無接点充電器「The Magic Charger」を試す
〜 Apple Magic Mouseを置くだけで充電

The Magic Charger

12月17日発売
価格:6,800円



 プレアデスシステムデザイン株式会社は、12月15日に米Mobee Technology製のApple Magic Mouse専用無接点充電器「The Magic Charger Wireless Charger for Magic Mouse」(以下、The Magic Charger)の国内販売を発表した。17日頃よりオンラインショップや量販店で入手できるようになっている。希望小売価格は6,800円。

 充電には電磁誘導方式を採用し、Apple Magic Mouseをベースステーションに置くことでワイヤレス充電が行なわれる。ベースステーションはUSBでMac本体に接続。USBポートからの給電で動作する仕組み。USB消費電力は最大で270mAhだが、USB Hubを経由した使用は推奨されていない。ソフトウェアのインストール等は不要だ。

 製品はこのベースステーションと専用のニッケル水素電池パックで構成される。製品仕様によれば充電池容量は800mAh×2個。フル充電に要する時間は約6時間で、想定される通常使用環境において約6日間の利用が可能とのこと。また、この電池パックは単3形電池2本より約10g軽量で、Apple Magic Mouseがより軽快に利用できるというのもセールスポイントの1つになっている。

 「The Magic Charger」は汎用品ではなく、あくまでもApple Magic Mouse専用だ。Apple Magic Mouseは2009年10月に製品発表されている。当初はMac向けアクセサリとしての単品販売とCTOのオプションによる提供だったが、現行のiMacにおいては標準添付マウスとなっているほか、現在アップルが注力しているマルチタッチ対応のマウスという点で、Macユーザーの興味を惹く製品になると思われる。

「The Magic Charger」のパッケージ。黒を基調としたお洒落なデザイン パッケージ内側には簡単な説明が掲載されている。Mobee Technologyのロゴは保護シールになっており、利用時にははがして使う。下にUSBケーブルが同梱される 梱包されているのは全部で3つのパーツ。左からベースステーション。ニッケル水素電池パック(裏蓋も兼ねる)、USBケーブル

 「The Magic Charger」は9月末に製品情報が発表されていて、筆者も注目していた製品。今回、国内販売が開始されたことで早速購入した。個人的な都合で17日の店頭入荷日には足を運べなかったこともあって通信販売を利用したが、翌18日には手元に到着した。

 製品のパッケージはアップル製品向けの周辺機器らしく、外装も黒を基調にお洒落にデザインされている。基本的な使用方法がパッケージの裏蓋にイラストだけで説明されている点もアップルを意識しているのだろう。なおパッケージ外側には、プレアデスシステムデザインによる詳しい日本語マニュアルが付属している。

 パッケージには前述したベースステーションと専用のニッケル水素電池パック、そして約110cmのUSBケーブルが同梱されている。ベースステーション側のポートはミニタイプなので、一端がminiBタイプのUSBケーブルだ。早速Mac本体へと接続する。一方、Apple Magic Mouse側はいったん電源を落として電池カバーを外す。入っている電池を抜いて、カバーと一体化されている専用のニッケル水素電池パックを取り付ければ準備は完了する。取り付けてしまえばほぼ外すことがないせいか、純正のカバーよりもややきつめな設計。上部の爪側の押し込みをやや強めに意識することで、パチンときれいにおさまった。純正の裏蓋はなくさないように保存しておくのも忘れないこと。

手持ちのApple Magic Mouseの裏蓋を外して、現在利用している電池を取り出す 裏蓋とニッケル水素電池が一体になっている電池パックを取り付ければマウス側の準備は完了する ベースステーションに載せたイメージ。充電に必要なUSBポートは側面に位置する

