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サブ機や、学習用にうってつけ!6万円のRyzen搭載14型ノート「mouse A4-A3A01SR-A」

マウスコンピューター「mouse A4-A3A01SR-A

 ヘビーな作業には可能な限り性能に余裕のあるPCを使いたいが、一方でさほど負荷の高くない処理をそこそこのパフォーマンスでこなせればいい、という用途もある。オフィス文書の編集などテキスト入力がメインだとか、ネットや動画を気軽に見たいとか、あるいはWeb会議をやりたいといったケースがそうだ。

 そこにちょうどマッチしそうなのが、マウスコンピューターのノートPC「mouse A4-A3A01SR-A」(以降、mouse A4)だ。5万9,800円からという破格の値段で、仕事やプライベートのサブ機として、あるいは学生/子どもの学習用マシンなどとして、そのコストパフォーマンスの高さから使いどころの多いエントリー機となっている。

 今回本製品をじっくり試してみたので、どういう用途で快適に使えるかをお伝えしていく。

14型としてスタンダードな装備、質感の良さも好印象

背面にはおなじみのmouseロゴ

 マウスコンピューターのノートPCラインアップの中でエントリークラスに位置付けられるmouse A4は、AMD Ryzen 3 3250U(2コア4スレッド、最大3.50GHz、TDP 15W)と、AMD Radeon Vega 3 Graphics(CPU内蔵)を搭載するコストパフォーマンス重視のモデル。今回試用したのはメモリ8GB(最大32GB)、ストレージ128GB(最大512GB)という最小限の構成だ。

AMD Ryzen 3と、CPU内蔵のRadeon Vega 3 Graphicsを搭載する

 ディスプレイは14型フルHD液晶(1,920×1,080ドット、60Hz)で、昨今のスタンダードサイズと言えるもの。光沢がなく、照明などの反射に惑わされることなく作業に集中できる。

視認性が高く、反射の抑えられた14型フルHD液晶ディスプレイ

 インターフェイス類はバランスよく揃っている。USBポートはType-CとType-A×2(いずれも最大5Gbps)の計3つ、最大4K(30Hz)出力対応のHDMI端子も用意されている。microSDカードスロットも内蔵しており、スマートフォンや小型カメラなどとのデータの受け渡しに役立ってくれる。

右側面にUSB Type-C、Type-A、HDMI出力

 Webカメラは100万画素を装備。ネットワーク周りはしっかりWi-Fi 6に対応しており、最大2.4Gbpsで高速ワイヤレス通信が可能だ。このクラスでは珍しく有線LANポート(最大1Gbps)も装備しており、Web会議のような通信の安定性が求められるシーンで重宝するだろう。

左側面に有線LANポート、microSDカードスロット、USBなどを備える
100万画素のWebカメラと、その左右にでデュアルアレイマイクを内蔵

 Type-CポートはUSB PDに対応しないが、付属の充電用ACアダプタ(45W)はコンパクトなため、持ち運ぶ場面でもかさばることはなさそうだ。厚み約21.4mm、重量約1.49kgということで、持ち運びに苦労するほどではない。バッテリ稼働時間は約9時間あるので、電源がないところでも活用できる。

 ただ、mouse A4は毎日外出先に持ち出して使いこなすというよりも、どちらかというと自宅やオフィスで半据え置き的な用途で活用することが多いと考えられる。

コンパクトなACアダプタが付属
折りたたみ時の厚みは約21.4mm
持ち運びできるサイズ感

 本体色はシルバー基調で、ロゴなどの装飾が最小限のごくシンプルなデザインとなっている。6万円からという安価なモデルでありながらも、外装の質感や剛性感にチープさはない。

 キーボードはややストロークが浅めで、タイプ音はノイズが抑えられた落ち着いたもの。シボ加工風のキートップは皮脂が目立ちにくく個人的に好ましいと感じた。

天板とパームレスト周りはシルバー
ストロークの浅いキーボードだがノイズは控え目、キートップの指紋が目立ちにくい
ジェスチャー操作に対応するタッチパッドはやや広めの作り

 冷却ファンは最大負荷時だとそれなりの騒音になってしまうが、プリインストールされているユーティリティ「Control Center」を利用することで静音重視の設定にもできる。

 処理に応じて適切に性能調整される「バランスモード」に設定すれば、冷却ファンの速度をかなり抑えられる。それでいて最大性能を発揮する「パフォーマンス」設定かつ冷却ファン速度「最大」と比べたときの性能差は、ベンチマークテストで確認したところではせいぜい5%程度。作業の内容や環境に応じて、積極的にControl Centerを使って快適性を高めたい。

