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Windows 11搭載のレッツノート史上最強「FV1」を旧製品と徹底比較してみた
~内部がどう進化したのかも全部見せます! 【PC Watch 25周年特別企画】
2021年11月16日 06:55
パナソニックのノートPC「レッツノート」シリーズは、今年(2021年)で登場からちょうど25年が経過した。その間、レッツノートはビジネスシーンで求められるモバイルノートとしての仕様に磨きをかけ続け、今では“ビジネスモバイルノートと言えばレッツノート”と言われるほどの信頼と確固たる地位を築いている。
今回は、最新OSであるWindows 11を搭載する「レッツノート FV1」が登場したことに合わせ、どれくらいレッツノートが進化しているのかを検証する。まずは5年前のモデルとの性能差を知っていただき、本体の分解写真などを見せつつ比較していこう。
(1) 5年前のモデルとWindows 11搭載機の性能差を知る
(2) ストレージも超高速でOSの起動もあっと言う間
(3) 性能向上の鍵は冷却周りの大幅強化
(4) 通信機能やインターフェースも抜かりなし
(5) 同じ14型ノートでもさらに小型化した筐体
(6) Windows 11との親和性に優れる3:2の14型画面
(7) バックライト内蔵フルサイズキーボードと大型ホイールパッドで操作性も向上
(8) 快適にテレワークをこなせるノイズ除去機能
(9) 30分で50%も充電可能。ビジネスに心強い急速充電
(10) 安心して持ち歩ける高性能ビジネスモバイルPCとしてFV1は絶大な魅力がある
(11) 改めて知る、頑丈PC「レッツノート」とは?
5年前のモデルとWindows 11搭載機の性能差を知る
では早速、Windows 11を搭載するレッツノートFV1の性能を、2016年に登場した同じ14型の旧モデルである「レッツノート LX6」と比較してみたい。LX6のスペックはCPUがKaby Lake世代のインテル®Core™ i5-7200U プロセッサー、メモリが8GB、内蔵ストレージが容量750GBのHDDだ。
対するFV1は、CPUがTiger Lake世代のインテル®Core™ i7-1165G7 プロセッサー、メモリが16GB、内蔵ストレージが512GBのPCIe 4.0 NVMe SSDとなる。約5年の間にどの程度の性能アップが果たされたのか確認していこう。
なお、LX6のOSはWindows 10であるため、完全な横並びの比較とはならないが、マシンの世代の性能差を見るのが目的であるため、ご了承いただきたい。
利用したベンチマークソフトは、UL Benchmarksの「PCMark 10 Professional Edition v2.1.2523」、「3DMark Professional Edition v2.20.7274」、Maxonの「Cinebench R23.2」の3種類だ。
レッツノート FV1 | レッツノート LX6 | |
---|---|---|
CPU | インテル® Core™ i7-1165G7 (4コア8スレッド、最大4.7GHz) | インテル® Core™ i5-7200U (2コア4スレッド、最大3.1GHz) |
ビデオチップ | インテル® Iris® Xe グラフィックス | インテル® HD グラフィックス 620 |
メモリ | LPDDR4X-4266 SDRAM 16GB | LPDDR3-1866 SDRAM 8GB |
ストレージ | 512GB SSD(NVMe PCIe 4.0) | 750GB HDD |
OS | Windows 11 Pro | Windows 10 Pro |
以下のグラフの通り、いずれの結果もLX6を大きく上回っていることが分かる。もちろん、Core i5とCore i7という違いもあるが、それ以上にCPUの世代による性能差が非常に大きく、処理能力にも大きく影響している。
LX6は5年前のPCではあるが、Windows 10搭載で今でもまだ現役として活躍しているPCではある。PCの買い換えサイクルは5年程度と言われており、旧機種を使用されている方には、どの程度の飛躍があるのか参考になるだろう。
ビジネスシーンで利用することの多いOfficeなどのアプリは比較的動作が軽い部類に入るが、それでも作業の快適度は大きく変わってくるはずで、やはりFV1の性能の高さは大きな魅力となる。
