山口真弘の電子書籍タッチアンドトライ

月1冊まで無料で読書、Amazonの専用端末「Kindle」と「Fire」の選び方指南

今回紹介する7製品。上段左から順に、Kindle、Kindle Paperwhite、Kindle Voyage。下段左から順に、Fire HD 6、Fire HD 7、Fire HDX 7。右端がFire HDX 8.9

 本連載で電子書籍端末のレビューを担当して数年になるが、かつてはよく「どの電子書籍ストアがおすすめか」という質問を受けたものだ。もっとも、2〜3年前をピークにしてこの質問を受ける機会は目に見えて減りつつある。代わって最近よく尋ねられるようになったのが、「Kindleはどれがおすすめか」という質問だ。Kindleストアを利用することを前提にした、専用端末(KindleおよびFire)の選び方についての問いである。

 これだけスマートフォンやタブレットが普及し、アプリさえあれば電子書籍が手軽に楽しめるようになった現在、なぜわざわざ専用端末を購入するのか、不思議に思う人もいるだろう。そもそも専用端末をラインナップする事業者は減少しており、直近1年で発売された新製品と言えば、Amazon以外ではKoboと、コンテンツプリインストール型の大日本印刷「honto pocket」があるだけだ。

 確かに専用端末は、アプリに比べて購入フローが最適化されており、iOSアプリのようにアプリ内での購入に対応しないといったこともなく、シームレスに利用できるのは事実だが、一方で汎用性はどうしても低くなる。わざわざ投資するのなら専用端末ではなく汎用のタブレットで……と考える人も多いだろう。

 もっとも、Kindleストアに限ると、専用端末を欲しがる人が多い理由ははっきりしている。それは、Amazonプライム会員であれば、月1冊まで無料で本が読める「Kindleオーナー ライブラリー」が利用できるからだ。つまり専用端末を購入すれば、スマートフォンやタブレット以上に快適に読書が行なえることに加え、月1冊無料で本が読める特典があるわけだ。仮に1冊1,000円だとすれば、ほとんどの端末の購入費用は1年前後で回収できてしまうわけで、その意義は大きい。

Kindleオーナー ライブラリー」。和書は本稿執筆時点で2万冊強と、洋書を含む全タイトルに占める割合は多くはないが、テキスト本に限ればそれなりに充実しており、ラインナップを眺めると読んでみたい本はすぐ見つかる

 今回は、本稿執筆時点でAmazonが販売している7つの製品(Kindleシリーズ3製品、Fireシリーズ4製品)の特徴を紹介しつつ、その選び方について筆者なりの視点で各製品を比較しながら論じていきたい。なお各製品のリンク先にあるレビュー記事は発売直後のもので、発売後にファームアップで追加された機能は反映されていない場合があることを、予めご了承いただきたい。

Kindleオーナー ライブラリーの利用手順を、Kindle Voyageを例に紹介しよう。まずはストアのトップページから「プライム会員 月1冊無料」をクリック
Kindleオーナー ライブラリーの一覧が表示されるので利用したい本を探す。ちなみにここで表示されている770,820冊という数は洋書を含んでおり、日本語書籍は公称で2万冊強とされている
今回は「文学・評論」カテゴリの人気度ランキングで1位の鈴木みそ氏「ナナのリテラシー 3」を利用するので、タップして開く
「無料で読む」と書かれたボタンが表示されているのでタップする。なお隣の「\398で購入」をタップすると通常の有償購入になるので注意
すでにKindleオーナー ライブラリーで利用中の本がある場合、本の利用を終了してよいか確認するためのメッセージが表示される
利用手続きが完了するとこのようなメッセージが表示される。あとは通常と同様に本がダウンロードされるのを待つ
トップページに戻るとダウンロードされた本が表示されているので、あとは普通に読むだけ。月に利用できるのは1冊まで。翌月になると新しく1冊が利用できるようになり、それまで利用していた1冊は削除されて読めなくなる
入れ替わりに読めなくなった本をタップするとこのようなメッセージが表示される。どちらかというとレンタルサービスに近い

