トピック

34型“21:9”のウルトラワイド大画面はクリエイティブワークと相性抜群だった!

~GIGABYTE「M34WQ Gaming Monitor」はゲーミング以外の用途にも!!

目の前に広がるワイドな作業領域はクリエイティブなアプリでこそ活きる!

GIGABYTEの「M34WQ Gaming Monitor」は、34型4K対応のウルトラワイドな液晶モニターだ。DCI-P3カバー率91%の広色域、VESAのDisplayHDR 400に対応するハイスペックを備える

 デジタルコンテンツを制作するクリエイターにとって、制作に利用する画面、モニターは生産性に直結する要素。本格的に取り組むならば、デュアルモニターが基本と言われてきたが、「大画面ウルトラワイド液晶」という選択肢にも注目したい。

 デュアルモニターに近い作業領域を1つのモニターでスマートに利用できるのが大きなメリットで、設置の煩雑さや使い勝手への不安からデュアルモニターに抵抗を感じているユーザーにもお勧めできる。

 そこで今回紹介するのが、GIGABYTEの「M34WQ Gaming Monitor」。34型、表示解像度3,440×1,440ドットに対応した大画面のウルトラワイドモニタで、アスペクト比21:9のワイドな作業領域、DCI-P3比91%(sRGB比117%)の広色域で、ゲーミング液晶ながらクリエイティブワーク適性が高い。

 もちろん、ゲーミング液晶ならではのDisplayHDR 400準拠の高性能に144Hzの高速リフレッシュレートなどのスペックを備えるので、クリエイティブワークから、オフィスアプリやWeb会議などを駆使しした在宅ワーク、ゲームやエンタテイメントなど幅広く活用できる仕様を持っているのもポイントだ。これからその魅力をじっくり見ていこう。

画面2枚分を1台でスマートに。シャープなボディにフレキシブルなスタンドを搭載

34型サイズで3,440×1,440ドットに対応。広視野角で発色のよいIPS方式のパネルを採用し、表面は映り込みにくい非光沢仕様だ

 M34WQの画面はアスペクト比21:9とウルトラワイド。表示解像度は、3,440×1,440ドットの高解像度に対応。WQHD(2,560×1,440ドット)をそのまま横に3割伸ばした広さがうれしい。フルHD(1,920×1,080ドット)と比べると、横だけで約1.8倍、縦も含めた作業領域は約2.4倍にあたる。Windows標準の推奨拡大率は100%。筆者の感覚では125%がちょうどよく感じるが、125%でも十分作業領域は広大である。

3,440×1,440ドットの表示解像度は、フルHDの2.4倍の広大な作業領域がある
拡大率を125%にしてみた。これでもフルHDの約1.92倍あり、作業領域の広さも十分感じられる

 画面サイズは大きいがボディはすっきりとスマートで、サイズは817.7×244.3×548.8mm(幅×奥行き×高さ)。画面の上部と左右のベゼルとギリギリまで切り詰めたスリムベゼルデザインにより、省スペース化している。重量も10.22kgとさほど重くない。

ボディのサイズは817.7×548.8×244.3mm。画面サイズのわりにスマートにまとまっている。重量は約10.22kg(公称値)だが、安定感は十分。背面側はすっきりとシンプルなデザインだ。電源ボタンとKVMボタンが右手で操作しやすい位置に用意されている
電源ボタンはジョイスティックのように動き、OSD操作を兼ねる。少し慣れれば見なくてもスイスイと使えるだろう。その上はKVMスイッチ用のボタン(後述)

 画面の高さや向き、角度は柔軟に調整できる。高さは130mm、左右角度調整(スイベル)は左30°~右30°、上下角度調整(チルト)は 上20°~下5°と、調整ができ、見やすい位置と角度で使うことができる。大画面モニターは頻繁に位置を変えにくいだけにこうした調整機能があるのはありがたい。

画面の高さは130mmの間で調整可能だ
奥行きはスタンドなしで67.5mmとスリム。スタンド部分の奥行きは244.3mmだ画面の上下角度調整(チルト)は、上20°~下5°に調整できる
画面の向きを左右30°ずつ、計60°の範囲で調整できる

 21:9のウルトラワイドのメリットは、一般的なモニターを2台並べたのと同等の作業領域を、より省スペースで、配線も少なくスマートに利用できることだ。たとえば、同社製の24型の液晶モニター(G24F Gaming Monitor:541×519.3×136.75mm)を2枚並べると、ぴったりつけても横幅は1000mmを超えるが、本製品の横幅は817.7mm。大幅にスペースが節約できることになる。

M34WQ Gaming Monitorを机の上にセットアップしてみた。スタンドが1つ、配線も最小限なのですっきり収まる。デュアルモニターだと2台分のケーブルで背面側がゴチャつきやすいし、スタンドが当然ながら2台分あるためモニター足元のスペースが窮屈になりがち