ストレージも超高速でOSの起動もあっと言う間
また、この性能差以上に体感の快適度を大きく左右しているのがストレージだ。LX6ではHDDを搭載しているのに対し、FV1はPCIe 4.0対応の高速SSDを採用。ベンチマークソフト「CrystalDiskMark 8.0.4」で速度を測定してみたところ、LX6はシーケンシャルリード、ライトとも100MB/sほどだったのに対し、FV1のSSDはシーケンシャルリードが3,948.31MB/s、ライトが4,760.42MB/sと、リードは約39倍、ライトは約47倍も高速だった。
これだけの速度差では、OSやアプリの起動時間もかなりの違いが出る。まず、シャットダウンの状態から電源投入後にPanasonicロゴが表示され、OSのデスクトップ画面が表示されるまでの時間を計測してみたところ、LX6では約45.2秒かかったのに対し、FV1は約7.4秒と6倍以上高速だった。
同様に、Webブラウザ「Edge」の初回起動時間も、LX6は約5.4秒かかったのに対し、FV1は約1秒とほぼ瞬時だった。もちろん、ほかのアプリでも起動時間は大きく変わるはずで、体感の性能差はあまりにも大きいと言える。
続いて、バッテリー駆動時間も検証してみた。今回試用したFV1には容量56Whのバッテリーパック(L)が装着されており、公称の駆動時間は約21時間(JEITAバッテリー動作時間測定法 Ver2.0での数字)となっている。
それに対し、Windowsの省電力設定を「バランス」、電源モードを「より良いバッテリー」、バックライト輝度を50%、キーボードバックライトをオフに設定し、PCMark 10のBatteryテスト「PCMark 10 Battery Profile」の「Modern Office」を利用して計測してみたところ、8時間41分を記録した。なお、同様の条件でLX6試用機の駆動時間も計測してみたが、そちらは6時間46分だった。
LX6はすでに5年前のモデルで、バッテリーの状況もあまり良くないと思われるため、直接比較するのは酷な部分もあるが、結果としては、性能が大きく向上していながらも駆動時間は長くなっている形で、この点でもモバイルノートとしての魅力が大きく向上していると言える。
性能向上の鍵は冷却周りの大幅強化
ここからは、FV1が旧製品からどれくらい進化しているのか、筐体や内部のハードウェアなどを比べつつ探っていきたい。
FV1はCPUに、インテルの最新CPUである“Tiger Lake”こと第11世代インテル® Core™プロセッサーを採用。Core™ i5-1135G7またはCore™ i7-1165G7が搭載されているが、いずれも4コア8スレッド処理対応で優れた処理性能を誇る。グラフィックス機能は、「Iris® Xe グラフィックス」を内蔵しており、カジュアルな3Dゲームも快適にプレイできるほどの優れた描画能力を発揮する。
その高性能CPUの性能を最大限引き出せるように、シリーズ初となるデュアルファンを搭載したのがFV1で、大型ヒートパイプを組み合わせた高性能冷却機構を採用している。
さらに、CPUの電力制御技術「インテル® DTT(Dynamic Tuning Technology)」を利用した独自チューニングと、内部の様々な場所の温度を監視することで、CPUの動作状況に応じた適切な電力制御を行ない、常に最大限の処理能力を発揮できるようにする「Maxperformer」も組み合わせ、高い処理能力を長時間維持可能。これにより、負荷のかかる作業もスピーディに行なえるのだ。
これらの熱設計の改良が、FV1の高性能っぷりを実現しているわけだが、もちろんそれだけではない。メモリは標準16GB、Panasonic Store Plus直販モデルでは最大32GBと余裕のある容量となっており、内蔵ストレージは最大 2TBのPCIe 4.0 NVMe SSDに加えて2nd 内蔵ストレージも最大2TBのPCIe3.0 NVMe SSDを選択することで合計最大4TBまで拡張できるなど、周辺パーツのグレードもグンと上がっている。
通信機能やインターフェースも抜かりなし
ネットの使い勝手に影響する無線通信周りに目を向けると、無線機能は最大2.4Gbpsの高速通信に対応するWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)準拠の無線LANを標準搭載。LX6に搭載されるWi-Fi 5(IEEE 802.11ac)の通信速度は最大866Mbpsなので、通信速度は約2.7倍に達している。
