パソコン工房新製品レビュー
メモリ32GBで11万円台!さわやかホワイトな15.6型ノート
~パソコン工房「STYLE-15FH128-i7-UHZX」
2024年11月7日 10:00
多種多様なディスプレイサイズとスペックのノートPCを展開しているパソコン工房のiiyama PCブランドから、ミルキーホワイトの15.6型ノートPCV「STYLE-15FH128-i7-UHZX」が登場した。
さわやかなカラーと11万円台という手頃な価格が目を引くが、10コアのCPUに32GBのメモリと幅広い用途で活躍できるスペックを持つ。早速、レビューをお届けしよう。
10コアCPUと32GBメモリで11万円台の手頃さ
「STYLE-15FH128-i7-UHZX」は、フルHD解像度の15.6型ディスプレイを搭載するスタンダードタイプのノートPCだ。11万円台と手頃な価格ながら、CPUには性能重視のPコア6基、効率重視のEコア4基で合計10コア16スレッドの「Core i7-13620H」を搭載。動作クロックも最大4.9GHzと高めなので、マルチスレッドにもシングルスレッドにも強い。幅広い用途に対応できるCPUだ。
グラフィック機能はCPU内蔵の「UHD Graphics」を使用している。最大動作クロックは1.5GHz、実行ユニットは64基だ。CPU内蔵型としてはそこそこの性能だが、かなり軽めのゲームなら遊べる程度と思っておこう。
メモリはDDR4-3200が32GB(16GB×2)と最初から大容量が搭載されており、動画編集ソフトなどメモリ容量が快適度に大きく影響する作業にも対応しやすい。ストレージはNVMe SSD 500GBで、一般的な作業であれば当面容量に困ることはないだろう。
軽やかな雰囲気を醸し出すミルキーホワイト
本体をチェックしていこう。まず目を引くのがミルキーホワイトの本体カラーだ。天板、キーボード、側面、底面まですべて白色に統一されている。また、テカリのないマットな白なので目立ちすぎず、仕事や学業にも使いやすい印象だ。個人的には指紋が付きにくいところがよかった。
サイズは幅360.5mm×奥行き240mm×高さ27.5mmで重量は2.16kgだ。15.6型ノートPCとして標準的なサイズと重量と言える。公称バッテリ駆動時間は、JEITA3.0で動画再生5.2時間、アイドル7.9時間だ。
テンキー付きで作業しやすいキーボード
キーボードはオーソドックスな日本語配列だ。配列にクセはなく、矢印キーが大きめなのがナイス。キーピッチは筆者の実測で約18mmとやや狭めだ。そのぶん、テンキーを備えているで数字の入力がしやすいのはうれしいところ。左下の「Fn」キーとファンクションキーを組み合わせることで、タッチパッドの有効・無効の切り換え、音量や輝度の調整、画面キャプチャ、機内モードなどを実行できる。Copilotキーがあるので、Windows 11のCopilotをワンタッチで呼び出しも可能だ。タッチパッドは実測で約120×72mmと十分広かった。
15.6型でフルHD解像度のディスプレイ
画面サイズは15.6型で解像度はフルHD(1,920×1,080ドット)だ。リフレッシュレートは一般的な60Hzで映り込みのない非光沢仕様だ。真っ正面なら問題ないが、角度が変わると色が変化しやすいことからTNパネルと推測される。ディスプレイの上部にはマイクも内蔵する100万画素のWebカメラを搭載。底面にはステレオスピーカーが搭載れているので、Web会議にもすぐ使える環境が整っている。
インターフェイスは背面にUSB 3.2 Gen 1 Type-C、HDMI出力、Mini DisplayPort出力を搭載。右側面にmicroSDカードスロット、USB 3.2 Gen 1 Type-C、Gigabit Ethernetを用意。左側面にはUSB 3.2 Gen 1、USB 2.0、マイク入力、ヘッドセット端子が備わっている。ワイヤレス機能は、Wi-Fi 6EとBluetooth 5をサポート。
一般用途なら十分快適な性能、32GBメモリで動画編集にも対応しやすい
ここからは、基本性能を見ていこう。ベンチマークは「PCMark 10」、「3DMark」、「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク」を用意した。動作モードは「パフォーマンス」に設定している。
PCMark 10は、Web会議/Webブラウザ/アプリ起動の“Essentials”で4,100以上、表計算/文書作成の“Productivity”で4,500以上、写真や映像編集“Digital Content Creation”で3,450以上が快適度の目安となっているが、すべての項目で大幅にスコアが上回っている。一般的な処理であれば、快適にこなせると言ってよいだろう。
CPU内蔵のUHD Graphicsなのでスコアは低め。FF14の結果から、低画質設定なら軽めのゲームが遊べるという性能だ。あまりゲーム性能に期待しないほうがよいだろう。
クリエイティブ用途ではどうだろうか。実際に動画編集ソフトのAdobe Premiere Proを使って動画の編集やエンコードを実行する「Procyon Video Editing Benchmark」を実行する。
Premiere ProがCPUに内蔵されているハードウェアエンコード、デコード技術「Quick Sync Video」に対応していることもあり、動画のエンコード速度は速く、スコアは優秀だ。動画編集もこなせるパワーがあると言ってよいだろう。
また、メモリが最初から32GBあるのもポイント。8K動画のプレビュー再生や4K動画のシーン編集の検出などを実行すると、メモリ使用量は20GBを軽く超えてくる。クリエイティブワークには32GBあったほうが安心だ。
最後に、本機には動作モードとして「パフォーマンス」のほか、「エンターテイメント」、「静音」、「省電力」が用意されている。省電力はバッテリ駆動向けなので別として、エンターテイメントと静音で動作がどう変わるのかチェックしてみた。Cinebench 2024を実行して、それぞれスコアと動作音を確認している。動作音は正面10cmの位置に騒音計を設置して測定した。
Multi Coreのスコアはパフォーマンス設定がトップ。エンターテイメントでは約19%スコアが落ち、静音では半分以下になってしまった。基本的にはCPUの動作クロックが変わるようで、パフォーマンスではPコアが4.1GHz前後、エンターテイメントでは3.2GHz前後、静音では1.45GHz前後で推移した。性能が落ちる分、発熱も下がるので冷却ファンの音も静かになる。静音モードなら、本体に思いっきり近づかないとファンの音が分からないほど。使用する場所や時間帯で切り換えるのがよいだろう。
性能と価格のバランスがよいスタンダードノートPC
11万円台で10コア16スレッドのCPU、32GBのメモリ、高速なストレージが揃っており、Office系の処理を快適にこなせるのはもちろん、クリエイティブワークの入門機としてもおすすめだ。15.6型と長時間の作業もこなせる画面サイズがあり、ゲーミングとモバイル用途以外では使いやすい1台。ホワイトカラーでスタンダードなノートPCを求めているならぜひともチェックしてほしい。