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Photoshopのプロが、デル「XPS 15」を使い倒して激重作品を描き起こしてみた

~GeForce RTX™ 4050 Laptop GPU搭載ノートはプロユースに耐えられるのか!?

デル「XPS 15

 デルの「XPS 15」はクリエイティブワークを快適にこなすハイパフォーマンスを実現したフラグシップノートPC。15.6型ディスプレイと86Whの大容量バッテリを搭載しつつ、2kg切りの軽量ボディと、実測10時間を超えるバッテリ駆動時間を達成。毎日携帯できるクリエイター向けモバイルマシンとして仕上げられている。

 XPS 15には、ディスクリートGPUとしてNVIDIA® GeForce RTX™ 4050/4060/4070 Laptop GPU、CPUに第13世代、インテル® Core™のHプロセッサ、ディスプレイにFHD+ 液晶/3.5K OLED(有機EL)など幅広い選択肢が用意されている。

 今回はNVIDIA® GeForce RTX™ 4050 Laptop GPU、Core i7-13700H、メモリ16GB、SSD 512GB、3.5K OLEDディスプレイという構成のマシンで検証を行なった。この構成だと直販価格は38万6,410円だが、最小構成なら30万円を切る価格となっている(9月半ば現在)。

 クリエイティブワーク向けマシンとしては、コストパフォーマンスに優れた今回の構成のXPS 15を、Adobe Community Evangelistとして「Photoshop」や「Premiere Pro」の講師を務め、3D CGアプリ「Blender」を使いこなしてもいる「パパ氏」に試用してもらった。

 GeForceシリーズはゲームでの性能が高いことは多くの人が知るところだが、前述のような2D系のプロクリエイター向けアプリでのその威力はいかほどなのか興味あるユーザーも多いだろう。まずはプロクリエイターの目から見たXPS 15の性能、使い勝手についてレビューいただこう。

プロクリエイター「パパ」がXPS 15で激重コラージュを作る

 こんにちは、パパです。今回はデルから発売されたXPS 15の評価を依頼されました。XPS 15はパワフルな性能でありながら、ノートPCとしては非常に軽く、作業の場所を選ばないというクリエイターには理想の製品となっています。

  XPS 15の性能がどれくらい負荷のかかる制作に耐えられるのか、Photoshopを使った本格的なビジュアル制作、そしてPremiere Proでのメイキング映像の編集までを行ない性能を検証してみました。

Photoshopでコラージュ作品を作って性能を検証

 今回、検証のために制作するのはギリシャ神話に登場する海の怪物セイレーンをモチーフにしたコラージュ作品です。

 コラージュはいくつもの画像素材を使い1枚の作品を作る表現方法なので自然とレイヤーの数が多くなります。また各画像を合成して違和感をなくすために色や明るさなどを変更する調整レイヤーも多く使います。ドット単位の細かい作業も多いので、そのあたりが作業にどう影響してくるのかが検証のポイントになると思います。

 今回はビジュアル制作のメイキング映像も制作するので同時に画面録画も回して作業をします。画面の録画にはOBSを使用しました。カンバスサイズを3,130×4,700px、解像度を72ppiで制作していきます。

カンバスサイズの設定

 まずは背景となる海と空を作っていきますが、空も1枚の空の画像を使うのではなく複数の空の画像を部分的に重ね、トーンを合わせて合成して1枚の空を作っていきます。

トーンの合成

 背景ができたら主役となるセイレーンを作っていきます。ベースはドレス姿の女性で、そこに様々な画像を合成してセイレーンを作っていきます。

主役となる素材を用意

 先の背景よりも使用する画像素材が多く、トーンを馴染ませるための調整レイヤーの数も増えていきます。またトーンの調整だけなく各素材、変形もしていきます。

多数のレイヤーを活用して調整

 Photoshopでは通常のレイヤーで変形をすると画像が劣化してしまいますが、レイヤーをスマートオブジェクトに変換しておくことで変形しても画像が劣化しなくなります。

 ただし、スマートオブジェクトは通常のレイヤーよりもファイルが重くなりマシンに負荷がかかります。PCによっては、あまり多くのスマートオブジェクトを使用するとそれだけでPhotoshopがカクカクなってしまうこともあります。今回は検証も兼ねて積極的にスマートオブジェクトを使っています。