実際に、容量合計約8.3GBの動画ファイル24個を、Wi-Fi 6および2.5Gigabit Ethernet対応無線LANルーター経由で、2.5Gigabit Ethernet対応のネットワークストレージに転送してみたところ、Wi-Fi 5対応のLX6では約2分8秒かかったのに対し、Wi-Fi 6対応のFV1では約54秒と半分以下の時間で転送できた。これなら大容量データを扱う作業もスピーディにこなせるはずだ。
このほか、5GまたはLTE対応のワイヤレスWANも搭載可能となっており、5G通信時には受信時最大4.14Gbps、送信時最大0.66Gbpsの高速通信が可能(LTE通信時には受信時最大300Mbps、送信時最大50Mbps)。5G対応ワイヤレスWAN搭載モデルなら、外出時でもオフィスや自宅と変わらず快適なデータ通信が行なえるだろう。
今回の試用機では5Gの検証はできなかったが、以下の記事ではWindows 10モデルながらFV1でその検証を行なっているのでご覧いただきたい。
セキュリティ性も万全で、TPM 2.0準拠のセキュリティチップの搭載はもちろん、生体認証機能としてWindows Hello対応の指紋認証センサーと顔認証カメラも搭載。生体認証機能は、時と場合に応じて指紋認証と顔認証を使い分けられるのも嬉しい。
また、レッツノートシリーズではビジネスシーンでの様々な利用場面を想定して、豊富なインターフェースが用意されている。そして、FV1にもその特徴がしっかり受け継がれている。
左側面には電源コネクタ、HDMI、Thunderbolt™ 4×2、オーディオジャック、USB 3.0が、右側面にはGigabit Ethernet、USB 3.0×2、SDカードカードスロット、ミニD-Sub15ピンがそれぞれ用意されている。
近年のモバイルノートはインターフェースが最小限で、周辺機器を利用する場合にポートリプリケータや変換アダプタを用意しなければならないことも多い。しかしFV1はビジネスシーンで必要となるインターフェースがほぼ全て網羅されているため、直接周辺機器を接続して利用できる。この優れた拡張性も大きな魅力となるはずだ。
同じ14型ノートでもさらに小型化した筐体
ここからは改めてFV1の筐体から、その進化を見ていきたい。
FV1を見てまず最初に感じるのが、筐体の薄さだ。レッツノートはこれまで、頑丈性を高めるためにやや厚めの筐体となっていた。しかしFV1は、厚みがタッチパネル非搭載モデルでは18.2mmと、20mmを切る薄さを実現。これは、14型クラスのディスプレイを搭載するモデルとしてはシリーズ最薄だ。
5年前のLX6と比較すると、実に6.3mmもの薄型化を実現。実際に並べてみると、後方の突起部での比較ではさらに大きな差となっており、FV1の薄さが極まっていることがよく分かる。
もちろん、これだけの薄形筐体を実現しても、後に紹介する様々な条件での落下試験や100kgf加圧振動試験、各種耐久性試験などの頑丈性試験は全てクリア。シリーズ同等の優れた頑丈性がしっかり確保されている。
また、軽さも極められており、最も軽量となるモデルでは重量が0.999kgと1kgを下回っている。カスタマイズ可能なPanasonic Store Plus直販モデルでは、仕様によって違いはあるが、1.034~1.229kgと14型モバイルノートとして申し分ない軽さを実現。こういった特徴によって、FV1は携帯性がさらなる高みに到達している。
筐体デザインのコンセプトは、これまでと大きく変わっていない。それでも、天板のボンネット構造は凹凸が浅く、薄型化の追求と合わせて、見た目の印象もかなりスタイリッシュに進化したと感じる。カラーはシルバーダイヤモンドとジェットブラックの2色を用意する。
加えて、FV1の2021年秋モデルでは、最新OSのWindows 11が標準で導入される。Windows 11では、Windows 10からUIが刷新されていることに注目が集まっているが、最も重要なのはセキュリティ性が大きく高められている点だ。
近年、企業をターゲットとした様々なサイバー攻撃が増えており、大きな問題となっている。そこでWindows 11では、そういったサイバー攻撃を防ぐため、高度なセキュリティ機能が標準で盛り込まれている。
