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マウス、新筐体となった「G-Tune NEXTGEAR-MICRO」

~ゲーミングらしからぬフラットデザインでも中身は紛れもなくゲーミングPC

マウスコンピューター「G-Tune NEXTGEAR-MICRO 」

 マウスコンピューターのゲーミングPCブランド「G-Tune」の主力であるNEXTGEARシリーズが6月にリニューアルされた。NEXTGEARシリーズは、拡張性に優れたATXをモデル「NEXTGEAR」と、もう少しコンパクトなmicroATXベースのマイクロタワーモデル「NEXTGEAR-MICRO」をラインナップしている。今回試すのは後者のNEXTGEAR-MICROだ。

製品クラスによる違い

 昨今はマルチGPUも一時期ほど盛んでなく、オンボード機能が充実したことで拡張カードをPCに挿す機会も減ったため、マイクロタワーモデルの人気が高い。

 そんなNEXTGEAR-MICROには、現在Intelの第8世代Coreプロセッサを搭載する「im610SA1」シリーズがラインナップされている。搭載するGPUによってブロンズ~プラチナまで4つのグレードに分かれているが、今回はミドルレンジのシルバーモデルから、「im610SA1-SP-C」をお借りした。

 本製品の前に、G-Tuneのラインナップを整理しておくと、前述のNEXTGEAR、NEXTGEAR-MICROのほか、ハイエンドの「MASTERPIECE」、Mini-ITXベースのミニタワーの「LITTLEGEAR」がある。

 各シリーズには、搭載するGPUの違いでブロンズ(GeForce GTX 1050)、シルバー(GeForce GTX 1060)、ゴールド(GeForce GTX 1070)、プラチナ(GeForce GTX 1080/1080 Ti)といったグレードがあり、それぞれベースとなる最廉価のモデルに加え、CPUやメモリ、ストレージなどを強化したバリエーションがいくつか用意されている。

 シリーズごとに筐体のサイズが異なるので、設置スペースや求める拡張性などで選べばよい。NEXTGEAR-MICROはマイクロタワーという、机の下にも上にも設置できるサイズ感と、ビデオカード以外に拡張カード1枚分の拡張性が魅力。ブロンズ~プラチナの各グレードは求めるGPUパフォーマンスと予算で選ぶとよい。シルバーモデルが搭載するGeForce GTX 1060の場合、各ゲームにおける環境設定はフルHDの高画質あたりになる。

 最高画質を狙いたいならゴールド、4Kで楽しみたいならプラチナ、FPSゲームではなくMOBAやMMOあたりを楽しみたいならブロンズを選択するのがよいだろう。

 im610SA1のシルバーモデルのなかにも5つのバリエーションがあり、そのなかではim610SA1-SP-Cが上位モデルになる。シルバーの最廉価のモデルとの違いは、CPUやメモリ、ストレージの3つだ。

 im610SA1-SP-CではCPUが高性能なCore i7に、メモリは16GBという十分な容量に、ストレージは高速なSSDとゲームの保存先として大容量かつコストの安いHDDというデュアルドライブ構成になる。つまりGeForce GTX 1060のゲーミング性能に、快適で万能な足回りを組み合わせたイメージだ。

【表】G-Tune NEXTGEAR-MICRO im610SA1-SP-Cおもな仕様
製品名im610SA1-SP-C
OSWindows 10 Home
CPUCore i7-8700(3.20~4.60GHz、6コア12スレッド)
GPUGeForce GTX 1060(3GB)
メモリPC4-19200 DDR4 SDRAM(DDR4-2400) 16GB(8GB×2、デュアルチャネル)
マザーボード(チップセット)Intel B360チップセット搭載microATXマザーボード
ストレージ240GB SSD(SATA 6Gbps)+1TB HDD(SATA 6Gbps)
光学ドライブなし(スリム光学ドライブベイあり)
通信有線LAN(1000BASE-T)
インターフェイスUSB 3.1 Gen2 Type-A×4(背面×4)、USB 3.0 Type-A×2(前面×2)、USB 2.0 Type-A×2(背面×2)、PS/2×1、Gigabit Ethernet、サウンド(ラインイン、ラインアウト、ヘッドフォン[前面]、マイク[前面、背面])、PCI Exprss x16スロット×1(空きなし)、PCI Exprss x1スロット×2(空き×1)
本体サイズ/重量188.8×410.5×400mm(幅×奥行き×高さ)/10.8kg
税別価格139,800円(7月22日時点)

