週末カジュアルPCゲーム部

ひたすらドリフトを鍛えるカーアクション「ABSOLUTE DRIFT ZEN EDITION」

「ABSOLUTE DRIFT ZEN EDITION」

 昨今なにかと在宅時間が増えていることだろう。この新連載では、自宅でも気軽にプレイできるPCゲームを紹介したい。低価格もしくはセール、または無料で、そこまでマシンスペックが不要、息抜きとしてプレイできるものを中心に取り上げてきたい。また、これらタイトルがどの程度のマシンスペックで動作するのかも検証していく。

シンプルなビジュアルがクール! ただひたすらにドリフトを鍛えるカーアクション

 コラムの第1弾としてはじめて紹介する「ABSOLUTE DRIFT ZEN EDITION」は、見下ろし視点の3Dカーアクション。他車とのレースが目的ではなく、タイトルにもある通り、とにかく気持ちよくドリフトしまくるカーアクションだ。

 ゲームを開始すると、いきなり真っ白い箱のような空間に放り出される。そこで車を操作して移動することになるのだが、ポイントへの移動そのものが、車の挙動を知るためのチュートリアルの1つとなる。チュートリアルを終えたあとも、新たなステージへの移動など、あらゆる移動を自力で行なうため、移動の合間に車の挙動がつねに確認できるので、いわばすべての移動がチュートリアルの代わりとなる作りはユニークだ。

「ABSOLUTE DRIFT ZEN EDITION」は俯瞰から見下ろし視点の3Dカーアクション。視点変更は行なえず、常時この視点でゲームをプレイする

 ドリフトをテーマにしたゲームのため、車の挙動はとにかくよく滑る。だが不自然な滑りではなく、加速に応じて車の速度は上がるし、高速なほどサイドブレーキによるドリフトの軌道が緩やかになるため、きめ細かなドリフトを行なうには、あまり加速せずにドリフトを決める繊細な操作が必要。一方で、あまり加速せずにドリフトをしようとしても、ほとんど滑らず車が停止してしまうので、ドリフトの挙動を少しずつ体で覚えていくことが重要だ。

 ドリフト中は白い煙が上がるようになっており、どこからドリフトとして判断されているかが視覚的にわかりやすい。最初は思ったとおりのドリフトはなかなか決まらないため、操作感としてはストレスが貯まるかもしれないが、このストレスが楽しさに変わるようにドリフト操作を極めていくのが本作の楽しみ方の1つだと言える。

 画面内を移動していくと、なかに入れそうな箱が出てくる。その箱のなかに入ることで、条件が用意されたステージをプレイできる。ステージ内にはコースが用意されており、そのコースを走りながら特定の場所をドリフトの状態で通過するなど、あらかじめ設定された条件を達成することがステージクリアとなる。クリアできてもできなくても、ステージへの出入りは自由なので、合わないコースは後回しにするなど、柔軟に対応できる。

赤色の箱はいろんなモードのステージが遊べる部屋やガレージなど、さまざまな部屋が用意されている。ガレージ自体はメニュー上から選択することも可能だが、あえてゲーム内からでも行けるようにしてあるのは雰囲気を重視しているのだろう

 フィールドはちょっとした箱庭のような作りになっている。チュートリアル後に訪れるワールドは、赤色の破壊可能なブロックや破壊不可能な白いブロック、巨大な鉄塔や飛行機、ヘリコプターなど無機質なオブジェクトが並べられ、その中を自由に車で移動できる。

フィールドは仕切りの低い箱のような物で構成されており、その中には単調なポリゴンで生成されたオブジェクトが配置されている。フィールド内は割と自由に行き来できるようになっているが、次のワールドへ向かう場合には、赤い壁に書かれた条件をクリアしないと、跳ね橋が降りてこない仕組みとなっている

 なかにはガレージやペイントショップといった施設もあるが、施設に入ることで車のカスタムをし直したり、カラーリングを変更できる。こうした施設についてはゲーム内で入らなくても、メニュー画面から変更することも可能だ。