Windows 11のPCには、TPM 2.0準拠のセキュリティチップ搭載やセキュアブート対応などが必須となるが、もちろんFV1はそういった要件を全て満たしている。そのため、Windows 11搭載の最新FV1は、優れたセキュリティ性が求められるビジネスシーンでも安心して利用できるのだ。
Windows 11との親和性に優れる3:2の14型画面
FV1では、アスペクト比3:2、2,160×1,440ドット(QHD)表示対応の14型液晶ディスプレイを搭載している。14型クラスでアスペクト比3:2のディスプレイを採用するのはFV1が初となる。
フルHD(1,920×1,080ドット)表示の14型ディスプレイ搭載のLX6と比べると、画面全体に表示できる情報量が増えているのはもちろん、縦により多くの情報を表示できるため、作業効率が大きく高められていると感じる。
それに加え、FV1の3:2画面はWindows 11を利用する場合でも大きな利点がある。その1つが、Windows 11で新たに用意された、表示しているアプリやウィンドウをワンタッチで再配置する「スナップレイアウト」という機能を利用する場合だ。
Windows 11では、表示しているウィンドウの最大化ボタンにマウスカーソルを合わせて少し待つと、分割表示のレイアウトメニューが表示され、そこから目的のレイウアウトを選択するだけで開いているアプリやウィンドウを綺麗に再配置できる。
このスナップレイアウトでは、画面を縦横に分割してウィンドウを再配置する。例えば、デスクトップ表示領域を縦横それぞれ2分割した4分割でウィンドウを綺麗に並べて表示する、といったことが簡単にできる。
ただ、フルHDなどアスペクト比16:9のディスプレイで縦に分割すると、分割表示したウィンドウの縦の情報量がかなり少なくなってしまい、作業効率が下がってしまう場合がある。それに対し、FV1は縦長のディスプレイのため、縦に分割表示してもそれぞれに十分な情報量を確保できる。
実際に試してみても、縦に2分割したウィンドウでも情報量に余裕があり、十分な作業効率が保たれていると感じた。こういったことから、FV1のディスプレイはWindows 11との親和性に優れると言える。
そのほか、ディスプレイ周囲のベゼル幅が四辺ともに狭められている点も大きな特徴だ。
これまでレッツノートシリーズでは、頑丈性を高めるためにベゼル幅がやや広めに確保されてきた。しかしFV1では、頑丈性を損なうことなくベゼル幅が狭められている。特に左右のベゼル幅が約5.3mmと、レッツノート史上最小となっている。
実際にLX6と比べてみると、ベゼル幅の違いは一目瞭然。FV1はディスプレイ面のほとんどが表示領域と感じるほどになっており、ディスプレイを開いた状態での印象が大きく進化したと感じる。
ベゼル幅が狭められたことで筐体の小型化も突き詰められており、フットプリントは308.6×235.3mm(幅×奥行き)となっている。同じディスプレイサイズのLX6と比べると、ディスプレイが縦長となったことで奥行きは9.7mm増えているが、幅は24.4mmも狭くなっている。
このフットプリントは、一回り小さい13.3型クラスのモバイルノートとほぼ同等。13.3型クラスのサイズに14型ディスプレイを搭載できているのも、アスペクト比の違い(FV1はアスペクト比3:2)とベゼル幅が狭められたためだ。これにより、幅の狭いカバンにも余裕で収納できるようになり、携帯性が高められている。
バックライト内蔵フルサイズキーボードと大型ホイールパッドで操作性も向上
FV1は、主要キーのキーピッチが縦横とも約19mm(※一部キーを除く)のフルサイズキーボードを搭載している。このキーボードは、LX6などの従来の14型モデルのキーボードと基本的な仕様はほぼ同等。キー配列はもちろん、タイピング時に指が引っかかりにくいように角が丸く削り取られたリーフ型キートップの採用や、約2mmの深いストロークといった特徴も全く変わっていない。
これまで14型モデルを利用していた人なら、全く違和感なく操作できるのはもちろん、デスクトップPCのキーボードと比較しても全く遜色のない操作が可能だ。
その上でFV1のキーボードでは、シリーズ初となるバックライトを一部機種で内蔵。暗い場所でもバックライトによってキー表記が明るく浮かび上がり、快適なタイピングが行なえるように進化している。
また、レッツノートでお馴染みの円形タッチパッド「ホイールパッド」も進化し、大型化されている。ホイールパッドの大型化は、アスペクト比3:2のディスプレイを採用したことで筐体の奥行きが長くなり、キーボード手前のパームレスト部の奥行きも広がったことで実現可能になった。