潔いシンプルさでどこに置いても落ち着く新デザイン

 G-TuneはゲーミングPCブランドで、その1シリーズのNEXTGEAR-MICROも当然同様だ。今回マウスコンピューターは、NEXTGEAR-MICROとATXモデルNEXTGEARの筐体リニューアル。それにさいし、ゲーマーにアンケートをとった上でニーズを汲み取った。そこで得られたフィードバックが、ゲーミングでもシンプルなデザイン、ハデなLEDは不要、そして筐体の上には物を置きたいといった点だった。

 じっさい、NEXTGEAR-MICROはゲーミングPCのわりには大人しいデザインで、ハデな意匠はない。前面、側面、天板部はともにフラット。吸気のためのスリットやフロントインターフェイスや、角となる部分を斜めにカットしている程度で、必要最低限と言えるだろう。天板部にはファン用の穴すらなく、物を置きたい放題だ。

 このようなデザインなので、おそらく搭載されているビデオカードやそのパフォーマンスを知らなければ、これがゲーミングPCと思わないかもしれない。3D性能が必要なビジネスデスクトップとしてオフィスにあっても違和感ない。

NEXTGEAR-MICRO新筐体は前面、左右側面、天板部をフラットに、全体をマットブラック塗装とした

 前面上部にはスリム光学ドライブベイがある。同社によれば、ゲームやアプリケーションのダウンロード販売が一般的となった今でも、光学ドライブのニーズは根強いとのこと。ただし、USB外付けドライブなどでも代替できることから、標準構成では搭載されず、BTOオプションとして提供している。評価機は標準構成で非搭載だったが、BTOではDVDスーパーマルチドライブやBDドライブが選択可能だ。

 その上の角の部分がフロントインターフェイスになる。この部分だけ光沢塗装なのはアクセントといったところ。インターフェイスとしては、マイクとヘッドフォン用のオーディオ入出力、USB 3.0 Type-A×2、そしてHDMI端子がある。

スリム光学ドライブ用のベイを1基設けている(ドライブはオプション)。その右は電源ボタン
前面上部にフロントインターフェイスを置く。HDMI端子が利用できるのはVRなどの用途で便利だ

 HDMI端子が前面に1つあることで、VRヘッドセットを接続するのに、わざわざ背面に接続することなく楽に着脱できる。同社によれば、一時的に取り付けたいサブディスプレイや、キャプチャBOXをここに接続するなど、VR以外の用途でもアイデア次第で活用できるとか。ここにHDMI端子があって損はないだろう。

 この前面HDMI端子は、単純に延長ケーブル式に実装されており、天板部の下を通ってケース背面から引き出される。その先はビデオカードのHDMI端子に挿せばよいといった具合だ。

 なお、VRヘッドセットとビデオカードの組み合わせ全般に言えることだが、ビデオカードのHDMI端子は1ポートであることが多く、その場合、通常利用するディスプレイはDisplayPortやDisplayPort→HDMI変換ケーブルなどを利用することになる。

前面のHDMI端子からは後部へとケーブルが伸びる。必要に応じて引き伸ばし、ビデオカードのHDMI端子に接続すれば前面のHDMI端子が利用可能になる

 背面からは、電源が上置きレイアウトであること、microATXマザーボード採用のため拡張スロットのブラケットが4つあること、背面ファンが12cm角×1基であるといったことがわかる。

 底面は四隅にインシュレーターを設け、そのほか前から後ろまでほぼフィルターのスペースとなっている。フィルターは柔らかな素材で、磁石を用いて簡単に着脱できる。そのため、ホコリを吸いやすい底面であるが、その侵入を防ぎつつメンテナンスも難しくない。

