山田祥平のRe:config.sys

電話で5Gギガホにプラン変更したらギリギリ2020年内に間に合ったけど嵐のライブは光で見た話

 コロナ禍にはじまりコロナ禍で終わった2020年。そして相変わらずの暮らしが続きそうな2021年がはじまった。あけましておめでとうございます。「おめでとう」にふさわしい1年になることを心から願っている。

なんちゃって5Gでいこう

 ドコモの新料金プランが4月からスタートすることが発表された。結局のところ、キャンペーンの恒常化で結論としては「何も変わらない」ことがわかったので、プランを変更することにした。「端末購入を伴わない5Gサービス契約へのご変更手続きの電話対応開始」が発表されたのは2020年の11月30日のことだったが、申し込んだのは12月23日のことだった。

 なんだかデジャブ感があるが、これは、いわゆる4G LTEのサービスとしてXiが開始されたときの「なんちゃってXi」に似ている。

 ドコモのインフォメーションセンターに、利用端末から特番の151にかけてオペレータにつないで申し込む。一応の本人確認があり、希望を伝えて、使う予定の端末などを告げる。その場でプランが変更されるわけではなく、先方から電話がかかってくるので、そこで手続きが行なわれるそうだ。

 そして、告知されたのは、連絡が12月26日以降となるということだけ。年末で混み合っているので年内にプランを変更できるかどうかはわからないらしい。

 結局、0120からはじまる電話番号から電話がかかってきたのは12月30日の夕方だった。今回は、手持ちのメイン回線「ギガホ」と、それにぶらさがるデータ専用回線としての「データプラス」の2回線だ。これを「5Gギガホ」と「5Gデータプラス」に移行する。

 電話がかかってきて最初に言われたのが1時間程度の時間がかかるということだった。プランの変更に1時間とはずいぶん長時間だと感じたが、やりとりとしては、本人確認からはじまり、契約内容を確認し、えんえんと重要事項の説明があってそれに同意したところでいったん電話が切れて契約を変更、次の着信で開通を確認するという手順を2回線分繰り返した。さすがに2回線目は重要事項の説明をもう一度するかどうかを問われ断ることができた。それでも小一時間かかるというのは本当だった。

 利用する端末については適当なものを言えばそれでよさそうだ。つまり「なんちゃって5G」ができるのだ。ドコモの端末である必要はないが、ドコモ端末以外については自己責任での使用となることを重要事項として説明された。また、ドコモは11月10日から「5Gのご契約とご利用機種に関するご注意事項」として、一部の機種で可能だった3G通信が利用できなくなる旨を発表しているが、そのことは重要事項には含まれなかった。こちらから質問して確認したが重要事項ではないということだ。

 プラン変更が完了し、最終的な料金は6,980円が7,650円になったが、5Gギガホ割で半年間は1,000円引きとなるので6,650円。つまり、これまでより330円安くなる。税込では360円ほどだ。データプラスについては金額はそのままだ。

 ただし、2回線分の変更にさいしては事務手数料が3,300円×2必要だ。つまり、5Gギガホ割で割り引かれる分がチャラになってしまう。あれだけの時間をかけての重要事項説明のことを考えると事務手数料は仕方がないとも思うが、これがオンラインでできればすむ話なのにと思うと、ちょっと複雑な気持ちになる。

 いずれにしても、その5Gギガホ割が終了する頃には新しいプランとして「5Gギガホプレミア」がスタートする。つまり割引キャンペーンが終わっても、価格はそのまま維持される計算だ。

 5G契約が終わったことで「なんちゃって5G」の通信ができるようになったが、日常的な行動範囲に5Gのサービスエリアはほとんどない。まさにホンモノの「なんちゃって5G」だ。

 契約が完了し、とりあえず、無制限でのデータ利用が可能になったので、スマートフォンのフォト関連アプリを全部モバイルでも同期するように設定した。また、テザリングなどをしたときにも、パソコンからクラウドストレージとつねに同期するように設定を変更した。

 と言っても、この1年間、ギガホを契約しながら、毎月のデータ使用量は5GBを超えることはなかったことを思うと、自宅に固定インターネットがあるかぎり、それほど多くのデータ通信量は必要ないのかなとも思う。

