山口真弘の電子書籍タッチアンドトライ
Amazon「Fire」
~実売8,980円、プライム会員なら4,980円で入手可能な7型タブレット
(2015/10/2 06:00)
Amazonの「Fire」は、KindleストアやAmazonビデオなど、Amazonが提供するデジタルコンテンツを楽しめる7型タブレットだ。7型のIPSディスプレイを搭載しながら、実売価格8,980円、Amazonプライム会員なら4,980円で入手できるという衝撃的な価格の製品だ。
ここ数年ですっかり1ジャンルとして定着した節のある7~8型タブレットだが、その牽引役となったのは、2012年に発売されたGoogleの初代「Nexus 7」だろう。ほぼ非の打ち所のない性能でありながら、当時の円高の影響もあり、19,800円という画期的な価格で登場したことで、大きな話題となったことは記憶に新しい。またその前年に登場した初代Kindle Fireも、199ドルという当時としては衝撃的な価格で話題になった(日本では未発売)。
その後円安基調に転じたこともあり、2万円以下で買える7型タブレットは現在ではほとんど姿を消してしまったが、今回Amazonから登場した新型のFireは、それらのおよそ半額、8,980円という衝撃的な価格である。スペックに差があるとは言え、昨年(2014年)発売の第4世代「Fire HD 7」が16,280円だったことを考えると、すさまじい“値下げ”である。しかもプライム会員だと4,000円の値引きが適用されて4,980円で手に入るという、前代未聞とも言える価格設定だ。
もっともこれだけ安価だと、果たしてきちんと使える製品なのか、どこか致命的な弱点があるのではないかと気になるのは当然だろう。今回はそんな本製品を過去のFireシリーズとも比較しつつ、本製品から新たに搭載される新OS「Fire OS 5」の使い勝手も踏まえながら見ていきたい。
かつての無印「Fire」の直系にあたるローエンドモデル
製品の紹介に入る前に、まずは2015年9月に発表された第5世代Fireのラインナップについてチェックしておこう。
今回発表されたのは本稿で扱う7型の「Fire」のほか、8型の「Fire HD 8」、10.1型の「Fire HD 10」の3製品。これに従来モデルの「Fire HD 6」、そして「Fire HDX 8.9」を加えた5モデルが、2015年9月末時点での現行製品ということになる。ちなみに入れ替わりで姿を消したのは、2014年発売の第4世代「Fire HD 7」と、2013年から継続していた第3世代「Kindle Fire HDX 7」の2製品だ。
現行5モデルの内訳を見ると、ハイエンドのHDXが1製品、これまでエントリー向けとされていたHDが3製品で、そのさらにローエンドに位置付けられるのが、今回紹介するFireとなる。もともとFire(旧Kindle Fire)シリーズには、入門用モデルとして無印の「Kindle Fire」があったが、これが2年ぶりに復活した格好だ。具体的な機種変遷は、以下の表を参照いただきたい(製品の呼称および世代はAmazonのヘルプ&カスタマーサービスページなどの情報に従っている)。
第1世代(2011年発売) | 第2世代(2012年発売) | 第3世代(2013年発売) | 第4世代(2014年発売) | 第5世代(2015年発売) | |
---|---|---|---|---|---|
無印 | Kindle Fire | Kindle Fire | - | - | Fire |
HD | - | Kindle Fire HD/Kindle Fire HD 8.9 | Kindle Fire HD 7 | Fire HD 6/Fire HD 7 | Fire HD 6/Fire HD 8/Fire HD 10 |
HDX | - | - | Kindle Fire HDX 7※/Kindle Fire HDX 8.9 | Fire HDX 8.9※ | - |
※印は翌年も同じ仕様のまま継続販売 |
スペックは2012年モデルに酷似、ベンチマークは昨年の「Fire HD 7」とほぼ同等
さてこの衝撃的なプライスの第5世代「Fire」だが、率直なところ、価格相応と感じられる仕様もいくつかみられる。過去製品と見比べる限り、2012年に発売された第2世代のKindle Fireと、昨年発売の第4世代Fire HD 7の中間と言って良さそうだ。ハイエンドのHDXシリーズを除く、過去の7型Fireタブレットとの比較は以下の通りである。
