パソコン工房新製品レビュー

GeForce RTX 4050&144Hz液晶で滑らか描画を体感しよう!AAA級タイトルも遊べる17万円台のゲーミングノート

LEVEL-15FX155-i7-PLSX」。直販価格17万4,700円から

 ゲーミングノートで重要なのはゲームが快適にプレイできる性能に加えて、高リフレッシュレートの液晶の存在だ。いくら性能が高くても、それを生かせる滑らかな描画が可能なディスプレイがなければ、ゲーム体験は向上しないからだ。

 パソコン工房の「LEVEL-15FX155-i7-PLSX」は、17万円台でその条件をしっかり満たしてくれるゲーミングノートだ。FPSなら高フレームレートで描画、重量級ゲームも快適に遊べる新モデルをレビューしていく。

14コアのCore i7-13700Hと最新世代GPUのGeForce RTX 4050を搭載

 LEVEL-15FX155-i7-PLSXは、15.6型のフルHD(1,920×1,080ドット)液晶を搭載するゲーミングノートだ。まずは基本スペックから見ていこう。

 CPUは第13世代(Raptor Lake)のCore i7-13700Hだ。パフォーマンス重視のPコアを6基、効率重視のEコアを8基を組み合わせたハイブリッドデザインを採用し、合計で14コア20スレッドに達する。最大で5GHz(Pコア)と動作クロックも高く、ゲームはもちろん幅広いアプリが快適に動作するスペックだ。

CPU-Zでの表示。CPUには14コア20スレッドのCore i7-13700Hを採用している

 ゲーミングPCの心臓部と言えるGPUにはNVIDIAの最新世代からGeForce RTX 4050 Laptop GPUを搭載。RTX 40シリーズではエントリー向けだが、CUDAコア数は2,560基、ブーストクロックは1,605~2,370MHz、ビデオメモリはGDDR6 6GBと充実のスペック。

 RTX 40シリーズの特徴である高性能アップスケーラーのDLSSとフレーム生成技術を組み合わせた「DLSS 3」をサポートし、対応タイトルであれば重量級ゲームも快適にプレイできるフレームレートを実現できる。低ビットレートでも高画質の「AV1」コーデックのハードウェアエンコードをサポートしているのも特徴だ。

 RTX 4050の動作クロックやカード電力はノートPCの設計よって変化する。本機はブーストクロックは2,295MHz、カード電力は75W(最大100W)に設定されており、GPUの性能を最大近くまで発揮できるようになっている。

 ここはゲーミングノートの性能を見る上で重要なポイントで、高い動作クロックでの動作が可能ということはそれだけ放熱性もしっかり確保されていることにつながるからだ。

GPU-Zでの表示。GPUにはGeForce RTX 4050 Laptop GPUを搭載。ブーストクロックは2,295MHzと上限(2,370MHz)に近かった
GPUの電力を示すPower Limitは75W(最大100W)と高めの設定だった

 そのほかメモリはDDR4-3200が16GB(8GB×2)、ストレージはNVMe SSDが500GBとなっている。メモリやストレージは容量を変更しての注文も可能だ。ゲームを大量にインストールしたいなら、1TBや2TBに変更するのもアリだろう。

 GPUと並び、ゲーミングPCとして重要なパーツとなる液晶は、15.6型のフルHDでリフレッシュレートが144Hzと高いのがポイント。一般的な液晶は60Hzと1秒間に60コマの描画だが、144Hzなら2.4倍ものコマ数になる。

 滑らかな描画は、FPS/TPSでは遠くにいる小さな敵の動きを把握しやすくなる、すばやい動きでも画面が画面がブレずに状況を把握しやすくなるなど、ゲームプレイの快適度が格段に向上させてくれる。

 そのほかレースゲームやRPGでも滑らかな描画は没入感が確実にアップ。高リフレッシュレート液晶は、ゲーム体験をよりよいものにしてくれる存在と言ってよい。そのほか、スペックは以下にまとめた。

