パソコン工房新製品レビュー

GeForce RTX 4070搭載でおサイフに優しい!? コスパ良すぎるゲーミングPC「LEVELθ」

LEVEL-M17M-134F-TLX-WHITE。直販価格は18万9,800円

 パソコン工房の「LEVEL-M17M-134F-TLX-WHITE」は、同社の新たなゲーミング向けPCシリーズ「LEVELθ(レベルシータ)」の最新デスクトップゲーミングPCだ。同シリーズはコストパフォーマンスを重視した10万円台からの製品をラインナップするのが特徴だが、本製品はCPUにCore i5-13400F、GPUにGeForce RTX 4070を搭載。シリーズ内でも高い性能を発揮するモデルに仕上がっている。

 この記事では「LEVEL-M17M-134F-TLX-WHITE」のサンプル機をもとに、特徴や使い勝手などのインプレッション、およびベンチマークによる性能チェックを実施していく。

スペックはとにかくGPU重視。20万円切りでRTX 4070を搭載

LEVEL-M17M-134F-TLX-WHITEの主なスペック
CPUCore i5-13400F
(10コア/ 16スレッド/ 2.50GHz/ TB時最大4.60GHz/ 20MBスマートキャッシュ)
GPUGeForce RTX 4070(12GB GDDR6X)
メモリ16GB (DDR5-4800、8GB×2 / デュアルチャネル)
ストレージ500GB (M.2NVMe SSD)
OSWindows 11 Home
ネットワークGigabit Ethernet
本体サイズ220×411×441mm
直販価格18万9,800円

 まずは、「LEVEL-M17M-134F-TLX-WHITE」の基本的なハードウェア性能を確認していこう。

CPUはデスクトップPC向けミドルクラスの人気SKU「Core i5-13400F」。すでに1世代前の製品ではあるがコストパフォーマンスに優れ、エントリーからミドル帯のゲーミングPCでも採用例は多い

 CPUはコストパフォーマンスに定評ある10コア/16スレッドの「Core i5-13400F」を搭載。ピーク性能が高いPコア、高効率なEコアという2種類のCPUコアを併載するハイブリッド アーキテクチャを採用SKUであり、マルチタスクに高い適正を持つのが特徴だ。

 1世代前のCPUではあるがコア数も多めで、最大動作クロックも4.6GHzと悪くなく、なかなかのパフォーマンスを発揮する。一般的なPC作業での使い勝手はもちろん、ゲーム用途もそつなくこなせるだけの自力はあると言っていい。

GPUは「GeForce RTX 4070」。リアルタイムレイトレーシング(DXR)に対応するハイエンドGPU

 一方、GPUはNVIDIAのハイエンド製品「GeForce RTX 4070」を採用する。CPUのチョイスを考えるとやや不釣り合いにも見えるが、ここが本製品の最大の特徴。

 コスパに優れるCPUとハイエンドGPUを組み合わせつつ、販路をEC限定に絞って販売コストを下げるといった試みもあって、実売価格を20万円切りに抑えつつ高いゲーム性能を実現しているわけだ。

 GPU自体は高解像度でのゲーム描画に加え、レイトレーシングのようなリッチな処理、「Tensor Core」を活用する配信向けツール「NVIDIA Broadcast」なども問題なく利用可能だ。

 メインメモリの容量は16GB(DDR5-4800、デュアルチャネル)で、ストレージは高速なデータ転送に対応する500GB NVMe SSD。このあたりはエントリー、あるいはミドルクラス相応といったところで、豪華とは言えないがCPU・GPU性能の足を引っ張るほどでもない。

 SSD容量はゲーミングPCとしてはそれほど余裕がないので、不安であればSSDをアップグレードする、あるいは2台目のSSDやHDDを追加するといったBTOカスタマイズを活用するのもいいだろう。

スイングドア式のサイドパネル採用でメンテナンス性◎

 続いて、「LEVEL-M17M-134F-TLX-WHITE」の外観やインターフェイス類などを見ていこう。LEVELθの現行ラインナップはいずれもThermaltake製のミニタワーケース「S100 TG」をベースにしたオリジナル筐体を採用する。