Kindle Fire(第1世代) | Kindle Fire(第2世代) | Kindle Fire HD(第2世代) | Kindle Fire HD(第3世代) | |
---|---|---|---|---|
発売年月 | 2011年11月(国内未発売) | 2012年11月 | 2012年11月 | 2013年11月 |
サイズ(最厚部) | 120×190×11.4mm | 120×189×11.5mm | 137×193×10.3mm | 191×128×10.6mm |
重量 | 約413g | 約400g | 約395g | 約345g |
OS(発売時) | 独自(Android 2.3ベース) | 独自(Android 4.0ベース) | 独自(Android 4.0ベース) | Fire OS 3 |
CPU | デュアルコア 1.0GHz×2 | デュアルコア 1.2GHz×2 | デュアルコア 1.2GHz×2 | デュアルコア 1.5GHz |
RAM | 512MB | 1GB | 1GB | 1GB |
画面サイズ/解像度 | 7型/600×1,024ドット(169ppi) | 7型/600×1,024ドット(169ppi) | 7型/800×1,280ドット(216ppi) | 7型/800×1,280ドット(216ppi) |
通信方式 | 802.11b/g/n | 802.11b/g/n | 802.11a/b/g/n | 802.11a/b/g/n |
内蔵ストレージ | 8GB(ユーザー領域6GB) | 8GB(ユーザー領域5.5GB) | 16GB(ユーザー領域12.6GB)/32GB(ユーザー領域26.9GB) | 8GB(ユーザー領域4.8GB)/16GB(ユーザー領域11.9GB) |
バッテリー持続時間(メーカー公称値) | 8時間 | 8.5時間 | 11時間 | 10時間 |
カメラ | - | - | 前面 | - |
microSDカードスロット | - | - | - | - |
価格(発売時) | 199ドル(国内未発売) | 12,800円 | 15,800円(16GB)/19,800円(32GB) | 15,800円(8GB)/17,800円(16GB) |
カラーバリエーション | ブラック | ブラック | ブラック | ブラック |
Kindle Fire HD(第3世代) | Kindle Fire HDX(第3世代) | Fire HD 7(第4世代) | Fire(第5世代) | |
---|---|---|---|---|
発売年月 | 2013年11月 | 2013年11月 | 2014年10月 | 2015年9月 |
サイズ(最厚部) | 191×128×10.6mm | 186×128×9.0mm | 191×128×10.6mm | 191×115×10.6mm |
重量 | 約345g | 約303g | 約337g | 約313g |
OS(発売時) | Fire OS 3 | Fire OS 3 | Fire OS 4 | Fire OS 5 |
CPU | デュアルコア 1.5GHz | クアッドコア 2.2GHz | クアッドコア 1.5GHz×2、1.2GHz×2 | クアッドコア1.3GHz×4 |
RAM | 1GB | 2GB | 1GB | 1GB |
画面サイズ/解像度 | 7型/800×1,280ドット(216ppi) | 7型/1,200×1,920ドット(323ppi) | 7型/800×1,280ドット(216ppi) | 7型/600×1,024ドット(171ppi) |
通信方式 | 802.11a/b/g/n | 802.11a/b/g/n | 802.11b/g/n | 802.11b/g/n |
内蔵ストレージ | 8GB(ユーザー領域4.8GB)/16GB(ユーザー領域11.9GB) | 16GB(ユーザー領域10.9GB)/32GB(ユーザー領域25.1GB)/64GB(ユーザー領域53.7GB) | 8GB(ユーザー領域5GB)/16GB(ユーザー領域12.2GB) | 8GB(ユーザー領域5GB) |
バッテリー持続時間(メーカー公称値) | 10時間 | 11時間(書籍のみの場合17時間) | 8時間 | 7時間 |
カメラ | - | 前面 | 前面、背面 | 前面、背面 |