E Ink電子ペーパーか、それともカラー液晶か

 Kindleストアを利用できるAmazonの専用端末には、E Ink電子ペーパーを採用した「Kindle」シリーズと、カラー液晶を用いた「Fire」シリーズがあり、それぞれ複数の製品がラインナップされている。ちなみにFireシリーズは以前はKindle Fireシリーズという名称だったため、今でも一部にこの表記が残っているが、機能そのものは特に違いはなく、Kindleストアの利用にも支障はない。

 さて、これらのラインナップの中から自分に合った製品を選択するにあたり、ユーザーの多くが最初に頭を悩ませるのが、Kindleシリーズに採用されている「E Ink電子ペーパー」とは何ぞや? ということだろう。Fireシリーズに採用されているカラー液晶は市販のスマートフォンやタブレットで馴染みがあるが、E Ink電子ペーパーの実物はお目にかかったことがない、そのような人は多いはずだ。

E Ink電子ペーパーを採用した「Kindle Voyage」でテキスト(夏目漱石著「坊っちゃん」)を表示したところ。ちなみにE Inkというのは電子ペーパーを製造している会社名でありブランド名だが、現在市販されている各社の電子ペーパー端末はほぼ例外なく同社のパネルを採用しているため、セットで表示されることが多い

 E Ink電子ペーパーの技術的な特性を紹介し始めるとキリがないので、要点だけを紹介すると「紙とよく似た表示品質でモノクロ表示」、「省電力で充電が数週間単位で済む」、そして「ページの書替時に白黒反転が起こる」といったところを押さえておくとよい。

 まず表示品質。E Ink電子ペーパーは全体的に若干グレーがかっているが、新聞紙やPPC用紙などの紙とよく似たクオリティで、一見するとプラスチックのパネルに文字を印刷してあるように見える。視野角は広く、カラー液晶のように斜め方向から見にくいこともないほか、パネルの背後から光を発しないため目が疲れにくい特徴がある。液晶をずっと見ていると目が痛くなる……という人にはうってつけだ。

 次に省電力。E Ink電子ペーパーは画面を書き換える時のみしか電力を消費しないので、長くても数日程度しかバッテリが持たないカラー液晶採用のタブレットと異なり、数週間単位で充電せずに使える。旅行や出張の際、充電を考慮しなくてよいのは、大きな利点だ。

 電子ペーパーはカラー対応版の開発も進んでおり、製品化も近いと言われるが、現状のKindleシリーズに採用されているパネルはすべてモノクロだ。それゆえ白黒の本を表示するには向いているが、雑誌のグラビアなどカラーページの表示には向かない。基本的に白黒の本を読むための端末だと考えてよいだろう。

ここで紹介しているE Ink電子ペーパー端末「Kindle Voyage」は解像度が高いためフォントもなめらかで、印刷した紙と比べても遜色ないクオリティ。ちなみに解像度が低くなるとかすれたような品質になる
上下左右の斜め方向から見ても、液晶パネルのように色が変わって見えることもない

 そして、ユーザーによって評価が大きく分かれるのが、画面が切り替わる際の挙動だ。カラー液晶のようにページがすぐに切り替わるのではなく、前後のページがいったん重なり合うように切り替わる。これは書き替えの対象となるドットをなるべく少なく抑えるための措置で、さらに数ページ単位(もしくは章が変わるタイミング)でページ全体が白黒反転し、残像を除去する仕組みになっている。

 この両方をまとめて俗に「電子ペーパーは白黒反転する」と表現するわけだが、実際のユーザーの声を聞くと、それほど気にならないという人と、どうしても馴染めないという人にはっきりと分かれる。古い世代の製品に比べると応答速度も含めて大幅に改善されているので、あまり古い製品をもって論じるのは望ましくないが、できれば店頭などで実機をチェックし、馴染めるかどうかを判断した方が良い。それが難しければ、まずは購入して、気に入らなければAmazonが定期的に行なっている全額返金サービスを活用するのも1つの方法だ。