筐体はスイングドア式のサイドパネルを装備するThermaltake製のミニタワーケース「S100 TG」がベースで、フロント部にLEVELθのロゴがプリントされている。カラーはブラック・ホワイトの2色をラインナップ
パネルの後部にヒンジが取り付けられており、前方はマグネットで簡単に外せる仕様。ツールレスかつ簡単に内部へアクセス可能だ

 カラーはホワイトとブラックの2色展開で、いずれも強化ガラス製サイドパネルを標準装備するのが大きな特徴。パネルは前方がマグネット、後方がヒンジで固定されており、スイングドアのように開くだけで内部にアクセス可能だ。見栄えもよく、ちょっとしたメンテナンスなども気軽にできるため、初心者・上級者問わずありがたい仕様と言える。

 本体サイズは幅220×奥行411×高さ441mmと、ミニタワーPCとしてはそこそこの高さがあり、一般的なミドルタワーケースに迫るサイズとなっている。奥行きはそこまで長くないものの、卓上に置きたい場合はデスクのサイズを確認しておいた方がいいだろう。

フロント上部にはUSBポート、オーディオジャックなどを配置
天面のほとんどは通気孔となっており、ダストフィルタもマグネットなのでツールレスで取り外し可能

 フロントパネルはほぼ一枚板でスッキリした印象だが、かわりに左右側面前方に吸気孔を配置することで通気性を確保。一方で天面には大きく通気孔が開いており、メンテナンス性に配慮した取り外し可能なダストフィルタが装着されている。

 また、天面のフロント側には電源ボタン、リセットボタン、USB 3.0ポート×1、USB 2.0ポート×2、ヘッドフォン・マイクジャックを配置。大きくメッシュタイプの排気孔が開口されているため、天面に物を置くとPC内部に熱がこもる可能性が高い。

 どうしても何かを置きたいのであれば、排気口を塞がないフロント近くがいいだろう。天面よりは影響が少ないと思われるが、壁に寄せすぎると側面の吸気孔を塞いでしまう可能性がある点にも注意したい。

左側面はほぼ強化ガラスパネルに覆われているが、フロント付近には通気孔を配置。ちなみに右側面は本体と同じカラーのスチールパネルだ
ミニタワーケースとは言えそこそこにサイズが大きく、内部レイアウトには余裕がある

 内部レイアウトは電源を下部に配置するタイプで、小型ながら内部スペースにはかなりの余裕がある。スイングドアタイプのサイドパネルも相まって購入後のカスタマイズなどもしやすい点は大いに評価できるだろう。

 ストレージはマザーボード上のM.2スロットが余っているほか、ケースには3.5/2.5インチ兼用内蔵ベイ×2、2.5インチ内蔵ベイ×2があるため、保証対象外にはなるが自分で増設してしまう選択肢もある。

  なお、サンプル機には簡易水冷クーラーが装着されていたが、実際の製品はトップフロータイプの空冷クーラーが標準装備で、代わりにトップに2基のファンを配置している点にはご留意いただきたい。

サンプル機には簡易水冷クーラーが装着されていたが、通常はトップフローの空冷クーラーが装着されているとのこと
コスパ志向の製品ということもあり、背面インターフェイス類はシンプルにまとまっている

 背面インターフェイスはUSB 3.2(Type-C)ポート×1、USB 3.0ポート×2、USB 2.0ポート×2、Gigabit Ethernet、オーディオ端子×3を用意。映像出力端子はビデオカード側のHDMI×1、Display Port×3を利用可能だ。USBポート数はフロント側と合わせて合計8つで、周辺機器を使う場合にもそれなりに余裕があると言える。

「LEVEL-M17M-134F-TLX-WHITE」の性能をベンチマークでチェック

 では、「LEVEL-M17M-134F-TLX-WHITE」の性能をいくつかのベンチマークで計測してみよう。今回は以下のタイトルでフレームレートを計測している。なお、GPUのドライバは最新の546.33を使用した。

  • ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク
  • ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON
  • ホグワーツ レガシー
  • Cyberpunk 2077