microSDカードスロット | - | - | - | ○ |
価格(発売時) | 15,800円(8GB)/17,800円(16GB) | 24,800円(16GB)/29,800円(32GB)/33,800円(64GB) | 16,280円(8GB)/18,280円(16GB) | 8,980円(プライム会員価格4,980円) |
カラーバリエーション | ブラック | ブラック | ピンク、ブラック、ブルー、ホワイト、シトラス | ブラック |
もともとFireタブレットは、199ドルの第1世代モデルでもIPS液晶を採用したりと、表示の美しさにはこだわりがあるが、解像度やCPU/ストレージ、無線LANについては上位モデルと下位モデルでグレードに明確な差をつける傾向にある。今回の第5世代Fireは、IPS液晶こそ採用しているものの、解像度は600×1,024ドット(171ppi)と低く、また8GBの容量、5GHz帯非対応のWi-Fiといった仕様は、2012年発売の第2世代Kindle Fireほぼそのままだ。いくら安価でも、3年前のモデルとほぼ等しいスペックともなると、腰が引けるユーザーもいるだろう。
とは言え、CPUは(1.3GHzながらも)クアッドコアに向上しているほか、Fireのローエンドモデル共通の弱点である重量は313gと、第2世代Fireに比べて87gも軽くなっている。また前面背面にカメラが追加されたほか、第5世代モデルの特徴であるmicroSDスロットも搭載しているので、ストレージの容量不足はmicroSDを追加することで解消できる。
また上記の表にはないが、第2世代FireはBluetoothに対応しないほか、音量調節キーが搭載されておらずとっさのボリュームの上げ下げができない(その都度設定画面を開いて調節する必要がある)という、割り切りすぎて手を出しにくい仕様だったが、これらは本モデルではきちんと改善されている。
ちなみにベンチマークソフト「Quadrant Professional Ver.2.1.1」で比較する限り、性能については昨年発売の第4世代Fire HD 7に近い数値を叩き出している。新OSであるFire OS 5の影響がどの程度あるかは不明だが、スペックが酷似した第2世代Kindle Fireに比べて値が高いのは、おそらくクアッドコアの恩恵だろう。実際に使っていても、大量のサムネイルを読み込む際は多少の引っ掛かりを感じるが、全体的にはきびきびとしており、普通に使える印象だ。
製品名 | OS | Total | CPU | Mem | I/O | 2D | 3D |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Fire(第5世代) | Fire OS 5 | 5769 | 18461 | 3567 | 4131 | 309 | 2375 |
Fire HD 7(第4世代) | Fire OS 4 | 6281 | 17103 | 7563 | 4009 | 379 | 2353 |
Kindle Fire HD 7(第3世代) | Fire OS 4 | 3023 | 7450 | 2873 | 2015 | 333 | 2442 |
Kindle Fire HD(第2世代) | Fire OS 4 | 2165 | 5521 | 1894 | 1713 | 280 | 1419 |
Kindle Fire(第2世代) | Fire OS 4 | 2208 | 5512 | 1856 | 1105 | 391 | 2175 |
これでいて価格は第2世代Fireの12,800円に対して8,980円、かつ前述のようにプライム会員限定で4,980円という驚異的な価格なので、600×1,024ドット(171ppi)という解像度が苦にならなければ、スルーするには惜しい存在と言える。余談だが、第2世代Fireは現在Amazon.comでの中古相場が50ドル前後なので、新品で49.99ドルの本製品はこうした中古市場をも破壊しかねないプライスだ。
Nexus 7(2013)似のボディデザイン
では開封からセットアップ、実際に使い始めるところまでを見ていこう。昨今のスマートフォンやタブレットはiPhone/iPadの影響か、開封時のワクワク感を高める外箱を採用している製品がほとんどだが、本製品はその対極にあると言っていい、厚紙の立体パッケージを採用している。店頭でフック掛け陳列することも可能な仕様で、タブレットのコモディティ化もここまで進んだかと衝撃を受ける。
