大河原克行の「パソコン業界、東奔西走」

「日本を代表するPCメーカー」目指す、井田新社長率いるサードウェーブの新たな船出

井田晶也氏

 ゲームPCブランドの「GALLERIA(ガレリア)」や、PCショップ「ドスパラ」を展開するサードウェーブの社長兼COOに、2024年8月1日付けで、井田晶也氏が就いた。今年(2024年)は創業40周年の節目を迎える中、創業家以外からは初の社長就任となる。

 6月19日に行なった社長就任発表の会見では、個人向けPC事業を強化する一方で、法人向けPC事業の拡大戦略を打ち出した。将来的には、売上高1,000億円を目指す成長戦略も打ち出した。サードウェーブの井田新社長に、新生サードウェーブの取り組みについて聞いた。

ミステリアスなサードウェーブをなくすところから

――井田社長は、長年、インテルに在籍し、同社執行役員を経て、2023年2月にサードウェーブに入社しました。約1年半に渡る副社長の経験を経て、このほど社長に就任したわけですが、もともとサードウェーブにはどんな印象を持っていましたか。

井田 インテル時代には、お客様でもあり、パートナーでもあり、ハイエンドの革新的なPCをコンシューマ市場向けに提供し、あらゆることに果敢に挑戦する姿勢を持った企業という印象がありました。

 ただ、その一方で、コンシューマPCに特化していたこともあり、ミステリアスなイメージの企業でもありましたね(笑)。尾崎社長(=現会長兼CEOの尾崎健介氏)に、インテルから提案をすると基本的には断らない(笑)。そして決断が速い。こちらが提案していながら、「えっ」と驚いてしまうこともしばしばありましたよ。このスピード感は、社内に浸透しており、サードウェーブの特徴の1つです。インテルも意思決定のスピードは速かったですが。それを上回る速度です。

――確かに、ミステリアスという印象はありますね。

井田 サードウェーブは、1984年に秋葉原でPCパーツの販売店からスタートしており、それを「ドスパラ」として全国に店舗を展開する一方で、PCメーカーとして、新製品の企画、製造、販売を自社で行なう垂直統合モデルで事業を進めています。

 PCに関わるすべての体制を持っている垂直統合の仕組みは、他社にはないサードウェーブならではの強みです。柔軟な商品企画が可能であり、カスタマイズにも対応でき、用途特化型PCやニーズにマッチしたPCを作ることが可能です。「つるし」ではなく、「テーラーメイド」のPCを、短納期で、提供することができるというわけです。

 また、サードウェーブに入って感じたのは、社員たちが非常にまじめだという点です。1つの方向に向かっていくときのパワーがとても強いですし、組織力の強さも感じます。

 そして、先に触れたようにスピードが速い。これは小売店からスタートし、迅速に意思決定をすることが日々求められてきたという背景があるのかもしれませんね。また、企業理念が徹底されているというのも特徴の1つです。秋葉原の本社のすべての部屋に企業理念が掲げられています。企業理念は、「人をつくり 価値を生み出し 社会に貢献する事業を行なう」というものですが、この言葉を社員全員がとても大切にしています。

 また、100年ビジョンやミッションも定め、会社がこれから100年先にどんな会社になるのかといった方向性も示しています。こういう姿勢は、サードウェーブの中に入ってから気がついた特徴の1つです。ミステリアスという印象はずいぶんとなくなりました(笑)。

 まだまだサードウェーブのことを知らない人が多いですし、私自身が広報担当となって、サードウェーブとはどんな会社なのかといったことを発信していくつもりです。

ブランド再編の狙いとは

――サードウェーブに入社し、社長に就任するまでの約1年半はどんなんことに力を注いできましたか。

井田 サードウェーブは8月から新年度からスタートします。入社した最初の半年間は、第40期の下期にあたり、この6カ月間は、尾崎の意向もあり、社内のカルチャーに馴染むことを優先し、ラインを持たずに、事業全体を見る役割でした。こうした期間を設けてもらい、時間をかけてもらったことにはとても感謝しています。ビジネスを成長させるために、なにが必要か、クライアントPC事業をどう成長させていくのかを考える期間となりました。

