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4K液晶でThunderbolt 3搭載。“拡張”も極められる「VAIO S15 | ALL BLACK EDITION」で仕事環境をアップデートせよ

Thunderbolt 3で“拡張”も可能な「VAIO S15 | ALL BLACK EDITION」のポテンシャルの高さを測る

 自宅の仕事環境を充実させるにあたっては、末永く使い続けるためにも、PCにどれほどのポテンシャルがあるか、というのは重要だ。時々オフィスへ通勤する必要があるのだとすれば、持ち運びできるノートブックは外せない。けれど、それも考慮したうえで“拡張性”の高いPCを選びたいもの。そして、できれば業務時間外のプライベート用途においても満足できる性能が欲しい。そんな条件で探したとき、ちょっと気になる存在が「VAIO S15 | ALL BLACK EDITION」だ。

 15.6型のノートブックで、4K解像度の液晶ディスプレイ、Core i9を搭載するという基本性能の高さ。加えて、Thunderbolt 3ポートを備え多様な拡張が可能になっている。“素”のままでも高いパフォーマンスを発揮することは間違いないが、Thunderbolt 3ポートを活用することで、どんなポテンシャルを見せてくれるのだろうか。

 ちなみに現在、VAIOストアでは割引を実施しており、VAIO S15は15万271円からの価格で販売中。一方上位の「ALL BLACK EDITION」は32万2,696円からだ。VAIOストアに新規会員登録すると2万円クーポンが贈呈されるほか、フィリップス製の21.5型液晶が同時購入で0円になるといった、さまざまなお得なキャンペーンを実施しているので要注目だ。

4K HDR対応の高精細画面をはじめとするリッチな基本性能

 「VAIO S15」の性能を一段高めた、プレミアムなカスタマイズモデルとしてリリースされた「VAIO S15 | ALL BLACK EDITION」は、CPUに第9世代Core i9-9980HK(2.40~5.00GHz、8コア16スレッド、キャッシュ16MB、Coffee Lake)を採用し、最大32GBのメモリを搭載する15.6型ノートPCだ。

VAIO S15 | ALL BLACK EDITION
全体が引き締まったブラックで統一されている
VAIO S15には標準仕様モデルも用意されている。ブラック、シルバー、ホワイトの3色展開

 すでに“最新”のスペックではなくなっているものの、8コア16スレッドで最大5GHz動作のプロセッサが叩き出すパフォーマンスは十二分に高い。Office文書作成のような一般的な業務から、写真加工、動画編集などのマルチメディア処理まで余裕でこなせるうえに、グラフィックス処理がそこまで重くないものであればゲームも問題なく遊ぶことができる。

 さらに4K(3,840×2,160ドット)解像度の液晶ディスプレイは、高精細かつ広大なデスクトップを実現。上位モデルはHDRに対応したうえで、Adobe RGBを100%カバーするという広い色域をもっている。これによって精度の高い写真のレタッチ加工などが可能になり、単純に写真を閲覧するときでも、広色域ディスプレイの発色性能の高さを実感できるはずだ。

15.6型の4Kディスプレイを搭載。広いデスクトップで効率良く作業できる
上位モデルではHDRに対応し、Adobe RGBを100%カバー

 4Kディスプレイのおかげで、NetflixやYouTubeなどネット上の4K動画を楽しめるのはもちろんのこと、内蔵する4K対応のUHD BDドライブを使って、購入またはレンタルしたUHD BDの映画鑑賞も本体のみで可能。HDR対応の上位モデルであれば、ネットでもディスクでもきめ細かく鮮やかな画質を堪能でき、Dolby Atmos対応のステレオスピーカーで臨場感はさらにアップする。光学ドライブはBDXLやDVD-Rなどの書き込み可能なディスクにも対応するため、大容量データのバックアップや受け渡しにも活躍してくれるだろう。

Netflixなどの4K HDRコンテンツも鮮やかに表示
UHD BDに対応する光学ドライブ

 VAIO S15はビジネス用途にマッチするセキュリティ機能を備えているのも特徴だ。フルHD(1,920×1,080ドット)解像度のWebカメラは、オンライン会議に活用できるだけでなく、Windows Helloの顔認証にも対応する。加えて、Windows Hello対応の指紋センサーも搭載しており、どちらか好きな方法で素早く、安全にログオン可能だ。キーボードはテンキー付きのフルサイズ(テンキーのキーピッチは16mm)。電卓・表計算ソフトをメインに使用する業務においても上々の使い勝手を提供してくれる。

