今回はPhotoshopを使ってすっぴんの人の顔写真にメークを行なう手順を解説していきます。全2回の記事で1回目となる本稿では肌補正をしていきます。そして次回の記事で肌補正をした人物にデジタルでメイクを施していきます。過去のテクニックよりやや手間と時間がかかりますが、人物写真を扱う人なら活用できる場面は多いでしょう。
補正の前にパッとみた感じでは分からないシミやムラなどを見えやすくするために3つのトーンカーブをチェック用として作っておきます。必要に応じてこれらのトーンカーブを表示しながら見づらいシミやムラを確認しながら作業していきます まず目立つニキビなどを修復系のツールで消していきますが、元画像に直接編集を加えないように新規のレイヤーを作り、そのレイヤーに処理していきます ここから「スポット修復ブラシツール」、「削除ツール」、「修復ブラシツール」、「コピースタンプツール」を使って処理していきます。「スポット修復ブラシツール」で消したい部分をドラッグして塗りつぶすと自然に消すことができます 「削除ツール」で消したい部分をドラッグすることでAIを使って自然に塗りつぶします 修復ブラシツールで、Alt(Mac: Option)+クリックして、サンプルを設定し設定したサンプルを元に馴染ませながら塗りつぶします 「コピースタンプツール」でAlt(Mac: Option)+クリックして、サンプルを設定し設定したサンプルをコピーしてそのまま塗りつぶします これらのツールを使い目立つニキビなどを除去したところです 次にパッチツールを使いシミやムラなどを消します。パッチツールは新規のレイヤーで処理ができないため最初にAlt+Ctrl+Shift+E(Mac: Option+Command+Shift+E)で表示レイヤーを結合したものを新たなレイヤーとして作成します。パッチツールはフリーハンドで消したい部分を囲み別の場所にドラッグすることで、その場所を綺麗にする機能です このパッチツールを使ってシミやムラなどを消していきます。パッチツールはのっぺりとなりやすいので、レイヤーの不透明度を下げて元の質感を少し出して調整します。 ここからはハイパスと演算でシミなどのレイヤーマスクを作り全体的に補正していきます まずAlt+Ctrl+Shift+E(Mac: Option+Command+Shift+E)で表示レイヤーを結合したものを新たなレイヤーとして作成します。 チャンネルパネルに移動し、ブルーチャンネルのコピーを作ります。ブルーチャンネルを新規作成のアイコンまでドラッグするとコピーを作ることができます。 このブルーチャンネルのコピーに、フィルター>その他>ハイパスをかけて肌の汚れなどを際立たせます。ハイパスの半径に指定はありませんが大きめにかけるのがポイントです さらに汚れを際立たせるために、メニューバー>イメージ>演算 かけます。演算の描画モードを「ハードライト」にしてOKを押します 次に描画色が白のソフト円ブラシで背景部分、髪、目など修復処理に関係ない部分を白く塗ります Ctrl+I(Mac: Command+I)で階調の反転をします Ctrl(Mac: Command)を押しながらサムネイルをクリックして画面の白い部分の選択範囲を作ります チャンネルパネルのRGBを選択してレイヤーパネルに戻ります 選択範囲ができている状態で調整レイヤーのトーンカーブを作ります。選択範囲がある状態で調整レイヤーを作ると選択範囲がレイヤーマスクに反映された調整レイヤーができます そしてトーンカーブを少し明るくすると肌全体が自然に綺麗になります。やりすぎると逆に浮いてしまうので注意しましょう 肌補正はやりすぎると逆に不自然になりがちなので、そこは注意して作業しましょう。次回はこの人物にデジタルメイクを施していきます。