 また、背面から見える電源の位置、そしてフィルター部分の面積の大きさからわかるように、本製品では底面吸気を採用している。フィルターの直上にはビデオカードが置かれるので、GPUクーラーには常にフレッシュなエアが供給される。

背面もおうとつが少なくシンプル。電源上置きのレイアウトは、狙いがあってのものだ。I/Oバックパネルの端子は最低限の数だが、USB 3.1×4基は十分な数だろう
底面はほぼフィルターが占める。網目が細かく小さなホコリも捉えやすく、マグネット式なのでバリッと剥がせば後は水洗いでキレイになる

内部もスッキリ。BTOメーカーのノウハウが各所に見られる

 側面パネルは、今回のシルバーモデルでは一般的なものだが、プラチナモデルでは強化ガラスを用いたクリアサイドパネルも用意されている。通常タイプは上部のネジ2本を緩め、下辺を軸に開閉する。ネジは脱落防止タイプなので、紛失の恐れもない。

 クリアサイドパネル仕様があることが示すとおり、本製品の内部は「魅せる」ことも想定された設計だ。その特徴が、電源カバーと、前面パネルの後ろに設けられたケーブルマネジメント用のスペースである。電源カバーによって、電源の根本の煩雑なケーブルが隠され、裏面配線ではないものの、マネジメントスペースから引き出されたブラックケーブルは最低限の長さでコネクタまで伸びている。

通常タイプのサイドパネルはネジ2本で着脱する。側面パネルの2つのネジは脱落防止タイプ。クリアサイドパネルタイプはレバー式でさらに簡単に着脱できる
電源カバーやケーブルマネジメントスペースを設けることで、内部はスッキリ整頓されている
厳密に言えば裏面配線ではないが、電源ケーブルの根本はカバーによって隠され、そこから伸びるケーブルも、目的地付近までマネジメントスペースによって隠される
ケーブルマネジメントスペースは、側面からケーブルを引き出すため、裏面配線時よりもケーブルにかかるテンションが軽い。ムリな折り曲げによる断線防止の点でも効果もありそうだ

 ケース内部のファンは、背面の12cm角×1基のみ。つまり背面ファンと電源ファンで排気を行ない、吸気は底面フィルター部分や、各所に設けられたスリットから負圧によって空気を侵入させる。ファンの増設可能箇所は、前面パネル裏に12cm角×2基、底面に12cm角2基だ。

電源カバーの下側には穴があり、電源ファンをケースの排気にも利用できる
背面の12cm角ファンは特殊な形状のブレードで枚数を増やしたもの。ただし3ピンで接続されているので、細かな回転数制御はしていない様子なほか、動作音はやや大きかった

 マザーボードは、評価機ではASRockの「B360M」が採用されていた。microATXだが拡張スロットは3本と、一般的なmicroATXマザーボードの4本よりも少ない。ただし、ビデオカードの搭載が前提となれば、エアフローの関係で一般的に直下のスロットを使用することはない。その点では、使用できる拡張カードの枚数に違いはないと言える。空きスロットのPCI Exprss x1は、ビデオカードの上にある。こちらはGPUクーラーのエアフローを妨げないので、1スロット厚に限定されるものの柔軟に利用できるだろう。

Intel B360チップセットを搭載するmicroATXマザーボードASRock「B360M」が採用されていた。OCをせず定格で運用することが前提なので、コストパフォーマンス的にも最適なチップセット選択と言えるだろう

 メモリスロットは2本で、8GB×2本または16GB×2本の構成。標準では8GB×2本の16GBだ。搭載されていたモジュールは、Crucial製のPC4-19200(DDR4-2400) DDR4 SDRAM。Intel B360Mではクロックが1つ上のPC4-21300(DDR4-2666)にも対応しているが、そちらはBTOオプションの扱いになっている。

