トピック

6コアCore i7+GTX 1060+120Hz液晶搭載ノートがユニットコムから税別12万円台で登場

~ゲームをプレイしながら配信まで余裕でこなす高コスパ機

ユニットコム「LEVEL-15FX095-i7-RNSS」

 PCショップ「パソコン工房」でおなじみのユニットコムの「iiyama PC LEVEL∞」から、なるべく安価に、ゲームも配信もやりたいというわがままを満たしてくれるゲーミングノートPC「LEVEL-15FX095-i7-RNSS」が登場した。今回、オンラインFPSゲーム「Alliance of Valiant Arms」(AVA)元日本代表のゲームプレイヤーである鈴木悠太氏の立ち会いのもと、この製品の性能や使い勝手に迫ってみた。

鈴木悠太氏

ゲーミングPCに求められるものを余すところなく搭載

 いま、ゲーミングPCに高い注目が集まっている。過去数年、コンシューマ市場ではPCの売れ行きは伸び悩んでいるなか、ゲーミングPCは高い成長率を達成している。直近では、「PUBG」や「フォートナイト」といった、バトルロワイヤル系ゲームの人気に火がついており、これらのタイトルは当初はPC版しかなかったことから、それらをプレイするためのPCがほしいというユーザーニーズも高まっている。

 ゲームによって、求められるスペックは変わってくる。ここでは、代表としてフォートナイトを取り上げる。公式サイトによると、本タイトルの必要スペックは下記のとおりだ。


    推奨システム要件
  • Core i5 2.8GHz
  • メモリ8GB
  • GeForce GTX 660またはRadeon HD 7870相当のDirectX 11 GPU(ビデオメモリ2GB)
  • Windows 7/8/10 64bitまたはMac OS X Sierra (10.13.3以上)

    最小システム要件
  • Core i3 2.4GHz
  • メモリ4GB
  • Intel HD Graphics 4000
  • Windows 7/8/10 64bitまたはMac OS X Sierra (10.12.6以上)

 最小システム要件は、エントリークラスのPCでも実現できている。しかし、これは本当に最低限動くだけのスペックであり、快適に動作させることは難しいだろう。

 推奨システム要件は、ミドルレンジクラスのものとなっている。このスペックなら、一般的に快適な動作の目安とされる60fps(1秒間に60コマの画面書き換え)を実現できるだろう。

 しかし、最先端のゲーミングマシンでは、60fpsの2倍以上のフレームレートでの描画/表示が可能になってきている。120fpsや144fpsといった高フレームレートでのプレイに一度慣れると、60fpsには戻れなくなる。

 また、最近はゲームをただプレイするだけでなく、リアルタイムで配信することも流行っている。マシンのスペックがゲームのプレイでいっぱいいっぱいだと、配信まで行なうと、快適性が削がれることになる。

 これらの点を踏まえて、今回紹介するLEVEL-15FX095-i7-RNSSは、高いレベルのスペックを実現しつつ、価格はギリギリまで抑えている注目の製品と言える。

マシンスペック

 では、マシンの詳細を紹介しよう。CPUには、第8世代インテル Core i7-8750H プロセッサーを搭載。モバイル向けでありながら、6コアを内蔵し、12スレッドを同時に実行できるハイエンドなものだ。ベースクロックは2.2GHzで、ターボ・ブーストにより、最大4.1GHzで動作する。

 最近は、ゲームでも、マルチスレッドを活用するものが増えている。加えてゲームをしながら配信と言うことであれば、クロックの高さだけではなく、コア数が多いものを選びたい。CPUの性能が足りないと、それがボトルネックとなり、GPUの性能が引き出せなくなるため、用途に対してCPUのスペックが十分であることも重要な要素となる。その点で、LEVEL-15FX095-i7-RNSSは、非常に頼もしいCPUを搭載していると言える。

 ゲームにおいて最も重要とされるGPUは、NVIDIAのGeForce GTX 1060(6GB)を搭載。このGPUは、GeForceシリーズの中では中の上といった位置付けだが、高い性能を要求するVRゲームにも対応できる性能を持っている。

 NVIDIAによれば、GeForce GTX 1060は前世代のGeForce GTX 960に比べ、フォートナイトにおける描画性能は2倍近くにまで向上している。もちろん、フォートナイトが推奨するGeForce GTX 660よりも遙かに高い性能を持つ。

NVIDIAのサイトより、GeForce 10シリーズと900シリーズの性能比較

 そしてもう1つ特筆すべきなのが、液晶ディスプレイのリフレッシュレートが120Hzに対応している点だ。つまり、本製品では、最大120fpsの描画が可能となる。

液晶は120Hz表示に対応する

 このあたりの性能面については、じっさいに評価を行なったので、後に詳しく紹介する。

 そのほかの使用としては、メモリは8GB(4GB×2)、ストレージはSSD 240GB、Windows 10 Homeを搭載。液晶パネルは15.6型の1,920×1,080ドット(フルHD)で、非光沢のものを採用している。

