどが異なっている。Core i5-8210YはCore i5-8200Yと比べると、ターボブースト時の最大クロック以外はスペックが上回っているが、Uプロセッサよりもさらに低消費電力なYプロセッサであることには変わりない。性能に過大な期待は禁物だ。

【表1】13インチ MacBook Airの標準構成モデル
モデル名Touch ID
1.6GHzデュアルコアプロセッサ(Turbo Boost使用時最大3.6GHz)
128GBストレージ
Touch ID
1.6GHzデュアルコアプロセッサ(Turbo Boost使用時最大3.6GHz)
256GBストレージ
OSmacOS Mojave 10.14.1
CPUCore i5-8210Y(2コア4スレッド、1.6~3.6GHz)
GPUIntel UHD Graphics 617(300MHz~1.05GHz)
メモリLPDDR3-2133 SDRAM 8GB
ストレージ128GB PCIe SSD256GB PCIe SSD
ディスプレイ13.3インチIPS液晶(2,560×1,600ドット、227ppi、アスペクト比16:10、LEDバックライト、光沢、タッチ非対応)
インターフェイスThunderbolt 3(充電、DisplayPort、Thunderbolt : 最大40Gbps、USB Type-C 3.1 Gen 2 : 最大10Gbps)×2、3.5mmヘッドフォンジャック
セキュリティTouch ID(指紋認証センサー)
バッテリ容量50.3Wh
バッテリ駆動時間ワイヤレスインターネット接続 : 最大12時間、ローカルムービー再生 : 最大13時間、スタンバイ : 最大30日
バッテリ充電時間記載なし
サイズ(幅×奥行き×高さ)約304.1×212.4×4.1~15.6mm
重量約1,250g
アプリiMovie、GarageBand、Pages、Numbers、Keynoteなど
カラーゴールド、シルバー、スペースグレイ
価格134,800円156,800円
【表2】13インチMacBook Airのカスタマイズ項目※ストレージ128GBモデルを基準にした場合
メモリ8GB 標準
16GB プラス22,000円
ストレージ128GB SSD 標準
256GB SSD プラス22,000円
512GB プラス44,000円
1.5TB SSD プラス132,000円
キーボードバックライトキーボード – 日本語(JIS) 標準
バックライトキーボード – 英語(米国) プラス0円
バックライトキーボード – 英語(英国)  プラス0円
バックライトキーボード – 中国語 - 拼音 プラス0円
バックライトキーボード – 中国語 – 注音 プラス0円
バックライトキーボード – 韓国語  プラス0円
バックライトキーボード – スペイン語  プラス0円
メモリを16GB、ストレージを1.5TBに選択した場合の税別価格は288,800円、税込価格は311,904円
【表3】Core i5-8210YとCore i5-8200Yのおもな違い
Core i5-8210YCore i5-8200Y
希望カスタマー価格281ドル291ドル
コア数2
スレッド数4
ベースクロック1.60GHz1.30GHz
TB時の最大クロック3.60GHz3.90GHz
TDP7W5W
対応メモリLPDDR3-2133、DDR3L-1600LPDDR3-1866、DDR3L-1600
内蔵グラフィックスIntel UHD Graphics 617Intel UHD Graphics 615

MacBook Pro未満、MacBook以上の体積・重量のくさび形筐体

 新型MacBook Airのサイズ/重量は約304.1×212.4×4.1~15.6mm/約1,250g。「13インチMacBook Pro」が約304.1×212.4×14.9mm/約1,370g、「MacBook」が約280.5×196.5×3.5~13.1mm/約920gなので、新型MacBook AirはMacBook Pro未満、MacBook以上の体積・重量ということになる。カラーはゴールド、シルバー、スペースグレイの3色だ。

 ディスプレイは13.3インチIPS液晶(2,560×1,600ドット、227ppi、アスペクト比16:10、LEDバックライト、光沢、タッチ非対応)を採用。輝度、色域は公表されておらず、環境光に合わせて色味を変化させる「True Toneテクノロジー」には対応していない。