 比較的軽量な「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」では、すべての計測で最高品質設定を適用し、解像度フルHD・WQHD・4Kの3パターンでテストを実施した。

 製品スペック的には高解像度での快適なゲーム描画性能が求められるであろう「LEVEL-M17M-134F-TLX-WHITE」だが、フルHDでは24,942、WQHDでは21,509としっかり高スコアを記録できているほか、4K解像度でもスコアは13,191、テストレポートから参照した平均フレームレートは89.75fpsと、まったく問題ない結果が出ている。ハイリフレッシュレートモニターを組み合わせれば、フルHDから4Kまで、なめらかな描画でゲームを堪能できるだろう。

 「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」の計測には、フレームレート計測ツール「CapframeX」を利用。画質は「最高」、解像度はフルHD・WQHD・4Kの3パターンとし、ゲーム内ミッション「テスターAC撃破」で一定コースを移動した際の1分間の平均・最低フレームレートを算出している。

 フルHD計測時とWQHD計測時で平均フレームレートに大きな差がないのは、本作のフレームレート上限が120fpsに設定されているためと思われるが、4K解像度では平均フレームレートが71fps、最小(Min 1%)では54.9fps前後と、平均60fpsの壁を突破できている。

 同じように「ホグワーツ レガシー」でも、「CapframeX」を利用してフレームレートを計測している。画質は「最高」、アップスケールにDLSSを選択してモードは「NVIDIA DLSSクオリティ」とした上で、フルHD・WQHD・4K解像度における計測を実施。

 ゲーム内マップの一定コースを移動した際の1分間の平均・最低フレームレートを算出している。結果はアップスケーリングを活用していることもあって、フルHDとWQHD解像度でフレームレートの逆転現象が起きているが、どちらも快適であることには変わらない。

 最高解像度である4Kについても、平均フレームレートは83.8fpsとしっかり60fps越え。「最新の人気タイトルを4Kで快適プレイできる20万円切りのPC」と考えれば、それだけでも本製品が魅力的なスペックを備えていることが分かるだろう。

 「Cyberpunk 2077」では、ゲーム内ベンチマークモードを使用してフレームレートを計測。まずは画質設定に「ウルトラ」を設定し、フルHD・WQHD・4K解像度でのテストを実施した。

 こちらはアップスケーリングなどの設定が一切適用されていないほか、ゲーム自体がかなりの重量級タイトルであるため、各解像度で結果に大きな差が出ている。WQHDまでは平均60fpsを超えられているものの、4Kではフレームレートがぐっと落ち込み、さすがにアップスケーリングなしで4K解像度は厳しいことが分かる。

 念のため、より負荷が高いがアップスケーリングが適用される「レイトレーシング:ウルトラ」画質でもテストを実施してみた。

 DLSSによって各解像度の差が均され、4Kでも平均51.88fpsと、ほぼ快適にゲームを楽しめるレベルまでフレームレートが向上する。どのような画質設定を適用するかはユーザー次第だが、いずれにせよ現行屈指の負荷のゲームをしっかりプレイできる点は高く評価できる。

 ストレージ性能については、「CrystalDiskMark 8.0.4」で計測を実施した。シーケンシャルリードがQ8T1テストで3,500MB/s前後と好調な半面、シーケンシャルライトは最大でも1,650MB/s前後にとどまる。少なくともSATA接続のSSDよりは高速であるため、ゲーム中のデータロードといった場面では恩恵を受けられることもあるだろう。

高い性能・コスパが何よりも魅力的な1台

 ここまで見てきた通り、「LEVEL-M17M-134F-TLX-WHITE」は、フルHDから4Kまで解像度を選ばず快適にゲームをプレイでき、なおかつコストパフォーマンスも高いデスクトップPCだ。

 この価格帯でGeForce RTX 4070を搭載しているBTO PCは少なく、「低コストでとにかくゲームを高解像度プレイできるPCが欲しい」というユーザーには強く刺さるプロダクトと言える。

 年末年始、ボーナスやお年玉でPCを新調したいと考えるゲーマーにとって、非常に魅力的な選択肢になる1台と言えそうだ。