 ワールド内にはいくつかのミッションが設定されている。ミッション内容は直接ワールド内の床やブロックなどに文字で描かれており、その内容を指定数以上クリアすることで、次のワールドに進めるような作りになっている。ゲームはこうしたワールドを進めていくのと同時に、各所に設けられたステージに挑戦することもできる。

本作においてメッセージなどこちらに伝えたいことはすべてフィールド上に直接記載されている。各ワールドではフィールド上にミッションの指示が書かれており、これをクリアすることで、次のワールドへの扉がアンロックされるなどの仕掛けが用意されている。車両の軌道はしばらくの間、黒いラインで残るほか、ドリフト時には白い煙が出るため、感触だけでなく、どこからどこまでがドリフトとして認識されたのかもビジュアル的にわかる
赤い箱に入ると、それぞれのモードに応じてコースや条件が設定されたステージが用意されており、条件に合わせてドリフトを決めるなどしてスコアを稼いだり、条件をクリアしていく
たとえばこちらのコースでは、3つある円柱の周囲をドリフトしながら周囲を回ることでスコアが加算され、中央の赤色が染まっていく。一定時間円柱の周囲をドリフトし続けるとコンプリートとなり、10,000点のスコアが入る。3つの円柱をすべてコンプリートして、スコア20,000点以上など条件を達成すればクリアとなる

 車のサイズは画面上ではかなり小さいが、シンプルなデザインのミニカーを使って遊んでいるような感覚は、フィールドのデザインも相まって箱庭感が強く、そのなかを車で走り回るのは操作していて心地よい。車両は全部で6種類用意されており、新しい車を入手するためには、道中のミッションなど指定の条件をクリアする必要がある。

ガレージで車種やカラー、デザインなどを変更できる。最初のうちは1車種、8色、4種類のデザインから選択できるが、ステージを進めていき、ミッションをクリアするなどすると、選択できる車種などがアンロックしていく仕組み

 実際にその場で競う敵車は存在しないが、全国のプレーヤーによるゴーストカー機能などがあるため、自分のペースでドリフトを練習しまくる究極の一人遊びゲームという作りになっている。なお、ゲーム内ではビジュアルにピッタリとハマるオリジナル楽曲がBGMとして流れており、1人で黙々とドリフトを訓練するにはちょうど。

 チャレンジできるステージ数も豊富で、ゲームモードは「Driftkhana」、「Drifting」、「Mountain Drifting」の3種類を用意するので、ドリフト技術が向上するほどにのめりこめる作りに仕上がっている。シンプルに車ゲームが好きな人、レースよりも1人で黙々とドリフト技術を磨くのが好きな人、シンプルなビジュアルのゲームが好きな人などにおススメしたい1本だ。

スペック要件
CPU:Core i3 2.2GHzまたはAMDで同等の環境
RAM:2GB
GPU:512MB RAM/Intel HD Graphics
ストレージ容量:350 MB以上

 今回は一昔前のメインストリームデスクトップでプレイを試してみたが、CPU使用率は50%未満を維持。GPU使用率は常時70%前後。フレームレートは200fps前後で常時張り付いており、動作上のストレスは皆無だった。最新の第11世代Coreを搭載したノートなら内蔵GPUでも難なく動くだろうし、GeForce GTX 1650といったエントリー向けのGPUでも問題なく動作するだろう。

今回プレイのテストした環境
GALLERIA GCF1060GF-E
CPU:Core i7-8750H
RAM:16GB
GPU:GeForce GTX1060(6GB)
ストレージ:HFS256G39TND-N210A
MSI AfterBurnerでフレームレートやCPU/GPU使用率のログを取得したところ。ひじょうに軽量なタイトルなので、Intel CPU内蔵GPUでも動作しそうだ。GPD WINやOneGx1シリーズといったUMPCでも相性がいいだろう。