 本製品の場合、ビデオカードを標準搭載しているため、メモリを高速なものに変えるよりは、容量を重視したほうがよいだろう。16GBあればゲーミング用途には足りる。32GBが必要となるのは、ブラウザで膨大なタブ数のサイトを開いたままゲームをするような場合や、同時に配信を行なうような場合だろう。

 CPUは6コア12スレッドに対応したCore i7-8700。動作クロックは定格が3.2GHz、ターボブースト時が最大4.6GHz。ゲーミングには十分なスペックとクロックである。CPUクーラーはCooler Master製のトップフロー型モデルを採用していた。いわゆるリテールクーラーの強化版といったところだが、ファンの口径は小さめで、その分回転数はやや高く動作音もやや大きめに感じた。ここはBTOでカスタマイズも可能で、各モデルによって選択肢が変わるようだが、シルバーモデルの「NEXTGEAR-MICRO im610SA1-SP-C」では水冷クーラーも用意されている。

ヒートシンクのないスタンダードモジュールのDDR4-2400メモリを採用。8GB×2枚で16GBなら一般的な用途には十分だ
CPUクーラーはトップフロー型のものを採用。Cooler Master製だが、同社の製品情報でこれに該当するものは見つけられなかった

 ビデオカードは、シルバーモデル共通となるGeForce GTX 1060(3GB)。G-Tuneの場合はブロンズがGeForce GTX 1050のグレード、ゴールドがGeForce GTX 1070のグレード、プラチナがGeForce GTX 1080や1080 Tiとなる。

 搭載されていたカードは、リファレンスデザインに近いもので、カード後部のシロッコファンから吸気しブラケット部分のスリットから排気を行うタイプだ。GPUの熱を奪った熱いエアがケース内に拡散することがなく、背面から速やかに排気されるのがメリットだが、小径のシロッコファンは高回転になりがちで動作音が大きいのがデメリットだ。ケース内温度のマネジメントを重視した選択と言えるだろう。

ビデオカードはGeForce GTX 1060(3GB)でリファレンスデザインに近いモデル。また、VRAMが3GBなと少ないので、後のベンチマークではフルHDを超える高解像度・最高画質に引き上げた場合、収まりきらなくなることもあった
ビデオカードの後部の位置には、ビデオカードホルダーがある。カードと接続するものではないが、ビデオカードが大きくたわむようなときには支えとなる。安心材料の1つだ

 ストレージは電源の前方部分にベイを設けている。トレイ式の3.5インチ×1基と、その下に2.5インチ×2基(手前と奥)の取り付けができる構造で、借用機は1基づつ装着済みの状態だった。3.5インチ側はSeagateの1TB HDD「ST1000DM010」、2.5インチ側はKingstonの240GB SSD「SUV400S37240G」。どちらもSATA 6Gbps接続だ。このほかマザーボード上にM.2スロットがあるため、BTOではここにもNVMe SSDを搭載することができる。

 電源は80PLUS Bronze認証の奥行きが短いモデルで、ケーブルは直づけ、ブラックのすだれタイプになる。出力は500W。GeForce GTX 1060を運用する上ではちょうどよい出力で、実消費電力が250W前後と出力の半分、変換効率がよく発熱の小さいところで利用できそうだ。また、ストレージの追加や変更程度ではそこまで消費電力が上がらないので、電源を交換する必要があるとすれば、ビデオカードをさらに上位のグレードのものに載せ替える場合くらいだろう。

電源カバーの前方に3.5インチHDD、2.5インチSSDが搭載されていた
3.5インチ側はトレイ式、2.5インチ側は奥に設けられたツメと手前のネジで固定する。SATAコネクタと電源コネクタは裏から接続する必要がある
3.5インチHDDはSeagate「ST1000DM010」(1TB)
2.5インチSSDはKingston「SUV400S37240G」(240GB)

シルバーモデルはフルHDゲーミング向きの性能

 最後にベンチマークを見ていこう。ここでのスコアは、あくまでシルバーモデルのなかのim610SA1-SP-Cのものである。おそらくミドルタワー版NEXTGEARのシルバーモデルも似たような構成なのでスコアの参考になるかもしれないが、これがブロンズ、ゴールド、プラチナモデルになるとスコアも大きく変わってくる。そこを念頭にスコアを見ていただきたい。