レイヤーをスマートオブジェクトに

 主役のセイレーンが完成したら背景と合わせて、さらに細かな合成を重ねていきます。波の水しぶきや光を追加し空気感を出していきます。

主役と背景との合成

 合成が完了したら全体の質感や色味などを調整していきます。今回は中世の絵画のような雰囲気を目指して全体を調整していきました。ここでも多くの調整レイヤーやCamera Rawフィルタなどを使って仕上げていきます。

色見の調整

 完成した作品がこちらになります。

完成!

 最終的にファイルサイズは2.42GBのファイルになりました。レイヤー数は作業上、非表示にしているものもいくつかありますが、それらを含め133レイヤーでした。

 画面を録画しながらの作業ということもあり、負荷がかかりすぎないか心配していましたが、最初から最後までマシンへの負荷による影響もなくスムーズに制作することができました。

 特にスマートオブジェクトのレイヤーが増える後半部分は重くなって、PCによっては操作がカクつくこともありますが、そういったこともありませんでした。細かな作業も多く、少しでもカクつくとストレスになるので、このパフォーマンスの高さはうれしい限りです。

 レイヤー以外の点でも「ゆがみ」など処理の重たいフィルタも問題なく動きました。最近ではPhotoshopも高性能になっていくにつれ、PCに負荷のかかる機能も増えてきているので、先々まで安心して使えるノートPCだと言えるでしょう。

Premiere Proによる編集で性能を検証

 Photoshopでの検証終了後に録画したメイキング映像をPremiere Proで編集をしました。せっかくなのでこちらもXPS 15で行ない、検証してみました。

 録画時間が約4時間でしたが一部不要な部分が映っているのでカットで削除しています。こういった基本的なPremiere Proの操作ではまったく重たくならずにサクサクと動いていました。

 カット編集が終わったら、SNS用に極端に倍速して2分ほどに再生時間を縮めました。その状態で再生しても特に重たさは感じることはなくストレスフリーで作業をすることができました。

 Photoshopでも負荷への強さは実感しましたが、やはり動画編集でここまでサクサク動くのは改めて感動しました。

 今回は負荷部分を中心に検証をしてきましたが、負荷以外の点でもディスプレイがきれいで特にビジュアルの仕上げ段階では見栄えのいい調整ができました。見た目が重たくならない本体デザインや想像以上に軽く持ち運びやすい重量も好印象です。

  XPS 15は場所を選ばない軽さと作業内容を選ばないパワフルさを兼ねそろえたノートPCの1つの完成形と言えるのではないでしょうか。

カスタマイズのバリエーションが豊かなXPS 15

 パパ氏の評価が終わったところで、ここからはXPS 15のスペックなどを紹介していこう。XPS 15の製品ページを見てもらえれば分かるが、かなりカスタマイズ性が高く、CPUやGPU、ディスプレイなど、ユーザーの用途にあったアイテムを選べるようになっている。

 GPUはNVIDIA® GeForce RTX™ 4050/4060/4070 Laptop GPU、CPUは第13世代のCore i5/i7/i9などが用意されている。さらに、ディスプレイはFHD+液晶(1,920×1,200ドット)と3.5K OLED(3,456×2,160ドット)の2種類だ。

 すべてを書こうとするとあまりにも長くなってしまうので、スペックは別ページに表でまとめた。どういった選択肢が用意されているのか気になる人はそちらをご覧いただきたい。

ディスプレイは最大134度まで展開可能だ
OLEDディスプレイは10点マルチタッチ操作に対応
日本語キーボードは83キー。カスタマイズ購入時には英語配列も選択できる。キーピッチは横が19.05mm、縦が18.05mm。キーボード面の剛性は高く、強くタイピングしても打鍵音は低めだ
キーボードバックライトは白色で、明るさを2段階で調節できる
電源ボタンは指紋認証センサー一体型。ディスプレイ上部には顔認証カメラが搭載されており、状況に応じて好きな認証方法を利用できる