 インターフェイスはThunderbolt 3(充電、DisplayPort、Thunderbolt:最大40Gbps、USB Type-C 3.1 Gen 2:最大10Gbps)×2、3.5mmヘッドフォンジャックを搭載。またワイヤレス接続機能としては、IEEE 802.11ac対応のWi-Fi、Bluetooth 4.2をサポートしている。

 キーボード面右奥には、指紋認証システム「Touch ID」用の指紋認証センサーを一体化した電源ボタンを配置。Touch IDの採用に合わせて、ロック解除、書類の認証、オンラインでの支払い、ストレージのデータ保護、Siriの常時待機に利用される「Apple T2 Securityチップ」が搭載されている。ただしファンクションキーは、アプリによって機能が変化するディスプレイ型インターフェイス「Touch Bar」ではなく、12個の物理的なボタンが搭載されている。

 バッテリは50.3Whのリチウムポリマーバッテリが採用されており、ワイヤレスインターネット接続は最大12時間、ローカルムービー再生は最大13時間、スタンバイは最大30日がうたわれている。

 初代MacBook Airは「The world's thinnest notebook(世界最薄のノートブック)」というキャッチコピーで2008年に世に登場した。しかしいまでは、12インチディスプレイとはいえ薄さ、軽さをさらに追求したMacBookが存在する。製品の位置づけとネーミングが少々ややこしい状況となっているのは事実だ。

本体天面
本体底面
本体前面
本体背面
本体右側面。3.5mmヘッドフォンジャックを用意
本体左側面。Thunderbolt 3(充電、DisplayPort、Thunderbolt : 最大40Gbps、USB Type-C 3.1 Gen 2 : 最大10Gbps)×2を配置
ディスプレイは、13.3インチIPS液晶(2,560×1,600ドット、227ppi、アスペクト比16:10、LEDバックライト、光沢、タッチ非対応)を搭載
キーボード面には、指紋認証システム「Touch ID」を一体化した電源ボタンを右奥に配置。ファンクションキーは、ディスプレイ型インターフェイス「Touch Bar」ではなく、12個の物理的なボタンが採用されている。キーボードは日本語(JIS)/英語(米国)/英語(英国)/中国語 - 拼音/中国語 – 注音/韓国語/スペイン語から選択可能
同梱物一覧。左上からMacBook Air本体、30W USB-C電源アダプタ、USB-C充電ケーブル(2 m)、クイックスタートガイド、安全性に関する注意事項、PCリサイクル、ロゴシール
30W USB-C電源アダプタのプラグの刃は出し入れ可能。なおUSB-C充電ケーブルは撮影のために筆者がモビロンバンドで固定している
30W USB-C電源アダプタの仕様は、入力100-240V~0.75A、出力20V/1.5A、15V/2A、9V/3A、5V/3A、容量は30W
本体の実測重量は約1230g
30W USB-C電源アダプタ、USB-C充電ケーブル(2 m)の合計重量は実測165.3g
MacBook Airのサイズ/重量は約304.1×212.4×4.1~15.6mm/約1,250g、13インチMacBook Proが約304.1×212.4×14.9mm/約1,370g。最厚部はMacBook Airのほうが厚いが、くさび形筐体によりトータルでは薄く仕上げられている。また重量はMacBook Airのほうがカタログ値で120g軽い

AirとProでは想像していた以上に性能差がある

 Yプロセッサを採用した新型MacBook Airはどのぐらいの性能を備えているのだろうか? 今回は下記のベンチマークを実施した。

  • CPU/GPUベンチマーク「CINEBENCH R15.0」
  • CPU/GPUベンチマーク「Geekbench 4.3.1」
  • グラフィックスベンチマーク「GFXBench Metal」
  • ストレージベンチマーク「Blackmagic Disk Speed Test」
  • ストレージベンチマーク「AmorphousDiskMark 1.0.2」
  • 「Adobe Lightroom Classic CC」で100枚のRAW画像の現像
  • 「Adobe Premiere Pro CC」で4K動画の書き出し
  • 「DaVinci Resolve 15.2」で4K動画の書き出し
  • 「iMovie」で4K動画の書き出し
  • WebブラウザでYouTube動画を連続再生した動作時間