【動画】コミック(うめ著「大東京トイボックス 1巻」)のページをめくっている様子。ページの白黒反転の様子がよく分かる
上記動画から、ページが切り替わるプロセスを切り出したもの。前後のページが重なるようにして入れ替わっており、よく見ると黒く塗りつぶされる箇所は黒→白→黒、白く塗りつぶされる箇所は白→黒→白の順に書き替わっている。右下エリアのように白→白の箇所は特に書き替えが発生していないのが面白い
【動画】テキスト(夏目漱石著「坊っちゃん」)のページをめくっている様子。こちらはコミックと違って黒い部分の面積が狭いことから比較的気になりにくい。なお章が変わるタイミングでページ全体が白黒反転してリフレッシュしていることが分かる

Kindleシリーズ3製品をチェック

 さて、本稿執筆時点でAmazonで売られている端末は、Kindleシリーズが3製品、Fireシリーズが4製品の、合計7製品だ(カラーバリエーションや容量違い、3Gモデルを除く)。ざっと概要を見ていこう。

 Kindleシリーズは、一般に「無印」などと呼ばれるエントリーモデルの「Kindle」と、普及価格帯の「Kindle Paperwhite(ペーパーホワイト)」、さらにハイエンドモデルの「Kindle Voyage(ボヤージュ)」の3製品が存在する。画面サイズはいずれも6型だがそれぞれ解像度が異なり、上位のモデルほど細かい線も滑らかに表示できる。

 文字中心の本であれば、ルビなど極端に小さなサイズのフォントを除けば、3製品のどれでもそう違いはない。両者を並べてじっくり見比べたり、低解像度のモデルを長期間使った後に高解像度のモデルを見て初めて、線の滑らかさの違いに気がつく程度だ。

 ただし、コミックや図版の表示では、解像度が低いと細い線がかすれたり、トーンにモアレが発生したりと、画質の差がかなりはっきりと出る。コミックを読む頻度が高ければ、なるべく高解像度のモデルを買うか、あるいは後述のFireシリーズを検討した方が良い。

左から順に、Kindle、Kindle Paperwhite、Kindle Voyage。中央のKindle Paperwhiteがややサイズが大きく、重量もある。厚みは右に行くほど薄くなる
Kindle」。6,980円から買えるエントリーモデルで、解像度は167ppi。この4月に新たにホワイトモデルが追加された。レビューはこちら
Kindle Paperwhite」。解像度は212ppiで、フロントライト搭載で暗所での読書も可能。3G搭載モデルも用意される。ちなみに現在のモデルは第2世代にあたる。レビューはこちら
Kindle Voyage」。解像度は300ppiで、フロントライト搭載で暗所での読書も可能なほか、ページめくり用のボタンも搭載。他の2製品と違ってベゼルと画面の間に段差がなく本体が薄い。3G搭載モデルも用意される。レビューはこちら(12)

 Kindle PaperwhiteとKindle Voyageにはフロントライトが装備されているので、薄暗い場所でも快適に読める。この2モデルはWi-FiモデルのほかにWi-Fi+3Gモデルも用意されているので、外出先からストアにアクセスして本の購入やダウンロードを行なったり、ページの既読位置も同期できる。3G回線は無料で利用できるが、容量の大きいコミックなどはWi-Fi回線でしかダウンロードできない仕様なので気をつけたい。

フロントライトをオンにしたKindle Paperwhite(右)と、Kindle(左)を比べたところ。明るさは24段階で調節できるので、暗い場所でもまぶしすぎることがない。またKindle Voyageでは自動調節機能も備える

 このほかの違いを挙げると、Kindle Voyageは両サイドにページめくりボタンを搭載するので、タッチ操作以外に手袋をしたままでもページをめくれる。これはFireシリーズも含めた他製品にない利点だ。ボディの質感も、上位モデルは滑り止め加工が施されているのに比べ、エントリーモデルはプラスチック感が強く高級感に欠ける。もっとも価格差は約3倍もあるので悩ましいところではある。

 逆にページめくりなどの挙動については、むしろエントリーモデルのKindleがきびきびと動いて驚かされるほどで、性能の違いはほぼ考慮しなくてよい。画面のデザインやインターフェイスは3製品とも差はなく、4GBという容量も共通だ。重量は200g前後に抑えられており、Fireシリーズの6〜7型モデルが300g前後であるのと比べると、長時間片手で持っても疲れにくい。

