パソコン工房新製品レビュー

メモリ32GBで11万円台!さわやかホワイトな15.6型ノート

~パソコン工房「STYLE-15FH128-i7-UHZX」

パソコン工房のSTYLE-15FH128-i7-UHZX。直販価格は11万4,800円から

 多種多様なディスプレイサイズとスペックのノートPCを展開しているパソコン工房のiiyama PCブランドから、ミルキーホワイトの15.6型ノートPCV「STYLE-15FH128-i7-UHZX」が登場した。

 さわやかなカラーと11万円台という手頃な価格が目を引くが、10コアのCPUに32GBのメモリと幅広い用途で活躍できるスペックを持つ。早速、レビューをお届けしよう。

10コアCPUと32GBメモリで11万円台の手頃さ

 「STYLE-15FH128-i7-UHZX」は、フルHD解像度の15.6型ディスプレイを搭載するスタンダードタイプのノートPCだ。11万円台と手頃な価格ながら、CPUには性能重視のPコア6基、効率重視のEコア4基で合計10コア16スレッドの「Core i7-13620H」を搭載。動作クロックも最大4.9GHzと高めなので、マルチスレッドにもシングルスレッドにも強い。幅広い用途に対応できるCPUだ。

 グラフィック機能はCPU内蔵の「UHD Graphics」を使用している。最大動作クロックは1.5GHz、実行ユニットは64基だ。CPU内蔵型としてはそこそこの性能だが、かなり軽めのゲームなら遊べる程度と思っておこう。

CPUは10コア16スレッドの「Core i7-13620H」。最大クロックは4.9GHzだ
GPUはCPU内蔵の「UHD Graphics」を使用している

 メモリはDDR4-3200が32GB(16GB×2)と最初から大容量が搭載されており、動画編集ソフトなどメモリ容量が快適度に大きく影響する作業にも対応しやすい。ストレージはNVMe SSD 500GBで、一般的な作業であれば当面容量に困ることはないだろう。

軽やかな雰囲気を醸し出すミルキーホワイト

 本体をチェックしていこう。まず目を引くのがミルキーホワイトの本体カラーだ。天板、キーボード、側面、底面まですべて白色に統一されている。また、テカリのないマットな白なので目立ちすぎず、仕事や学業にも使いやすい印象だ。個人的には指紋が付きにくいところがよかった。

 サイズは幅360.5mm×奥行き240mm×高さ27.5mmで重量は2.16kgだ。15.6型ノートPCとして標準的なサイズと重量と言える。公称バッテリ駆動時間は、JEITA3.0で動画再生5.2時間、アイドル7.9時間だ。

本体カラーはミルキーホワイト。天面のロゴはなしで注文もできる
底面までキッチリとホワイトカラーだ
重量は筆者の実測で2,101gと公称より若干軽かった

テンキー付きで作業しやすいキーボード

 キーボードはオーソドックスな日本語配列だ。配列にクセはなく、矢印キーが大きめなのがナイス。キーピッチは筆者の実測で約18mmとやや狭めだ。そのぶん、テンキーを備えているで数字の入力がしやすいのはうれしいところ。左下の「Fn」キーとファンクションキーを組み合わせることで、タッチパッドの有効・無効の切り換え、音量や輝度の調整、画面キャプチャ、機内モードなどを実行できる。Copilotキーがあるので、Windows 11のCopilotをワンタッチで呼び出しも可能だ。タッチパッドは実測で約120×72mmと十分広かった。

キーボードは日本語配列。バックライトは備わっていない
キーピッチは実測で約18mmだった
右Altキーの隣にCopilotキーが用意されている
タッチパッドは約120×72mm

15.6型でフルHD解像度のディスプレイ

 画面サイズは15.6型で解像度はフルHD(1,920×1,080ドット)だ。リフレッシュレートは一般的な60Hzで映り込みのない非光沢仕様だ。真っ正面なら問題ないが、角度が変わると色が変化しやすいことからTNパネルと推測される。ディスプレイの上部にはマイクも内蔵する100万画素のWebカメラを搭載。底面にはステレオスピーカーが搭載れているので、Web会議にもすぐ使える環境が整っている。

ディスプレイは15.6型で解像度はフルHDだ
左右から見ると若干黄色っぽくなる
ディスプレイ上部には100万画素のWebカメラとマイクを内蔵
底面にはステレオスピーカーを搭載

