パソコン工房新製品レビュー

ZETA DIVISIONとLEVEL∞のコラボゲーミングPCが登場。その実力をチェック

ZETA DIVISION ∞ MODEL

 パソコン工房はeスポーツチーム「ZETA DIVISION」と、同社のゲーミングPCブランド「LEVEL∞」のコラボモデル「ZETA DIVISION ∞ MODEL」を販売中だ。本シリーズはゲーミングPCに求められる高水準の冷却システム、拡張性、メンテナンス性、そしてZETA DIVISIONのデザイン性が盛り込まれたコラボモデル。IntelやAMDのCPUにさまざまなGPUや各種パーツが組み合わせられており、目的に応じたマシンを選択、カスタマイズ可能だ。

 今回、サンプルとなるRyzen 7 5700X+GeForce RTX 3070搭載モデル「ILeDEs-RGX5-LR57X-TASXR-ZETA」を借用したので、シリーズ共通の使い勝手、メンテナンス性などにスポットを当ててレビューしていこう。

複数のラインナップで細かくカスタマイズが可能

 ZETA DIVISION ∞ MODELでは、例として下記のようなモデルがラインナップされている。詳しくは特集ページで確認できる。

  • 「ILeDEs-RGX7-LR79W-XLSXR-ZETA」(61万9,800円)
     Ryzen 9 7950X/GeForce RTX 4090/32GB DDR5メモリ/SSD 1TB(PCIe 4.0 x4)
  • 「ILeDEs-RG7A-L137C-RBSXR-ZETA」(30万4,800円)
     Core i7-13700KF/GeForce RTX 3060/16GB DDR5メモリ/SSD 1TB(PCIe 3.0 x4)
  • 「ILeDEs-RG7A-L139C-XLSXR-ZETA」(58万9,800円)
     Core i9-13900KF/GeForce RTX 4090/32GB DDR5メモリ/SSD 1TB(PCIe 4.0 x4)

 今回パソコン工房より借用したのはサンプルで、CPUにRyzen 7 5700X、GPUにGeForce RTX 3070、メモリに16GB DDR4-3200、ストレージに1TB SSD(PCIe 3.0 x4接続)を搭載しているILeDEs-RGX5-LR57X-TASXR-ZETAだ。

本体前面にはRGB LEDが内蔵。また前面上部には光学ドライブ用のスロットが空いている
左側面はZETA DIVISIONオリジナルデザインのガラスパネルが装着
電源を入れるとケース内部が美しく点灯する
右側面の金属パネルはZETA DIVISIONのロゴとタイポグラフィでデザインされている
本体背面。上部にはWindows 11のライセンスシールが貼られている

 モデルによってマザーボードが異なるので以下は一例となるが、インターフェイスは前面にUSB 3.0 Type-C、USB 3.0×2、ヘッドフォン端子、マイク端子、背面にUSB 3.1 Type-C、USB 3.1×3、USB 3.0×4、Gigabit Ethernet、PS/2、ライン出力、ライン入力、マイク入力、センター・サブ出力、リア出力、S/PDIF出力(角型)を用意。ワイヤレス通信機能はオプションだ。

 ビデオカードは「MSI GeForce RTX 3070 VENTUS 2X OC LHR」が搭載されており、映像出力端子はDisplayPort 1.4a×3、HDMI 2.1が装備されている。

 本体サイズは約220×493×465mm、重量は非公表。同梱品は有線キーボード、有線マウス、電源ケーブル、各種マニュアル、保証書となっている。

背面インターフェイスにはUSB 3.1 Type-C、USB 3.1 Type-A×3、USB 3.0 Type-A×4、Gigabit Ethernet、PS/2、ライン出力、ライン入力、マイク入力、センター・サブ出力、リア出力、S/PDIF出力(角型)を用意
本体底面にもメッシュパネルが装着されており、簡単にクリーニング可能だ
上面には電源ボタン、USB 3.0 Type-C、USB 3.0 Type-A×2、ヘッドフォン端子、マイク端子を配置
上面はマグネット式のワンタッチダストフィルター仕様となっており、手軽にホコリを掃除できる
パッケージには、有線キーボード、有線マウス、電源ケーブル、各種マニュアル、保証書が同梱
標準で同梱されるキーボードとマウスは有線タイプ。カスタマイズ購入時にワイヤレスタイプやゲーミングキーボードにアップグレード可能

 なお、当然のことながら搭載されているCPUやGPUによって、異なる容量の電源が採用されている。それぞれのモデルに装備されているパーツの詳細については、製品公式サイトの仕様一覧を参照してほしい。