 2023年8月からの第41期にスタートにあわせて、すべてのクライアントPC事業を私が担当することになりました。ここでは、まず製品ブランドの再構築に取り組みました。そして、コマーシャルPCによる新たな市場の開拓を強力に進めました。

――ブランド再編の狙いを聞かせてください。

井田 GALLERIAやraytrekは、方向性を持ったブランドではあったのですが、そのほかにもMonarch、THIRDWAVE Proといったブランドがあり、それらがどういう用途で、どんなターゲット層であるのかが分かりにくいところがありました。一度、ブランドを整理することで、今後のビジネス戦略に沿ったブランドを再構築しようと考えたわけです。

 ゲームPCブランドの「GALLERIA」は、サードウェーブが持つもっとも強い製品ブランドであり、ゲーミングPC市場において認知されています。今回のブランド再編では、GALLERIAについては、ブランドイメージの「刷新」ではなく、ブランドイメージの「拡張」を狙っています。

 GALLERIAでは、クリエイターモデルを投入したり、音楽づくりに特化したモデルを発表したりすると、必ず聞かれるのが「ゲーミングPCは止めてしまうのですか」という質問です。今回のブランド再編におけるGALLERIAの狙いは「拡張」ですから、ゲーミングPCのトップブランドとして、これからもそのポジションを継続し、そのための挑戦を行ない、進化させていくことになります。

 2つ目が、raytrekです。これは、従来はクリエイター向けとしていたブランドですが、コマーシャル向けのPCブランドに再構築します。まだ認知度が低いブランドですから、成長戦略をしっかりと立てて、それを実行に移していくことになります。ここは、ブランドイメージの「刷新」になります。AIという切り口も積極的に取り入れながら、成長させていきます。

 3つ目のTHIRDWAVEブランドですが、ここでは得意としている幅広いカスタマイズ対応を生かしたテーラーメイドPCとしての可能性を高めていきます。価格だけを強みにするのではなく、一般的な用途から、特定用途までを含めて、さまざまなニーズに対応できる製品として、市場での位置づけを確立したいと思っています。

 現時点では、この3つのブランドに集約することがベターだと思っています。しかし、これがベストであるかどうかは、やりながら答えを見つけていきます。市場は変化していきます。2年前に生成AIが登場して、状況は一変しました。こうしたことが起こる業界ですから、それにあわせて、臨機応変にブランド戦略も考えたいですね。

 基本的な方針は、できるだけシンプルにすることです。今は、この3つのブランドで、サードウェーブは成長戦略を描いていくんだということを、対外的に明確に示せたと思っています。

――成長戦略の中核になるのは、raytrekです。リブランディングから約1年の手応えはどうですか。

成長戦略の中核を担うraytrek

井田 2023年9月にリブランディングを発表して以降、raytrekの認知度は高まっていると考えています。ただ、垂直立ち上げをしたいと考えていますので、個人的にはまだまだだと思っています。

――raytrekは、コマーシャルPCという位置づけです。なぜ、いまサードウェーブがコマーシャルPCに力を注ぐのでしょうか。

井田 サードウェーブの強みを生かしながら、ビジネスをスケールできる分野が、コマーシャルPC市場です。サードウェーブのPCは、柔軟なカスタマイズを可能にしたり、特別な用途に向けた仕様にしたりといったことが得意です。これはコマーシャル市場において、今後求められる要素だといえます。

 AIの活用によってパーソナライズ化が進展したり、デザイナーや開発者などの業種によって求められるPCが異なったり、建築や製造などの業種に特化した付加価型PCが求められています。

 まずは、映像分野やゲーム開発にフォーカスした製品や、CADやBIMを活用する建設、建築業界向け製品、DXハイスクールや大学の研究室などを対象にした文教市場に力を注いでいく考えです。1kgを切ったハイブリッドワークに適したPCも用意していますし、16型ディスプレイでディスクリートGPUを搭載し、2kgを切ることで、持ち運びながら、出先で画像処理の用途にも優れたPCといったものも投入をしていきたいと思っています。

