山田祥平のRe:config.sys

消しても消しても点くテレビ

 本記事の誤りについて、シャープから受けた説明は下記の通りです。

  • シャープではRazikoはプリインストールしていない。
  • Android TV 用のGoogle Playは、ログインしているアカウントが過去にスマホ等で使っていたアプリのうち、Android TV対応のものをインストールしようとする。
  • Android TV対応のアプリ一覧からお客様が選択したものをインストールする。確認なしに、自動でインストールすることはない。
  • アンインストールしていても、過去に一度でもインストールしていた場合は一覧に表示されることがあり、明示的に除外しない限りすべてのアプリが選択済みでインストールされる。
  • 公開が停止されているアプリであっても同様。Razikoはその一例。
  • シャープではアプリ供給元にもコンタクトを試みているが叶わないのが現状。

 そこで、手元の製品を工場出荷状態に戻し、初期セットアップをやり直し、検証してみました。まず、取り扱い説明書では下記のように説明されています。

 Googleアカウント設定後、初期設定時に表示されるおすすめアプリは次のようになっていました。この状態で続行してしまうと意図しないアプリがインストールされてしまう可能性があります。今回のRazikoアプリもその1つでした。でも、普通はここで続行してしまうことが多そうです。

 スクロールしていくと確かにRazikoが存在しています。Sharp提供のアプリがその下に続きます。覚えがなくても事実としてRazikoを過去にインストールしたことがあれば、アンインストールしていても、公開が停止されていても、このおすすめアプリの一覧に含まれることがあり、インストールしたくないアプリを見つけてチェックを外すか、冒頭の「次のアプリをすべてインストール」のチェックを外さないとインストールされてしまいます。

 以上が今回の顛末です。記憶はまったくないのですが、過去にどこかでRazikoアプリをインストールしていたようです。「おすすめ」が「過去の自分」によるものだとは気がつかず、全アプリをチェックしないで設定を続行させたことで、Razikoアプリがインストールされ、消しても消しても点くという不思議な現象を引き起こしていたというのが真相です。

 「シャープがRazikoをプリインストール」という記述は誤りでした。著者の確認不足により、シャープおよび、読者の方々にも多大なるご心配をおかけしたことを、謹んでお詫び申し上げます。

 しかしながら、同社がここまで状況を把握しているにもかかわらず、取扱説明書などに解説が一切ないのは残念です。Android TVの仕様であり、同社のコントロール下にはないところかもしれませんが、通常のセットアップ時には、ほとんど確認しないで続行ボタンを押してしまうでしょう。今回の現象に遭遇したのも、スクロールしないでセットアップを続行したことが原因でした。

 シャープではサポート情報に最新機種名を追加するとのことです。このAndroid TVの仕様がもう少し分かりやすいものになることを願うとともに、Android TVを愛用されている方々の、何かのヒントになれば幸いです。

2021年12月20日(月) 山田祥平