パソコン工房新製品レビュー
ZETA DIVISIONとLEVEL∞のコラボゲーミングPCが登場。その実力をチェック
2023年2月6日 10:00
パソコン工房はeスポーツチーム「ZETA DIVISION」と、同社のゲーミングPCブランド「LEVEL∞」のコラボモデル「ZETA DIVISION ∞ MODEL」を販売中だ。本シリーズはゲーミングPCに求められる高水準の冷却システム、拡張性、メンテナンス性、そしてZETA DIVISIONのデザイン性が盛り込まれたコラボモデル。IntelやAMDのCPUにさまざまなGPUや各種パーツが組み合わせられており、目的に応じたマシンを選択、カスタマイズ可能だ。
今回、サンプルとなるRyzen 7 5700X+GeForce RTX 3070搭載モデル「ILeDEs-RGX5-LR57X-TASXR-ZETA」を借用したので、シリーズ共通の使い勝手、メンテナンス性などにスポットを当ててレビューしていこう。
複数のラインナップで細かくカスタマイズが可能
ZETA DIVISION ∞ MODELでは、例として下記のようなモデルがラインナップされている。詳しくは特集ページで確認できる。
- 「ILeDEs-RGX7-LR79W-XLSXR-ZETA」(61万9,800円)
Ryzen 9 7950X/GeForce RTX 4090/32GB DDR5メモリ/SSD 1TB(PCIe 4.0 x4) - 「ILeDEs-RG7A-L137C-RBSXR-ZETA」(30万4,800円)
Core i7-13700KF/GeForce RTX 3060/16GB DDR5メモリ/SSD 1TB(PCIe 3.0 x4) - 「ILeDEs-RG7A-L139C-XLSXR-ZETA」(58万9,800円)
Core i9-13900KF/GeForce RTX 4090/32GB DDR5メモリ/SSD 1TB(PCIe 4.0 x4)
今回パソコン工房より借用したのはサンプルで、CPUにRyzen 7 5700X、GPUにGeForce RTX 3070、メモリに16GB DDR4-3200、ストレージに1TB SSD(PCIe 3.0 x4接続)を搭載しているILeDEs-RGX5-LR57X-TASXR-ZETAだ。
モデルによってマザーボードが異なるので以下は一例となるが、インターフェイスは前面にUSB 3.0 Type-C、USB 3.0×2、ヘッドフォン端子、マイク端子、背面にUSB 3.1 Type-C、USB 3.1×3、USB 3.0×4、Gigabit Ethernet、PS/2、ライン出力、ライン入力、マイク入力、センター・サブ出力、リア出力、S/PDIF出力(角型)を用意。ワイヤレス通信機能はオプションだ。
ビデオカードは「MSI GeForce RTX 3070 VENTUS 2X OC LHR」が搭載されており、映像出力端子はDisplayPort 1.4a×3、HDMI 2.1が装備されている。
本体サイズは約220×493×465mm、重量は非公表。同梱品は有線キーボード、有線マウス、電源ケーブル、各種マニュアル、保証書となっている。
なお、当然のことながら搭載されているCPUやGPUによって、異なる容量の電源が採用されている。それぞれのモデルに装備されているパーツの詳細については、製品公式サイトの仕様一覧を参照してほしい。
【表1】「LEVEL-RGX5-LCR57X-TAX-ZETA DIVISION」のスペック | |
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型番 | ILeDEs-RGX5-LR57X-TASXR-ZETA |
OS | Windows 11 Home |
CPU | Ryzen 7 5700X(8コア/16スレッド、3.4~4.6GHz、TDP 65W) |
チップセット | AMD X570 |
マザーボード | ASUS PRIME X570-PRO |
メモリ | 16GB(DDR4-3200 DIMM、8GB×2、最大128GB) |
ストレージ | 1TB SSD(PCIe 3.0 x4接続) |
GPU | GeForce RTX 3070(8GB GDDR6) |
通信 | Gigabit Ethernet |
ワイヤレス通信 | 非搭載 |
前面インターフェイス | USB 3.0 Type-C、USB 3.0×2、ヘッドフォン端子、マイク端子 |
背面インターフェイス | USB 3.1 Type-C、USB 3.1×3、USB 3.0×4、Gigabit Ethernet、PS/2、ライン出力、ライン入力、マイク入力、センター・サブ出力、リア出力、S/PDIF出力(角型) |
映像出力インターフェイス | DisplayPort 1.4a×3、HDMI 2.1 |
拡張スロット | PCIe 4.0 x16×3、PCIe 4.0 x1×3、M.2×2 |
本体サイズ | 約220×493×465mm |
重量 | 非公表 |
同梱品 | 有線キーボード、有線マウス、電源ケーブル、各種マニュアル、保証書 |
メンテナンス性、拡張性は◎、GPU用サポートステイも装備
ここではZETA DIVISION ∞ MODELのメンテナンス系、拡張性をチェックしていこう。本シリーズのケースはミドルタワーサイズで、マザーボードはATXサイズだ。今回借用したILeDEs-RGX5-LR57X-TASXR-ZETAには「ASUS PRIME X570-PRO」が採用されていた。
クーラーには水冷CPUクーラー「SR24 PRO」が装着されており、ケーブル類は基本的に裏面配線が施されている。エアフローを阻害せず、また見た目的にもすっきりしている。
ケース内のLEDライトや5基の空冷ファンはRGB LED仕様で設定ソフトウェアから発光色を設定できる。さらに「ZETA DIVISIONコラボゲーミングPC購入者専用ダウンロードページ」から、オリジナル壁紙やRGBカラー設定ファイルをダウンロード可能だ(シリアルナンバーが必要)。
前述の通り裏面配線が施されているので、メモリスロット、M.2スロットには手が届きやすく、増設、換装は容易だ。3.5/2.5インチ兼用内蔵ベイにケーブル類が被さっているが、ずらせばストレージの出し入れができる。
ビデオカード用にはサポートステイが用意されており、最長380mmのボードを装着できる。CPUクーラーは高さ166mmまで設置可能だ。ミドルタワーサイズということもありメンテナンス性、拡張性は高いと言える。
Ryzen 7 5700X搭載機として順当なベンチマークスコアを記録