内蔵WebカメラはフルHD解像度。Windows Helloの顔認証にも対応する
指紋センサーも搭載。こちらもWindows Hello対応だ
テンキー付きのフルサイズキーボード。比較的軽めのタッチ感で、長時間のタイプでも疲れにくい

 IEEE 802.11acの無線LANに加え、Gigabit Ethernetポートを標準搭載しているため、オンライン会議やリモートデスクトップ接続、クラウドストレージを介したデータのやりとりなど、高速で安定したネットワークが必要な場面でスムーズな通信が可能だ。

 そのほか、インターフェイスはUSB 3.0(5Gbps)×3、Thunderbolt 3(USB Type-C)、HDMI出力、ミニD-Sub出力、SDカードスロット(UHS-I対応)などを備える。外部ストレージや外部ディスプレイの利用、デジカメで撮影したデータの取り込みなど、あらゆる作業をそつなくこなせる装備が整っていると言えるだろう。

左側面にはGigabit対応の有線LANポートと、ミニD-Sub15ピン、HDMI出力、USB 3.0、Thunderbolt 3(USB Type-C)、オーディオ端子が並ぶ
右側面には光学ドライブとUSB 3.0ポート×2
SDカードスロットには前面下部からアクセスできる

ケーブル1本で拡張性を高めるThunderbolt 3ポートを活用しよう

 VAIO S15の“拡張性”を高めたいとき、一番の要となるのがThunderbolt 3ポートだ。USB 3.1 Gen.2 Type-Cポートも兼ねており、Thunderbolt 3対応デバイスを接続した場合は最大40Gbps、USB 3.1 Gen.2デバイスを接続した場合は最大10Gbpsの速度でデータ転送が可能になる。現時点では“最強”の外部インターフェイスと言っても過言ではない。

USB 3.1 Gen.2を兼ねるThunderbolt 3ポート

 データ転送が高速、広帯域なことから、幅広い用途に使えるのがThunderbolt 3の利点だ。代表的なところでは、まず外部ストレージを使うことでデータの保管、管理が容易になることが挙げられるだろう。USB 3.1 Gen.2の外付けSSDでは1GB/sに迫る速度でデータの読み込み・書き込みが可能になり、Thunderbolt 3接続のストレージであればさらなる高速化が期待できる。

USB 3.1 Gen.2の外部SSDを接続してみた
CrystalDiskMark 8.0.0の実行結果。外付けながら1GB/s近いシーケンシャルリード・ライト性能を叩き出す

 バックアップ用途と思われがちな外部ストレージだが、内蔵ストレージと同等もしくはそれを超える高速化により、保管しているデータを直接編集する作業用ストレージとしてもストレスなく使いこなせる。最近では、2021年5月いっぱいでGoogle フォトが無制限の写真・動画アップロードのサービスを終了するという発表もあり、そのせいでデータの移行先に悩んでいる人にとっては、こういったローカルストレージを利用するのもベストな選択肢の1つになるのではないだろうか。

 Thunderbolt 3で使えるのは外部ストレージだけではない。たとえば「Mercury Elite Pro Dock」のようなThunderbolt 3ドックも利用でき、インターフェイスをさらに増やすことができる。このThunderbolt 3ドックは、SATA接続のHDD/SSDを2台まで搭載して大容量ストレージとして利用できるうえ、もう1つのThunderbolt 3ポートで他のデバイスをデイジーチェーン的に接続することも可能になっている。

外部ストレージとしても利用できる「Mercury Elite Pro Dock」

 DisplayPortも備え、外部ディスプレイの追加にも対応。さらに2つのUSB Type-Aポート、Gigabit Ethernet、SDカードスロットがあり、VAIO S15本体のインターフェイスを使い切ったとしてもまだまだ拡張できる。あるいはVAIO S15を持ち運ぶことが多いようなら、Mercury Elite Pro Dockの方に外部デバイスを接続して据え置きしておくのもいい。VAIO S15を元の場所に戻すとき、Type-Cケーブルを1本接続するだけで複数の外部デバイスを即座に使える、という高い利便性を実現できる。