本製品は15.6型のゲーミングノートだ

 インターフェイスは、USB 3.1×2(うち1つはType-C)、USB 3.0、USB 2.0、HDMI出力、Mini DisplayPort×2、IEEE 802.11ac(2x2)無線LAN、Bluetooth 5.0、Gigabit Ethernet、SDカードリーダ、200万画素カメラ、音声入出力などを装備。

 オンラインでゲームをやるうえでは、ネットワークのレイテンシも重要になるが、本製品は有線LANを装備しているので、その点も抜かりはない。

 本体サイズは約381×267×37mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約2.34kg。バッテリ駆動時間は約5.2時間となっている。

 このスペックで税別価格は129,980円。通常、同等スペックの製品は15~16万円するので、かなりコストパフォーマンスは高い。ユニットコムの担当者によると、CPUやGPUなどゲーム性能に深く関わるところは妥協せず、一方、筐体は樹脂素材を中心に使うなどして、コストを引き下げたという。

 とは言え、筐体に安っぽさはまったくと言っていいほど感じられず、非常によいバランスに仕上がっていると言えるだろう。

左側面に、電源端子、Gigabit Ethernet、Mini DisplayPort×2、HDMI、USB 3.1 Type-C、USB 3.1、SDカードスロット
右側面に、音声入出力、USB 2.0、USB 3.0
前面に、各種LED
天板には、LEVEL∞のロゴ

フォートナイトで性能を検証

 ここからは、ゲームプレイヤーの鈴木悠太氏の意見を交えつつ、じっさいのゲームプレイ時における評価を紹介する。

鈴木悠太氏に実機でフォートナイトをプレイしていただいた

 フォートナイトには、グラフィックの描画設定を、マシンのスペックに応じて自動的に設定する機能がある。この機能を利用したところ、本製品では、描画距離、影、アンチエイリアス、テクスチャ、エフェクト、ポストプロセスのすべてにおいて、最高設定である「エピック」が選ばれた。つまり、フォートナイトを最高画質設定でプレイできる性能と言うことだ。

 この状態(解像度はフルHD)でプレイしたところ、常時70~80fps程度のフレームレートを確保できていた。一般的なディスプレイの最高リフレッシュレートは60Hzなので、この設定でも十分快適にプレイできるということになる。

エピック設定でもフレームレートが60fpsを切ることはほとんどない

 しかし、本製品は前述のとおり、120Hzのパネルを採用している。そこで、鈴木氏のお勧め設定である、描画距離=エピック、影=オフ、アンチエイリアス=オフ、テクスチャ=エピック、エフェクト=低、ポストプロセス=低の設定に変更したところ、描画負荷の高い屋外のシーンでも200fps程度にまで向上した。ここから影をオンにすると120fps程度になった。影がオンになると、ゲーム内のキャラクターの存在感がグッと増す。これでも120fps前後を確保できるので、本製品ではこの設定をお勧めしたい。

描画距離=エピック、影=オフ、アンチエイリアス=オフ、テクスチャ=エピック、エフェクト=低、ポストプロセス=低では、平均200fps程度にまで向上する

 120Hzや表示品位も含め、本製品の全体的な液晶の見栄えについて鈴木氏に訊いた。

液晶の見栄えについて

自宅のPCは144Hzの液晶ディスプレイを使っています。基本的にはゲームをするうえで60fpsの表示ができれば十分なのですが、ことFPS系ゲームにおいては、120Hz以上の表示ができると、プレイの快適さがまったく変わってきます。具体的には、フォートナイトでは至近距離で相手とお互いに、建築をしつつ動き合いながら、相手をめがけてエイミング(照準を合わせる)する必要があるのですが、こういったシーンで、高フレームレート環境ではエイミングの追っかけやすさに明確な違いが出てきます。LEVEL-15FX095-i7-RNSSでは、システム性能的にもパネル性能的にも120Hz表示が可能であり、快適なプレイが可能でした。

解像度については、WQHD(2,560×1,440ドット)や4K対応ディスプレイも増えてきており、解像度が上がると、確かに画質は上がりますが、当然フレームレートは下がってきます。その点で、現在はFPS系ゲームでは本製品のフルHDが一番バランスが取れていると言えます。

見栄えについても、発色が良く、視野角も十分でした。また、非光沢パネルなので、映り込みもほとんどなく、満足のいくものと言えます。

 参考までに、ディスプレイは60Hz対応で、そのほかのスペックは同等の別PCでもプレイしてみたが、上級ゲーマーではない筆者の目にも、60Hzと120Hzの差は歴然としていた。

 この状態で、配信時の負荷がどうかも検証してみた。

 GeForceでは、NVIDIAが提供するユーティリティ「GeForce Experience」を無償で利用でき、本製品にはそれがプリインストールされている。GeForce Experienceは、ドライバのアップデートを通知したり、ゲームごとに最適な設定を自動化したりという機能のほか、配信機能を搭載している。