 ベースステーションが水平であることを確認して、Apple Magic Mouseを上に置くと自動的に充電を開始。文字どおり電気的な接点はないので置くだけ。多少ずれても構わないが、そのデザインから、何故かきっちりと置きたくなるのが不思議だ。チャージャー設置時には赤の点灯だった前面のLEDが緑の点滅へと変わり、常時点灯になればフル充電の完了となる。きわめてシンプルかつ、わかりやすい。ちなみにフル充電時にMac OS Xのシステム環境設定から電池残量を確認したところ76%と表示された。これは基準が標準的な単3形電池となっているため。容量としてはニッケル水素電池のほうが小さく元々の電圧も低いので、フル充電時に100%の表示にならなくとも異常というわけではない。

 実際の運用だが、購入後いったんフル充電したのち、動作確認のため途中で一度再充電を行なった。以降は意識してベースステーションに載せることなく運用しているが、本稿執筆まで約4日間ほど利用しても、まだOS側からの電池容量低下警告はでていない。仕事柄、たぶん想定される通常使用よりは稼働率も高いと思っているので、約6日間という仕様上のスペックはほぼ満たされるものと想像される。本来なら電池容量低下警告がでるまで使ってからお伝えしたいところだが、年末につき記事更新期の限りもあるため、ご容赦いただきたい。なお充電完了直後に握った際はほんのり暖かくなっているのを感じるが、これは一般的なニッケル水素電池の充電後も同様に起こりうることである。

 ちなみに同じくニッケル水素電池であるエネループでApple Magic Mouseを運用してきた経験則から言えば、アルカリやリチウムの定格電圧1.5Vに対し、ニッケル水素電池の定格電圧は1.2Vなので、OSからの電池残量低下警告から実際に接続が途切れるまでの間隔は短い。単純な電池交換とは異なり、ベースステーションに置いている間はマウスが使えないわけだから、電池交換を前提としたOSからの電池残量低下警告の前に、だいたい何%ぐらいの残量でチャージを行なうかは自分なりの目途やルール作りが欲しいところだ。寝ている間や外出している間などを充電時間として有効に利用したい。また、早めの再充電は過放電による充電池へのダメージを軽減するという点でも有効と考えられる。

 気になる点があるとすればUSB Hubの利用は非推奨という点だ。もちろん充電するための機器であるからバスパワータイプのHubにおける電力不足の可能性が生じるのは当然で、至極もっともな理由である。ACアダプタを併用するセルフパワータイプなら問題がないようにも感じるが、メーカーとしては動作が不安定になる可能性があるということで、Mac本体への直接接続を推奨している。特にノートブックタイプなどですでにUSBポートがいっぱいという場合には何らかの工夫が必要になるかも知れない。ともあれベースステーションは必ずしも繋げっぱなしにしておく必要もないので、必要に応じて接続するという対処が無難なところだろうか。

実際に設置してみたところ。赤色LEDが点灯しているのは充電可能な状態を示す。ベースステーションのサイズは118×66×9mm(幅×奥行き×高さ)と、かなりコンパクト 専用のニッケル水素電池パックを取り付けたApple Magic Mouseを載せると充電がスタートする。充電中は緑色のLEDが点滅、フル充電になると緑色の常時点灯に変わる フル充電直後にMac OS Xのシステム環境設定から電池残量を確認したところ。電池残量は76%表示となっているが、これは基準が異なるため

 やはり同じ事を考える人はいるもので、うまいタイミングに面白いソフトがリリースされたので併せて紹介しておく。「MBBInf for Mac OS」というApple Magic Mouseバッテリ情報ユーティリティで、作者はMacBS氏。こちらからダウンロードができる。これは、Magic Mouseのバッテリ情報を表示するユーティリティで、バッテリ残量をメニューバーに表示できる。また電池容量の低下警告を任意のパーセンテージに設定して、Growl通知を行なうことができるので、OSによる電池容量低下警告よりも先に「そろそろ充電をしたほうがいい」ことを知ることができる。自分の利用環境にあわせて、やや余裕をもった設定にしておくことで、通知後の就寝時や外出時など、作業を滞らせることなく充電開始のタイミングを見極めることが容易になるだろう。

