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PCもPS4/5もSwitchもイケる165Hz対応ゲーミング液晶をガチゲーマー高校生と一緒に試す

~初めての1台にも向くGIGABYTE「G24F 2 Gaming Monitor」

 PCゲームを快適にプレイするため、そしてゲームで勝つためのアイテムとして筆頭にあげられるのが“ゲーミング液晶”だ。一般的な液晶はリフレッシュレート(1秒間に画面の書き換えが可能な回数)が60Hz。つまり1秒間に60コマの描画が最大だ。一方でゲーミング液晶は144Hz以上=1秒間に144コマ以上の描画が当たり前。高速描画が可能な液晶なら、敵のわずかな動きも捉えやすくなり、素早く振り返るなど画面全体が素早く動くシーンでも滑らかな描画によって状況を把握しやいなどといった目に見える効果が実感でき、結果として“勝利”に近付くことが可能になる。

 そんなゲーミング液晶を考えている、または家族のために買ってあげたいという人にオススメしたいのがGIGABYTEの24型フルHD液晶「G24F 2 Gaming Monitor」(以下G24F 2)だ。高リフレッシュレート、設置しやすいサイズ、豊富な入力端子、ゲーム以外のコンテンツも楽しめる高い色の再現性で3万円以下と抜群のコストパフォーマンスを実現している。普段は60Hzの液晶でゲームをプレイしている高校生ゲーマーにも試用してもらった感想を交えつつ、その魅力について解説していこう。

24型フルHDのゲーミング液晶「G24F 2 Gaming Monitor」。実売価格は29,000円前後

エントリーモデルながら165Hz(OC時180Hz)の高リフレッシュレート

通常の設置ではリフレッシュレートは最大165Hz。単にPCに接続しただけだと60Hz動作になってしまうので、「ディスプレイ設定」(設定アプリの[システム]-[ディスプレイ])の「ディスプレイの詳細設定」で変更しておこう

 ゲーミング液晶で最も重要なスペックと言えるリフレッシュレート。144Hzがトレンドだが、FPSやTPSなどeスポーツ系のゲームを少しでも有利に進めたいなら、少しでも高いほうがよい。その点、G24F 2はエントリー向けながら通常の設定で165Hzの高リフレッシュレートを実現。OSDメニューでオーバークロックモードを「オン」にすれば、180Hzまでアップできる。

OSDメニューでオーバークロックモードをオンにすると、リフレッシュレートが165Hzから180Hzに引き上げられる。ただし、ゲームやシチュエーションによっては効果が出にくい場合もあるとのこと。ゲームや好みでオン/オフを切り替えるのがよいだろう
G-SYNC Compatibleへの対応はうたわれていないが、問題なく有効にできた

 PC側とモニター側の描画タイミングが合わないことで起こる、画面ズレの“テアリング”や画面がカクつく“スタッタリング”もゲームプレイに悪影響を与える問題だ。これを回避するのが、PCとモニターのフレームレートを同期させる「可変リフレッシュレート」(VRR)技術。ゲーミング液晶に求められる重要なスペックの1つで、G24F 2はVRRに加えて、低フレームレート時でも滑らかに表示するLFC(Low Framerate Compensation)機能も備えるFreeSync Premiumに対応する。

 また、NVIDIAのVRR技術であるG-SYNC Compatibleへの対応は明記されていないが、筆者が試す限り問題なく有効にでき、テアリングも抑えられていた。

「DCI-P3」のカバー率95%と色域が広く、鮮やかな映像が楽しめる
HDRもサポート

 またG24F 2は、ゲームだけではなく、映像コンテンツを楽しむのにも向いている。映画撮影に用いられている色空間「DCI-P3」のカバー率95%、標準的な色空間「sRGB」比では125%という高色域を実現している。これは色の再現性が高い証であり、IPSパネルを採用しているので、視野角は上下左右とも178度と広い。さらに、エントリー向けのゲーミング液晶では珍しく明暗の表現力を広げるHDRもサポート。

Windows 11なら自動HDR機能を使える

 標準輝度は一般的な液晶と比べると高い輝度300cd/平方m。高色域であることも合わせて、筆者が実際に試したところHDR対応の映像もゲームも鮮やかな描画で楽しめる。Windows 11なら「自動HDR」というHDR非対応のゲームをHDR化する機能が利用できるので、雰囲気重視のゲームではぜひ利用してみてほしい。

