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大注目のRTX 3080を活かすには高性能CPUが不可欠――それなら賢い選択肢は「Intel Core i9-10850Kプロセッサー」!
最上位に肉薄する性能×グッと買いやすい価格でベストパートナーに!?
- 提供:
- 株式会社インテル
2020年9月26日 09:50
2020年9月17日、NVIDIAの最新GPU「NVIDIA GeForce RTX 3080」を搭載したビデオカードの販売が、ついに始まった。同価格帯の従来製品、GeForce RTX 2080に対して最大2倍のパフォーマンス、上位グレードの従来製品、GeForce RTX 2080 Ti以上の性能を持っている。すでに世界で争奪戦と言ってよいほどの人気となっているが、ハイエンドGPUの性能を引き出すには高いCPU性能が欠かせない。ゲームによっては、CPU性能が不足するとフレームレートが伸びないことがあるためだ。
ゲームに強いIntel環境なら、個人向けとしては最上位になるCore i9-10900Kが性能的にはベストだが、高額なGPUに予算を割くためにも、コストパフォーマンスが良好なCPUを選びたいという方も多いはず。そこで注目したいのが最新のIntel Core i9-10850Kだ。
Core i9-10850Kは、実売価格はCore i9-10900Kよりも1万円近く安いものの、スペックの違いはわずかに動作クロック100MHzの差のみ。この100MHzの違いは、動画エンコードなど全コアに大きな負荷がかかる処理ならわずかに差となって現われるが、ゲームではほとんど変わらないレベルになる(詳しくはこちらの記事も参照)。
参考までに、Core i9-10900K、Core i9-10850K、Core i7-10700KでCGレンダリングを用いたベンチマーク「PCMark 10」を実行した結果を掲載する。Core i9-10900KとCore i9-10850KのStandardのスコア差は約1%しかない。Core i9-10850Kを全コア5GHzにOCすれば逆転してしまう程度の差だ。これで1万円の価格差があることを考えると、Core i9-10850Kがいかにお得なCPUか分かるだろう。
ハイエンドGPUが真の実力を発揮できるのはハイエンドCPU環境!
さて今回は、話題のGeForce RTX 3080とCore i9-10850Kを組み合わせた自作PCを組み、その性能を試してみたい。4K解像度&高画質設定での60fpsを越える快適プレイ、フルHD解像度でのフレームレートの伸びなどに注目したい。
ちなみに、9月24日はさらに上位モデルの「GeForce RTX 3090」も発売されたが、こちらは従来TITAN RTXがになっていたエンスージアストやクリエイター向けという位置付けで価格も跳ね上がる。ヘビーゲーマー向けとしてはRTX 3080が実質ハイエンドと考えていいだろう。
それでは今回の作例で使用するパーツを紹介しておこう。まずは主役のビデオカードだ。
GPUにGeForce RTX 3080を搭載するASUSTeKの「TUF-RTX3080-O10G-GAMING」だ。ミリタリーグレードのコンデンサを使用するなど耐久性の高さが特徴のTUFシリーズらしく、3連ファンにはデュアルボールファンベアリングを採用し、安定性と長寿命を実現。中央のファンを逆回転させることで風の流れの乱れを軽減している。2.7スロット厚の大型ヒートシンクを採用、GPUが接触するヒートスプレッダの表面の滑性をミクロレベルで向上させることで熱伝導率を高めるなど、徹底した熱対策が行なわれている。
CPUはすでに紹介しているが10コア20スレッドのCore i9-10850K。第10世代Core i9の特徴である、最大クロックを2コアだけ引き上げる「Intel Turbo Boost Max Technology 3.0」(TBM3.0)、CPUの冷却に余裕があるときに1コアまたは全コアの動作クロックを引き上げる「Intel Thermal Velocity Boost Technology」(TVB)に対応。TBM3.0は最大5.2GHz、TVBは1コア時で最大5.3GHz、全コアで最大4.9GHz駆動だ。倍率アンロックのK型番なので、オーバークロックができるのもおもしろいところ(自己責任ではあるが)。発売直後の実売価格は62,000円前後だったが、原稿執筆時点の9月下旬は57,000円前後まで下がり、さらにコストパフォーマンスは向上している。
ビデオカードにより資金を回すために、CPUには1万円台から購入できる4コア8スレッドの第10世代のCore i3シリーズをチョイスしてはどうか?と考える方もいらっしゃるかもしれない。しかしこれでは、RTX 3080が持つ現役最高レベルの性能をイマイチ活かしきれない。