 それではまずはほかの製品と比較しやすい指標となるベンチマークとして、アプリケーションベンチマークの「PCMark 10」、3Dベンチマークの「3DMark」、VRベンチマークの「VRMark」、CPUベンチマークの「CINEBENCH R15」を見ていこう。

【表】ベンチマーク結果1
ベンチマークスコア
PCMark 10 v1.1.1739
Extended Score5239
Essentials8561
App Start-up Score11591
Video Conferencing Score6017
Web Browsing Score8997
Productivity5859
Spreadsheets Score5348
Writing Score6420
Digital Content Creation4602
Photo Editing Score3316
Rendering and Visualization Score8737
Video Editing Score3365
Gaming8820
Fire Strike Graphics Score11861
Fire Strike Physics Score18183
Fire Strike Combined Score4335
3DMark v2.5.5029
TimeSpy Extreme1856
TimeSpy Performance3977
FireStrike Ultra2769
FireStrike Extreme5431
FireStrike Performance10616
SkyDiver Performance30059
CloudGate Performance34095
IceStorm Unlimited187183
IceStorm Extreme143250
IceStorm Performance172341
VRMark
Blue Room1124
Cyan Room3295
Orange Room6429
CINEBENCH R15
Shading (OpenGL)157.28fps
Rendering (Multiple CPU)1183.85cb
Rendering (Single CPU)194.59cb

 PCMark 10のスコアから見るかぎりどのような用途でも十分に活用できる万能型のPCで、とくにCINEBENCH R15のスコアが示すようにCPUのマルチスレッド時の性能が高い。3DについてはミドルレンジGPUであるGeForce GTX 1060なので、ゲーム環境としては最新の高負荷タイトルならフルHDかつ中~高画質設定かHDかつ最高画質狙い、軽量なカジュアルタイトルならフルHDや4Kの高~最高画質が狙える。VRに関してはNVIDIAのVR Readyに挙げられるGPUとして、比較的軽量なVRタイトルを中心に楽しめそうだ。

 ゲーミングPCとして実際のゲームのビルトインベンチマークを試してみた。利用したのは「Tom Clancy's Ghost Recon Wildlands」、「Assassin's Creed Origins」、「Far Cry Primal」、World of Tanksのベンチマークである「World of Tanks enCore」、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」、「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」。

【表】ベンチマーク結果2
ベンチマークスコア
Tom Clancy's Ghost Recon Wildlands
1920×1080ドット、「ウルトラ」画質34.66fps
1920×1080ドット、「高」画質67.22fps
1920×1080ドット、「中」画質72.48fps
1280×720ドット、「ウルトラ」画質44.32fps
1280×720ドット、「高」画質92.34fps
1280×720ドット、「中」画質100.08fps
Assassin's Creed Origins
1920×1080ドット、「最高」画質47fps(安定)
1920×1080ドット、「超高」画質54fps(安定)
1920×1080ドット、「高」画質64fps(超高)
Far Cry Primal
1920×1080ドット、「最高」画質48fps
1920×1080ドット、「とても高い」画質68fps
1920×1080ドット、「高い」画質82fps
World of Tanks enCore
超高品質(1920×1080ドット、TSSAA HQ)16144
中品質(1920×1080ドット、AAなし)42938
最低品質(1366×768ドット、AAなし)109240
FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク
1920×1080ドット、標準品質5880(やや快適)
1920×1080ドット、軽量品質7792(快適)
1280×720ドット、高品質5829(やや快適)
1280×720ドット、標準品質9328(とても快適)
ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク
3840×2160ドット、最高品質3451(やや快適)
1920×1080ドット、最高品質11592(非常に快適)
1280×720ドット、最高品質17296(非常に快適)