15.6型のフルHD液晶。映り込みのない非光沢仕様となっていた
上部には100万画素のWebカメラとマイクも内蔵
【表】LEVEL-15FX155-i7-PLSXの仕様
CPUCore i7-13700H(14コア20スレッド)
メモリDDR4-3200 16GB
ストレージ500GB NVMe SSD
GPUGeForce RTX 4050 Laptop GPU
液晶1,920×1,080ドット表示対応15.6型(144Hz)
OSWindows 11 Home
インターフェイスGigabit Ethernet、USB 3.1 Type-C×2、USB 3.0、USB 2.0、HDMI、Mini DisplayPort、microSDスロット、Webカメラ、ステレオスピーカー、音声入出力端子
無線Wi-Fi 6E、Bluetooth 5
本体サイズ360×241×28.8mm
重量約2.05kg

充実のインターフェイスとバックライト付きキーボード

 主なインターフェイスは、右側面にGigabit Ethernetの有線LAN、USB 3.1 Type-C、microSDカードスロット、左側面にUSB 3.0、USB 2.0、マイク入力、ヘッドセット端子、背面にUSB 3.1 Type-C、HDMI、Mini DisplayPortを備えている。ワイヤレス機能は、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5をサポート。

 本体サイズは約360×241×28.8mm、重量は約2.05kg。電源は出力180WのACアダプタを使用する。

右側面にGigabit Ethernet、USB 3.1 Type-C、microSDカードスロット
左側面にUSB 3.0、USB 2.0、マイク入力、ヘッドセット端子
背面にUSB 3.1 Type-C、HDMI、Mini DisplayPort
本体は筆者実測で2,037gだった
電源は出力180WのACアダプタで重量は実測で498gだ

 キーボードは日本語配列でテンキー付きとの数字入力もこなしやすい。クセのない配列でヘンに小さなキーもなく、矢印キーが大きいのもうれしいところ。バックライトも内蔵されており、「Control Center」アプリでコントロールできる。このほか、底面にはステレオスピーカーを搭載。

キーボードは日本語配列でテンキー付き
キーピッチは筆者の実測で約18mm
バックライトも備わってる
ライティングは「Control Center」アプリで制御可能だ
タッチパッドは横12cm、縦7.3cmと大きめで使いやすかった
底面にはステレオスピーカーを搭載

一般用途も快適にこなせる高い基本性能

 基本性能をチェックしてみよう。ベンチマークは「Cinebench R23」、「PCMark 10」、「CrystalDiskMark」を用意した。本機は、パフォーマンス、エンターテイメント、静音、省電力と4種類の動作モードが用意されている。Cinebench R23については、モード別にテストを行ない、そのほかは一番性能が出るパフォーマンスモードに統一した。

動作モードは「Control Center」アプリで設定できる

 テスト結果から、パフォーマンスモードがマルススレッド性能が一番発揮されるのが分かる。静音と省電力はCPU性能をかなり制限するようで3分1以下のスコアとなってしまった。カフェなど静かに使ったり、バッテリを長持ちさせたいときに使うためのモードと言える。

PCMark 10の結果

 PCの基本的な性能を測定するPCMark 10は、Web会議/Webブラウザ/アプリ起動の“Essentials”で4,100以上、表計算/文書作成の“Productivity”で4,500以上、写真や映像編集“Digital Content Creation”で3,450以上が快適度の目安。EssentialsとDigital Content Creationでは2倍以上、Productivityでも約1.9倍のスコアとなっており、普段使いのPCとして十分高い性能を持っている。

CrystalDiskMark 8.0.4の結果

 ストレージはシーケンシャルリードは3480.68MB/s、シーケンシャルライトは1638.89MB/sとNVMe SSDとしてそれほど高速ではないが、ゲーム用途なら十分快適と言える結果。ゲームのロード時間で不満を感じることはないだろう。