 なお、各製品にはキャンペーン情報ありモデルとなしモデルがあり、前者は若干安価に設定されている。キャンペーン情報というのは要するに広告だが、電源オフ時のスクリーンセーバ画面やストアのトップページ最下段に表示されるだけで、ページをめくった瞬間にいきなり全画面表示されたり、読書中に不意にポップアップするなど、読書中にストレスの溜まる設計ではない。特にこだわりがなければキャンペーン情報ありモデルを選んで初期投資を安く抑えた方が良いというのが、筆者の意見だ。

広告ありモデル(左)では、スクリーンセーバの代わりにセールなどの情報が表示される

Fireシリーズ4製品をチェック

 続いてFireシリーズについて見ていこう。Fireシリーズは型番に「HD」がつくエントリーモデルと、型番に「HDX」がつくハイエンドモデルに分けられる。ラインナップは画面のサイズ別になっており、6型の「Fire HD 6」、7型の「Fire HD 7」「Fire HDX 7」、8.9型の「Fire HDX 8.9」の計4モデルがある。Kindleシリーズと違い、3Gなどの通信回線を搭載したモデルはなく(海外版には4G LTEモデルあるが国内未発売)、全てWi-Fiモデルとなる。

左から順に、Fire HD 6、Fire HD 7、Fire HDX 7、Fire HDX 8.9。右のHDXシリーズ2製品は外光が反射しにくく、この写真のHDシリーズのように画面が白く見えない
Fire HD 6」。画面は6型で1,280×800ドット、5色のバリエーションをラインナップする。両サイドのベゼルが狭く他機種に比べると縦に長いボディが特徴。Fireシリーズの中で唯一スピーカーはモノラルだ。レビューはこちら
Fire HD 7」。画面は7型で1,280×800ドット、5色のバリエーションをラインナップする。画面サイズ以外はFire HD 6とそっくりだが、両サイドのベゼルはやや広め。レビューはこちら
Fire HDX 7」。画面は7型で1,920×1,200ドット。Fireシリーズの中でこの機種のみリアカメラがないので注意したい。ちなみに旧型番である「Kindle Fire HDX 7」や、「7」を省いた「Kindle Fire HDX」と表記される場合もある。レビューはこちら
Fire HDX 8.9」。画面は8.9型で2,560×1,600ドット。全製品の中で唯一、ビデオチャットを利用した無料サポート機能「MayDay」を搭載する。レビューはこちら

 HDシリーズとHDXシリーズの主な違いは画素密度で、例えば同じ7型で比較すると、1,280×800ドット(216ppi)のFire HD 7に比べてFire HDX 7は1,920×1,200ドット(323ppi)と解像度が高く、そのぶん高精細な表示が可能だ。またHDXシリーズの方が本体が相対的に薄く軽いほか、質感も高い。

 容量についても、HDシリーズが8/16GBであるのに対し、HDXシリーズは16/32/64GBと大容量だ(もちろんその分価格は高くなる)。ちなみに背面のロゴの向きを見ると、HDシリーズは本体を縦向きに、HDXシリーズは横向きに使うことが前提のデザインになっており、HDXシリーズが動画などの利用をより意識していることが分かる。

 またHDXシリーズはCPUがクアッドコアで処理能力が高く、Wi-Fiもデュアルバンドで転送速度が速いため、動画のストリーミング再生などにも向いている。とは言えAmazonインスタントビデオストアで購入できるHD動画を鑑賞するだけなら、HDでも露骨にコマ落ちするようなことはない。少なくとも読書をするだけなら、エントリーモデルでも何ら問題ない。むしろFire HDX 7には背面カメラがないといった違いの方が、実利用上はクリティカルだろう。

 なお、画面サイズが二回りは大きいことから、他の製品とは異なる使い方ができるのが、8.9型モデル「Fire HDX 8.9」だ。7型以下のモデルでは難しい見開きでの表示にも対応するほか、判型が大きい雑誌も原寸大とまでは行かないものの実用レベルの大きさで表示できる。「コミックは見開きでの表示に限る」とか「雑誌をなるべく快適に読みたい」という人に向いた製品だ。

