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“カジュアルゲーマー”にベストマッチなゲーミングモニターの解像度、サイズは?32型/4Kと27型/4K&WQHDで比べてみた!
~設置場所やPC性能も重要ポイント
- 提供:
- ベンキュージャパン株式会社
2023年2月22日 06:30
PCだけではなく家庭用ゲーム機でもゲーマーにとって必須アイテムと言える“ゲーミングモニター”だが、方向性として“ガチゲーマー向け”の製品と“カジュアルゲーマー向け”に分けられる。競技志向の強いガチ勢は「超高速リフレッシュレート/超高フレームレートが出しやすいフルHD/画面上の状況が把握しやすい24型前後のサイズ」と普段使いの快適度よりもゲームを少しでも優位に進めやすいことが最重要だ。
その一方でランクの上位を目指すほどではないがFPS/TPSが好きというカジュアル勢やオープンワールド系などシングルプレイ重視のゲーマーとしては、ゲーミング向けの性能はほしいけど仕事や趣味での動画・写真編集、Webブラウジングなどの普段使いでの快適さの両立を目指したいところ。
となると求めるスペックもおのずと変わり、フルHDよりも高い解像度、映像の美しさ、27型以上の画面の迫力や見やすさ、といった要素が重視されるようになってくる。そこで本稿ではカジュアル勢向けのゲーミングモニタ選びを基本から考えてみたい。“普段使い”(=Windowsの一般的操作+Webオフィスアプリ)、“ゲーミング”、“クリエイティブ”の各用途に適した液晶とは何かを改めて検討し、サイズ感や解像度の違いといったポイントをチェックしていく。
カジュアル勢には4KまたはWQHD解像度がオススメ
普段使いの快適度も重視するカジュアル勢には、ディスプレイの解像度は「4K」か「WQHD」がオススメだ。理由は、フルHDに比べてデスクトップ領域が広くなるので複数のアプリを同時に表示しやすくなって使い勝手が向上するため。テレワークであれば、Web会議のZoomやコミュニケーションのSlack、資料を確認するためのWebブラウザやOfficeなど多数のアプリを使うことも多いだけに、解像度が高いほうが便利だ。
解像度が高くなるほど表示できる情報量は増えるが、その分、文字は小さくなってしまう。そのためWindowsでは視認性を高めるためディスプレイのサイズに合わせてスケーリング(拡大表示)を自動的に設定する。たとえば、27型ディスプレイならば、WQHDでは125%、4Kでは150%に拡大設定される。
なお、表示できる情報量としては、WQHDで133%だとフルHD相当、4Kで150%はWQHD相当だ。「視認性確保のためにスケーリングを高めるなら、高解像度ディスプレイを使う意味ある?」という疑問も湧いてくるが、フルHDに比べてWQHDや4Kは画素数が多いので、表示できる情報量が同じだとしても、一文字あたりに使われるドット数は多くなるので、高精細になる。文字の滑らかさは段違いだ。
4K/WQHDの液晶は27型~32型が主流だ。デスクに設置しやすさと画面の見やすさのバランスに優れるのは27型だが、32型は画面が大きいだけに4Kでもスケーリング100%~120%でも視認性を確保しやすいのが強みと言える。デスクトップ領域を広く使いたい人にとっては32型もありだろう。なお、設置スペースとの兼ね合いについては後述する。
なお、高解像度液晶でのゲームプレイで気を付けたいのがPC側のスペックだ。ゲームは基本的に解像度を上げるほど描画負荷が高くなり、快適にプレイするには高いPCスペックが必要になる。たとえば、「FORSPOKEN」や「サイバーパンク2077」のような描画負荷の高い重量級ゲームを、4Kかつレイトレーシングなどを使った高画質設定で快適にプレイしようと思った場合、GeForce RTX 4090/4080のようなハイエンドGPUが必要になる(ゲームによってはある程度以上のCPUパワーも)。
その一方で、レインボーシックス シージやApex Legendsのようなそれほど描画負荷の高くないゲームなら、GeForce RTX 3060のようなミドルレンジGPUでも十分楽しめる。自分がプレイしたいゲーム、手持ちのPCのスペックと相談してゲーミングモニターの解像度を選ぶのもアリだろう。