 また、国内で企画、開発、製造、販売をしている点も、コマーシャルPC市場において、差別化できる部分になるといえます。企画は秋葉原の本社で行ない、開発や生産、品質管理は海老名事業所と綾瀬工場が担当し、平塚の物流センターから全国に配送しています。短納期で、お客様の要望にあわせた特別なPCを届けることが強みになります。それぞれの業種、業界にマッチしたPCに対するニーズが高まる中で、この動きに、いち早く対応できることはサードウェーブの大きな強みです。

 今年度からは、企業ニーズにあわせて、モデルチェンジのタイミングを長期化した製品を投入し、筐体やキーボードなどは同じでありながら、CPUを変えたり、中身を進化したりといった提案を行なうほか、あとからメモリを増設したいといったニーズにも柔軟に応えていきます。

 実は、GALLERIAでゲームをプレイしていたユーザーが、ゲーム開発をする仕事に就くといった動きが見られるようになってきました。このようにGALLERIAで育ったユーザーが、仕事で使うためにraytrekを選択するということにも期待しています。

法人向けビジネスの高い目標

――法人向けビジネスを、今後3年で2倍にするという目標を掲げています。

井田 調査会社などの予測では、今後、成長する分野はコマーシャルPCとされていますし、サードウェーブにとっては、もともとビジネス規模が小さいエリアであり、全体の1割強という水準です。

 2027年7月期には、少なくとも全社売上高1,000億円を達成しなくてはならないと考えていますし、そのうち、約3割を法人向けビジネスで占めたいと考えています。これを達成するには、しっかりと製品の差別化ができること、業種/業態に特化した製品によって、特定分野でのニーズを捉えることが重要になると考えています。

売上高を伸ばすキービジネスが法人向け
法人向けビジネスの中核

 コマーシャルPCとしての信頼性や安心感を、しっかりと確立していきたいですね。すべてを国内で行なうことができ、ニーズに迅速に対応ができる垂直統合の強みは、ここでも生きると考えています。コマーシャルPC市場に対して、挑戦者として、積極果敢に攻めていきますよ。

――コマーシャルPCの事業強化に向けた体制づくりはどうしていますか。

井田 現在、法人事業部は、150人以上の体制となっています。業種/業態ごとの営業組織に加えて、2023年からは、ディストリビュータやSIerなどのパートナー向けの営業組織を強化し、増員も図っています。多くの企業やパートナーに、サードウェーブの製品を体験、体感していただくことから始めているところです。

 今後、パートナーとの関係強化は極めて重要であり、まずは信頼関係を構築することに力を注いでいます。また、インバウンドセールスおよびアウトバウンドセールスによって、SMBを中心とした新規のお客様の獲得に向けた営業活動も行なっています。

 業種/業態に特化したアプローチや、パートナー企業にとの協業など、これまで十分に行なえていなかった部分を強化することで、サードウェーブを次のチャプターへと進めることができます。外からミステリアスに見える部分を変えて、透明性を高めることで、サードウェーブとなにか一緒にしたいと思ってもらえるように、パートナー戦略を推進したいと考えています。

 さらに、ドスパラの一部店舗では、法人窓口を設けていますが、今後、全国46店舗の出店している地域の特性を捉えながら、店舗でのコマーシャルPCの取り扱いを増やしていきたいと思っています。

 たとえば、店舗の近くに大学や高校があれば、学生や教員に使ってもらえる品揃えを強化することも考えています。子どもの頃に、小学校の近くに学校指定の文具屋があり、そこに行って文具を買ったりした経験がありますが、それと同じように、学校の近くで、PCに関するものが必要になったら、ドスパラに行けばいいというような存在になりたいですね。

 ドスパラは、PC本体だけでなく、周辺機器やパーツ、消耗品も用意しているPC専門店ですから、学校でのPC利用が増える中で、地域において果たす役割は大きくなると思っています。