 なお「MBBInf for Mac OS」はフリーソフトウェアとして作者の好意により公開されているもの。マニュアルやサイトの解説には十分に目を通して、実際の運用は個人の責任によって行なっていただきたい。

「MBBInf for Mac OS」が動作している状態。Apple Magic Mouseのメニューバーにバッテリ残量を表示することができる 「MBBInf for Mac OS」のPreference(環境設定)画面。Apple Magic Mouseのバッテリ残量をチェックする間隔と、Growlを使って通知する基準値が設定できる

●単3形電池2本よりも軽量。こだわるユーザーの総重量比較

 電池交換不要という手軽さに加え「The Magic Charger」に筆者が注目したもう1つのポイントは、電池パックは単3形電池2本よりも約10g軽量と発表されたことだ。接続コード不要のワイヤレスマウスは確かに便利だが、その構造上なんらかのバッテリがマウス内に搭載されることになる。ワイヤードに対して重量がかさむのは避けられない。

昔懐かしい「Apple Desktop Bus Mouse II」。このマウスの球が白いか黒いかで操作感の違いが生まれていた。ちなみに当時の筆者は白球派

 重い、軽いは操作感に直結するのでなかには重い方が好みという場合もあるかも知れない。このあたりの論議はもう十年以上も前から繰り返されていたことで、Macのオールドユーザーであれば、白球、黒球での違いと聞けばニヤリとするかも知れないほど、そのこだわりははかり知れないものがある。光学式が主流になる前のことになるが、Mac専門誌から数gずつ重さの異なる交換用の球のセットが書籍として販売されていたことすらあるのだ。レーザー式が主流になった今は、FPSゲームなどをターゲットにマウスの重さとバランスが重視されており、ロジクールが発売する「Logicool Gaming Mouse G500」などをはじめとして、ゲーミングマウスでは重量調整できるものがハイエンドの1つ。

 前置きが長くなるが、筆者も日常利用するものだけにそれなりのこだわりはある。実際、Apple Magic Mouseに標準添付されてくるアルカリ単3形電池2本の構成では、購入してすぐに重いと感じた。軽さと持続性を求めればリチウム電池なのだが、それはコストがかさみすぎる。さらにエコを意識すればエネループへ選択肢は広がる。結果、たどりついていたのが単4形のエネループ2本に、バッテリチェッカーであるエネルーピーに付属するアダプタを組み合わせた構成だ。これでアルカリ単3形電池2本の50.2g(バッテリ裏蓋を含む)に対して、31.2g(バッテリ裏蓋を含む)を実現し、運用時のApple Magic Mouse総重量が86.2gとなり、ようやく満足へといたったのがおよそ1年前のこと。その後、エネループライトが発売されたことで更に軽量化を推し進めることができるようになり、知人の一部はそちらへと走ったのだが、筆者はとりあえず標準タイプのエネループで留まっていた。

これまで筆者が行き着いていた結論。単4形エネループ2本にアダプタを履かせて運用。これで総重量86.2g。そして交換用の単4形エネループ2本を常時準備していた

 言うまでもなく単4形エネループを使った運用では失うものがある。それはバッテリの持続時間だ。基本的に重量は容量に直結しているので、単3形から単4形へ、そしてより軽いものを選ぶなら交換の頻度はあがる。また、作業を滞らせないことが前提なので、別途充電済み状態の1セットも常に用意しておかないといけない。こうした手間や準備、そして重量に関する問題を「The Magic Charger」が一挙に解決する可能性があったというわけだ。

 ということで、早速キッチンスケールを持ち出し、それぞれの重量を実際に量ってみたのが以下の写真と表である。裏蓋と各種バッテリを外したApple Magic Mouse単体の重量は50.5g。これに電池や裏蓋、そして必要な場合はアダプタを加えたものが総重量となる。「The Magic Charger」に付け替えた現在のApple Magic Mouseの総重量は90.9g。直前まで利用していた単4形エネループ2本+アダプタの総重量86.2gには及ばなかったものの、今後は電池交換の手間が省けることを考えれば十分に妥協できる範囲であると思っている。