最後に性能をチェックしよう。なお、ZETA DIVISION ∞ MODELには今回借用したモデルよりもっと上位のCPUやGPUなどを搭載しているモデルが存在することは留意してほしい。下記がベンチマークの結果だ。
まずCPU性能だが、Cinebench R23のCPU(Multi Core)で13,570pts、CPU(Single Core)で1,524ptsを記録している。Ryzen 7 5700X搭載機として順当な結果だ。
ちなみにCinebench R23実行中のCPU温度とクロック周波数を「HWiNFO64 Pro」で計測してみたが、CPU温度は平均43.86℃、最大44.6℃、クロック周波数は平均3,942.16MHz、最大3,955.8MHzとなった。Ryzen 7 5700Xは低発熱、省電力が特徴のCPUであり、今回の結果もそれに準じたものとなっている。
【表2】Cinebenchのベンチマーク結果 | |
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Cinebench R23.200 | |
CPU(Multi Core) | 13,570pt |
CPU(Single Core) | 1,524pt |
Cinebench R23(※最小テスト時間10分) | |
CPU(Multi Core) | 13,159pt |
CPU(Single Core) | 1,526pt |
Cinebench R20.060 | |
CPU | 5,158pt |
CPU(Single Core) | 597pt |
Cinebench R15.0 | |
OpenGL | 210.23pt |
CPU | 2,198pt |
CPU(Single Core) | 255pt |
3D性能については、3DMarkのTime Spyで12,440、Fire Strikeで28,727、Wild Lifeで81,874となった。3DMarkの推定ゲーム指標を見てみると、「Battlefield V」(1080p Ultra)で155~170fps以上という値が出ている。フルHD解像度であれば、多くのゲームを快適にプレイできる性能を備えているわけだ。
【表3】3DMarkのベンチマーク結果 | |
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3DMark v2.25.8056 | |
Time Spy Extreme | 6,146 |
Time Spy | 12,440 |
Port Royal | 8,081 |
Fire Strike Ultra | 8,419 |
Fire Strike Extreme | 15,568 |
Fire Strike | 28,727 |
Wild Life Extreme | 28,100 |
Wild Life | 81,874 |
Night Raid | 59,192 |
3DMark v2.25.8056「CPU Profile」 | |
Max threads | 6,661 |
16 threads | 6,648 |
8 threads | 5,957 |
4 threads | 3,558 |
2 threads | 1,825 |
1 threads | 920 |
【表4】FINAL FANTASY XV BENCHMARKのベンチマーク結果 | |
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1,280×720ドット、標準品質、フルスクリーン | 18,934(非常に快適) |
1,920×1,080ドット、標準品質、フルスクリーン | 16,188(非常に快適) |
PCMark 10の総合スコアは7,724となった。PCMark 10の指標のひとつ「Premium gaming PC(2020)」が7,163なので、本製品はその約108%のスコアを記録したことになる。今回の貸出機はZETA DIVISION ∞ MODELの中のエントリーモデルに位置づけられているが、クリエイティブワークにも十分な性能を持っている。
【表5】PCMark 10およびUL Procyonのベンチマーク結果 | |
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PCMark 10 v2.1.2574 | |
PCMark 10 Score | 7,724 |
Essentials | 10,730 |
App Start-up Score | 15,979 |
Video Conferencing Score | 7,940 |
Web Browsing Score | 9,739 |
Productivity | 9,525 |
Spreadsheets Score | 11,292 |
Writing Score | 8,035 |
Digital Content Creation | 12,239 |
Photo Editing Score | 18,489 |
Rendering and Visualization Score | 15,374 |
Video Editing Score | 6,450 |
UL Procyon v2.1.331 | |
Photo Editing Benchmark score | 8,020 |
Image Retouching score | 8,228 |
Batch Processing score | 7,819 |
Video Editing score | 5,611 |
ストレージ速度はシーケンシャルリード(1M Q8T1)で3,409.2MB/s、シーケンシャルライト(1M Q8T1)で2,722.573MB/sとなった。マザーボードのASUS PRIME X570-PRO自体はPCIe 4.0 x4接続のSSDに対応しているので、カスタマイズ購入時にはぜひアップグレードしておきたいところだ。
【表6】CrystalDiskMark 8.0.4のベンチマーク結果 | |
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1M Q8T1 シーケンシャルリード | 3,409.2MB/s |
1M Q8T1 シーケンシャルライト | 2,722.573MB/s |
1M Q1T1 シーケンシャルリード | 3,030.807MB/s |
1M Q1T1 シーケンシャルライト | 2,615.229MB/s |
4K Q32T1 ランダムリ-ド | 771.68MB/s |
4K Q32T1 ランダムライト | 527.98MB/s |
4K Q1T1 ランダムリ-ド | 82.02MB/s |
4K Q1T1 ランダムライト | 197.588MB/s |