 比較対象機種としてはCore i5-8259Uを搭載する13インチMacBook Proを使用した。MacBook Proのほうが性能が高いのは当然だが、YプロセッサとUプロセッサでどのぐらいの性能差があるのか確認するため比較対象機種として選定した。

下記が検証機の仕様とベンチマークの結果だ。

【表4】検証機の仕様
MacBook Air13インチMacBook Pro
CPUCore i5-8210Y(2コア4スレッド、1.6~3.6GHz)Core i5-8259U(4コア8スレッド、2.30~3.8GHz)
GPUIntel UHD Graphics 617(300MHz~1.05GHz)Intel Iris Plus Graphics 655(300MHz~1.05GHz)
メモリLPDDR3-2133 SDRAM 8GB
ストレージ256GB PCIe SSD512GB PCIe SSD
TDP7W28W
OSmacOS Mojave 10.14.1
【表5】ベンチマークの結果
MacBook Air13インチMacBook Pro
CINEBENCH R15.0
OpenGL34.45 fps56.74 fps
CPU266 cb718 cb
CPU(Single Core)122 cb152 cb
Geekbench 4.3.1
64-bit Single-Core Score42424630
64-bit Multi-Core Score770717166
OpenCL(iGPU)2102834951
Metal(iGPU)2199835299
GFXBench Metal
Aztec Ruins (High Tier)435.449 Frames997.232 Frames
1440p Aztec Ruins (High Tier) Offscreen618.382 Frames1428.67 Frames
Aztec Ruins (Normal Tier)692.063 Frames1573.21 Frames
1080p Aztec Ruins (Normal Tier) Offscreen1680.68 Frames3813.77 Frames
Car Chase564.082 Frames1161.78 Frames
1080p Car Chase Offscreen1374.84 Frames2783.17 Frames
1440p Manhattan 3.1.1 Offscreen1189.34 Frames2615.79 Frames
マンハッタン833.821 Frames1782.84 Frames
1080p マンハッタン オフスクリーン2123.85 Frames4595.77 Frames
マンハッタン(オリジナル)1429.91 Frames2936.77 Frames
1080p マンハッタンオフスクリーン(オリジナル)3040.32 Frames6668.38 Frames
ティラノサウルス レックス2791.31 Frames3355.86 Frames
1080p ティラノサウルスレックス オフスクリーン5394.76 Frames11711 Frames
ALU 21272.26 Frames1797.2 Frames
1080p ALU 2 Offscreen5220.12 Frames12782 Frames
Driver Overhead 21731.38 Frames1795.5 Frames
1080p Driver Overhead 2 Offscreen5104.38 Frames8325.09 Frames
Fill 27827 Mtexel/s20160 Mtexel/s
1080p Fill 2 Offscreen7689 Mtexel/s20137 Mtexel/s
Blackmagic Disk Speed Test(単位:MB/s)
WRITE 1回目916.81784.3
WRITE 2回目925.91776.3
WRITE 3回目936.31814.7
WRITE 4回目915.61831.2
WRITE 5回目891.01818.0
WRITE 平均917.11804.9
READ 1回目2042.52630.8
READ 2回目1859.82619.7
READ 3回目2041.02629.5
READ 4回目2039.12635.5
READ 5回目2036.72633.6
READ 平均2003.82629.8
Adobe Lightroom Classic CCで100枚のRAW画像を現像
7,952☓5,304ドット、カラー - 自動設定16分8秒336分16秒18
Adobe Premiere Pro CCで実時間5分の4K動画を書き出し
3,840×2,160ドット、30fps(OpenCL)8分51秒096分9秒38
3,840×2,160ドット、30fps(Metal)9分20秒216分34秒52
DaVinci Resolve 15.2で実時間5分の4K動画を書き出し
3,840×2,160ドット、YouTube(2160p)23分20分29秒17分10秒53
iMovieで実時間5分の4K動画を書き出し
3,840×2,160ドット、29.97fps(品質:高、圧縮:高速)9分44秒283分31秒99
YouTube動画を連続再生した動作時間
ディスプレイの明るさ6/16、音量6/169時間38分35秒