 先の3DMarkのスコアのとおり、Tom Clancy's Ghost Recon WildlandsやAssassin's Creed Origins、Far Cry Primalでは、フルHDの高画質までは平均60fpsを満たせている。最高画質となるとやや荷が重く、30fpsでよいと割り切ればGeForce GTX 1060を搭載するこのシルバーモデルで大丈夫だ。最高品質の60fpsを満たしたければ、ゴールド、プラチナモデルを検討したい。もう少し軽量のWorld of Tanks enCoreはフルHDについてはなんら問題ない。

 国産タイトルのファイナルファンタジーシリーズでは、まず最新のファイナルファンタジーXVの場合、フルHDの標準品質でやや快適判定なのでこれはギリギリとして、実用的には軽量品質あたりか、HDの標準品質がとても快適判定なのでこれと画質を比べて選ぶのがよさそうだ。1つ古いファイナルファンタジーXIVについてはフルHDなら最高品質で問題なく非常に快適判定で、4Kの最高品質でもプレイ自体は可能だ。

 ストレージベンチマークは「CrystalDiskMark」を計測した。

【表】ベンチマーク結果3
ベンチマークスコア
CrystalDiskMark 6.0.1(SSD)
Sequential Read(Q32T1)540.179MB/s
Sequential Write(Q32T1)486.354MB/s
Random Read 4K(Q8T8)303.765MB/s
Random Write 4K(Q8T8)285.271MB/s
Random Read 4K(Q32T1)232.872MB/s
Random Write 4K(Q32T1)206.413MB/s
Random Read 4K(Q1T1)29.725MB/s
Random Write 4K(Q1T1)70.852MB/s
CrystalDiskMark 6.0.1(HDD)
Sequential Read(Q32T1)202.251MB/s
Sequential Write(Q32T1)170.418MB/s
Random Read 4K(Q8T8)1.575MB/s
Random Write 4K(Q8T8)1.238MB/s
Random Read 4K(Q32T1)1.554MB/s
Random Write 4K(Q32T1)1.017MB/s
Random Read 4K(Q1T1)0.652MB/s
Random Write 4K(Q1T1)0.94MB/s

 SSD、HDDとも、SATA 6Gbps接続なりの性能だ。SSDの速度はNVMe SSDと比べれば見劣りするが、実用面で問題なく十分なレスポンスが得られた。小さなファイルをたくさん扱うランダムアクセスでも、引っ掛かりなどがなくスムーズなレスポンスだった。HDDは標準的な性能だ。実際にはデータドライブとして、速度を重視しないファイルの保存先に活用することになるだろう。

デザインもシンプル、性能も価格もちょうどよい万人受けタイプ

 NEXTGEAR-MICROは、国内ゲーマーの意見を取り入れたケースということで、海外のゲーミングPCとはひと味違うシンプルなデザインがまず好感を持てる。プライベートルームはもちろん、リビングに置いても問題なく馴染んでくれる。LEDもマザーボード上のインジケーターくらいで、それも通常サイドパネルでは遮られるので、部屋の照明を落としてゲームを楽しむ時も、落ち着いてプレイができる。

 あえて弱点を挙げるなら動作音だが、そもそも静音をメインにうたうモデルではない。安定したゲームプレイができることをコンセプトとしているため、そことのトレードオフである。ゲーミングPCとしては平均的な音量であるが、さらなる静かさを求めるなら、BTOオプションの水冷CPUクーラーが狙い目だ。

 シルバーモデルの上位に位置するim610SA1-SP-Cは、高性能なCPUとミドルレンジのGPUを組み合わせることで、フルHDで標準~高画質のゲームプレイが問題なく快適に楽しめる。少し性能が高めのCPUは、ゲーム以外にも活用幅があり、SSD&HDDのデュアルドライブ構成なので、高速なOS起動とともに購入後しばらくはゲームの保存先に困らないだろう。BTOなしでも十分な性能であり、かつ不必要な要素を極力減らした構成なので、コストパフォーマンスもよい。はじめてのゲーミングPCならコレ! という具合に太鼓判が押せる製品と言えるだろう。