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【VAIO Zクリエイターリレーレビュー】プロマンガ家を唸らせたVAIO Zの高性能

~CLIP STUDIO PAINTでマンガ/イラスト制作でのVAIO Zを検証

VAIO Zと北上諭志氏

 VAIOのフラグシップモバイルノート「VAIO Z」を使ったクリエイターリレーレビューの第2弾として、マンガ家の北上諭志氏に、「CLIP STUDIO PAINT」を用い、イラスト/マンガ制作を行なってもらい、その感想を伺った。

 新しいVAIO Zは、1kg(最軽量構成時)を切るモビリティと、第11世代Intel Core Hシリーズ+独自の「VAIO TruePerformance」機能などによる高い性能を両立させたマシン。様々な場所に持ち出して、クリエイティブな作業を行なうことができる憧れのマシンだ。

 今回利用してもらった試用機の主な仕様は、Core i5-11300H、メモリ16GB、SSD 512GB、フルHD(1,920×1,080ドット)ディスプレイとなっており、VAIO Zとしては標準的な構成だ。しかし、北上氏によると、コンポーネントの性能をフルに発揮できるVAIO Zでは、従来重いと感じていたマンガ制作作業も非常に快適で、思わず、試用機を検証以外の本業にも使ってしまったほどだったという。

今回、北上氏にVAIO Zで描いていただいたイラスト

 なお、製品のレビュー/インタビュー記事はすでに掲載しているので、VAIO Zがどのような点にこだわって開発され、どのように軽量化や高い性能を実現したのかといった点については、そちらを参照してほしい。

VAIO Z
天板
本体右側面
インターフェイスはHDMIとThunderbolt 4
左側面
インターフェイスはThunderbolt 4と音声出力

検証内容について

——:今回、VAIO Zを評価するにあたり、どのような作業を行なったのか、ご説明ください。

北上:VAIO ZでCLIP STUDIO PAINTを使って、マンガとイラストの制作を行なってみました。マンガやイラストはぱっと見は1枚の2次元の絵ですが、実は何枚ものレイヤーで構成されていたりすることもあります。特にマンガだと、それが何十ページにもなったりするので、かなり重くなることもあります。

 ちなみに、僕はアシスタントさんとは、リモートで協業しています。データのやり取りはDropboxで行なって、作業中はSkypeで指示を出したりしています。

作画工程
下書き
下書きが進んだところ
線入れ
ラフなカラーリング
陰影を付けたところ
最後に色味を調整
背景を付けて完成


VAIO Zの高性能がどう活きる?

——:VAIO Zはモバイルノートながら、高い性能を実現しています。今回マンガ/イラストの制作を行なってみて、具体的にどのような作業で性能の高さを感じたか教えてください。

北上:まず、初めに作業するにあたり、普段使っている自分のPCで利用しているCLIP STUDIO PAINTの素材や、ペンなどの細かいデータがあるんですが、これをクラウド経由でVAIO Zに取り込んだんですね。過去にもこういう作業はやったことがあるんですが、まず、それがすごく速くて驚きました。ネットワーク回線は同じものを使っていて、ダウンロードするだけなんですが、それが速いってことは、たぶんSSDが高速なので、こんな作業まで恩恵が得られたんですね。

 作画については、僕はビットマップではなく、ベクターレイヤーを使って、人物や背景を描いていて、背景が複雑で緻密なページなどはマシンスペックが低いと重たくなってストレスになるのですが、VAIO Zではストレスなくスムーズに作業できました。最初は検証目的だけで使うつもりだったんですが、あまりに快適だったので、本業のマンガ制作にも今回のVAIO Zを使わせてもらったほどです(笑)。

 締め切りに追われながらの仕事なので、マシンの性能が作業のボトルネックになることは避けたいので、非常にありがたいですし、優秀だなと感じました。

例えばこの絵の背景はベクターレイヤーで描かれている


軽さのメリット

——:VAIO Zは高性能ながら、重量は1kg切り(最軽量構成時)を実現しており、気軽に持ち運べます。マンガ家として、マンガ制作可能なノートが持ち運べると、どのように活用の幅が広がりますか?