 また、モニターを2枚利用するデュアルモニターと違って中央の境目がないのもワイドならではのメリット。どんなにスリムベゼルの製品であってもゼロにはできない。中央に非表示部ができてしまい、そこがどうしても気になるもの。写真や映像を大きく表示する際、境目にかかってしまうと正確な確認ができないため、ズラして表示させたりする手間がかかる。その手間がなくなるのは非常に大きい。

 また、ケーブルの配線が1台分ですむのも大きい。デュアルモニターでは電源ケーブルとモニターケーブルは2組4本必要なところが、ウルトラワイドの本製品ならば、1組2本ですむ。スタンドも1つと2つでは印象が大きく違うので、デスクまわりが格段にすっきりする。

ワイドな画面はクリエイティブとの相性抜群、作業効率もぐっとアップ!

 ウルトラワイドの画面は、クリエイティブツールとの相性がよい。特に良さを感じるのが、Adobe Premiere Proなどの動画編集ツール。画面が横に伸びるので、タイムラインの横幅が多くとれるのでタイムライン上での作業がとてもやりやすい。画面が狭いと何か作業をするたびにその作業に合わせてタイムラインの縮尺を頻繁に変えなければならないが、ウルトラワイドならその手間は激減する。

Premiere Proの編集ワークスペースを表示(拡大率125%)。タイムラインを長く表示でき、一覧性が向上。スケールを頻繁に調整する手間が軽減され、作業性が大幅に向上した

 写真管理/RAW現像ツールのLightroom Classicでも試してみたが、こちらも快適。作業履歴、現像パラメータを展開したまま、メイン画面を大きく表示可能。写真を2枚並べた表示でも十分な大きさがあるので、全体のバランスを確認しつつある程度のディテールまで分かる。とにかく、セレクトやビフォー/アフターの確認をする際の表示倍率を変える手間が激減した。

ウルトラワイドな画面はLightroom Classicも快適(こちらも拡大率は125%)。ビフォー/アフターでディテールや全体のバランスを確認したい場合も表示倍率を変える手間が激減

Windows 11のスナップレイアウトでワイドな画面を有効活用

 さらに特筆したいのが、Windows 11で追加されたスナップレイアウトとの相性のよさだ。Windows 11では、ウィンドウの右上にある[最大化]ボタンにマウスカーソルを合わせると「スナップレイアウト」が表示され、デスクトップ上のどこにウィンドウを整列させるかを選択できる。

 たとえば、画面の3分の2にPremiere Proを表示させて、残りの1/3にチュートリアル動画をさせたいといった場合などもスイスイときれいに整列できる。また、リモート会議やオンライン授業の講義の映像を表示させつつ、WebやPDF資料などを同時に表示して書類作成などの作業を進めるといったときにも非常に便利なので、在宅ワークやオンライン授業との相性も抜群。ジャンルを問わず有効活用したい。

PDF、Webサイト、YouTubeを3分の1ずつ並べて表示させた。Windows 11のスナップレイアウトでサクサク整列できるので気分がよいし、複数ウィンドウを使っての作業がはかどる
Acrobat(PDF)、Chrome(YouTube)、Word、Excelを4分の1ずつ表示。ZoomなどのWeb会議の映像を見ながら作業するときなどに使えそうなレイアウトだ
Premiere Proを画面の3分の2、残りの3分の1にChromeでYouTubeを表示させた。クリエイティブではこのようにチュートリアル動画やヘルプ、解説記事などを見て学習しながら作業する場面もよくあるだけに便利だ

ハイスペックパネル採用でゲームや動画視聴でも大活躍

 画面のスペックにも注目したい。液晶の配向方式はIPSを採用。視野角が広く、発色にも優れている。表面は照明や外光の映り込みが少ない非光沢仕上げだ。クリエイティブワークで活用するには色域はインターネットコンテンツの標準であるsRGBの色域をカバーするのはマストの条件と言えるが、本製品はsRGB100%を上回る117%の広色域(DCI-P3比91%)を備えており、その条件を満たす。

 また、“長時間の作業に使うモニター”という点では、コンテンツに合わせて色みなどを調整するモードを搭載。眼精疲労の原因になるフリッカーフリー、ブルーライト低減機能も備えており、長時間利用での疲れにくさにも配慮されている。

sRGBモードで作成したICCプロファイルを色度図作成ソフト「Color AC」で表示した。sRGBの色域(青の点線)と本製品(黒の実線)はぴったり重なっている

 今回は“クリエイティブワーク向け”という視点から製品をチェックしているが、本機の出自は前述の通りゲーミング液晶。DisplayHDR 400や高速リフレッシュレート144Hzに対応し、応答速度は1ms(MPRT)、最大輝度400cd/平方mと基本性能がそもそも高い。このほか、リフレッシュレートをフレームレートに同期させる同期技術「AMD FreeSync(AMD FreeSync Premium)」、暗いシーンなどを見やすくする「Black Equalizer」なども装備するなど、トレンドのゲーミング液晶向けの機能は当然揃っている。