【表1】「LEVEL-RGX5-LCR57X-TAX-ZETA DIVISION」のスペック
型番ILeDEs-RGX5-LR57X-TASXR-ZETA
OSWindows 11 Home
CPURyzen 7 5700X(8コア/16スレッド、3.4~4.6GHz、TDP 65W)
チップセットAMD X570
マザーボードASUS PRIME X570-PRO
メモリ16GB(DDR4-3200 DIMM、8GB×2、最大128GB)
ストレージ1TB SSD(PCIe 3.0 x4接続)
GPUGeForce RTX 3070(8GB GDDR6)
通信Gigabit Ethernet
ワイヤレス通信非搭載
前面インターフェイスUSB 3.0 Type-C、USB 3.0×2、ヘッドフォン端子、マイク端子
背面インターフェイスUSB 3.1 Type-C、USB 3.1×3、USB 3.0×4、Gigabit Ethernet、PS/2、ライン出力、ライン入力、マイク入力、センター・サブ出力、リア出力、S/PDIF出力(角型)
映像出力インターフェイスDisplayPort 1.4a×3、HDMI 2.1
拡張スロットPCIe 4.0 x16×3、PCIe 4.0 x1×3、M.2×2
本体サイズ約220×493×465mm
重量非公表
同梱品有線キーボード、有線マウス、電源ケーブル、各種マニュアル、保証書

メンテナンス性、拡張性は◎、GPU用サポートステイも装備

 ここではZETA DIVISION ∞ MODELのメンテナンス系、拡張性をチェックしていこう。本シリーズのケースはミドルタワーサイズで、マザーボードはATXサイズだ。今回借用したILeDEs-RGX5-LR57X-TASXR-ZETAには「ASUS PRIME X570-PRO」が採用されていた。

 クーラーには水冷CPUクーラー「SR24 PRO」が装着されており、ケーブル類は基本的に裏面配線が施されている。エアフローを阻害せず、また見た目的にもすっきりしている。

 ケース内のLEDライトや5基の空冷ファンはRGB LED仕様で設定ソフトウェアから発光色を設定できる。さらに「ZETA DIVISIONコラボゲーミングPC購入者専用ダウンロードページ」から、オリジナル壁紙やRGBカラー設定ファイルをダウンロード可能だ(シリアルナンバーが必要)。

右側面内部。前面から吸気し、上面、背面から排気するエアフローだ
左側面内部。ケーブル接続部は抜けないようにテープで補強されている
マザーボードはASUS PRIME X570-PROを採用
クーラーは水冷CPUクーラーSR24 PROを搭載

 前述の通り裏面配線が施されているので、メモリスロット、M.2スロットには手が届きやすく、増設、換装は容易だ。3.5/2.5インチ兼用内蔵ベイにケーブル類が被さっているが、ずらせばストレージの出し入れができる。

 ビデオカード用にはサポートステイが用意されており、最長380mmのボードを装着できる。CPUクーラーは高さ166mmまで設置可能だ。ミドルタワーサイズということもありメンテナンス性、拡張性は高いと言える。

メモリスロットは4基。今回の貸出機には「Kingston CBD32D4U2S1MF-8」(DDR4-3200、8GB)が2枚装着されていた
拡張スロットはPCIe 4.0 x16×3、PCIe 4.0 x1×3、M.2×2という構成
M.2スロットはType 2242/2260/2280/22110に対応する
3.5/2.5インチ兼用内蔵ベイを2基用意
右側面には2.5インチ内蔵ベイが2基配置されている
ビデオカードはMSI GeForce RTX 3070 VENTUS 2X OC LHR。サポートステイが装着されており、端子に負担をかける心配は少ない
電源はFSP製「750A-SAB1」(80PLUS Bronze認証)を内蔵
電源「750A-SAB1」はケーブル非着脱式だ

Ryzen 7 5700X搭載機として順当なベンチマークスコアを記録

 最後に性能をチェックしよう。なお、ZETA DIVISION ∞ MODELには今回借用したモデルよりもっと上位のCPUやGPUなどを搭載しているモデルが存在することは留意してほしい。下記がベンチマークの結果だ。

「HWiNFO64 Pro」で取得したILeDEs-RGX5-LR57X-TASXR-ZETAのシステムの概要

 まずCPU性能だが、Cinebench R23のCPU(Multi Core)で13,570pts、CPU(Single Core)で1,524ptsを記録している。Ryzen 7 5700X搭載機として順当な結果だ。

 ちなみにCinebench R23実行中のCPU温度とクロック周波数を「HWiNFO64 Pro」で計測してみたが、CPU温度は平均43.86℃、最大44.6℃、クロック周波数は平均3,942.16MHz、最大3,955.8MHzとなった。Ryzen 7 5700Xは低発熱、省電力が特徴のCPUであり、今回の結果もそれに準じたものとなっている。

