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アドビエバンジェリストのパパ氏に試してもらったら早速とりこに!プロが語るベンキュー製クリエイター向けモニターレビュー

パパ氏の環境。右が私物のベンキュー「PV270」。左が今回試用してもらった「PD2706UA

 2023年12月に公開した記事で、「プロがモニターに投資すべき理由」として、ベンキュー製のクリエイター向け27型4Kモニター「PD2706UA」の見所を紹介した。プロレベルの色再現性など表示デバイスとしての能力はもちろん、KVM機能やアーム付きモデルなど、使い勝手にも光るところが多数ある製品だ。

 そんなクリエイターに"推せる"モニターを実際にクリエイターであるパパ氏に使ってもらった。パパ氏は、アドビエバンジェリストの肩書きを持つクリエイターで、PhotoshopやPremiere Proなどに詳しく、本誌でも連載を持っている。

 実はパパ氏は、以前からベンキュー製モニターを使っている。今回、どういった経緯で氏がベンキュー製モニターを導入し、その品質はどうだったか。そして新製品については使い勝手も含め、どう感じたかを語ってもらった。

なぜベンキュー製を選んだのか

 パパ氏の普段の仕事内容は主に3つに分けられる。まず、Photoshopを使ったレタッチ作業やデザイン、ビジュアル制作がある。次に、Photoshopに関連するセミナーや教材の制作を行なっている。これは記事や書籍の執筆から、教育目的の動画撮影、編集などを含む。最後に、3Dコンテンツの制作。これにはメタバースの3Dワールド制作や、3D CGを使ったミュージックビデオが含まれ、すべて自室で作業を行なっているという。

 そんな仕事柄、一日のうち、食事や入浴などを除いたほとんどの時間をモニターと向かい合ってすごしているという。具体的には、だいたい朝7時30分頃に仕事を始め、夜は23時前後まで作業を続けることが多く、平均して1日約12時間はモニターと向き合っている。そのため、モニター選びは仕事の質とパパ氏の健康にも直結することとなり、モニターの品質は非常に重要になってくると考えているという。

パパ氏のPhotoshopでの作例

 パパ氏は、いつもデュアルモニターで作業している。メインモニターはベンキューのPV270で、サブモニターは他社製。メインモニターは主に作業用に使い、サブモニターは資料閲覧など補助的な使い方をしている。サブモニターはこれまで何度か買い換えているが、メインのPV270に関しては購入以来ずっと使い続けているそうだ。

 先に、モニターの品質を重要視していることを紹介したが、具体的にはどのような点を重視しているのか聞いてみた。

 「モニターを選ぶ際には、特に色の正確さと目への負担軽減を重視しています。私の仕事では、1枚のビジュアルを細部まで正確に表現する必要があるため、色の再現性は非常に重要です。"見栄えが良い"よりも"正確な色が表示されるか"が重要なのです。また、1点をじっと見つめて細かい修正を行なうことが多いため、長時間作業しても目が疲れにくいことも大事なポイントです」(パパ氏)。

 そんなパパ氏だが、駆け出しの頃は、モニターの品質は正直あまり気にしていなかったという。予算の関係で安いモニターを使っていたが、レタッチやビジュアル制作の仕事が増えた時に、ファッション関連のレタッチ案件で色の違いを指摘されたことがあり、「これはまずい」と思い、環境のアップグレードを考え始めたのだという。その時、氏が尊敬する第一線のレタッチャーがベンキュー製モニターをおススメしているのを見て、PV270を購入しました。

 PV270は、実際に使ってみてどうだったのか? 「PV270にはキャリブレーションもあるので、それを含めて使用してみて、これまでどれだけ適当な色で作業していたかが分かりました。特にビジュアル制作やレタッチでは、正しい色を見ながら作業することが大切なので、結果的に修正が減り、作業時間の短縮と仕事の品質向上につながりました」(同)。

これはPD2706UAに同梱されているキャリブレーションレポート

 長らくベンキュー製モニターを愛用しているパパ氏にベンキューのイメージを聞いてみた。

 「ベンキューと聞くとやはり、"映像制作者やデザイナー、写真家などのプロフェッショナルが使用する高品質なモニターのメーカー"というイメージがあります。ハイエンドモデルも多数ありますが、性能と価格のバランスが良い製品も充実していて、クリエイターのタマゴがプロ用モニターを初めて購入する際の候補にもなりやすいと思います」(同)。

パパ氏によるクリエイター目線でのPD2706UAの評価は!?

 今回、パパ氏にPD2706UAを作業用モニターとして使ってもらった。まずは、モニターとして最重要ポイントである画質はどうだったか? パパ氏が写真や動画の編集作業を行なってみたところ、色の再現性が非常に高く、色域の広さを感じたという。3D CG、映像編集の作業では、色を正確に認識できるので、細かなカラー調整を正確に行なうことができ、Photoshopを使用した画像編集においても、色の正確性はもちろん、広い色域により、細かな色の違いまではっきりと見え、繊細なレタッチ作業がやりやすく感じたとのこと。

PD2706UA

 また、本製品は輝度ムラ補正技術が入っており、パネル全域で均一な色表示ができるのも特徴。この点については、作業内容によってアームでモニターを動かすことが多いので、どの角度からでも均一に見えるのは作業効率が上がると同時に目へのストレスも減るとパパ氏。元々のPV270でも色の正確さに満足していたが、本製品ではそれに加え、色の均一性という点でも高く評価しているようだ。

 パネル以外の使い勝手についても聞いてみた。アームがついていることで、どのように活用の幅が広がったのか?