 インターフェイスはThunderbolt 4×2、USB 3.2 Gen2 Type-C(USB Power Delivery、DisplayPort対応)×1、SDカードスロット×1、3.5mmコンボジャック×1を搭載。ワイヤレス通信はWi-Fi 6(11ax)、Bluetooth 5.3をサポートしている。

 HDMIとUSB Type-A端子は装備されていないが、コンパクトかつ、実測22.93gと軽量な「USB-C - USB-A v3.0およびHDMI v2.0アダプター」が付属している。最新のクリエイター向けマシンに求められるインターフェイスを本体に装備しつつ、従来のインターフェイスにもアダプタでサポートしているわけだ。

左側面にはくさび型ロックスロット、Thunderbolt 4×2を配置
右側面にはUSB 3.2 Gen2 Type-C(USB Power Delivery、DisplayPort対応)、SDカードスロット、3.5mmコンボジャックを用意
「USB-C - USB-A v3.0およびHDMI v2.0アダプター」を装着すれば、HDMI、USB Type-A端子を利用可能となる
フルサイズのSDカードスロットを搭載しており、デジタルカメラ、ビデオカメラの写真、動画を手軽に取り込める

 本体サイズは344.72×230.14×18.00mm、重量は液晶モデルが1.86kg、OLEDモデルが1.92kg。86Wh(6セル)のリチウムイオンバッテリを内蔵。バッテリ充電時間は「Express charge」で2時間、電源オフ時の「標準充電」で3時間だ。

 バッテリ駆動時間はOLEDモデルにおいて輝度50%で「PCMark 10 Modern Office Battery Life」を実行したところ、10時間16分動作した。電力消費は15.6型FHD+ 液晶が最大4.41W、15.6型 3.5K OLEDが最大8.74Wとされている。液晶モデルであればさらに長時間駆動するはずだ。

 ボディ天面と底面にはCNC削り出しアルミニウム、パームレストにはブラックカーボンファイバー素材を採用。2つの素材を使い分けることで、高い剛性と軽量性を両立している。またディスプレイ上部にはRGB+IRカメラとデュアルアレイマイクを内蔵しつつも、画面占有率92.9%という狭額縁仕様だ。XPS 15はクリエイターの創作意欲をかき立てるデザイン性を備えている。

ボディ天面はCNC削り出しアルミニウム。側壁にはダイヤモンドカット加工が施されており、傷が付きにくい
本体底面もアルミニウム素材。長いゴム足で安定して設置できる。またゴム足は、背面からの排気を底面から吸わないための壁としても機能している
スピーカーは3Dサウンドスケープを実現する「Waves NxR 3Dオーディオ」を搭載
付属のACアダプタ

広色域なOLEDは見栄え抜群。直感的なタッチも操作可能

色再現性は極めて高く、OLEDの輝度の高さなどもありメリハリが効いている

 今回の検証機は、上位となる3.5K(3,456×2,160ドット)のOLEDだった。下位の液晶モデルはというと500cd/平方mと輝度が高いが、色域は100% sRGB。一方のOLEDモデルは100% DCI-P3と広色域で、コントラスト比も100,000:1が確保されている。またタッチ操作に対応しているのもOLEDモデルだけだ。

 そのため、クリエイティブワークで活用するなら、広色域でタッチによる直感的操作が可能なOLEDディスプレイがおすすめだ。

 実際にOLEDのディスプレイをカラーキャリブレーション機器で実測したところ、sRGBカバー率は100.0%、sRGB比は155.2%、Adobe RGBカバー率は96.5%、Adobe RGB比は115.0%、DCI-P3カバー率は100.0%、DCI-P3比は114.4%という広色域を確認できた。

 DCI-P3カバー率だけでなく、Adobe RGBカバー率も95%を上回っており、カラーキャリブレーションを実施すればAdobe RGBの色空間でRAWファイルの現像などもこなせるスペックを備えている。

実測したsRGBカバー率は100.0%、sRGB比は155.2%
Adobe RGBカバー率は96.5%、Adobe RGB比は115.0%
DCI-P3カバー率は100.0%、DCI-P3比は114.4%