 MacBook AirとMacBook Proには想像していた以上に性能差があったというのが率直な感想だ。Uプロセッサも低消費電力を目的にしているが、Yプロセッサはさらに消費電力を抑えるためにCore i5-8210YはTDPが7Wで設計されており、またコア数、スレッド数もCore i5-8259Uの半分の2コア4スレッドだ。

 ストレージはどちらもPCIe接続のSSDが採用されているが、リード、ライトともにMacBook AirはMacBook Proよりもかなり転送速度が低い結果となった。とくに書き込み速度は約2分の1にとどまっている。

 実アプリで大差となったのがAdobe Lightroom Classic CCで、100枚のRAW画像を現像するのにMacBook AirはMacBook Proの2.57倍の時間がかかっている。メモリを8GB搭載しているだけに処理自体に不安定さはないが、クリエイティブ系アプリで重たい処理をこなすさいにはMacBook ProやiMacなど処理性能に優れるマシンを使いたいところだ。

 なお、室温20.4℃の部屋でCINEBENCH R15のCPUを連続5回実行したさいの発熱をサーモグラフィカメラ「FLIR ONE」で計測したところ、キーボード面の最大温度は43.7℃、底面の最大温度は39.0℃、ACアダプタの最大温度は28.3℃だった。低消費電力のYプロセッサを採用しているだけに、MacBook Airの発熱はUプロセッサ搭載ノートPCより低めのようだ。

室温20.4℃の部屋でCINEBENCH R15のCPUを連続5回実行したさいのキーボード面の最大温度は43.7℃
底面の最大温度は39℃
ACアダプタの最大温度は28.3℃

ディスプレイはDisplay P3非対応、サウンドは2スピーカーながら好印象

 つぎにビジュアル、サウンド品質をチェックしてみよう。前述のとおり、MacBook Airには13.3インチIPS液晶ディスプレイ(2,560×1,600ドット、227ppi、アスペクト比16:10、LEDバックライト、光沢、タッチ非対応)が採用されている。輝度や色域は公表されておらず、環境光に合わせて色味を変化させる「True Toneテクノロジー」にも対応していない。

 今回、色域をディスプレイキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で計測してみたが、sRGBカバー率が94.7%、sRGB比が99.5%、Adobe RGBカバー率が73.4%、Adobe RGB比が73.8%、Display P3カバー率が73.4%、Display P3比が73.4%という結果だった。P3(Display P3)に対応するMacBook Pro、iPad Pro、iPhoneXS/XS Max/XRと表示できる色の範囲が大きく異なる点には留意しておこう。

 一方サウンド面はかなり健闘しているというのが率直な感想だ。ボリューム自体はMacBook Proよりも低いし、本体底面にスピーカーが搭載されていないために音の広がりも少々物足りない。しかしキーボード面両脇の特等席に大型スピーカーを設置しているおかげで、伸びやかかつ低音に迫力のあるサウンドを楽しめる。映画、ミュージックビデオなどさまざまなコンテンツで臨場感を高めてくれるはずだ。