チェックしておきたいゲーミング系の機能
画面サイズや解像度に関係なく、ゲーミングモニターとしてチェックしておきたいスペックは第一は「リフレッシュレート」だ。リフレッシュレートは1秒間に書き換え可能な描画回数。一般的な液晶は60Hzなので、1秒間に60回、ゲームにすると60fpsになる。ゲームの快適なプレイの目安に60fpsがよく使われるのは、一般的な液晶で滑らかな描画が可能なフレームレートだからだ。ゲーミングモニターはこの60Hzを超え、144Hz以上が主流となっている。144Hzなら1秒間に144コマも描画できるわけで、60Hzに比べるとゲームははるかに滑らかな描画となり、画面が見やすくなるだけではなく、敵のわずかな動きも把握しやすくなり、特にシビアな撃ち合いになるFPSやTPSでは有利になりやすい、というわけだ。
次に重要なのが「可変リフレッシュレート」(VRR)だ。PC側はゲームの負荷状況によってフレームレートが変化しやすく、ディスプレイ側の描画タイミングが合わないことがある。これによって画面が割れるテアリングやカク付くスタッタリングという現象が起きてしまうが、それを防ぐのがVRRというわけだ。
VRRはNVIDIAのG-SYNC系とAMDのFreeSync系(AdaptiveSyncと表記されることもある)が存在している。現在は互換が進んでおり、AMDのFreeSyncにしか対応していないゲーミングモニターでもNVIDIAのGeForce系ビデオカードで問題なくG-SYNCを有効にできることが多い。
このほか、映像美を求めるならHDR対応もチェックしておきたい。HDRは映像の明暗差をより広く表現できる技術で、PCでは「DisplayHDR」などの規格が存在している。DisplayHDR 400/600/1000などの種類があり、数字が大きくなるほど明暗の差が大きく表現可能だ。HDR対応はゲームだけではなく、YouTubeなどの映像配信サービスでも対応コンテンツは増えており、動画を楽しみたい人にもよいだろう。
PCだけではなく、PS5などの家庭用ゲーム機など、複数のデバイスを接続したい人は入力インターフェイスの充実度も重要だ。DisplayPort×1、HDMI×2など複数系統の入力を持っているものを選ぼう。また、PS5やXbox Series X/Sの120Hz駆動を利用したいと考えているなら、その対応状況も合わせて確認しておきたい。
実機を使って設置例をチェック
ここからは実機を使った設置例を紹介しよう。今回用意したのはBenQのエンタメ向け「MOBIUZ」シリーズの3モデルだ。32型で4K解像度の「EX3210U」、27型で同じく4K解像度の「EX2710U」、27型でWQHD解像度の「EX270QM」だ。MOBIUZは全モデルで高音質スピーカー「treVolo」を備え、HDRに対してゲーム向けと映像向けに独自チューニングを施した「HDRi」を持っているのが特徴だ。色域も広く色の表現力にも優れている点もまさにエンタメ向けと言うところ。高リフレッシュレートでVRR対応、高速応答とゲーミングモニターの基本もしっかり抑えている。
まずはサイズ感を見ていこう。EX3210Uは幅726.7×奥行き269.98×高さ487.4~587.4mm、EX2710Uは幅609×奥行き252.3×高さ422.7~522.7mm、EX270QMは幅609×奥行き194×高さ422.1~522.1mmだ。
実際に設置して試したところ、32型のEX3210Uは奥行きが60cm以上のデスクがオススメだ。PCと液晶の画面までの距離は45~60cm程度が一般的だが、32型の場合は1m以上離れた方が画面全体を見渡しやすく、奥行きが短いデスクとだと画面の隅を見るために首を動かす必要が増えてくる。そのため、長時間の作業では疲れてしまう可能性を感じた。その一方で、27型のEX2710UやEX270QMは奥行き45cmの一般的なデスクにも設置して十分使いやすい。画面との距離が60cm程度でも画面全体を見渡しやすいためだ。