店舗展開とGALLERIAの今後

――「ドスパラ」によるショップ展開では、今後、どんな成長戦略を描いていますか。

井田 ここはサードウェーブ全体としても大きな売上比率を占めますし、コンシューマ市場に対して培ってきた知見を、もっとも生かせる領域でもあります。

 2024年7月までは、かなり速いペースで出店をすすめてきましたが、拡大の方向性は維持しながらも、そのペースは少しゆっくりにします。市場性や来店しやすい環境という立地条件だけでなく、今後はコマーシャルPCとの親和性も意識し、よりよい店舗づくりを重視します。出店数ではなく、それぞれの店舗が、地域においてどんな役割や影響を及ぼすことができるのか、どんな店を作りたいかという私たちの思いを込めることを重視した店舗展開を進めます。

 今年度は、出店数という目標値は掲げません。目指すのは、「ここにドスパラがあるから助かる」と多くの人に言っていただける店舗づくりです。

――ゲーミングPCのGALLERIAの事業戦略を教えてください。

GALLERIA

井田 GALLERIAは、デスクトップについては、国内ゲーミングPC市場でトップシェアを獲得しており、このポジションはしっかりと維持していきます。GALLERIAを選べば、安心して使える最高のゲーミングPCが手に入るという環境は、これからも変わりませんし、最新の技術を取り入れた革新性があるゲーミングPCを提供しつづけます。

 また、性能だけでなく、デザインや操作性、ブランドイメージなども高めていきます。GALLERIAを、より多くのユーザーの方々に使っていただくためにはなにが必要なのかといったことを、直接、話を聞いたり、市場調査をもとに学び、それをもとに改善を加えていきます。

 さらに、プロのeスポーツ選手やインフルエンサーとの連携も強化していきます。こうしたPCを投入しつづけていることの評価として、シェアがありますから、経営の立場からは、ゲーミングPC市場でのシェアは重視していきます。

 ただ、単に製品を開発し、販売していくだけでは、ゲーミングPC市場の成長には限界があり、市場を活性化する取り組みが不可欠です。これまでにもeスポーツ施設を設置したり、全国高校eスポーツ選手権を支援したり、eスポーツに取り組む自治体を応援するといった活動をしてきましたが、これまで以上に活動を加速していきます。地方のeスポーツ施設への協賛や、eスポーツの部活動の支援も進めます。

 製品を購入してもらったら終わりというのではなく、それを使ってもらう場の提供が大切です。ここでは、インテルやNVIDIAなどとの連携を強化しながら、ゲーミングPC市場全体を盛り上げていきます。これは、ゲーミングPCのリーダー企業としての責任の1つであると考えています。

――「AI PC」についてはどう取り組んでいきますか。

井田 生成AIはますます広がっていくことになりますが、それに伴って、データセンターの消費電力の問題がさらに顕在化すると考えています。すべてをデータセンターで処理するのではなく、簡単な生成AIの活用であれば、AI PCで行なうのが最適であるという使い方が広がっていくと考えています。

 サードウェーブでは、ゲーミングPCやクリエイティブPCを提供してきた実績をもとに、特徴を持ったAI PCを投入していく考えです。また、raytrek AI Workstationとして、NVIDIA RTX 6000 Adaを4基搭載するワークステーションも用意しており、ハイエンドのニーズにも応えていきます。

raytrek workstation

 最終的には、すべてのPCにNPUが搭載されることになるでしょうから、それを捉えて、AI PCと表現することができますが、サードウェーブではAIの用途に最適なPCを提供することにこだわります。サードウェーブにとっては、新たなビジネスチャンスだといえますし、サードウェーブのブランド価値を高めるチャンスだと思っています。

 サードウェーブには受託開発部門があり、AIやBIに関するソリューション開発やサービス提供の実績があります。AI用途に最適なキラーアプリケーションを自社内で開発したり、エコシステムによって採用したりといったことも進めていきたいですね。