144Hz液晶をフルに生かせるゲーム性能でDLSS 3で重量級ゲームも快適

もっとも重要と言える実ゲームでの性能を見ていこう。解像度はフルHDに固定。画質を高画質と中画質程度の2パターンで測定している。リフレッシュレートは144Hzの液晶をフルに生かすには、144fps以上のフレームレートが必要だ。テスト結果はそこに注目してほしい。

 まずは定番FPSの「レインボーシックス シージ」と「Apex Legends」から。レインボーシックス シージはゲーム内のベンチマーク機能を利用、Apex Legendsはトレーニングモードの一定コースを移動した際のフレームレートを「CapFrameX」で測定している。

 レインボーシックス シージは描画負荷が軽いゲームなので、最高画質でも平均287fpsと高いフレームレートを記録。Apex Legendsも最高画質で平均180.8fpsと144Hzの液晶を十分生かせるフレームレートを出している。中画質程度まで下げれば最小フレームレートも144fpsに近づけるのがポイントだ。

 続いて、人気格闘ゲームの「ストリートファイター6」を試そう。CPU同士の対戦を実行した際のフレームレートを「CapFrameX」で測定している。

 このゲームは120fpsまで設定できるが対戦時は60fpsまでになる。フルHDなら最高画質のHIGHESTでも平均でほぼ60fpsに到達が可能だ。NORMALまで下げれば、最小フレームレートをさらに向上できる点に注目したい。

 ここからは、DLSSに対応するタイトルを実行しよう。アップスケーラーのみのDLSS 2に対応する「パルワールド」とDLSS 3対応の「サイバーパンク2077」だ。パルワールドはゲーム開始地点近くに拠点を作り、一定コースを60秒移動した際のフレームレートを「CapFrameX」で測定、サイバーパンク2077はゲーム内のベンチマーク機能を利用した。

 パルワールドはDLSSを使えば、最高画質設定でも平均100.2fpsと十分滑らかな描画で楽しめている。

 サイバーパンク2077は描画負荷の非常に高いゲームだが、アップスケーラーとフレーム生成の両方を利用できることもあり、画質をレイトレーシングの低設定にしたならば、平均100.8fpsに到達が可能だ。さすがにウルトラ設定では、平均48fpsなのでプレイするのは不可能ではないが、滑らかな描画を堪能することはできない。

GPUクロックは安定と冷却力は十分確保

 最後にCPUとGPUの温度とクロックの推移を見よう。サイバーパンク2077を10分間プレイした際の温度と動作クロックの推移を「HWiNFO Pro」で測定している。クロックはCPUのPコアが「P-core 0 Clock」、Eコアが「E-core 6 Clock」、GPUが「GPU Clock」、温度はCPUが「CPU Package」、GPUが「GPU Clock」の値だ。室温は22℃。

 Pコアは4,200MHz前後、Eコアは3,300MHz前後となった。温度を見ると、瞬間的に100℃に到達していることはあるが、平均だと約90℃とうまくコントロールされていると言ってよいだろう。GPUはほぼ2,520MHzで安定。温度も最大で79.1℃、平均で約76℃でクロックの安定度からもしっかり冷却できているのが分かる。

 GPUがしっかり冷えていれば、長時間のゲームプレイでも安心だ。高負荷時の動作音は静かとは言えないが、ゲーミングノートとしては標準的。小さなボディで高い冷却力を実現するための宿命と言ってよい。

底面の後部には吸気口があり、背面と側面から効率よく排気することで熱を逃がしている

 多くのゲームで144Hz液晶を生かせるフレームレートを出せるとゲーミングPCとして十分なスペックを備えながら、20万円を大きく下回る価格を実現しているのが最大の特徴だ。

 レイトレーシングを使った描画負荷の高いAAA級タイトルもちょっと画質調整をすれば快適にプレイ可能と、これからノートPCでPCゲームをガッツリ遊びたいと思っているなら、注目したい1台だ。