【表2】Cinebenchのベンチマーク結果
Cinebench R23.200
CPU(Multi Core)13,570pt
CPU(Single Core)1,524pt
Cinebench R23(※最小テスト時間10分)
CPU(Multi Core)13,159pt
CPU(Single Core)1,526pt
Cinebench R20.060
CPU5,158pt
CPU(Single Core)597pt
Cinebench R15.0
OpenGL210.23pt
CPU2,198pt
CPU(Single Core)255pt
Cinebench R23実行中のCPU温度は平均43.86度、最大44.6度、クロック周波数は平均3942.16MHz、最大3955.8MHz
Cinebench R23実行中の消費電力は平均143.41W、最大146.135W。アイドル時の消費電力は平均69.64W

 3D性能については、3DMarkのTime Spyで12,440、Fire Strikeで28,727、Wild Lifeで81,874となった。3DMarkの推定ゲーム指標を見てみると、「Battlefield V」(1080p Ultra)で155~170fps以上という値が出ている。フルHD解像度であれば、多くのゲームを快適にプレイできる性能を備えているわけだ。

【表3】3DMarkのベンチマーク結果
3DMark v2.25.8056
Time Spy Extreme6,146
Time Spy12,440
Port Royal8,081
Fire Strike Ultra8,419
Fire Strike Extreme15,568
Fire Strike28,727
Wild Life Extreme28,100
Wild Life81,874
Night Raid59,192
3DMark v2.25.8056「CPU Profile」
Max threads6,661
16 threads6,648
8 threads5,957
4 threads3,558
2 threads1,825
1 threads920
【表4】FINAL FANTASY XV BENCHMARKのベンチマーク結果
1,280×720ドット、標準品質、フルスクリーン18,934(非常に快適)
1,920×1,080ドット、標準品質、フルスクリーン16,188(非常に快適)
FINAL FANTASY XV BENCHMARK(1,920×1,080ドット、標準品質、フルスクリーン)実行中のフレームレートは、平均166.0fps、最小108.7fps、最大226.1fps

 PCMark 10の総合スコアは7,724となった。PCMark 10の指標のひとつ「Premium gaming PC(2020)」が7,163なので、本製品はその約108%のスコアを記録したことになる。今回の貸出機はZETA DIVISION ∞ MODELの中のエントリーモデルに位置づけられているが、クリエイティブワークにも十分な性能を持っている。

【表5】PCMark 10およびUL Procyonのベンチマーク結果
PCMark 10 v2.1.2574
PCMark 10 Score7,724
Essentials10,730
App Start-up Score15,979
Video Conferencing Score7,940
Web Browsing Score9,739
Productivity9,525
Spreadsheets Score11,292
Writing Score8,035
Digital Content Creation12,239
Photo Editing Score18,489
Rendering and Visualization Score15,374
Video Editing Score6,450
UL Procyon v2.1.331
Photo Editing Benchmark score8,020
Image Retouching score8,228
Batch Processing score7,819
Video Editing score5,611

 ストレージ速度はシーケンシャルリード(1M Q8T1)で3,409.2MB/s、シーケンシャルライト(1M Q8T1)で2,722.573MB/sとなった。マザーボードのASUS PRIME X570-PRO自体はPCIe 4.0 x4接続のSSDに対応しているので、カスタマイズ購入時にはぜひアップグレードしておきたいところだ。

【表6】CrystalDiskMark 8.0.4のベンチマーク結果
1M Q8T1 シーケンシャルリード3,409.2MB/s
1M Q8T1 シーケンシャルライト2,722.573MB/s
1M Q1T1 シーケンシャルリード3,030.807MB/s
1M Q1T1 シーケンシャルライト2,615.229MB/s
4K Q32T1 ランダムリ-ド771.68MB/s
4K Q32T1 ランダムライト527.98MB/s
4K Q1T1 ランダムリ-ド82.02MB/s
4K Q1T1 ランダムライト197.588MB/s

個性的なケースを末永く愛用できる高性能デスクトップPC

暗い部屋では、より美しく発光する「ZETA DIVISIONイエロー」が楽しめる

 ZETA DIVISION ∞ MODELは、性能はもちろんのことデザイン性の高さも魅力。ミドルタワーケースに余裕を持ってパーツが組み込まれているのでメンテナンスや拡張も容易だ。将来的にはマザーボードやCPUなどを交換して、個性的なケースを末永く愛用できる。

 CPUはIntel系、AMD系が幅広く揃えられており、GPUも価格帯別にラインナップされている。ゲーム用、そしてクリエイティブワーク用に高性能なPCを探しているのなら、ぜひ購入候補に加えてほしい1台だ。