「バランスモード」でパフォーマンスと静音性を両立できる
mouse A4-A3A01SR-A
OSWindows 11 Home
CPUAMD Ryzen 3 3250U(2コア4スレッド、最大3.50GHz、TDP 15W)
GPUAMD Radeon Vega 3 Graphics (CPU内蔵)
メモリ8GB (DDR4-2400、最大32GB)
ストレージ128GB (PCIe 3.0、NVMe M.2 SSD)
ディスプレイ14型液晶 (1,920×1,080ドット、60Hz)
インターフェイスUSB 3.0 Type-C、USB 3.0 Type-A×2、HDMI出力、ヘッドセット端子、microSDカードスロット
通信機能有線LAN(1GbE)、Wi-Fi 6、Bluetooth 5
カメラ100万画素
サウンドステレオスピーカー
キーボード88キー日本語キーボード
バッテリリチウムポリマー
バッテリ駆動時間約9時間
同梱品ACアダプタ (最大45W)
サイズ約325.9×226.9×21.4mm
重量約1.49kg

コストパフォーマンス抜群のノート、どんな用途に使える?

 mouse A4の用途として考えられるのはあくまでも“軽作業”だ。下記のベンチマーク結果のグラフを見ると分かる通り、重い画像処理や3Dグラフィックスの描画には向いていない。しかし、ビジネス文書の作成/編集のようなタスクは実用上全く問題のないパフォーマンスを発揮してくれる。

 WebブラウジングやフルHD動画の視聴ももちろんきっちりこなせるし、USB Type-CとType-AのUSBポートをバランス良く装備しているため、周辺機器の接続の柔軟性が高いのもポイントだ。

「PCMark 10」の結果
「PCMark 10 Applications」の結果
「3DMark」の結果

 “軽作業”だけで済むユーザーであれば、ビジネスシーンでもこのマシン1台で間に合うし、プライベートでSNS、EC、動画配信などのオンラインコンテンツを楽しむためのお手軽なPCとしてもちょうどいい。

 このタイミングだと、新生活が始まったばかりの学生の学習用マシンとしても最適だ。親としてはできれば金銭的負担少なく、実用性もしっかりあるPCを買い与えたいところ。その点、低コストで学習用、論文執筆用などとして過不足なく使えるmouse A4はぴったりだ。

 キーボード配列にイレギュラーな部分が少なく、キートップの文字が見やすいという点でも、子どもの1台目のPCに適しているように思う。あまりに高性能なPCだとゲームにうつつを抜かすことになって逆効果なのでは、なんて心配してしまうが、そうした恐れが少ないのも、もしかしたらメリットかもしれない。

スタンダードなキーボードレイアウト。キートップのプリントが見やすく最初の1台にも最適

 すでにハイパフォーマンスなメインPCがあるのなら、そのサブ機としてmouse A4を追加するのもよし。単純にデスクトップを広げたいだけであれば高解像度モニターやマルチモニターにする選択肢も考えられるが、メインPCのリソースに影響しないよう別マシンに業務の一部を切り分けたいときもあるのではないだろうか。

 たとえばチームメンバーとのコミュニケーションに使っているチャットツールを別画面の別PCに移したいとか、カメラやマイクの接続/準備に手間がかかるデスクトップPCではなく、ノートPCでスムーズにWeb会議を始められるようにしたいとか。時には動画を再生して横目で見ておきたい、なんてこともあるかもしれない。

カメラとマイクを内蔵したノートPCなら、デスクトップPCより手間なくWeb会議を始められる

 オンラインサービスなどを個人開発しているときには、メインPCとは別に一時的なローカルのテストマシンを用意した方が好都合なときもある。画面と入力インターフェイスを完備したマシンとして、そこそこの処理能力のあるmouse A4のようなノートPCはまさにベストマッチだ。

個人的な開発作業中には、手頃な価格/性能の検証マシンとしても都合がいい

 さらには昨今、Windowsに搭載されているCopilotをはじめ、ChatGPT、Google GeminiといったAIツールが簡単に使えるようになり、これらを駆使することでユーザーの作業負担を減らせるようにもなってきた。ビジネス文書やメール、資料用画像の作成など、クラウド側のAIに実務をある程度肩代わりしてもらえば、その分手元のPCの性能に頼らずに済む。

CopilotなどのAIツールを使えば資料作成の効率をアップできる

 スペックが高くないPCでも今まで以上にできることの幅が広がってきている。ということは、低コストなノートPCをさらにコストパフォーマンス高く活躍させられるということでもある。ここはユーザーの腕の見せ所だ。生産性を効率良く高めるために、あえて低コストなノートPCを選ぶという考え方が合理的な時代になってきているようにも思う。

「自分なら何に使えるかな?」と考えたくなる1台

 以上のようにmouse A4はバランスの取れた入門機だが、個人的には、最小構成であるメモリ8GBのモデルだと、内蔵GPUとメモリが共有されることもあって、複数アプリケーションを同時並行で使う際にもたつきが感じられるときもある。そのため、できることならメモリは16GBにカスタマイズしておきたいところ。

ノートPCの梱包材にはリサイクル可能なダンボールを使用。サステナビリティにも配慮した取り組みがすでに始まっている

 バリバリ仕事をこなすための高い性能や尖った個性をもつマシンではない。それでもこの価格帯、この性能、このスタンダードさが仕事やプライベートに役立ってくれるシーンはあちこちにあるり、「自分なら何に使えるかな?」と思わず考えたくなってしまう。mouse A4はそんなワクワクを感じられる1台だ。