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AIを活用した故障予測/診断で円滑な業務をサポートする日本HPの新サービス
2021年3月17日 17:36
株式会社日本HPは、法人向けの新製品やサービスに関するオンライン発表会を行なった。新製品の仕様など詳細については既報(日本HP、Snapdragon搭載で5G対応/24時間駆動の13.5型2in1など、および日本HP、プロ向けの4K/WQHD/WUXGA液晶3機種。100W給電対応)を参照されたい。本記事ではおもに新サービスの詳細と発表会の内容についてお届けする。
デバイスのテレメトリとAIを活用したサポートサービスを拡充
まず、同社専務執行役員 パーソナルシステムズ事業統括の九嶋俊一氏が登壇し、新サービスについて説明を行なった。
新型コロナウイルス感染症の拡大にともない働き方が大きく変わるなかで、ユーザーの意識も大きく変化。同社の調査によれば、80%が在宅勤務の継続を望んでおり、41%がバーチャルでのミーティングを好んでいるとの結果が得られている。こういった変化を受けて、企業のIT管理者のなかでも約半数が2021年のIT予算を拡充するなど、取り組みが進んでいるという。
PCが業務に欠かせないツールとなる一方で、在宅勤務などによって分散したデバイスの管理についてはまだまだ不十分だと捉えており、生産性の向上やダウンタイムの縮小などを含めて、これを支える製品やサービス、ソリューションの提供を進めていきたいとした。
サービスおよびソリューションの面では、「TechPulse」プラットフォームを活用した2つのサービスを新たに発表した。TechPulseは、デバイス上のストレージやバッテリの健康状態、CPUやメモリの使用状況、クラッシュレポートなどといったテレメトリ情報をもとに、AIを活用して故障予測やクラッシュの原因分析、セキュリティリスクの検出などを行なうデバイス管理プラットフォーム。「TechPulseプロアクティブ管理サービス」にてすでに利用しているこのプラットフォームを活用し、全体的なサポートレベルの向上を図るのが狙い。
1つ目は「Smart Support」で、無償の標準サポートを拡充するもの。5月の提供開始を予定している。
コールセンター側でユーザーのデバイスをTechPulseの情報を利用して診断し、より高精度かつ短時間での対応を実現する。全体的なダウンタイムの短縮につながるとしている。なお、対象機種は同社の法人向けWindows搭載マシンのみとなる。
2つ目は「Active Care」で、有償のCare Packの上位サービスに相当する。18日より提供を開始し、価格は1デバイスあたり3,850円(3年間保証)。
TechPulseを利用してHDDやバッテリの故障を予測し、予防的な保守交換のサポートケースの自動作成やユーザーへの通知などを行なう。作製されたサポートケースから電話なしで修理依頼が可能となっている。加えて、365日のリモートサポートや翌営業日のオンサイトサポートサービスなどが利用できる。
なお、TechPulseで取り扱う情報に個人データに紐づくものは含まれないが、データ保有に関する各種標準に準拠したデータセンターを用意するなど、セキュリティを万全に確保したうえで提供するとしている。
大画面/軽量な法人向けノートやクリエイター向けノート/液晶も投入
続いて、同社パーソナルシステムズ事業本部 クライアントビジネス本部 モバイルビジネス部の織田博子氏、および同事業本部 ワークステーションビジネス本部の大橋秀樹氏より、PCおよびディスプレイの新製品に関する説明が行なわれた。
法人向けノートでは「EliteBook 840 Aero G8」および「Elite Folio」を投入。前者は、持ち出しやすさを保ちつつ画面サイズを大きくした14型液晶や、置き忘れ防止のTileなどを搭載。後者は、省電力なSnapdragon 8cx Gen2の採用による最大24.5時間のバッテリ駆動時間と常時ネットワーク接続(5G対応)、変形機構などを特徴としている。
クリエイター向けの「ZBook Firefly G8」は、14型と15.6型の2サイズを展開。ともに第11世代Coreに加えてNVIDIA T500を搭載し、グラフィックス性能を大幅に向上させている。
液晶ディスプレイの「Z Display G3」シリーズでは、24型の「Z24u G3」、27型の「Z27u G3」および「X27k G3 4K UHD」の3機種を用意。ともに4辺狭額縁デザインで、USB Type-C接続による映像伝送および100W給電に対応するほか、DisplayPortによるデイジーチェーン接続もサポートし、PCからケーブル1本の接続でデュアルディスプレイ環境も構築できる。