 「PD2706UAを使用してみて感動したポイントの1つがアームでした。PD2706UAのアームは、これまで使用してきたものと比較しても非常に使いやすかったです。過去使ったアームは、可動部分が重すぎてうまく微調整ができず買い替えたこともあります。それに対して、PD2706UAのアームは位置調整が簡単で、配置した位置でしっかりと固定されます。

 作業内容に応じてアームの位置を変えることが多い私にとって、これだけスムーズに位置を調整できるのはとてもありがたいポイントです。また結果として、目線の高さにモニターを安定して配置できるため、作業中の身体的な負担も軽減されたと感じています」(同)。

PD2706UAには標準でアームが搭載されている。アームが付属しない「PD2706U」も販売されている

 本製品はUSB Type-Cで信号伝送とUSB PDによる給電に対応している。この点については「ノートPCを持ち出すときにも便利ですが、個人的にはケーブルが少なくなり作業スペースがすっきりして作業のストレスが減り、創作に集中できるのがうれしいポイントでした」と語る。確かに、ケーブルが乱雑に散らかったデスクだと、気が散ったり、マウスなどの操作性にも影響することもあり、実は使い勝手だけでなく、生産性にも影響するのだ。

側面にある入力端子
下部にある入力端子。PCを2台つなぎ、USBにキーボード&マウスをつなぐと、2台のPCでキーボード&マウスを共有できる

 モニターの左右で異なるカラーモードを利用できる「DualView」機能については、ニッチな機能と思われがちだが、パパ氏は独自の使い方を見出してくれた。

 「DualViewは、複数の作業を並行して行なう時に非常に便利でした。たとえば、画面の左側でPhotoshopを使用してレタッチ作業を行ないながら、右側で資料を表示するとします。この時、右側の画面だけブルーライト軽減の設定をして、目への負担を軽減するなどが可能になります。これにより、効率的に作業を進めることができるだけでなく、長時間の作業においても目の疲れを軽減することもできると感じました」(同)。

 モニターに2台のPCと、1組のUSBキーボード&マウスを接続し、それを2台のPCで切り替えて使えるKVMスイッチ機能については、パパ氏は今回初めて試したのだが、想像以上に便利だったという。

 氏はメインのWindowsのデスクトップPC、サブPCとしてMacBook Proを使用している。MacBook Proは基本的に出張用なのでほぼWindowsで仕事をしている。そのため、Windows機につないでいるキーボード、マウスの方が慣れている。KVMスイッチを使うことでMacでの作業の時も、いつものキーボード、マウスが使えるのは非常にうれしいポイントだったそうだ。

 また、オンラインセミナーなどに登壇する際、配信環境の仕様でメインのデスクトップ(Photoshopなどの画面共有用)と、MacBook Pro(Zoomでの通話用)と両方を使うことがあります。そういう時にも非常に役に立ちそうだと語ってくれた。

パパ氏の環境で、MacBookProの映像をPD2706UAにUSB Type-Cで映しているところ

 PIP(Picture-in-Picture)やPBP(Picture-by-Picture)機能については、メインの画面で動画編集を行ない、小窓で他の映像を参考映像として流すといった使い方ができそうだとのこと。パパ氏のようにプレゼンやセミナーなど、オンラインでしゃべる機会が多い人には、左にプレゼンの資料、右側でデモンストレーションなどの使い方も効果的だろうとのことだ。

 今回パパ氏は、PD2706UAを試用するにあたって、たまたま仕事が重なり、いつも以上に長時間モニターと向かい合っていたという。長い日は1日合計16~17時間モニターを見ていた。いつもであればこれくらい長時間モニターに向かっていると目薬が手放せないのだが、今回は深夜の作業にもかかわらずそこまで目への負担を感じなかったという。この辺りは、フリッカーフリーやブルーライト軽減などのアイケアテクノロジーが寄与しているのではとのことだった。

次に買うならこれ!とパパ氏

 と言うことで、パパ氏にPD2706UAを試用した総評を伺ったところ、次に買うならこれにしたいと思うくらい良かったとの言葉が返ってきた。正確な色表示で無駄な修正が減り、状況に応じてアームを使ってモニター位置も手軽に変更できるなど生産性が上がるほか、使い勝手もただ増すだけではなく、KVMなどこれまでの製品ではできなかった使い方もできるからだ。

 前線でバリバリ活躍するプロはもちろん、これからクリエイターとしての道を歩もうとしている人も、PD2706UAを導入すると、その性能、機能に満足できるだけでなく、投資以上の見返りを得られるはずだ。