 そこで、フルHD、60fps、ビットレート4Mbpsという設定で、Twitchによる配信を行ない、その再生画面を外付けのディスプレイに表示しながらプレイしてもらった。つまり、ゲームのプレイと同時に、ゲーム画面のエンコード、ブラウザでの動画再生などがマルチタスクで動いている状況となる。

フォートナイトをプレイしながら、GeForce Experienceの機能で、Twitchによる配信を行なってみた

 結論としては、GeForceの持つ、ハードウェアエンコーダ、そしてCore i7-8750Hの持つ6コアにより、ゲームプレイにまったく影響なく、配信ができた。メモリについてはギリギリまで使っているが、CPU、GPUにはまだ余裕が残っている。

フォートナイトをプレイしながら配信中のシステム負荷。6コアの第8世代インテル Core i7-8750H プロセッサーだけあって、まだ余裕がある

 PCゲームでは、ジャンルにもよるが、キーボード+マウスでプレイするのが一般的だ。今回、鈴木氏には、マウスのみプライベートで使っているものを持参いただき、LEVEL-15FX095-i7-RNSSにてプレイいただいている。キーボードについては、次のようなコメントが得られた。

ほぼすべてのキーでフルピッチを実現するキーボード

キーボードについて

左の手のひらがあたるパームレスト部分は少し熱を持ってると感じますが、問題のない範囲ですね。15.6型と言うことで、ほぼすべてのキーがデスクトップ用と同等のキーピッチなのがいいと思います。

キータッチやストロークは、ゲーミング専用のデスクトップ向けのものと比べると、可もなく不可もなくといった評価ですが、とくに遊びがあるわけでもなく、フォートナイトをプレイするにあたり問題は感じませんでした。

上級プレイヤーになると手元を見ることはまずないですが、バックライトも搭載しているので、部屋を暗くしてプレイするさいに、タッチタイプがおぼつかない人にとっては、キーを確認したい状況ですぐにわかるのが便利ですね。

より快適なプレイを目指したい場合は、豊富なインターフェイスを利用して、ゲーミングキーボードをつなげば、完璧なプレイ環境になるでしょう。

参考までに、今回はフォートナイトを中心に検討していますが、「ハースストーン」などのカードゲームや、League of LegendなどのMOBA系ゲームだと、FPS系と比べて、キーボードの重要性は低くなります。

 編集部ではキーボード面の温度も測定してみた。ベンチマークプログラムを動作させ、負荷を高めた状態で、FPSゲームの移動に使うWASD付近、発射に使うスペースキー付近は37~38℃前後で体温よりわずかに高い程度だった。Uキー付近は45℃近くにまで上昇していたが、FPSゲームではこのあたりのキーの利用頻度は少ないので、気にならないだろう。

 ゲーミングノートにおいては、本製品に限らず、ある程度キーボード面は暖かくなる。これがどうしても気になるようであれば、外付けキーボードを利用することをお勧めする。

 1点気になったのは、本体右側面に排気口がある点。高負荷時にここに手を近づけると、それなりの温風に晒される。しかし、鈴木氏のプレイスタイルにおいては、右手に持つマウスはある程度本体から離れるため、排気口のことを伝えるまで気がつかないくらい問題には感じていなかった。

 同時に、高負荷時はファンが高回転で回るので、ある程度の騒音も出てくる。この点も、友達やチームメイトとデュオやスクアッドなどのチーム戦をやる場合は、ほぼヘッドセットをつけてボイスチャットをしながらプレイするので、ファンノイズは聞こえなくなる。

快適かつマルチにゲームを楽しみたい人向けの高コスパ機

 以上のように、LEVEL-15FX095-i7-RNSSは、第8世代インテル Core i7-8750H プロセッサーとNVIDIA GeForce GTX 1060に加え、120Hz対応のフルHD液晶を搭載し、非常になめらかな描画を実現。とくにフォートナイトのようなTPS、FPS系ゲームをより快適に動かせ、かつ1台で配信もこなせるゲーミングノートだ。

 それでいて、税別価格は129,980円と、非常にリーズナブルだ。メモリやストレージの容量は、BTOでカスタマイズも可能なので、ゲームプレイを録画、編集してYouTubeにアップロードしたいといった場合は、もう少し容量の多いものを選ぶといいだろう。ストレージについては、最大2台まで搭載できる。

 対戦型ゲームで勝ちに行きたいなら、ぜひ選びたい1台だ。

 最後に定番ベンチマークの結果も掲載する。

【表】ベンチマーク結果
FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK
軽量品質(1,920×1,080ドット)7,682
標準品質(1,920×1,080ドット)5,834
高品質(1,920×1,080ドット)4,128
CINEBENCH R15
multi1154cb
single171cb
3DMark ver.2.5.5029
Time Spy3,900
Time Spy Extreme1,785
Fire Strike9,934
Fire Strike Extreme5,203
Fire Strike Ultra2,664
Sky Diver28,751
VRMark ver.1.3.2020
Orange Room5,842
Cyan Room373
Blue Room1,104
PCMark 10 ver.1.1.1722
スコア4,921