 とくにスマートフォンの利用を抑制するために努力しているわけではないのだが、今後は、その使い方を変えてみるとどうなるかを検証するためにも、今回のプラン変更をしたわけだ。

嵐のライブは光回線で

 こうして2020年内ほぼギリギリで5Gへのプラン変更が間に合った。12月内の変更なので、料金については12月1日から利用とみなされる。つまり12月の料金にもギガホ割が適用され330円引きだ。2021年5月末にギガホ割が完了するので、その時点で新しいプランとして「5Gギガホプレミア」へのプラン変更をすればいい。

 サービスエリアについてはとにかく整備を待つしかない。4G LTEのときもそうだった。そのあたりのことは以前にもこの連載で「なんちゃってXi、再び」で書いている。

 5Gに期待したいのは、いわゆる「パケ詰まり」という言葉が死語にすることだ。ステイホームが求められるようになり、居宅における固定インターネットが重要な課題となっているが、そうは言っても単身世帯などで、夜間しか使わないような状況で光回線を整備するのは負担が大きい。

 でも5Gが津々浦々に届くようになれば、その解決案の1つとして注目されるようになるだろう。高速だということは、多くの人がつないでも、短時間で通信が終わるということだ。効率よく電波を使える。家庭での固定インターネットの帯域が狭くて、家族の求める総帯域に満たない場合にも救世主の1つになるにちがいない。

 ちなみに大晦日の夜は、国民的グループと言ってもいい「嵐」の活動休止ライブ「This is 嵐 LIVE 2020.12.31」の配信があった。本当なら5Gの開通記念に5Gで楽しみたかったところだが自宅は圏外だ。仕方がないので固定インターネットで視聴した。

 TVだったら3秒前に電源を入れてチャンネルを合わせれば、好きなコンテンツを見れる。でも、インターネットでのライブ配信はまだそうはいかない。この「嵐」のライブにしても、はじまるまでは音楽が流れるだけで本当に見れるのかどうか不安だったし、はじまったらはじまったで、何度かフリーズしたり、エラーが出たりもした。

 国民的アイドルの活動休止ライブだから、それはもう膨大な数のストリームだったのだろうし、これは配信ネットワークに関わった人たちにとっては腕試しでもあるだろうし、緊張の連続でもあったかもしれない。

 ライブの同時視聴者数は発表されていないが、世界的アーティストであるBTSのライブが100万同時視聴などといわれていることを考えると、さてどのくらいなのだろう。ちなみにこの裏番組は「NHK紅白歌合戦」だった。そして、ライブ配信は、嵐の紅白出演中を含む30分間程度が中断となった。

 TVの視聴者数が仮に40%だとすると、1,600万人だ。インターネットとは桁が違う人数なのだろう。TVは無料、ライブ配信は有料という違いもあるが、ライブのあり方が、これからどんどん変わっていくという点では、これから先は逆転の可能性もある。そういう意味では注目すべきイベント配信だったと思う。

 それにしても多くの嵐ファンは、この記念すべきライブを、どんなデバイスで楽しんだのだろうか。スマートフォンの小さな画面で見ただけなのだろうか。

 このライブは、いわゆる再放送としてのリピート配信も決まり、大晦日に見られなかった人を含め、新たに6回のタイミングで再配信が行なわれるという。小さな画面でしか楽しめなかった方は、今度はぜひ、大きなTV画面で楽しんでほしい。

 手元にパソコンがあるなら、パソコンとTVをHDMIケーブルでつなぐのがいちばん安上がりで簡単だ。ブランドものが安心だが、今やHDMIケーブルはダイソーなどの100均ショップでも入手可能だ。

 スマートフォンの映像をTVに映し出すにはちょっとした追加投資が必要だ。TV側にChromecastなどのデバイスを接続し、そこにキャストすればいいのだが、嵐のライブはキャストができるようにはなっていなかった。でもミラーリングならできる。iOSやAndroidではGoogle Homeアプリを使ってミラーリングする必要がある。

 もっとも、昨今の新型TVならもっと簡単な方法があるかもしれない。これらの方法についてもいろいろ考えていくべきだろう。スマホ固定視聴を強要するのはかわいそうだ。いずれにしてもリピート配信は、なんらかの方法を探し、より大きな画面で、これからの嵐を応援してほしい。