2018年登場で14型ディスプレイを搭載する「レッツノート LV7」のホイールパッドと比較すると、直径がかなり大きくなっていることが分かる。
ホイールパッドの大型化によって、実際にカーソル操性やジェスチャー操作時の操作性がかなり向上したと感じる。もちろん、パッド周囲をくるくるなぞってスクロール操作が行なえるという特徴も受け継いでいる。ホイールパッドの操作に慣れている人にとって、この大型化はかなり嬉しい進化と言える。
快適にテレワークをこなせるノイズ除去機能
コロナ禍以降、ビジネスPCにはテレワークを快適にこなせる機能の搭載が求められるようになった。その主なものが、カメラやマイク、スピーカーだ。ビジネスPCやモバイルノートではあまり重要視されてこなかった機能だが、FV1ではこういった部分の進化もしっかり盛り込まれている。
カメラは、最大フルHD(1,920×1,080ドット)での撮影が可能となっており、HD(1,280×720ドット)相当のWebカメラなどと比べると高精細な映像が撮影できる。自分の顔を映すだけならHDでも十分だが、現物の資料を写す場合などは高精細な映像ほど細かな部分まではっきり伝えられるため、フルHD撮影ができるという点が間違いなく有利となる。
ディスプレイ上部のカメラ左右にアレイマイクを搭載しており、ディスプレイ正面や周囲の音を効率良く集音。加えて、キーボードの打鍵音や周囲の環境音、緊急車両のサイレンなどの雑音を除去する「AIノイズ除去」機能を搭載している。
このAIノイズ除去機能は、FV1に搭載する第11世代インテル® Core™ プロセッサーのAIアクセラレータ「インテル® GNA」を利用しており、様々なバックグラウンドノイズをリアルタイムに消去しつつ、声だけをクリアに相手に届けられる。
実際に、緊急車両のサイレン音を収録した音声を再生している環境でAIノイズ除去の効果を試した動画を以下に掲載しているが、こちらを見てもらうとよく分かるように、AIノイズ除去を有効にするとサイレン音が完ぺきに消されて、声だけがクリアに聞こえていることが分かる。これなら、周囲の音を気にせずどこからでもWeb会議に参加でき、非常に便利と感じる。
さらに、スピーカーの音質も大きく改善されている。FV1には、従来と比べて大型化したボックス型スピーカーを搭載するとともに、人の声の周波数帯の音圧を向上する「音響効果ソフト(Waves MaxxAudio®)」を搭載する。
実際にWeb会議で試してみたが、相手の声がクリアに聞き取れ、ヘッドフォンや外部スピーカー不要と感じた。合わせて、ボリュームを大きくしても音割れがほとんど発生しないため、広い部屋で大人数のWeb会議を行なう場合でも十分活用できるはずだ。
30分で50%も充電可能。ビジネスに心強い急速充電
そして、FV1ではインテル®が定める「インテル® Evo™ プラットフォーム」に準拠したモデルもラインナップしている。インテル® Evo™ プラットフォームに対応するモデルでは、第11世代 インテル® Core™ プロセッサー搭載による高い性能、Thunderbolt™ 4テクノロジーやWi-Fi 6に対応、フルHD超のディスプレイ搭載、スリープから1秒未満での復帰、バッテリーの長時間駆動、といった特徴を備えている。
バッテリーはシリーズ同様着脱式で、底面前方に搭載。バッテリーは容量30Whの「バッテリーパック(S)」と、容量56Whの「バッテリーパック(L)」が用意され、インテル® Evo™ プラットフォーム準拠モデルではバッテリーパック(L)が搭載される。
ところで、FV1では電源コネクタに接続するACアダプターに加えて、Thunderbolt™ 4(USB Type-C)ポートに接続して利用する、USB Type-C接続の「USB PD充電器」を用意している。オプションでの購入もしくは、インテル® Evo™ プラットフォーム準拠モデルに同梱されており、このUSB PD充電器は100Wと高出力に対応するとともに、バッテリーの急速充電も可能となっている。
そこで、バッテリーパック(S)を装着したFV1を、USB PD充電器を利用して30分でどの程度の容量を充電できるのか試してみた。
結果は、スタート時点で9%だったバッテリー残量が、15分後に30%、30分後に50%となった。つまり30分で約40%の容量が充電できたことになる。