 15.6型3.5K OLEDの優位点は画質だけではない。10点マルチタッチに対応しているので、クリエイティブ系アプリなどでズームをピンチイン・アウトで操作したり、スライダーなどをすばやく、直感的に操作できる。どちらもキーボード、マウスでも操作可能だが、手触りを感じられる指で操作できるのはOLED搭載モデルの大きなアドバンテージだ。

「Photoshop」は2本指でのパン、ズーム、回転などのジェスチャー操作をといった機能をサポートしている。ディスプレイとタッチパッドの操作を組み合わせることで、効率的にレタッチ作業を行なえる
「Premiere」などの動画編集アプリでは、カット、トリミングなどの編集操作をタブレット感覚で行なえる。繊細な操作もマウスやタッチパッドよりも正確に実行可能だ

 キーボード、タッチパッドの操作性も申し分ない。最近の一部のノートPCはコストダウンのために日本語配列と英語配列で同じキーボードパネルを使用しており、日本語配列で一部キーが密着していることがある。

 その点、XPS 15はコストをかけて日本語配列専用のキーボードパネルを採用しているので、すべてのキーの間にスペースが設けられているし、配列も素直で、文字キーが等幅に揃えられている。

 タッチパッドは150.90×90mmとちょっとしたイラストを描けるほど広い。また、ストロークは浅めで、適切なクリック感を与えられている。

 もちろん「パームリジェクション」機能が搭載されているので、手のひらが意図せず触れても誤操作することはない。クリエイティブワークだけでなく、一般的なビジネスアプリでも快適なキーボード、タッチパッドだ。

上下カーソルキー以外はすべてのキーが独立。また「¥」キー以外のすべてのキーが等幅に揃えられているので、タッチタイピングしていても自然に指が届く。大量のテキスト入力も快適にこなせるキーボードだ
150.90×90mmと非常に広いタッチパッドでは、ジェスチャー操作どころか、文字やイラストを書くことも可能。タッチパッド表面は滑りがよく、繊細な操作も容易にこなせる

クリエイティブ系アプリをストレスフリーで利用できるCPU/GPU性能を実現

 最後にXPS 15のパフォーマンスをチェックしてみよう。構成は以下の通りだ。

  • NVIDIA® GeForce RTX™ 4050 Laptop GPU
  • Core i7-13700H
  • メモリ16GB
  • SSD 512GB
  • 3.5K OLEDディスプレイ

 なお今回ベンチマークを実施するにあたっては、専用ユーティリティ「MyDell」の「温度管理」を「超高パフォーマンス」に設定している。

 実際にクリエイティブ系アプリで処理速度を計測してみたが、「Adobe Lightroom Classic」で100枚のRAW画像(7,952×5,304ドット)を現像するのに2分38秒09、「Adobe Premiere Pro 2023」で実時間5分の4K動画を書き出しするのに1分22秒12しかかからなかった。GeForce RTX™ 4050 Laptop GPUのGPU支援の恩恵やCore i7-13700Hのマルチスレッド性能が大きいと言えよう。

重い処理も軽快にこなす
Adobe Lightroom Classic
Adobe Premiere Pro 2023

 今回の貸出機にはストレージにPCIe 4.0 x4接続SSD「PC SN810 NVMe WDC 512GB」が搭載されていた。ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 8.0.4」を実行したところ、シーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は約6,900MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は4,500MB/sを記録している。ストレージの速度がパフォーマンスを左右するクリエイティブ系アプリで、体感速度を着実に向上させてくれるはずだ。

 デルのXPSシリーズは、優れた熱設計によりCPU、GPUのパフォーマンスを最大限に引き出すことで定評がある。今回、Cinebench R23連続実行中のCPU温度とクロック周波数を「HWiNFO64 Pro」で計測してみたところ、6分11秒まで平均3,029MHzと高いクロック周波数で動作していった。かなり攻めたチューニングだ。

Cinebench R23実行中のCPU温度は平均93.98℃、最大100℃、クロック周波数は平均2,934.36MHz、最大3,745.5MHz(室温26.0℃で測定)

 なおMyDellの温度管理には「超高パフォーマンス」以外にも、「最適化」、「低温」、「静音」などのプリセットが用意されている。CPU温度も抑えたいのであれば、ほかの設定を利用しよう。