前面にSDカードスロットを用意
背面にはThunderbolt 3ポートを2つ装備するほか、DisplayPort、USB Type-Aポート、Gigabit Ethernetポートがある

 なお、VAIO S15本体のThunderbolt 3ポートはDiplayPort Alt Modeにも対応しているため、Type-Cケーブルで外部ディスプレイ(最大4K解像度)と接続することも可能だ。この場合、ディスプレイ側にUSBポートやLANポートがあれば、ディスプレイ自体がハブのようになって外部デバイスを利用できる機種もある。いずれにしても、たった1本のケーブル接続で複数の機能を追加でき、おまけにそれらすべてを高いパフォーマンスで利用できる、というのがVAIO S15がもつThunderbolt 3のメリットというわけだ。

VAIO S15のThunderbolt 3ポートから直接外部ディスプレイを接続することで、デュアルディスプレイも可。ただしディスプレイ側からの給電には対応していない

eGPUでさらなるハイパフォーマンスを追求可能に

 最大データ転送速度40Gbpsを誇るThunderbolt 3ポートの性能を最大限に発揮させるなら、外部GPU、eGPUと呼ばれるハードウェアを使いたい。eGPUは一般的なグラフィックスカードを搭載可能な外部ケースで、Thunderbolt 3で接続することにより、PC内蔵のGPUに代わって描画処理や計算処理などを行なってくれるものだ。

eGPUエンクロージャーの「AKiTiO Node Titan」

 通常、ノートPCのグラフィック性能に不満を感じても、GPUを交換することは不可能だ。VAIO S15の内蔵GPUはIntel UHD Graphics 630で、これももちろん交換はできない。3Dゲームを高画質かつ快適にプレーできるほどの性能はもっていないし、4Kディスプレイの精細さを活かすことも考えるとグラフィック処理の負荷はなおさら大きく、余計に力不足を感じそう……。しかし、これを解決するのがThunderbolt 3ポートなのだ。

 つまり、VAIO S15と高性能なグラフィックスカードを積んだeGPUを接続することで、グラフィックス性能を大幅に高められるようになる。というわけで、今回併せて用意したのが、eGPU用のケースである「AKiTiO Node Titan」。650Wの電源を採用し、NVIDIA GeForce RTX30シリーズなどの大型で消費電力の大きいグラフィックスカードも搭載可能なモデルだ。

ZOTAC GAMING GeForce RTX 3080 AMP HoloをAKiTiO Node Titanに格納する

 果たして、Thunderbolt 3接続のeGPUはどれほどの実力を秘めているのか。AKiTiO Node Titanに「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3080 AMP Holo」を組み合わせ、外部ディスプレイあり/なしの2パターンで各種ベンチマークを実行してみた。VAIO S15単体(内蔵GPU)のベンチマークも取っているので、比較してみよう。

VAIO S15とAKiTiO Node Titanを接続。VAIO S15の液晶ディスプレイに画面出力するパターン
VAIO S15とAKiTiO Node Titanを接続。ZOTAC GAMING GeForce RTX 3080 AMP Holoから外部ディスプレイに画面出力するパターン。クラムシェル状態で使う場合は外付けキーボード・マウスで操作する必要がある

 GPUはゲームにかぎらず、動画のレンダリングやRAW画像の現像などの処理を担当する場合もある。eGPUが代わりに処理することでどれほどの性能向上が見られるのか、「Davinci Resolve 16」で動画(フルHD解像度)をレンダリングしたときと、「DxO PhotoLab 4」でRAW画像を現像したときの処理速度も比べてみた。いずれのソフトもGPU処理に対応しており、DxO PhotoLab 4については、GPU性能が影響する特定のノイズ低減処理(DeepPRIME)を加えたかたちで実行している。

動画編集ソフト「Davinci Resolve 16」
「Davinci Resolve 16」によるレンダリング時間(1分15秒のフルHD解像度の動画プロジェクトをH.264で出力)
RAW現像ソフトの「DxO PhotoLab 4」
「DxO PhotoLab 4」によるRAW画像の現像時間(6,000×4,000ドットのRAW画像50枚をJPEG出力)