ちなみに、LX6でも同様の検証を行なったが、スタート時点で1%だったバッテリー残量が、15分後には13%、30分後には30%までしか充電できなかった。
この結果から、朝起きてFV1の充電を忘れていたという場合でも、出掛ける支度をしている間に充電することで、1日の仕事に十分な容量を確保できるだろう。
安心して持ち歩ける高性能ビジネスモバイルPCとしてFV1は絶大な魅力がある
今回、FV1を5年前に登場したLX6と様々な角度で比較してきたが、5年間の進化はあまりにも大きいことが改めて実感できた。
おそらく、LX6でもHDDをSSDにすればもう少し快適になるとは思う。とは言え、通常の作業だけでなく、テレワークを快適にこなすためには、純粋なCPUの処理能力は明らかに不足しており、SSDを搭載したとしても現在のビジネスシーンで快適に利用するのは難しいはずだ。
さらに、FV1は最新OSのWindows 11対応で、2021年秋冬モデルではWindows 11がインストールされるのに対し、LX6はWindows 11へのアップグレード非対応だ。そのため、LX6世代のレッツノートは、快適に作業をこなすという意味でも、もはや買い換えを検討すべきタイミングになっていると言っていいだろう。
その上で、性能面はもちろん、優れた頑丈性はそのままに薄さが極められて携帯性が高まった筐体、バックライト内蔵キーボードと大型ホイールパッドによる優れた操作性、テレワークを快適にこなせるカメラやサウンドまわりの進化など、どれをとってもFV1は買い換え候補として有力な選択肢となる。もちろん、これから新たにビジネスモバイルPCを購入しようと考えている人にも、自信を持っておすすめできる。
改めて知る、頑丈PC「レッツノート」とは?
新旧モデルの比較は以上になるが、最後にそもそも「レッツノート」とはどのようなノートパソコンであるか、その設計思想について説明しておこう。
レッツノートは、特にビジネスシーンでの利用をメインターゲットとするモバイルノートだ。この分野の製品は競合が非常に多いが、そういった中、レッツノートシリーズがなぜ競合を圧倒する支持を集めているのか。それは、ビジネスシーンでの利用に不可欠な仕様が豊富に盛り込まれているからだ。
例えば、ボディの軽さと頑丈性。黎明期のモバイルノートは、ボディの軽さや薄さを極限まで追求する製品が多く、頑丈性が犠牲となっているものが少なくなかった。しかしレッツノートは、ボディの薄さや軽さを極限まで追求するのではなく、不意のアクシデントにも耐えられる優れた頑丈性を確保しつつ、その中で極限の薄さや軽さを追求している。
シリーズの特徴となっている凹凸のある「ボンネット構造」の天板はただの飾りではない。天板を薄くして軽量化しつつ、外部から大きな圧力がかかっても内部の液晶パネルに影響がおよばないよう、優れた耐圧性を実現するためのものだ。それ以外にも、外からは見えない部分でボディの軽量化と頑丈性を両立する仕様が数多く盛り込まれている。
その結果、高さ76cmからの落下試験や、高さ30cm、26方向からの落下試験、100kgfの加圧振動試験、キーボードやヒンジなどの耐久性試験など、パナソニックが定める過酷な品質試験をクリアする優れた頑丈さを、シリーズで一貫して確保できている。
また、外出して利用する場合には電源を確保できないことも少なくないが、長時間のバッテリー駆動を実現することでその不安を解消。合わせて、近年ではほとんどのモバイルノートが着脱不可の本体内蔵型バッテリーを採用している中、レッツノートでは今なお交換可能なバッテリーを採用する。そのため、バッテリーを交換することでさらなる駆動延長も可能となり、電源確保が難しい状況でも安定して長時間の作業が行なえる。
こういった、頑丈性や着脱式バッテリーの採用というこだわりは、“ビジネスを止めないため”というレッツノートの開発理念がベースとなっている。そして、そのこだわりがビジネスユーザーから絶大な支持を集める所以だ。
このほか、ディスプレイにも特徴がある。多くのモバイルノートはアスペクト比16:9のディスプレイをほぼ標準的に採用しているが、レッツノートシリーズの主要な製品の多くは16:9よりも縦に長いディスプレイを採用。これは縦の情報量が増えることで、ビジネスシーンの作業効率が高まるという考えがあるからで、これもビジネスユーザーを第一に考えた仕様と言える。
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