左がFire HDX 8.9での見開き表示、右がFire HD 6での単ページ表示。1ページの大きさはおおむね同等となる

 もう1つ、Fire HDX 8.9にのみ搭載されているのが、MayDayと呼ばれるサポート機能だ。詳細は前出のレビューを参照いただきたいが、要するにビデオチャットを利用した無料サポート機能である。操作方法に不安がある場合などに便利な機能だが、これはHDXシリーズでも8.9型にしか付属しない。今後ほかの製品に追加される機能はなくはないが(海外版ではFire HDX 7もMayDayに対応する)、現状ではFire HDX 8.9にのみ存在する機能ということで、製品を選択する動機になりうるだろう。

 なお気をつけたいのは、同じ6型という括りで、Fire HD 6をKindleシリーズと比較する場合だ。Fire HD 6とKindleシリーズ3製品とでは画面サイズの縦横比が異なるため、コミックのようにほぼ4:3比率で固定されたページを表示する場合、Fire HD 6はサイズが縮小されて相対的に小さくなってしまう。Kindleシリーズの6型と、Fireシリーズの6型はイコールではないことは、知っておいた方が良いだろう。

左がKindle Voyage、右がFire HD 6で同じページを表示したところ。両者ともに画面サイズは6型だが、Fire HD 6は画面が縦長なので上下に余白ができ、ページサイズは一回り縮小されてしまう

現状のラインナップはどれも十分な性能

 以上、7モデルの特徴をざっと見てきたが、購入にあたってはKindleかFireかをまず決め、その中から用途に応じて選ぶというのが、基本的な流れになるだろう。最後に、各モデルを所有している筆者が、実際にどのような使い分けをしているかを紹介して本稿の締めとしたい。

 まず、自宅で使っているのは、Fire HDX 8.9だ。自宅ではコミックを読むことが多いため、見開き表示に対応できる本製品が最適解と言えるからだ。画面サイズが同等のタブレットと比べても軽量なため、筆者は動画鑑賞なども含めたデジタルコンテンツの鑑賞にはFire HDX 8.9が手放せない。同クラスのタブレットの中でもバッテリの持ちは良好なため、あまり頻繁に充電しなくても構わないのが利点だ。実際に充電するのは週に1回といったところだろうか。

 もっとも、自宅外にまで持ち歩いて電車の中などで読書するにはFire HDX 8.9はやや大きすぎるので、外出先ではもっぱらKindle Voyageを使用している。外出先で読むのはテキスト本ばかりなので、Kindle 3製品のどれでも大きな支障はないのだが、Voyageは電車内で直射日光が当たる席などでもライトを使って画面を見やすく調節できるのと、手袋をした状態でもボタンを使ってページがめくれるため、この冬場には重宝した。Fireシリーズに比べると100g程度軽いのも利点で、また充電が長期間不要なことから、旅行などの遠征時も必ず持ち歩いている。

 と、どうしてもハイエンドモデルが中心になってしまうのだが、現状のKindleおよびFireシリーズはエントリーモデルでも十分な性能があるので、どれを買っても大ハズレということにはなりにくい。買ってみたら想像より重かったとか、サイズが大きかったというのはあるかもしれないが、読書周りで露骨な機能差があるわけではなく、また動作がもっさりしていてストレスが溜まるといった性能の心配も無用だ。むしろもう少し性能差や機能差があった方が選びやすいのでは、と思うほどである。

 それゆえ、まずは馴染めるかどうかを見極めるためにローエンドモデルを買うという予算重視のプランもありだろうし、既にKindleストアを愛用している人であれば早いうちから思い切って上位のモデルを買っても後悔はしにくいだろう。Kindleストアではクラウドにコンテンツが保存されており、端末の乗り替えや追加も容易なだけに、Amazonが定期的に行なっている30日間全額返金キャンペーンなども有効活用しつつ、気軽に試してみてはいかがだろう。

利用目的が電子書籍だけでなくゲームや動画も含むのなら、Kindleシリーズは自動的に選択肢から外れ、Fireシリーズから選ぶことになる。なお読書とはあまり関係ない話だが、iOS/Androidの汎用タブレットに比べてFireシリーズのアプリ数はお世辞にも多いとは言えないので、使いたいアプリがあるかどうかは事前にチェックすることをおすすめする

(山口 真弘)