山田祥平のRe:config.sys
速くても無音が次のトレンド
2016年8月12日 06:00
3:2アスペクト比の12型前後の画面を持つ2in1 PCカテゴリが賑やかになってきた。今回は、日本エイサーから法人向けに発売されたSwitch Alpha 12を使ってみた。そのインプレッションをお届けしよう。
トレンディな3:2タブレット
3:2アスペクト比の画面は、MicrosoftのSurface Pro 3から使われるようになってお馴染みになり、現行モデルのSurface Pro 4でも採用されている。ちょうど、35mmフィルム、つまりライカ版の縦横比だ。
解像度で2,160×1,440ドットと、Surface Pro 4の12.3型、2,736×1,824に対して劣るが、ビジネス利用を想定すればまったく問題ない。先行するファーウェイのMatebookがSwitch Alpha 12と同様のサイズ、解像度の画面を備えている。
これら3モデルをピュアタブレットとして見た場合、それぞれのコンセプトは微妙に異なる。Switch Alpha 12の場合は、Core i5プロセッサ搭載で処理能力を確保した上で、それを「LiquidLoop」と呼ぶ独自のヒートパイプ式液冷システムによって冷却することで、このフォームファクタと処理性能では画期的とも言えるファンレスシステムに仕立て上げている。
しかも、SurfaceやMatebookがペンやタイプキーボードカバーを別売りにしているのに対して、Switch Alpha 12はこれらを同梱している。まさに2in1の名にふさわしい製品パッケージングだ。もちろんピュアタブレットが欲しいというユーザーには割高となってしまうかもしれないが、2in1を名乗るならこれが妥当とも言える。
本体の重量はカタログスペックで約900g、キーボードを接続すると1,250gとなっている。それなりにズシリとくる重量だ。Matebookどころか、786gのSurface Pro 4よりも重い。Matebookの640gという軽量さはキックスタンドのないピュアタブレットであるということも影響しているが、キックスタンドを備えたSurface Pro 4よりも114gも重いのはちょっと納得できない面がある。
また、厚みもある。Surface Pro 4の8.4mmに対して、9.5mmある。1.1mmの違いだが、持った時にはかなりの違いを感じる。
キックスタンド装備は便利
本体に装備されたポート類は、USB3.0が1つ、USB Type-C(PD非対応)が1つ、microSDカードスロット、そして充電用端子だ。ボリュームや電源ボタンのほかに、Windowsボタンが装備されているのは珍しい。Type-CをPower Delivery非対応とし、電源端子を別途設けたのは、ポートを電源で塞いでしまってデータ入出力に使えなくなることを嫌ってのことだというが、今後、電源供給が汎用的なUSB Type-Cに向かうことを考えたら、両対応ということも視野に入れて欲しかったところだ。
キックスタンドはSurface Pro 4のように板状のものではなく、フレームだけでできている。当然、その分軽量化が狙いなのだろう。下部には滑り止めのラバーが装備され、165度までの角度にフレキシブルに調節できるようになっている。このラバーのおかげで立てての使用時のズレを抑止している。
キーボードは典型的なタイプカバーで、液晶面を保護する役割も果たす。ディスプレイ下部にマグネットで吸着してキーボードをチルトさせるというのもSurface Pro 4と同様の仕組みになっている。ファンクションキーも標準的なキーボードと同じで、このあたりはPCベンダーの老舗的な印象もある。
本体短辺左側に上から電源ボタン、ボリューム上下、Windowsボタン、右側に上からヘッドフォンジャック、USB 3.0、USB Type-C、電源端子と、左にはボタン類、右には入出力の端子類が配置されている。これは本体を縦に構えたときにも使いやすいわかりやすいレイアウトだ。
タブレット面は比較的広いベゼルがあり、スライドイン等の操作もやりやすい。気が付くのは、本体がバスタブ状の構造になっていて、そこに液晶面が沈み込められていることだ。ほんのわずかだが四辺が液晶面より高い縁取りになっていて、それがタイプカバーが画面に接触してしまうことを抑制している。また、横にしたときの上部縁2カ所に細いスリットが設けられている。これはスピーカーの開口部だが、肌を近づけるとほんのわずかに熱を感じるので、熱を逃がすための機構の1つとしても考慮されているのかもしれない。
ちょっと気になるのは、同梱のキーボードを背中に回してタブレットとして使おうとした時に、背面よりもキーボード面がけっこう短く、背面全体を覆わない点だ。ただし、閉じる場合には、画面は完全に覆われる。つまり、キーボードの根っこの本体との接続部の遊びが多少短いことによるものだ。これはSurface Proでも同様だが、かなり大きく本体が露出する。もちろん、その露出がなければ背面カメラが隠されてしまうので、きちんと計算されてのことだろうが、縦にして手で支える時にちょっと気になるかもしれない。
