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日本HP、MVNO参入や電源オフ/オフラインPCを遠隔ロックする技術などを発表

 株式会社日本HPは16日、ハイブリッドワークに最適化した法人向けソリューションに関する報道関係者向け発表会を実施した。同イベントでは、KDDI株式会社と協業のMVNOサービス「HP eSIM Connect」による5年間の無制限データ通信が可能なノートPCや、電源オフおよび通信オフラインの状態でも利用できるIT管理ソリューション「HP Protect and Trace with Wolf Connect」が発表された。

 また、Ryzen Threadripper PRO 7000 WXシリーズを搭載したワークステーション「HP Z6 G5 A」や、Polyの無線ヘッドセット「Poly Voyager Surround 80 UC」および「Video OS」のアップデートについても紹介された。

株式会社日本HP 代表取締役 社長執行役員 岡戸伸樹氏(左)、KDDI株式会社 執行役員常務 ソリューション事業本部 ビジネスデザイン本部長 那谷雅敏氏(右)

HP eSIM Connect

HP eSIM Connect対応PC。HP Dragonfly G4(左)とHP ProBook 445 G10(右)

 同社がMVNO市場に参入する形で発表されたHP eSIM Connectは、ハイブリッドワークにおける通信環境や通信コストの改善を目指し、KDDIと協業して開始した法人限定のMVNOサービス。同社は、HP eSIM Connectによる追加費用なしでデータ容量無制限、速度制限なしの4G LTE/5G対応の通信サービスを5年間利用できるノートPCを用意する。

 具体的な製品として、13.5型ハイエンドモバイルノート「HP Dragonfly G4 法人限定 HP eSIM Connectモデル」が39万8,200円から、14型スタンダードノート「HP ProBook 445 G10 法人限定 HP eSIM Connectモデル」が25万4,980円から提供される。

HP Dragonfly G4 法人限定 HP eSIM Connectモデル

 HP Dragonfly G4 法人限定 HP eSIM Connectモデルの主な仕様は、Core i5-1345U、16GBメモリ、256GB M.2 NVMe SSD(最大2TB)、13.5型WUXGA+(1,920×1,280ドット)光沢液晶、Windows 11 Proなど。

HP ProBook 445 G10 法人限定 HP eSIM Connectモデル

 HP ProBook 445 G10 法人限定 HP eSIM Connectモデルの主な仕様は、Ryzen 5 7530U、16GBメモリ(最大32GB)、512GB M.2 NVMe SSD、14型フルHD(1,920×1,080ドット)非光沢液晶、Windows 11 Proなどを備える。

 同社はこのサービスのメリットとして、スマートフォンのように簡単なネット接続が可能で、従量課金でないため常に安定したネット環境での業務が行なえる点を挙げている。

HP Protect and Trace with Wolf Connect

HP Protect and Trace with Wolf Connectについて

 HP Protect and Trace with Wolf Connectは、PCの管理やセキュリティを強化するMDMソリューション。管理するPCが電源オフやオフライン状態であっても機能する点を特長とし、紛失または盗難された際に現在地のリアルタイム追跡や、操作ロック、NIST(米国国立標準技術研究所)が定めるパージレベルでのデータ消去が可能。

従来のMDMソリューションの課題

 IoT通信用デバイス向けに設定された「LTE Cat-M」モジュールを搭載した、G10以降の同社製ノートPCを対象とする。HP eSIM Connectと同様にPCとソリューションをセットにして提供する。

ソリューション構成

 同サービスは、対応機種に応じて1年から5年の期間でバンドルされる。来年の2月より提供を開始する。

管理画面
ロック操作されたPC

HP Z6 G5 A

HP Z6 G5 A

 HP Z6 G5 Aは、最大96コアのRyzen Threadripper Pro 7000 WXシリーズを採用し、AIやマシンラーニング用途に好適なワークステーション。12月中旬より発売し、価格は49万5,000円から。

 最大3枚までのハイエンドビデオカードを搭載できるほか、最大6基のPCI Express 5.0対応を含む拡張スロットや、12基のNVMe SSDを装備可能で、高い拡張性を実現する。さらに、36万時間の稼働試験、MIL規格試験、プロフェッショナル向けアプリケーションの動作認証を受けている。

 セキュリティ面では「HP Wolf Security for Business」に対応し、OSの上から下まで各レイヤーを保護。新たにWindowsにも対応した、リモートデスクトップソリューション「HP Anyware」もサポートする。

HP Anyware

 スターターモデルの主な仕様は、Ryzen Threadripper Pro 7945 WX、NVIDIA T400、32GBメモリ、1TB M.2 NVMe SSD(PCIe 4.0対応)、Windows 11 Pro for Workstationsなど。

 フラグシップモデルの主な仕様は、Ryzen Threadripper Pro 7995 WX、NVIDIA RTX 6000 Ada、128GBメモリ、2TB M.2 NVMe SSD(PCIe 4.0対応)、Windows 11 Pro for Workstationsなどを備える。

 本体サイズは169×465×445mm、重量は約14.1kg(標準構成時)。

PolyブランドではワイヤレスヘッドセットやWeb会議に役立つ新機能が発表

Poly Voyager Surround 80 UC

 Polyブランドでは、オーバーイヤー式無線ヘッドセット「Poly Voyager Surround 80 UC」を発売した。Microsoft Teams Open Office認定を取得した初のブームレスヘッドセットで、価格は6万9,740円。

 主な仕様として、スピーカーのドライバーサイズは40mm、帯域幅は20Hz~20kHz、マイクの帯域幅は20Hz~16kHz、充電時間は1時間で通話時間は最大約21時間、音楽再生時間は最大約24時間。

 本体サイズは191×77×181mm、重量は275g。Bluetooth 5.3接続に対応する。

マイク部分

 また、Poly製品向けOS「Video OS」のアップデートも実施。オープンスペースやガラス張りの部屋でWeb会議を行なう際に、会議の参加者以外を映さないようにする「Poly Director AI Perimeter」機能を搭載したほか、音声品質の補正として、ガラス張りの会議室などで引き起こされる残響やエコーを低減する機能も追加された。