外観は、端子が上部に集中していることを除けば、ごく普通の7型タブレットである。厚みは10.6mmということで薄型とは呼べないが、安物にありがちなゴツさは感じず、またベゼルの幅が極端に太いといったこともない。背面に滑り止め加工が施されておらずプラスチック感が強いことが、コストをかけていないことを感じさせるが、これは第4世代Fire HD 7でも同様で、特に本製品だけの問題というわけではない。余談だが、側面から背面にかけてややカーブしたデザインは、どことなくNexus 7(2013)を彷彿とさせる。
セットアップ手順も従来通りで、言語を選択してWi-Fi登録、アカウント設定、SNS設定などを経てホーム画面が表示される。今回は購入時点で既にアカウントが登録されていたこともあり、本稿のためにスクリーンショットを撮りながらでもわずか2分強でセットアップが完了し、ホーム画面が表示された。
以下、左が本製品、右が昨年発売の「Fire HD 7」を再セットアップした際の画面と比較したものである(Fire HD 7のOSバージョンは4.5.5)。後述するFire OS 5の搭載により、従来に比べてかなり細かい改良が加えられていることがお分かりいただけるはずだ。
Fire OS 5の搭載でデザインと操作性が一新
本製品はOSが従来のFire OS 4(Android 4.0ベース)から5(Android 5.0ベース)に改められ、ホーム画面のデザインおよび操作性が一新されている。中でも最近使ったコンテンツをパラパラとめくるFire独自のホーム画面が廃止され、ホームと別画面に移管されたのは大きな変化だ。
本、ビデオ、ゲームといった各カテゴリは、従来と同じく上段のカテゴリ名をタップするか、あるいは左右にスワイプして切り替える。各カテゴリにはこれまでの購入済みコンテンツに加えて、下段におすすめコンテンツが表示される形に(ほぼ)統一された。おそらくこのほうが購入に結びつきやすいという判断だろう。
また、これまでヘッダーに表示されていたカテゴリのうち、ウェブ(Silk)、ドキュメント、写真などはヘッダから姿を消し、ホーム画面に並ぶアプリの1つへと“格下げ”された。これによりカテゴリ数が(見かけ上は)減り、ヘッダがすっきり見やすくなった。さらに画面を上から下へとスワイプして表示される通知領域のデザインや、ホームボタン右に配置されたアプリ切り替えボタンなど、Android 5系と共通の操作体系が増え、よい意味でクセがなくなっている。
本稿執筆時点では使い始めてから日が浅いためトータルでの評価は避けるが、「カテゴリ切り替えは左右スクロール、カテゴリを深掘りするには上下スクロール」と、役割がきっちり分かれたことで、初心者にとってもハードルが低くなったように感じられる。また操作性が素のAndroidにより近くなったことは、独自色の強いFireのメニューに馴染めなかった人にはプラスだろう。
一方、読書中に目にするページおよびオプション画面については、特に違いは見られない。フォントオプションの画面のようにデザインが大きく異なる場合もあるが、ホーム画面まわりのように操作性が全く異なる変更点は確認できなかった。基本的にはデザインの見直しのみと理解してよさそうだ。なお以下のスクリーンショットを取得後にFire HD 7もバージョンアップがあり、本製品とほぼ同じ画面デザインに変更されたことを付記しておく。
ネックは解像度。ドットが目立ち、細い線の表示はつらい
さて、気になる画面解像度について見ていこう。本製品の600×1,024ドット(171ppi)という解像度および画素密度は、第1~2世代のKindle Fireと同等であり、昨年発売になった第4世代のFire HD 7(216ppi)よりも下である。液晶と電子ペーパーとを比較するのは酷だが、先日モデルチェンジする前のKindle Paperwhite(2013)ですら212ppiだったことを考えると、かなり不安になるスペックである。
というわけで、実際にテキストおよびコミックコンテンツについて、他の7型Fireタブレットと比較した写真をご覧いただこう。テキストは太宰治著「グッド・バイ」、コミックはうめ著「大東京トイボックス 10巻」で、テキストの文字サイズはおおむね小説本と同等になるよう合わせている。どちらも左から、本製品(600×1,024ドット/171ppi)、第4世代Fire HD 7(800×1,280ドット/216ppi)、第3世代Kindle Fire HDX(1,200×1,920ドット/323ppi)の順である。