専用ユーティリティ「MyDell」の「温度管理」には、「最適化」、「低温」、「静音」、「超高パフォーマンス」などのプリセットが用意されている。ベンチマークは「超高パフォーマンス」で実施したが、一般的には「最適化」がおすすめだ

NVIDIA Studio準拠だからこそ最高の性能を発揮

 XPS 15のGeForce RTX™搭載モデルは、NVIDIA Studioドライバがインストールされた本格クリエイター向けノートPCだ。ゲーム向けのGame Readyドライバなら知っている人は多いと思うが、NVIDIA Studioドライバはクリエイティブアプリ向けにチューニングされたものとなっているのが大きな違いだ。

 NVIDIA Studioドライバは、毎月のアップデートでクリエイティブアプリの最新機能をサポートしつつ、アプリの旧バージョンのテストや、複数のアプリを用いたワークフローなど、ゲーム向けのドライバよりも厳格かつ広範な検証が行なわれている。

 つまり、クリエイティブアプリを仕事で使うようなプロ向けに高い信頼性を確保しているわけで、ユーザーが安心して使えるという大きなメリットがあるのだ。もちろんゲームを動かすこともできる。

 サポートしているアプリは多岐にわたり、PhotoshopなどでメジャーなAdobeシリーズ、AutoCADのAutodeskシリーズ、UnityやUnreal Engineといったゲーム製作向けにも対応。さらに多くのアプリが対象となっており、NVIDIA Studioの説明ページからどういったアプリに最適化が施されているかが分かる。

 実際に動画製作アプリのAdobe Premiere ProではNVIDIAのエンコーダエンジンであるNVENCを利用した書き出しの高速化や、リアルタイム編集の高速化など、GPUアクセラレーションの活用が快適さのカギとなっている。もちろんほかのアプリでもこういった最適化がなされており、NVIDIA製GPUはクリエイターには欠かせない存在だ。

各アプリのパフォーマンスチャート

 今回パパ氏に一般的にはかなり動作が重くなる作業を、PhotoshopとPremiere Proで実行してもらったが、同氏が賞賛していたようにXPS 15は期待以上のパフォーマンスを見せていた。こういった快適さを担保してくれるのが、NVIDIAのGPUを搭載し、NVIDIA Studioの認証を得たPCなのである。

 また、GeForce RTX™ 40シリーズ Laptop GPUは、世界最先端のGPUアーキテクチャのAda Lovelaceを採用。Tensorコアは第4世代で性能は2倍になり、オプティカルマルチフレームジェネレータなどを備えたDLSS 3技術にも対応している。最近の重量級ゲームにおいては、グラフィックス品質を落とさずに、フレームレートを上げる手段として、AIを活用するDLSS 3は欠かせない存在となったので、聞いたことがある人は多いだろう。

 そしてレイトレーシングコアは第3世代となり、前世代のGPUと比較して最大4倍高速なレンダリングが可能に。加えて、第4世代のテンソルコアは、前世代のGPUと比較してAI機能で最大2倍のパフォーマンス向上が果たされ、より速い編集と高度な効果を可能にしている。このあたりはクリエイターには見逃せない部分だ。

 このほか、AV1をサポートする第8世代のNVIDIAエンコーダを備え、H.264よりも最大2倍の高速出力と、平均40%の高い圧縮率を実現。AIを駆使した処理も含め、GeForce RTX™ 40シリーズ Laptop GPUは、3Dレンダリング、ビデオ編集、ライブストリーミングなど、クリエイティブな仕事を大幅に向上してくれる存在だ。

常時携帯できるクリエイティブノートを探しているのならまず検討すべき1台

  XPS 15はXPSシリーズの中でもバランスに優れるモデルだ。最新CPU、GPUの中から好みのグレードを選択でき、ディスプレイも液晶とOLEDという選択肢が用意されている。最強PCにするか、コスパ重視にするか、さまざまな用途に合わせて選べるのは非常に魅力的だ。

 そのうえ、2kg切りのボディ、輝度50%で10時間を超えるバッテリ駆動時間を達成している。常に携帯できるクリエイティブワーク向けノートPCを探しているのなら、XPS 15は真っ先に検討すべき1台だ。