北上:VAIO Zを最初に受け取った際、その軽さにまず驚きました。他のタブレットやノートPCを持ち出して、ファミレスやカフェでの作業に使った経験もあるのですが、VAIO Zのこの軽さは突出して持ち運びやすいなと思いました。

 実際の作画作業では、VAIO Zに外部ディスプレイも繋いで大画面で作業することになると思いますが、VAIO Zなら、単体でも外出先で簡単なネームやプロットを切ったりする時にも使えて便利ですね。

 現在はコロナ禍で、取材や外出など減ってはいますが、僕自身、旅行が好きなので、このPCなら手軽に持ち運べて、旅先/取材先でも仕事ができますね。


バッテリ駆動時間について

——:VAIO Zは最長で約34時間、4Kモデルでも約17時間の駆動が可能です。マンガ家の視点から、この駆動時間をどのように思いますか。

北上:先にも答えた通り、僕は他のノートPCやタブレットも使ってきましたが、やはりマンガの制作作業はすごく長時間作業になるので、常にバッテリを気にしたり、充電しないといけないのがストレスでした。VAIO Zはこんなに軽くて長時間作業できるのはすごいですよね。


堅牢性について

——:軽いだけでなく米国防総省の規格に準ずるテストをパスする堅牢さも特徴です。この点について感想をお聞かせください。

北上:PCは高価ですし、購入したら長持ちしてほしいんですよね。でも結局、マンガを描く道具なので、忙しくなってくると多少雑に扱ってしまったりもします。落下や曲げにも強いVAIO Zなら、僕みたいな雑な人にも頼もしく高評価です。


液晶パネルについて

——:今回使ってみて、液晶の見栄え・品質はいかがだったでしょうか?

北上:めちゃくちゃ綺麗でした。マンガの仕事をいったん放置して、じっくりリビングで映画鑑賞したかったくらいです(笑)。もちろんマンガやカラーイラストの制作に関しても、気持ちよく作業できました。


洗練されたデザイン

——:洗練されたデザインも訴求点の1つです。北上さんの感想をお聞かせください。

北上:VAIO Zはデザインがカッコいいですよね。僕はスタイリッシュなデザインが好みなのですが、VAIOシリーズは常にその点はクリアしたPCを出してきますよね。さすがです。


5G対応の使いどころ

——:VAIO Zは5G対応モデルもあり、4Gよりも最大10倍高速に屋外でも通信ができます。これにより、どんな使い方ができそうでしょうか。

北上:外出先で大容量のデータを急いで編集さんに送らなきゃ、なんてシチュエーションが発生したら、きっと5Gモデルだったら助かると思います。あるいは締め切り明けに出先からデータ送る場合、大体徹夜明けだったりしてて眠いんで、早くデータを送れたらその点でもありがたいですね(笑)。


あなたならBTOでどんな構成にする?

——:最後に、北上さんがVAIO Zを買うとしたら、BTOでVAIO Zを、どのような構成にするか教えてください。また、それぞれの選択肢を選んだ理由も教えてください。

北上:CPUとメモリはCore i7 11370H+メモリ16GBにします。先にも言った通り、普通のマンガ制作なら、VAIO Zは試用機のスペックでも十分過ぎるほど高性能でしたが、今後はマンガでも3Dデータなどが増えていくことも考えると、余裕を持ってこの仕様にしたいです。

 ディスプレイは4Kですね。作業の効率も上がりますし、どうせなら、動画とかも高画質で観たいです。ストレージは1TBにします。かなり高画質な写真なども大量に資料写真として管理しているので、512GBだとちょっと物足りないので。

 それから、オプションでマルチモニタードッキングステーションもつけたいです。外部ディスプレイや、液晶タブレットなども接続して使用したいので。

マンガ制作のメインマシンにもなれるVAIO Z

 以上の通り、北上氏によると、マンガ/イラスト制作におけるノートPCとしてのVAIO Zは、性能は申し分なく、外部ディスプレイを繋げば、メインマシンとしても十分活躍でき、加えて設置面積は小さくて済むとの評価だった。

 また、現在こそコロナ禍で機会は減っているが、地方取材も頻繁に行なう北上氏にとっては、VAIO Zの軽さと長時間バッテリ駆動も非常に頼もしいという。最近では、タブレットだけでマンガ制作を行なうプロマンガ家もいるとのことだが、アプリのショートカットでキーボードを使うことを考えると、タブレット+キーボードよりもVAIO Zの方が軽い場合も多く、性能も遙かに高いので、マンガ家に非常に好適な1台だと言える。