――サードウェーブでは、クラウドサービスを展開しています。これもAI市場の拡大を意識したものですね。

井田 はい、AIという切り口で捉えてもらうことができるサービスです。サードウェーブが提供しているのは、「raytrek cloud」というサービスで、主なターゲットとしているのは、大学の研究室などになります。ハイエンドデスクトップPCでも処理ができない部分を、クラウドサービスでカバーするという狙いがあります。

 NVIDIAの高性能GPUを搭載したインスタンスを、Ubuntuをベースとした環境で提供し、AIの推論、学習、検証、開発などに利用してもらうことができます。従量課金で利用できますから、利用の敷居を低くすることもできます。

 AIという切り口で見た場合、サードウェーブでは、AI PCの領域は、しっかりとやっていきますが、それ以上の性能が必要であるといった場合にも対応できる体制を作りたいということがクラウドサービスを開始したきっかけです。もちろん、サードウェーブのPCを使っていないという方にも、このクラウドサービスを活用してもらいたいと思っています。ポテンシャルは大きい市場です。ニーズを捉えながら事業を広げていきたいですね。

サードウェーブを、日本を代表するPCメーカーに!

Future Unleashed=未来を解放するスローガン

――サードウェーブでは、「Future Unleashed=未来を解放する」を掲げました。この言葉に込めた意味を教えてください。

井田 サードウェーブの製品を通じて、ユーザーの未来の可能性や潜在力を解放するという意味を込めました。また、サードウェーブ自身の未来の可能性を解放するという意味も含めています。

 これまでにも、GALLERIAでは「BREAK THE NORMAL」、raytrek では「Unique to all」といったようにブランドメッセージはありましたが、今回はサードウェーブ全体のコンセプトとして掲げたものです。

 サードウェーブでは、「人々の創造活動の可能性を最大限にする」ことをミッションにしていますが、このミッションを遂行するための姿勢を示したものと位置づけることもできます。サードウェーブには、まだまだ伸びしろがあるということを、社員が共通認識として持ち、新たなことに挑戦する文化をより浸透させたいと考えています。

 私が、このメッセージを考えるときに感じていたのは、サードウェーブには伸びしろしかないということです。そこからインスピレーションが生まれてこの言葉に辿り着きました。会社や社員を伸ばすためには、社員が思いついたら、すぐに行動に踏み出すことができる環境も作らなくてはいけないと考えています。

 私は長年PC業界にいますが、かつてのクライアントPCには、わくわく、ドキドキがあったと思っています。新たなわくわくや、ドキドキも、サードウェーブが作り上げていきたいですね。

 小学校に入学する孫に、ランドセルをプレゼントするという文化が日本では定着し始めていますが、中学生に入学する際にはPCを贈るといった新たな文化を創出することもできるのではないかと思っています。新たな文化が定着することで、ランドセルが大きく進化したように、PCを贈るという文化が定着すれば、PCにも同じ進化が起き、わくわく、ドキドキするPCが登場するきっかけが生まれるのではないかと思っています。こうしたことも、未来を解放する取り組みの1つになると思っています。

――6月19日の社長就任会見では、「日本を代表するPCメーカーになる」と宣言しました。大きな目標ですね。

井田 私自身が、「日本を代表するPCメーカーになる」と宣言することで、サードウェーブの社員全員に同じ志を持ってもらいたいという思いがあります。ゲーミングPCではトップブランドのポジションを持っているサードウェーブですから、ほかの領域においてもトップブランドを目指すことができるはずです。それだけの力を持ったPCメーカーだと思っています。まずは自分たちが、高い志を持つことからスタートし、「日本を代表するPCメーカー」として、達成すべき指標はこれから考えていきます。

 たとえば、子どもがPCを欲しいといった時に、「じゃあ、サードウェーブのPCを見に行こうか」、「ドスパラに行ってみようか」と言ってもらえるような存在になりたいですね。

 サードウェーブには、すばらしいカルチャーがあります。これを生かし、さらに事業を伸ばしていきます。新たな成長に向けて、私が培ってきた知見やネットワークを生かすだけでなく、私が異分子として、いい影響を与えることができればと思っています。役割は「善玉菌」みたいなものですかね(笑)。