13.3インチIPS液晶ディスプレイ(2,560×1600ドット、227ppi、アスペクト比16:10、LEDバックライト、光沢、タッチ非対応)を採用
ディスプレイキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で実測したsRGBカバー率は94.7%、sRGB比は99.5%
Adobe RGBカバー率は73.4%、Adobe RGB比は73.8%
Display P3カバー率は73.4%、Display P3比は73.4%
環境光に合わせて色味を変化させる「True Toneテクノロジー」に対応していないため、ディスプレイの設定画面に項目が存在しない
キーボード面両脇の特等席に大型スピーカーを内蔵している
YouTubeで公開されている「前前前世(movie ver.) RADWIMPS MV」を最大ボリュームで再生したさいの音圧レベルは最大81.5dBA(50cmの距離で測定)

キーボードはMacBook Proの第3世代相当、トラックパッドはやや小ぶり

 キーボードの打鍵感自体はMacBook Proと大きな違いはないと感じた。旧MacBook Airで採用されていたシザー構造からバタフライ構造に変更されることで、キーの安定性が4倍向上しているとAppleはうたっている。

 MacBook Proのバタフライ構造キーボードには「第1世代」、打鍵感を改善した「第2世代」、チリやゴミ混入による故障を防ぐためにシリコン膜を追加した「第3世代」が存在するが、iFixitがYouTubeで公開している「MacBook Air 13" Retina 2018 Teardown!」を参照すると、第3世代もしくはそれ以降の世代のキーボードが採用されているようだ。

 ただしMacBook Airと第3世代のキーボードを搭載するMacBook Proの2018年モデルで打ち比べてみると、打鍵音はMacBook Airのほうがあきらかに「ペンペンペン」と高めの音質だ。あくまでも推測だが、同じバタフライ構造を採用していても、キーボードの材質や、キーボードを支える構造などが異なっている可能性がある。

 キーの配列、キーピッチなどはMacBook AirとMacBook Proは同じ。しかしトラックパッドはMacBook Airのほうがひとまわりせまい実測約120×82mmとなっている。とはいえそれでもジェスチャ操作に十分すぎるほどの広さだ。もちろん、キーボード全体が沈み込む「ダイビングボード構造」ではなく、振動でクリック感を再現する「感圧タッチトラックパッド」が搭載されている。

指紋認証システム「Touch ID」を一体化した電源ボタンを右上に配置
ロック解除、書類の認証、オンラインでの支払い、ストレージのデータ保護、Siriの常時待機に利用される「Apple T2 Securityチップ」が搭載
キーピッチは実測約19mm
トラックパッドは手のひらがふれるほど大きいが、誤動作しないように手のひらがふれても反応しないようにチューニングされている
16段階に調整可能なバックライトを内蔵
MacBook AirのトラックパッドはMacBook Proよりひとまわり小さい実測約120×82mm

MacBook Airは現在もっとも安いMacのノートPCだが……

 Apple Storeの直販価格で比較するとMacBook(Core m3/8GBメモリ/256GBストレージ)が142,800円から、MacBook Air(Core i5/8GBメモリ/128GBストレージ)が134,800円から、MacBook Pro(Core i5/8GBメモリ/128GBストレージ)が142,800円から、Touch Bar搭載MacBook Pro(Core i5/8GBメモリ/256GBストレージ)が198,800円からとなっており、MacBook Airは現在もっとも安いMacノートということになる。

 MacBook AirとMacBook Proでは、Webブラウザやオフィスアプリなどの一般的な用途で体感できるような差はないと思う。しかし今回のベンチマークで判明したとおり、Yプロセッサを搭載するMacBook Airの性能は決して高くなく、その差はクリエイティブ系アプリで顕著に表われる。またより長く最新のOS、アプリをストレスなく利用できるのもMacBook Proであることは間違いない。

 価格やデザイン性を重視するならMacBook Airは最右翼の存在だ。しかしAppleには多くのノートブックの選択肢が存在する。購入を検討するさいにはMacBook Airの最上位構成と、MacBook Proの再下位構成を比較するなど、機種の境を越えて検討することを強くおすすめする。