現在のゲームではCPUパワーが足りないと、ビデオカードがボトルネックにならないフルHD解像度でフレームレートの差が顕著に出てしまう。試しに、Core i9-10850Kの動作を4コア8スレッドに制限した場合のフレームレートを見てみよう。
Core i9-10850Kが通常の10コア20スレッド時と4コア8スレッド制限時では平均フレームレートで43fpsも差が付いている。フルHDの高リフレッシュレート液晶は300Hzを超えるものも登場している。少しでもフレームレートを稼ぎたいなら、CPUパワーは重要なのだ。
次はマザーボードだ。CPUがCore i9-10850Kなので、必然的に倍率アンロックに対応したZ490チップセット搭載モデルとなり、ここではASUSTeKの「TUF GAMING Z490-PLUS」を選択した。Z490では比較的低価格ながら、DrMOSによる12+2フェーズの強力な電源回路を持ち、10コア20スレットのCPUも安心して運用できる。
CPUクーラーは冷却力を重視して24cmクラスの簡易水冷、ASUSTeKの「TUF GAMING LC 240 RGB」とした。ファンと水冷ヘッドにRGB LEDが内蔵されている。ビデオカード、マザーボード、水冷クーラーすべてがASUSTeK製なので、LEDを同社のライティングコントロール機能「Aura Sync」で一括設定できるのが便利だ。
メモリは上部にRGB LEDを備えるDDR4-3200対応のKingstonの「HyperX FURY DDR4 RGB HX432C16FB3AK2/16」(8GB×2)、SSDは1TBのNVMe SSDとしてはコスパが良好なIntelの665p SSDPEKNW010T9X1、電源はRTX 3080の推奨電源出力でもある750WのAntec NeoECO GOLD NE750G(80PLUS Gold)、PCケースには裏面配線しやすくメンテナンス製の高いNZXTの「NZXT H510」をチョイスした。
大型のビデオカード、水冷CPUクーラーを悠々組み込むことができ、かつ仕上がりはコンパクトというのが今どきの自作PCのスタイルだ。
カテゴリー | 製品名 | 実売価格 |
CPU | Intel Core i9-10850K (10コア20スレッド) | 57,000円前後 |
マザーボード | ASUSTeK TUF GAMING Z490-PLUS (Intel Z490) | 23,000円前後 |
メモリ | Kingston HyperX FURY DDR4 RGB HX432C16FB3AK2/16 (PC4-25600 DDR4 SDRAM 8GB×2) | 11,000円前後 |
グラフィック | ASUSTeK TUF-RTX3080-10G-GAMING (NVIDIA GeForce RTX 3080) | 100,000円前後 |
ストレージ | Intel SSD 665p SSDPEKNW010T9X1 [M.2(PCI Express 3.0 x4)、1TB] | 13,000円前後 |
PCケース | NZXT H510 CA-H510B-W1 (ATX) | 9,000円前後 |
電源ユニット | Antec NeoECO GOLD NE750G (750W、80PLUS Gold) | 11,000円前後 |
CPUクーラー | ASUSTeK TUF GAMING LC 240 RGB (水冷、24cmクラス) | 19,000円前後 |
さらにこれら高いスペックを活かすべく、液晶ディスプレイとしてASUSTeKの「ROG Strix XG258Q」を用意した。XG258Qは24.5型のフルHD液晶、240Hzの高リフレッシュレートに対応。つまり1秒間に240フレームの描画が可能と、高いGPU性能を活かすのにもってこいのディスプレイだ。画面のズレを起こすテアリングやカクつきを起こすスタッタリングを防ぐ“NVIDIA G-SYNC”と“AMD FreeSync”にも対応している。
詳しいフレームレートは下記のベンチマーク結果を見ていただきたいが、高フレームレートを出せるレインボーシックス シージやフォートナイトをXG258Qでプレイしてみた。リフレッシュレート240Hzは一般的な60Hzとは別世界だ。
とくに振り向きなど、一気に画面が動くようなシーンでは60Hz液晶では描画が追い付いていないと感じるが、240Hzならよい意味で気持ち悪いほどなめらかに描画する。当然、敵の動きもなめらかになり、その存在に気付きやすく、そして銃で狙いやすくなる。つまり、対戦プレイでの成績向上、勝利に直結する操作感になる、ということなのである。せっかくRTX 3080を使うなら、液晶も高リフレッシュレートにすることをオススメしたい。
十分なCPU性能があってこそ発揮される、RTX 3080驚異のパフォーマンス!