VESAの定めるDisplayHDR 400に準拠。HDR用モニターとしての必要な条件も満たしており、HDRコンテンツも楽しめる
リフレッシュレートは144Hzに対応。リフレッシュレートをフレームレートに同期させるAMD FreeSync Premiumにも対応している
パネルの性能が高いため、動画コンテンツの視聴にも向いている。クリエイティブ用途に強いだけでなく、オフの時間の充実にも一役買ってくれるだろう
ゲーミング液晶なので、ゲームプレイ時の映像クオリティも絶品。ウルトラワイドが活きるタイトルならなおのことだ

画面/キーボード/マウスを複数台PCで共有できるKVMスイッチ

 仕事にもホビーにも使うモニターとなると、端子の種類や数は重要な要素。最後に入出力端子をチェックしておこう。

 端子類はすべて背面にまとめられている。映像入力端子として、HDMI 2.0が2基、DisplayPort 1.4、USB Type-C(DP Alt Mode)と4系統を装備。また、USBハブ機能用のUSB Type-B(PC接続用、USB 3.2 Gen 1)、Type-Aを2基(USB 3.2 Gen 1)装備。ヘッドフォン端子も備える。なお、電源は内蔵タイプでケーブル1本で接続。ACアダプタ不要なのでかさ張らずすっきりしているのがありがたい。

端子はすべて背面に搭載されている。映像入力は、HDMI 2.0が2基、DisplayPort 1.4、USB Type-C(DP Alt Mode)と4系統を装備。USBハブ機能のためのUSB Type-B(USB 3.2 Gen 1)と2基のType-A(USB 3.2 Gen 1)のほか、ヘッドフォン端子も備える

 KVMスイッチ機能を搭載しているのもおもしろい。これは、キーボード(Keyboard)/マウス(Mouse)/画面(Video)を2台のPCで切り換えて使える機能だ。本製品の場合は、USB Type-Cとほかの入力(どれか1つを設定で指定)に接続したPCの間で、画面と一緒にUSB Type-Aに接続したキーボード、マウスを切り換える。

 Type-Cは画面入力とUSBハブ機能の接続を兼ねているので、Type-C側のPCはケーブル1本でよい。もう片方のPCには、モニターケーブルとUSBケーブル(Type-B/Type-A)を接続する。切り換えについては、OSDでKVMを有効にしておけば、電源ボタン上にあるKVMボタンでワンタッチで切り換えが可能。画面の入力切り換えを行なった場合でも、連動してデバイスも切り換わる。

 1組のキーボード/マウスを2台のPCで共有できるのでPCごとにキーボード/マウスを用意する必要がなく場所の節約になるし、誤操作する心配もなくなるので、複数PCを使い分けているならとても便利だ。

1台のモニターを2台のPCで共有したいときに便利なKVNスイッチ機能を備えているので、たとえば、ノートPCとデスクトップPCを使い分ける、といったワークスタイルもスマートに実現可能
背面にある電源スイッチを内側へ倒すと、KVMスイッチ機能の設定ができる
USB Type-Cとほかの入力(どれか1つを設定で指定)に接続したPCの間で、画面と一緒にUSB Type-Aに接続したキーボード、マウスを切り換えることが可能だ

広い新居に引っ越したような開放感

 GIGABYTEの「M34WQ Gaming Monitor」の使用感は、とにかく快適の一言だ。目の前にドーンと広がるワイドな画面は圧巻の迫力。新しく広い部屋に引っ越したときのような高揚感があり、作業のモチベーションをグッと高めてくれる。

 冒頭に述べたように、クリエイティブワークとウルトラワイドの相性は抜群。特に映像編集ではワークスペースが広くなることのメリットが大きい。デュアルモニターで同じような広さにするとしても中央に境目ができてしまうし、2画面をまたいでレイアウトする手間もかかる。デスクまわりのすっきり感も段違いなだけに、デュアルモニターよりも快適と感じるシーンも多い。

 Windows 11のスナップレイアウトを使えばジャンルを問わずウルトラワイドな画面を有効活用できる。DisplayHDR 400準拠、DCI-P3比91%(sRGB比117%)の広色域、144Hzのリフレッシュレートに対応するなどオールラウンドな表示性能を持ち、KVMスイッチなど便利な機能もあるため、クリエイティブ、ビジネス、エンタテイメント、ゲームまで、用途を問わず大活躍は間違いない。

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