Windows Helloには未対応
Windows 10 プリインストールは出荷時期の関係もあってバージョン1511となっている。初期設定後、Anniversary Updateに更新することでバージョン1607となった。更新後、特に問題はないように見える。
その一方で、ピュアタブレットであるにもかかわらず、S0iXには対応せず、一般的なノートPC同様にS3スリープとそこからの復帰で運用する。つまり、InstangGo対応ではない。といっても、スリープからの復帰は十分に高速で特に不便を感じることはない。今後、UWPアプリが普及することで、スリープ中の通信による通知機能などを必要としない限り問題はないだろう。特に、企業向けの製品として位置付けられているため、そうした機能が最初からないことを望む現場も少なくないはずだ。
法人向けということもあり、プリインストールアプリは最小限に抑えられている。目立ったところでは、Mozilla Firefoxがブラウザとしてタスクバーにピン留めされていた。また、Acer関連のアプリは、すべてのプログラム内のフォルダAcerにまとめられている。アプリとしての「Acer Care Center」がドライバのアップデートを含めてシステム全体の設定や更新、リカバリー等を司る。ないものねだりをしても仕方がないのは分かっているが、企業向けであれば、Windows Hello対応生体認証センサーが装備されていないのが残念だ。
2セルを内蔵するバッテリ駆動時間はカタログスペックで8時間だ。話半分で4時間程度とみるのが妥当だが、実際に使ってみると、バッテリの消費が思ったより遅く、もう少し長い時間稼働する。実際、5時間以上は安心して使えそうだ。
電源アダプタにはコンパクトなものが使われている。ミッキータイプの接続ケーブルを使うのだが海外ベンダの宿命というべきか、そのケーブルがぶっとく持ち運び時にものすごくかさばる。このあたりは、ウォールマウントプラグや、短くて細いケーブルがサードパーティ製で見つかるので、ユーザー自身の責任で追加購入して交換するなどの工夫をするしかない。だが、電源供給という、安全性などで気を遣わなければならない部分でもあり、できれば、日本向けには最初からもう少し細いケーブルのものを提供して欲しかったところだ。
キーボードカバー脱着型2in1の宿命といってもいい膝の上での使いにくさは諦めるしかない。出自はピュアタブレットなのだ。ただ、キーボードと本体を固定するマグネットがかなり強力で、キーボード側を持って多少ふりまわしても本体が脱落しないくらいなので、膝の上に載せたときの不安感はそれほどでもないが、どうしてもすわりの悪さがつきまとう。もちろんテーブルなどの作業スペースがある場合は何の問題もない。
ビジネスに使うならCore iプロセッサ
いつも言うことだが、Surfaceの物まねと言われようが、なんと言われようが、3:2アスペクト比の画面を採用した点は高く評価したい。16:9のタブレットよりも圧倒的に使いやすいからだ。個人的にはここが激戦区になって欲しいと強く願っている。
注目すべきはやはりCore i5という実用上十分高速なプロセッサを搭載しながらファンレスを実現したことだろう。液冷ということだが、リキッドの循環にも電力が使われない。もちろん、そのことで背面に熱を感じ、使っている時の不快感は多少あるかもしれない。ただ、熱くなるのは主に下部中央側なので、縦に持った時にも、横に持った時にも、手に触れにくい位置となるのはよく考えられていると思う。もちろん、キーボードカバーを背面に回してしまうと、その熱はほとんど気にならない。やはり無音であるということと、熱い風が吹き出す口がないというのはこの製品の大きな魅力だ。ノートPC的な使い方をする場合にも、これはうれしい。
その一方で、タブレットとして使う場合に、この時代900gというのは、かなり重く感じてしまうのも事実。キーボードカバーつきで1.2kgを超えるというのは、この状態でタブレットとして常時手で支えて使うというのは無理に近い。コスト的なものとの戦いでもあるが、液冷システムの軽量化を進め、さらなるダイエットを実現して欲しいと思う。
ファーウェイがCore mでこのフォームファクタにチャレンジしたのに対して、この製品は、Core mではビジネスを牽引する2in1は成立しないというAcerの回答でもある。2in1である限り、慣れ親しんできたノートPCと同等の処理性能を確保するべきだというのは、PCベンダーとして長い経験を持つAcerの見識とも言えるのではないか。
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