ここからは、これらパーツで組んだマシンを使って性能をチェックしていく。比較対象として、RTX 2080に迫る性能を誇った前世代のアッパーミドル最上位、RTX 2070 SUPER搭載カードによるテスト結果も併せて紹介する。まずは3Dベンチマークの定番「3DMark」から。
注目はレイトレ対応ベンチで負荷の高いPort Royalだ。RTX 2070 SUPERに対して約89%スコアアップと2倍近い。RTX 3080の性能の高さが見える結果だ。その一方で、Fire Strikeは約31%のアップとPort Royalに比べると小幅。今となってはFire Strikeでは負荷が軽く、ハイエンドGPUの実力を発揮し切れないと言えそうだ。
なお、オマケ程度ではあるが、3DMarkのバージョン2.13.7009でPort RoyalをベースにDLSS機能をテストするNVIDIA DLSS feature testがDLSS 2.0に対応したのでちょっと試して見た。WQHD解像度、DLSS 2.0設定で実行したのが以下の結果だ。DLSS 2.0が有効になるとフレームレートが一気に2倍以上アップする。DLSS 2.0がいかにフレームレート向上に役立つのか分かる。ゲーム側の対応が進むことを期待せずにはいられない結果だ。
ここからはゲームでの性能をテストしよう。まずは軽めのゲームから見ていこう。「レインボーシックス シージ」はゲーム内のベンチマーク機能で測定、「VALORANT」は射撃場の一定コースを移動した際のフレームレートをCapFrameXで測定している。
レインボーシックス シージでは、RTX 2070 SUPERに対してすべての解像度で100fps以上のフレームレート向上を確認。この先、4K解像度で144Hz以上の高リフレッシュレート液晶が普及しても余裕で対応できる。VALORANTは、フルHDとWQHDはすでにフレームレートの限界値に近いのか、それほどフレームレートは伸びていないが4Kでは顕著に違いがある。やはり高負荷な状況ほどRTX 3080の強さが出ると言える。
次は中量級ゲームにスポットを当てる。フォートナイトはソロプレイのリプレイデータを再生した際のフレームレートをCapFrameXで測定、F1 2020はゲーム内のベンチマーク機能で測定している。
RTX 3080の性能の高さが発揮されている。フォートナイトは4Kの最高画質でも平均60fpsを大幅にオーバー。F1 2020でも同様だ。すでにこのクラスのゲームでは、4K解像度&最高画質でプレイに何の不安もなくなったと言える。
重量級ゲームも見ていこう。Microsoft Flight Simulatorは、富士山静岡空港から富士山を目指して3分飛行した際のフレームレートをCapFrameXで測定。モンスターハンターワールド:アイスボーンは集会エリアを作成し、一定のコースを移動した際のフレームレートをCapFrameXで計測している。
Microsoft Flight Simulatorは、現在もっとも重いゲームではあるが、フルHD、WQHDではRTX 3080とRTX 2070 SUPERで大きな差はなく、4Kでようやく20フレームレートほどの差が付いた。これだけのスペックを揃えてもフルHDで60fpsを達成できないとなれば、ゲーム側がCPUやGPUをうまく使い切れていない可能性もある。DirectX 11ベースとAPIも古く、今後のアップデートでの改善の期待したいところ。
その一方で、モンスターハンターワールド:アイスボーンは重量級の代表格と言える存在だが、RTX 3080は4Kでも平均60fps超えを達成。4Kゲーミングの実現をうたうRTX 3080に偽りなしと言ってよいだろう。
続いては、レイトレーシングの性能をチェックしたい。RTX 3080は前世代からRTコアが進化し、レイトレーシング性能が大幅向上をうたっているためだ。「Crysis Remastered」、「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー」、「フォートナイト」それぞれのレイトレーシング機能を使った場合のフレームレートを確かめてみる。DLSSが使えるゲームは、有効にした際のフレームレートも測定した。
Crysis Remasteredは、2007年発売で当時超重量級ゲームとして知られ、多くのゲームファンに最新ビデオカードを買わせたタイトルとして知られるCrysisのリメイク版。画質、レイトレーシングとも最高設定にするとRTX 3080でも4Kでは60fpsをキープできなくなる。将来的にDLSS 2.0にも対応予定とのことなので、4Kでのプレイはそれを待ったほうがよさそうだ。
2018年にいち早くレイトレーシングに対応したシャドウ オブ ザ トゥームレイダーだが、レイトレを有効にすると4Kだとその動作はいまだに重い。しかし、DLSSを有効にすればRTX 3080ならば平均69fpsを達成。RTX 3080の実力が発揮されている。
一方でフォートナイトはDLSS 2.0を有効にして、バランス設定にしても4KだとRTX 3080で30fps程度。まだレイトレーシングに対応したばかりなので、今後改善される可能性は十分ある。現状では画質とレイトレーシングを高品質設定で楽しみたいならWQHDまでにしておいがほうがよいだろう。
レイトレーシングのテストをして分かることは、レイトレーシングで高フレームレートを達成するにはDLSSが必須ということが改めてよく分かる。今後対応タイトルをどこまで増やすことができるかも、RTX 30シリーズの人気をより高めるためには重要になってくるのではないだろうか。
今回テストしたGeForce RTX 3080は真の4Kゲーミング時代を切り開くGPUとして、また、ハイリフレッシュレートへのニーズが高まっているeスポーツシーンで結果を出すためのアイテムとして、今後も人気を集めるだろう。2020年末はかつてないほど大作ゲームが連発されるので、それに合わせてPCの新調を考えている人も多いだろう。せっかくのハイエンドGPUを活かすためにも、CPUはCore i9-10850Kのようなコストパフォーマンスに優れた高性能CPUを選ぶことをオススメしたい。