実際に人気ゲームをプレイしてみよう
ここからは実際にゲームをプレイしてみよう。人気ゲームの「FORSPOKEN」、「原神」、「サイバーパンク2077」で試してみた。4Kの方がいいのか、WQHDで十分なのか、画面は32型と27型どちらのほうがいいのか注目したい。
FORSPOKENやサイバーパンク2077のような美麗なグラフィックスでディティールに凝っているゲームでは4Kの高精細が活きる印象だ。気になる、というほどではないがWQHDになると細部に若干ドットの粗さを感じるシーンが見られるようになる。髪の毛など細かな表現箇所では顕著だ。
ただし、どちらのゲームも4Kで最高画質レベルでプレイしたい場合、GeForce RTX 40シリーズのようなハイエンドGPUが必須だ。144Hzを活かしたヌルヌルとした描画を楽しみたければ、GeForce RTX 4090が必要になってくる。たとえば、FORSPOKENではCore i9-13900K+GeForce RTX 4090の組み合わせでようやくベンチマークの平均フレームレートが141fpsに到達できる(ベンチマークは高フレームレートを出せるがゲームプレイでは120fpsまで)。
同じくサイバーパンク2077でレイトレーシングを有効にした最高画質で144Hzを活かすには、RTX 40シリーズでDLSS 3の有効化することが必要になる。4K高画質を体験したければ高スペックPCも必要ということは覚えておきたい。なお、今回のテストプレイにはRTX 4090搭載カードを使用したが、DLSSはパフォーマンス重視にしてDLSS3を使えばRTX 4080やRTX 4070 Tiでも60fpsを超えてくる。高解像度でプレイする場合は、快適な設定を試行錯誤してみるとよいだろう。
また、フレームレートを優先してレイトレをOFFにしたり、画質設定を下げたりするという考え方もあるが、これはゲームによって見え方にそれなりの差が出る。今回試した限りでは、サイバーパンク2077は画質を下げたマイナスよりも4K解像度による解像感の高さのプラスのほうが大きい印象だった(このあたりの感じ方はユーザーによって差はあるだろう)。
画面のサイズという観点では、迫力はやはり32型が頭一つ上。どちらのタイトルもシビアな競技志向のゲームではないので、多少視点移動が増えても迫力重視で選んでもよいだろう。EX3210Uでプレイする両タイトルの迫力は絶品だ。
その一方でアニメ調グラフィックスの「原神」では、4KでもWQHDでもほとんど変化を感じなかった。キャラクターをアップにしたときの輪郭にWQHDだと若干のドット感が出る程度。普通にプレイする分にはWQHDで十分という印象だ。
ちなみに、原神は最大60fpsまでのゲームなのでRTX 3060 Ti以上のミドルレンジGPUなら4Kでも快適にプレイできる。
迫力なら32型4K、万能選手の27型4K、導入しやすい27型WQHD
4K解像度かつ高画質でゲームをプレイするにはPCスペックのハードルは高いと言えるが、Windowsでスケールを150%にしてもWQHD相当のデスクトップ領域を確保でき、しかも文字は圧倒的に高精細となる。PS5も4K/120Hz/VRR対応となっており、これからのことを考えると4K解像度を選ぶのはよいだろう。
その一方でWQHDはミドルレンジGPUでも高フレームレートを出しやすく、普段使いの快適度よりもゲームのフレームレートをどちらかというと優先したいという人にはよい選択肢になってくれるだろう。PS5がWQHDに正式対応になったのも追い風だ。
ディスプレイのサイズだが、ゲームに迫力を求めるなら圧倒的に32型だ。ただし、奥行きのあるデスクが必要で、普段使いにはやや大きすぎ。設置スペースなどのバランスを考えると27型が多くの人にとっての“ベスト”にはなりやすい。このあたりは好みと設置場所の兼ね合いで選ぶとよいだろう。
BenQのMOBIUZシリーズなら、ゲーミングモニターとしての性能をキッチリそろえ、音や色にもこだわりながら、各種解像度とサイズをそろえている。21~24型の液晶からステップアップを考えているなら、ぜひともチェックしてみてほしい。