PC使いこなし塾
Microsoft Office 2016をこれから使うあなたへ【第6回】
~Excelユーザーの皆さん、テーブル&ピボットテーブルを活用していますか?
(2016/5/27 06:00)
この短期連載は「Microsoft Office 2016をこれから使うあなたへ」というタイトルですが、今回から3回にわたって、Excel 2016を日常的に使うユーザーに向けたお勧めの機能などを紹介します。
Excelは、日常業務のいろいろな場面で欠かせません。集計表やグラフの作成にはもちろん、ちょっとしたデータの管理、例えば商品の一覧表を作るなど、人それぞれ使い方があることでしょう。今回は、「テーブル」と「ピボットテーブル」を紹介します。
「大量のデータを操作したり、分析したりするときに使うアレでしょ。必要ないかも。」と思いがちですが、テーブル&ピボットテーブルは、実は日頃のちょっとした作業にこそ活用すべき便利機能なのです。手作業で表を作ったり、集計したりするより、作業効率は確実にアップします。
テーブルもピボットテーブルも、たくさんの機能が含まれているので、極めていくと高度なデータ管理、分析が可能ですが、このあと紹介するのは、基本操作を含む簡単な手順です。表を作るならテーブル、集計するならピボットテーブルと、普段使いをお勧めします。
テーブルには表にまつわるあらゆる機能が備わっている
表を作成するときには、データを入力し、必要な計算を行ない、罫線や書式を設定して見た目を整えますが、テーブルには、これらの作業をサポートする機能が全て備わっています。例えば、計算式は通常、表の下までコピーする必要がありますが、テーブルなら自動的にやってくれます。見た目に関しては、用意されているデザインを適用するだけです。罫線の設定なんて必要ありません。
このように、表の作成を手助けしてくれるのがテーブルです。おまけに、データの並べ替えや抽出もすぐにできるのですから、使わない手はありません。さっそく、縦横の合計を求める表をテーブルで作ってみましょう。
ちょっとした表をテーブルで見栄えよく簡単に作る
テーブルを利用するために必要なのは、セル範囲をテーブルとして設定する操作だけです。この設定は、データを入力する前でも全部入力した後でもできますが、お勧めは先頭行の項目とそれに対するデータを2~3行入力したタイミング。表の体裁がだいたい決まったところで設定します。そのあとデータを追加すると、テーブルの範囲は勝手に拡がります。
これだけでもテーブルを使うことはできますが、見栄えのいい表に仕上げるなら、さらに次のことを行ないます。
- 一番下に集計行を追加する。
- デザインを変更する。
集計行はチェックを外せば簡単に消せます。必要に応じて表示/非表示を切り替えてください。
どうでしょう。煩わしい数式のコピーや罫線、色などの設定は一切なしで、見栄えのいい表のできあがりです。これで決まりなら、テーブルは[デザイン]タブの[範囲に変換]をクリックして解除することも可能です。
表の作成をちょっと手助けしてもらうぐらいの感覚で、手軽に使ってみてください。
ピボットテーブルならあっという間にいろいろな集計ができる
ピボットテーブルは、今あるデータからいろいろな集計表を作成する機能です。例えば、日々の売上金額を入力した表があったとします。このデータをもとに商品別、月別にまとめた集計表を作りたいと考えたとき、ピボットテーブルなら、全ての商品名が自動検出され、日付は月ごとに自動的にまとめてくれるので、あとは集計表のレイアウトを考えるだけです。商品名と月のクロス集計表もあっという間に仕上がります。
こんなに便利なピボットテーブルですが、使うのはなにも大掛かりなデータ集計だけではありません。日常的に使う表でもピボットテーブルの利用価値はあります。数値が含まれる表なら、とりあえずピボットテーブルで集計してみましょう。おもしろい結果が得られるかもしれません。
ピボットテーブルは身近な表を使ってとりあえず操作してみるべし
ピボットテーブルの操作は、Excelのシートに自分で表を作るのとは勝手が違うため、最初は戸惑います。しかし、ピボットテーブルのいいところは、元のデータとは別に新たに集計表が作られる点です。失敗しても元のデータが壊れることは決してありません。とりあえず、普段使っているデータからピボットテーブルを作ってみましょう。
社員情報から部署別の平均年齢を出してみる
ピボットテーブルを作成する手順は、(1)データ範囲の指定、(2)集計表の項目の指定、(3)集計するデータの指定。これだけで集計表ができます。あとは、計算方法を変えたり、デザインを変えたりして見た目を整えます。いろいろな集計表を作るなら、(2)の項目の指定を変えてみましょう。この操作はマウスのドラッグで簡単にでき、結果もすぐに見ることができるので、いろいろ試すことができます。
社員情報を追加する場合は、元のデータをテーブルにして入力するのが簡単です。データを追加入力したあと、ピボットテーブルの[分析]タブにある[更新]をクリックすると、新しいデータも含めて再計算されます。
このように、とりあえずデータの集まりがあったら、ピボットテーブルを試してみましょう。ただ数値が並んでいるだけの表では気付かなかったことが、集計することで見えてくるかもしれません。
Excel 2016新機能紹介
Excel 2016では、ほかのユーザーとのデータの共有がより簡単になりました。ブックをOneDriveに保存しておけば、画面右上にある[共有]から、ほかのユーザー宛てに招待メールを送ることができます。共有するための作業がExcelの画面内でスムーズに完結します。操作の詳細はできるネットの記事(Excelで共同作業を始めよう!OneDriveを使った共有と編集権限の設定方法)を参照してください。