映像入力はDisplayPort 1.2×1、HDMI 2.0×2の3系統。USBハブやヘッドフォン出力も用意されている

 入力が3系統あるのは複数のゲーム環境を遊ぶゲーマーにはありがたいところ。DisplayPort 1.2×1、HDMI 2.0×2が用意されており、PCとPS5、Nintendo Switchなど複数のデバイスを同時に接続しておける。さらに、PS5のリフレッシュレート120Hz駆動に対応していることも確認した。このほか、USB 3.2 Gen1のUSBハブ機能も備えており、キーボードやマウスなどを接続しやすくなっている。なお、スピーカーは非搭載だが、ヘッドフォン端子が用意されているのでモニターからの音声の出力も可能だ。

 前述の通り、サイズは24型で解像度はフルHD(1,920×1,080ドット)。ガチゲーマーとしてはこれは大きなメリットでもある。24型ならば画面全体を視界に入れやすいので、FPS/TPSで重要となる状況把握をしやすい。また、165Hz(最大180Hz)のリフレッシュレートを活かすには、PC側に165fps以上のフレームレートを出せるスペックが必要になる。高解像度&高リフレッシュレートのゲーミング液晶は、高精細で滑らかな描画が可能だが、それを活かすには高スペックのPCが必要になるのがネックと言えるが、フルHDならばミドルレンジのビデオカードでも高フレームレートを出せるゲームが多いので、ハイエンドなゲーミングPCを用意しなくても、高リフレッシュレートを活かしやすいのだ。

スタンドは130mmの範囲で高さ調整が可能
下5度、上20度のチルトも備えている

 G24F 2のサイズはスタンド込みで幅541mm、奥行き136.75mm、高さ519.3mm、重量は4.8kgと軽くてコンパクト。設置をしやすいのも強みと言える。ちなみに、スタンドは130mmの範囲で高さ調整が可能、下に5度、上に20度のチルトも可能だ。スイベルとピボットには非対応だ。狭額縁のシャープなデザインは、ゲーミング液晶らしさと落ち着いた雰囲気の両方を持ち合わせている。

スタンドの下部にはケーブルをまとめておける穴も用意
ベゼルは狭額縁設計なのでサイズ、デザインともにすっきりしている
ゲーミング液晶を用意してゲームを本格的にプレイするなら、キーボードやマウス、マウスパッドもゲーム向けにチューンされたものを使いたいところ。GIGABYTEは、ゲーミングキーボード/マウス&マウスパッドのラインナップも充実。ゲームでのパフォーマンス向上だけでなく、デザインの統一感や発光の制御などの面でもメリットありだ

高校生ゲーマーはゲーミング液晶をどう感じる?

 基本スペックに触れたところで、ここからは高校生ゲーマー(筆者の息子)に使ってもらった感想を紹介したい。PCも持っているが、普段は「登録しているフレンドが多いから」という理由もあってPS4 ProでApex Legends、レインボーシックス シージ、フォートナイトを中心にプレイしている。使用モニターは、フルHDでリフレッシュレート60Hzとごく普通の液晶だ。今回は、Apex Legendsとレインボーシックス シージのPC版をリフレッシュレート165Hz設定でプレイしてもらった。

 ちなみに、検証に使用したのはCore i9-12900K+GeForce RTX 3070を搭載した自作PCだ。Apex Legends、レインボーシックス シージとも最高画質設定でもフルHD解像度なら、165Hzのリフレッシュレートを活かし切れるフレームレートを出せる性能を持っている。

高校生ゲーマーにG24F 2を使ってApex LegendsのPC版をプレイしてもらう

 Apex Legendsについては、滑らかな描画とPS4版よりも画質が高いことが相まって、遠くの敵がどのキャラクターなのか判別しやすいのが一番よかったという。キャラによって能力が異なり、それに合わせた立ち回りが必要になるため、いち早く相手キャラを判別できるのは非常に重要とのことだ。PS4版に比べ、キャラやオブジェクトが多いシーンでも処理落ちがなく、スキンやエフェクトの表示もキレイなのはもちろん、そのクオリティのまま描画コマ数が多くなるため、銃を撃つときのモーションが美しく、気持ちよくプレイできるのもよかったという。