 結果を見ればわかるとおり、eGPUの場合に大幅な性能アップを果たしている。動画のレンダリングではeGPUが4割ほど高速になり、RAW画像の現像に至ってはeGPUが内蔵GPUより約16倍も高速な結果となった。RAW現像は内蔵GPUを利用するより、むしろCPUで処理した方が高速ということもわかり、Core i9の地力の強さを感じさせる。

 それにしても、これが仕事で必要な処理であったとしたら、eGPUの導入はもはや必須レベルに違いない。さらなる業務効率アップを目指すなら、Thunderbolt 3やeGPUはできる限り積極的に活用すべきなのだ。

 本製品のメインユーザーでゲームを視野に入れている人は少ないと思われるが、性能を見るという目的でゲームなどの描画部分の性能も検証してみた。結果はご覧のとおり。とくに3Dグラフィックの描画が関わる部分は圧倒的にeGPUが有利であることがわかる。3DMarkはeGPUで実行した方が高速なのは当然として、PCMark 10についても3D性能が影響する「Gaming」の項目は段違いのスコアだ。

 注目したいのは、内蔵ディスプレイに画面出力する場合と、外部ディスプレイのみに画面出力する場合とで、ベンチマーク結果が異なっているところ。これは、前者がVAIO S15とeGPUとの間でデータが往復するようなかたちになるため、帯域を余計に消費するためだ。より高いパフォーマンスを得たいときは、後者の外部ディスプレイのみ利用するスタイルをおすすめしたい。

3DMark Professional Editionの結果
PCMark 10 Professional Editionの結果
CINEBENCHの結果

 次に、3Dゲームのベンチマークもチェックしてみよう。今回は3種類のソフトで確認してみた。

「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」の結果
「Apex Legends」の実行結果
eGPUで動作させた「Apex Legends」。4Kの高画質設定でもある程度快適にプレーできるが、勝利にこだわるなら低解像度がおすすめかも
「ASSASSIN'S CREED VALHALLA」のベンチマーク結果
eGPUで動作させた「ASSASSIN'S CREED VALHALLA」。4K最高画質の設定ではeGPUでもさすがに厳しい

 やはりここでもeGPUがその性能をいかんなく発揮している。ファイナルファンタジーXIVでは、ほぼどの解像度でも快適にプレーできると診断され、とくに外部ディスプレイで実行したパターンでは文句なしのスコアとなっている。

 Apex Legendsも同様に圧倒的な性能を見せているが、勝利を目指したいなら4Kよりも低い解像度を選んだほうが無難だ。内蔵GPUで楽しめる設定は、1,280×720ドットの解像度にし、画質を低くした状態がせいぜいといったところ。VAIO S15でこうしたFPS系のゲームをガッツリ遊びたいなら、やはりeGPUが欲しくなる。

 ASSASSIN'S CREED VALHALLAは、残念ながら内蔵GPUではエラーになり起動することができなかった。かなり大容量のビデオメモリが求められるゲームのため、内蔵GPUではその負荷に耐えられないのかもしれない。とはいえ、eGPUにとってもこのゲームはややヘビーなようで、内蔵ディスプレイに出力した場合だとフルHD解像度の低画質でなんとか快適に遊べるレベル。できれば外部ディスプレイに出力させたいところだ。

少しずつ拡張して性能アップを楽しめるポテンシャルあふれる1台

 ハイエンドCPUと大容量メモリ、4K解像度のディスプレイにより、本体のみでも業務やプライベートで大いに力を発揮してくれるVAIO S15。もし高解像度の動画編集やRAW現像、3Dゲームのような重い処理を任せたくなったときは、Thunderbolt 3ポートを利用することで対処でき、活躍の場をさらに広げていけることがおわかりいただけたと思う。

 ただ、Thunderbolt 3ポートを有効活用するために、いきなり全てのアイテムを揃えるのはハードルが高い。投資額もそれなりに大きくなってしまうだろう。なので、まずはVAIO S15本体、次にストレージ、続いてディスプレイといったように、必要に応じて1つずつ“拡張”していくかたちでもいい。PC環境をアップデートさせていく楽しさを味わいつつ、業務効率を同時に高めていくことも可能なVAIO S15ならではの魅力を、ぜひ堪能していただきたい。