結論から言うと、既にスマートフォンやタブレットで300ppiクラスの高解像度に慣れていると、やはりドットの粗さが気になってしまう。特にテキストについては線が太ったり、にじんだように表示されることもしばしばで、長時間見ていると目が疲れてしまう。価格を全く考慮せずに判断するのであれば、これだけで購入候補から脱落してしまうレベルだ。
もっとも、Amazonビデオなど動画コンテンツの閲覧では、こうした解像度の低さはあまり気にならない。同じ解像度の第2世代Kindle FireでAmazonビデオを再生すると、画面のあちこちにブロックノイズが発生して見られたものではないのだが、本製品はAmazonビデオを前提としたチューニングが施されているのか、そうしたこともない。要するに「絶えず動いているから気にならない」というだけなのだが、クオリティを800×1,280ドットの第4世代Fire HD 7と見比べても、意外なほど差は感じない。
総じて評価すると、細い線が太ったりにじみがちになることから、テキストや一部のコミックなど細い線が多いコンテンツで、長時間没頭して読書するのはおすすめしない。ただしそれ以外のケース、細い線がそれほど多くないコミックや動画をカジュアルに見るのなら、解像度の割にはそこそこの表現力があり、実用レベルには達している。テキストコンテンツに関しては、フォントサイズを普段より一回り大きくしたり、あるいは明朝からゴシックに切り替えるというのも、ユーザーの側でできる解決策の1つだろう。
8,980円なら「価格相応かそれ以上」、4,980円なら「お買い得」
おそらく本製品の評価は、ユーザーのスマートフォン/タブレット歴に大きく左右されるだろう。いわゆるRetina解像度に慣れているユーザーからすると、いくら安価でも本製品の解像度の低さは耐え難いだろうし、スマートフォン/タブレットの利用歴があまりないユーザーや、これまでタブレットを家族と共用していて自分専用の1台が欲しかったユーザー、スマートフォンでは飽き足らずもう一回り大きい画面サイズを求めていたユーザーにとっては、この価格で自分用の1台が手に入るというのは、プラスがマイナスを大きく上回るはずだ。
以上のように、解像度についてはどうしても辛辣な評価にならざるを得ないのだが、それでも第2世代FireのようにBluetoothに非対応だったり、カメラがなかったり、果てには音量調節キーが存在しなかったりと、同等製品では当たり前のように存在している機能が欠落しているといった、致命的な欠点は見当たらない。第2世代のFire(400g)はもちろん、第4世代のFire HD 7(約337g)と比べても軽量で、持っていてそれほど疲れないのも利点だ。
また動作についてもきびきびしており、ストアなどサムネイルが多数あるページの画面遷移では多少ひっかかりを感じるものの、ストレスが溜まって使いものにならないというレベルではない。厚みについても及第点のレベルだし、microSDで容量を拡張できるという、従来のFireになかった利点もある。廉価なモデルにありがちな視野角の狭さも感じないので、2~3万円クラスのタブレットだと説明されても、普通に信じてしまうはずだ。
これらを総合すると、8,980円という価格は「価格相応かそれ以上」、プライム会員限定の4,980円は十分に「お買い得」というのが、筆者の評価だ。1つ加えて言うならば、画面がかなりギラつくうえに手の脂が極端に付きやすいので、反射防止のフィルムを追加する予算だけは、盛り込んでおくことをおすすめしておきたい。
ただし、プラス1万円程度の予算を出すことが可能なら、無理に本製品に飛びつく必要はない。冒頭のベンチマークで本製品より高い値を出しているFire HD 7(第4世代)は、本稿執筆時点ではまだ特定カラーの在庫が残っており、こちらは16,280円だ。また新製品のFire HD 8(第5世代)は19,800円だし、Androidタブレットに目を向けると、この9月に発売されたAndroid 5.0搭載のAcer Iconia One 7(B1-760HD)も、2万円以下で入手が可能だ。これらはいずれも画面解像度が1,280×800または1,280×720ドットなので、前述の解像度の問題も、ある程度は解消されていると考えられるからだ。
次回はこれらの中から、本製品と同時に発表された8型のニューモデル、Fire HD 8について紹介したい。