 インターフェイスは背面にUSB 3.2 Gen 1 Type-C、HDMI出力、Mini DisplayPort出力を搭載。右側面にmicroSDカードスロット、USB 3.2 Gen 1 Type-C、Gigabit Ethernetを用意。左側面にはUSB 3.2 Gen 1、USB 2.0、マイク入力、ヘッドセット端子が備わっている。ワイヤレス機能は、Wi-Fi 6EとBluetooth 5をサポート。

背面にUSB 3.2 Gen 1 Type-C、HDMI出力、Mini DisplayPort出力
右側面にmicroSDカードスロット、USB 3.2 Gen 1 Type-C、Gigabit Ethernet
左側面にUSB 3.2 Gen 1、USB 2.0、マイク入力、ヘッドセット端子
ACアダプタは120W出力。筆者の実測で373gだった

一般用途なら十分快適な性能、32GBメモリで動画編集にも対応しやすい

 ここからは、基本性能を見ていこう。ベンチマークは「PCMark 10」、「3DMark」、「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク」を用意した。動作モードは「パフォーマンス」に設定している。

PCMark 10 Standardの結果

 PCMark 10は、Web会議/Webブラウザ/アプリ起動の“Essentials”で4,100以上、表計算/文書作成の“Productivity”で4,500以上、写真や映像編集“Digital Content Creation”で3,450以上が快適度の目安となっているが、すべての項目で大幅にスコアが上回っている。一般的な処理であれば、快適にこなせると言ってよいだろう。

3DMark Steel Nomad Lightの結果
3DMark Fire Strikeの結果
ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマークの結果。設定は標準品質(ノートPC)で解像度はフルHD(1,920×1,080ドット)

 CPU内蔵のUHD Graphicsなのでスコアは低め。FF14の結果から、低画質設定なら軽めのゲームが遊べるという性能だ。あまりゲーム性能に期待しないほうがよいだろう。

 クリエイティブ用途ではどうだろうか。実際に動画編集ソフトのAdobe Premiere Proを使って動画の編集やエンコードを実行する「Procyon Video Editing Benchmark」を実行する。

Procyon Video Editing Benchmarkの結果

 Premiere ProがCPUに内蔵されているハードウェアエンコード、デコード技術「Quick Sync Video」に対応していることもあり、動画のエンコード速度は速く、スコアは優秀だ。動画編集もこなせるパワーがあると言ってよいだろう。

 また、メモリが最初から32GBあるのもポイント。8K動画のプレビュー再生や4K動画のシーン編集の検出などを実行すると、メモリ使用量は20GBを軽く超えてくる。クリエイティブワークには32GBあったほうが安心だ。

高解像度動画のプレビュー再生やシーン編集の検出ではメモリ使用量が20GBを超えてくる。32GBのほうが安心の場面だ

 最後に、本機には動作モードとして「パフォーマンス」のほか、「エンターテイメント」、「静音」、「省電力」が用意されている。省電力はバッテリ駆動向けなので別として、エンターテイメントと静音で動作がどう変わるのかチェックしてみた。Cinebench 2024を実行して、それぞれスコアと動作音を確認している。動作音は正面10cmの位置に騒音計を設置して測定した。

動作モードはControl Centerで変更できる

 Multi Coreのスコアはパフォーマンス設定がトップ。エンターテイメントでは約19%スコアが落ち、静音では半分以下になってしまった。基本的にはCPUの動作クロックが変わるようで、パフォーマンスではPコアが4.1GHz前後、エンターテイメントでは3.2GHz前後、静音では1.45GHz前後で推移した。性能が落ちる分、発熱も下がるので冷却ファンの音も静かになる。静音モードなら、本体に思いっきり近づかないとファンの音が分からないほど。使用する場所や時間帯で切り換えるのがよいだろう。

性能と価格のバランスがよいスタンダードノートPC

 11万円台で10コア16スレッドのCPU、32GBのメモリ、高速なストレージが揃っており、Office系の処理を快適にこなせるのはもちろん、クリエイティブワークの入門機としてもおすすめだ。15.6型と長時間の作業もこなせる画面サイズがあり、ゲーミングとモバイル用途以外では使いやすい1台。ホワイトカラーでスタンダードなノートPCを求めているならぜひともチェックしてほしい。