 なお、アルカリ単3形電池の重量はApple Magic Mouseに標準で付属しているEnergizer製の重量を基準とした。他社製のアルカリ単3形電池の場合には結果が異なることが予想されるので、参考値ととらえていただきたい。また、この計測は「The Magic Charger」との重量比較を目的とするため、Apple Magic Mouseの裏蓋および、単4形電池利用の場合は必須となるアダプタ2個と合わせた重量となっている。電池単体の重量ではないことも重ねて注意いただきたい。

電池および裏蓋を除いたApple Magic Mouseの重量は55.0g。あくまで筆者の使っていたもので、全固体が同じ重量とは限らないのでご注意願いたい。最初期ロット製品の1つ。 標準添付されるEnergizer製のアルカリ単3形乾電池2本と裏蓋を合わせると50.2g 軽量かつ長持ちなのは確実だが、コスト高が難点となるリチウムタイプ。32.4g
一般的な選択と思われる単3形エネループ(第2世代)は55.2g。今回の中では最重量 今回はじめて購入した単3形エネループライトは、裏蓋をあわせて40.2gだった 筆者のこれまでのスタンダード。単4形エネループ2本にエネルーピー付属のアダプタを履かせた構成。31.2gである
最軽量派の選択肢は単4形エネループライトにアダプタを履かせることで28.5g 「The Magic Charger」のニッケル水素電池パック(裏蓋も兼ねる)は35.9gだった Apple Magic Mouseと「The Magic Charger」のニッケル水素電池パックを組み合わせると、90.9gになる。これまでの環境である86.2gにはやや及ばなかった

【表】電池重量の比較

アルカリ乾電池 リチウム乾電池 エネループ エネループライト エネループ エネループライト The Magic Charger
サイズ 単3形 単3形 単3形 単3形 単4形 単4形 -
充電池容量(公称値) - - 1,900mAh×2 950mAh×2 750mAh×2 550mAh×2 800mAh×2
充電可能寿命(公称値) - - 約1,500回 約2,000回 約1,500回 約2,000回 約500回
重量(裏蓋、アダプタを含む) 50.2g 32.4g 55.2g 40.2g 31.2g 28.5g 35.9g
使用時の総重量 105.2g 87.4g 110.2g 95.2g 86.2g 83.5g 90.9g

 電池交換不要の開放感と、重量も含めて筆者としてはかなり満足度の高い買い物となった「The Magic Charger」だが、電池パックとして利用されているニッケル水素電池は、消耗品であることも忘れてはいけない。製品仕様によれば、約500回の充放電がバッテリの寿命とされている。一方、ベースステーション側は故障しない限りはそれ以上の利用も可能なので、電池パックの単体購入などの保守体制に関して、国内販売元であるプレアデスシステムデザインに問い合わせをしてみた。

 同社によると、米Mobee Technologyではすでに「スペアバッテリパック」の販売が行われているとのこと。また、ベースステーション単体の販売も行なわれている。日本国内においても、プレアデスシステムデザインとして交換用バッテリパックの発売を開始する事が望ましいと考えているという。ただし、現時点では検討事項にとどまっているとのこと。今後、Mobee Technologyとの連携や、国内でのThe Magic Chargerの反響なども考慮したうえで理想的な状況になることが望ましいとコメントしている。

 最後に「The Magic Charger」の反響を受け、Mobee Technologyは非公式にアップル製の他デバイス(Wireless KeyboardやMagic Trackpadなど)向けの無接点充電器の開発もほのめかしている。これらは、2011年1月に開催されるInternational CESで公開される可能性もあるので、あわせて注目したいところだ。

(2010年 12月 27日)

[Reported by 矢作 晃]