レインボーシックス シージのPC版もプレイしてもらった

 レインボーシックス シージについては、PS4版に比べて画質がよいのに加えて、PCの超高fpsならではの滑らかな描画&高リフレッシュレートの効果で、ドローンごしに見た敵のキャラクターを判別しやすいのがよかったそうだ。また、素早く移動など画面が激しく動く場面でも描画コマ数が多いため、周りの状況を瞬間的に把握しやすいのもPS4版のプレイ時とは大きく異なってよかった点とのこと。PS4版だと感じるラグもなく、PC+ゲーミング液晶は想像以上に快適だったという。

 いずれのゲームも、「欲しい視覚情報が、素早く、確実にゲットできる」という点がガチンコでプレイしているゲーマーには大きなメリットとなったようだ。PS4とPCという環境の違い、画質の違いもあるが、その違いを強く感じられるのはゲーミング液晶があればこそ。プレイの質を高めるに十分すぎるほどの効果があったようだ。

暗部を持ち上げ、ブレ軽減などゲーム系機能も充実

 画質補正系の機能もチェックしておこう。比較的安価な本機だが、ゲームプレイをより快適にする機能はかなり充実しており、ゲーミング液晶では定番の暗部を明るくする「ブラックイコライザー」を始め、モーションブラーと呼ばれる液晶特有の画面ブレを軽減する「エイムスタビライザー」、画面中央に照準を表示させることでFPSやTPSで照準を合わせやすくする「クロスヘア」、ゲームの経過時間を確認するのに便利な「オンスクリーンタイマー」などを用意する。

OSDを表示したところ。日本語設定だとエイムスタビライザーは「照準安定器」と表示されている(デフォルトはオフ設定)
設定すると画面右上にタイマーがオーバーレイ表示される「オンスクリーンタイマー」。OSDメニューの「ゲームアシスト」の項目内の「ゲームタイマー」で設定する
OSDメニューの操作は背面のスティックで行なう。ゲーミング液晶としては低価格なモデルだが、こういう使い勝手を犠牲にしていないところがうれしい

 ブラックイコライザーは暗い場所にいる敵を発見しやすい強力なものでFPSやTPSでは有効的だが、ホラーゲームなど一部ゲームの雰囲気を損なう可能性もあるので、ゲーム内容や目的に合わせて使うのがよいだろう。また、エイムスタビライザーはFreeSync Premium(可変リフレッシュレート)とは排他で、同時利用はできない。プレイしやすさにどっちが有効かはプレイヤーやゲームの種類によって感じ方に違いがあるので、しばらく試用してみてどちらを使うかジャッジするとよいだろう。

Windows上でモニター設定を行なえるアプリ「OSD Sidekick」
ファームウェアのアップデート機能も備わっている

 G24F 2はPCとUSBケーブルで接続することで、OSDメニューのほとんどの操作をWindows上で行なえるアプリ「OSD Sidekick」が使えるのも特徴だ。画像モードとして「スタンダード」のほか、明るめに調整する「FPS」、コントラストを強めの「RTS/RPG」など6種類がデフォルトで用意されているが、OSD Sidekickならワンクリックで切り換えが可能。各種設定の微調整もマウスで簡単にできる。ただ、全画面でゲームをプレイしているときはOSDメニューのほうが設定変更はしやすいので、状況に合わせて使い分けるのがよいだろう。

写真では厳密には分かりにくいが、画像モードの違いを写真に収めてみた。こちらは「スタンダード」
一方のこちらは「FPS」。全体に明るめに調整されており、暗がりに潜む敵キャラも見つけやすくなりそう

24型フルHDのゲーミング液晶として高い完成度

 3万円以下で購入できる高リフレッシュレートのゲーミング液晶として非常に高い完成度を持っていると言ってよいだろう。格安エントリー機を上回るリフレッシュレート165Hz(OC時最大180Hz)、高色域&HDR対応、USBハブ機能に3系統の入力、PS5の120Hz駆動もOKとエントリー向けとは思えない充実のスペックだ。若いゲーマ―も納得のプレイアビリティで、実際のパフォーマンスも非常に良好だ。

 お財布にやさしいハイコスパモデルなので、初めてゲーミング液晶を買う人、60Hz液晶からのステップアップを考えている人に、文句なしにオススメできる1台である。