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軽い・頑丈・高性能の10万円切りノートが誕生。「iiyama キャンパスPC」はすべての人にオススメだ

iiyama キャンパスPCの「STYLE-14FH057-i5-UCFXM」。パソコン工房Webサイトでの価格は9万9,980円

 パソコン工房から出ている「iiyama PC」ブランドと言えば、コストパフォーマンスに優れるPCを数多く展開しているが、新たに学生向けの「iiyama キャンパスPC」を立ち上げた。

 学生向けのPCは、安めの価格で性能はそこそこ、というイメージもある。しかし今回発売された「STYLE-14FH057-i5-UCFXM」は、1kgを切る軽さ、ミリタリーグレードの耐久性、第11世代Core i5のパワーを備えながら、パソコン工房Webサイトでの価格は9万9,980円と、10万円以下を実現している。

 持ち運びやすく、学校でも家でも快適に使えるその実用性の高さはテレワークにもピッタリ。学生向けの枠組に入れてしまうのはもったいないと思うほどの仕上がりになっている。

10万円以下でもCore i5/8GBメモリ/500GB NVMe SSDを搭載

 STYLE-14FH057-i5-UCFXMは、CPUに第11世代Coreプロセッサ「Core i5-1135G7」を採用。4コア/8スレッドで最大4.2GHz動作だ。このTiger Lake世代のCPUは性能が高く、4コアでも普段使いで不満を感じることはないだろう。メモリはDDR4-3200が8GB、ストレージは高速なNVMe SSDが500GBと十分な基本スペックが確保されている。

 GPUはCPU内蔵のIris Xe Graphicsだ。最大動作クロックは1.3GHz、実行ユニットは80基で、CPU内蔵のGPUとしては高性能だが、パワーとしては軽めのゲームなら遊べる程度。後述するベンチマーク結果を見ても明らかだ。

CPUは4コア/8スレッドのCore i5-1135G7を搭載。ブースト時には最大4.2GHzまで上昇する
GPUはCPU内蔵のIris Xe Graphicsを使用している
【表1】STYLE-14FH057-i5-UCFXMの仕様
CPUCore i5-1135G7(2.4GHz~4.2GHz)
メモリDDR4-3200 8GB
ストレージ500GB NVMe SSD
液晶1,920×1,080ドット表示対応14型
OSWindows 11 Home
インターフェイスThunderbolt 4、USB 3.0×2、HDMI、microSDカードスロット、100万画素Webカメラ、ステレオスピーカー、音声入出力端子
無線機能Wi-Fi 6、Bluetooth
本体サイズ322×218×19mm(幅×奥行き×高さ)
重量約980g

強烈な軽さと驚きのタフさ

 続いて、本体をチェックしていこう。まず手に持って驚くのが軽さだ。

 14型の液晶を備えながら、ボディにマグネシウム合金を採用することで約980gを実現。さらに、底面のゴム足を含めても高さは19mmと非常にスリムだ。これなら、カバンにも入れやすく、学校に毎日持ち運ぶことになっても苦にならない。

 加えて、米国国防総省調達基準の試験を通過。ミリタリーグレードとも呼ばれる衝撃、振動、温度変化にも強い、頑丈なボディとなっているのは見逃せないポイントだ。

 デザインは黒を基調としたシンプルなもので、大学卒業後にそのまま仕事用としても使いやすい。ディスプレイを180度開くことが可能で、相手に画面を見せやすい点は学業にも仕事にも便利なところだ。サイズは322×218×19mm(幅×奥行き×高さ)となっている。

学業だけではなく仕事にも使いやすいシンプルなデザイン
キーボードの右下には米国国防総省調達基準の試験を通過した証であるロゴが貼られている
ディスプレイは180度開くことが可能だ
重量は筆者の実測で955gと公称スペックよりも軽かった

キーボードはオーソドックス

 キーボードはクセのない日本語配列だ。キーピッチは筆者の実測で約19mmと十分なサイズが確保されており、ボディが頑丈ということもあって強めにタイプしてもたわみは少なく、耐久性は十分と思われる。

 左下の「Fn」キーとファンクションキーを組み合わせることで、タッチパッドの有効/無効の切り換え、音量や輝度の調整、Webカメラや機内モードのオン/オフなどが実行できる。ちなみにバックライトは搭載されていない。タッチパッドは実測で約106×66mm(幅×奥行き)と使いやすいサイズだ。

キーボードは日本語配列
キーピッチは筆者の実測で約19mm
タッチパッドは約106×66mm(幅×奥行き)と横にやや長め

液晶は14型のフルHD解像度で見やすい非光沢仕様

 液晶は14型のフルHD(1,920×1,080ドット)解像度だ。表面は非光沢で、視野角の広さからIPSパネルと見られる。リフレッシュレートは一般的な60Hzとなる。

 ディスプレイ上部には100万画素のWebカメラ、マイクを搭載。底面にはステレオスピーカーもあり、オンライン授業やWeb会議にも対応しやすい。

ディスプレイは14型のフルHD液晶
視野角の広さからIPSパネルを採用していると見られる
ディスプレイ上部には100万画素のWebカメラとマイクを内蔵する
ステレオスピーカーは底面に搭載

 インターフェイスは左側面にHDMI出力、USB 3.0、Thunderbolt 4を用意。右側面にはUSB 3.0、ヘッドセット端子、microSDカードスロットを搭載している。

 充電は付属する65WのACアダプタを使用するが、Thunderbolt 4経由でも可能。汎用的なUSB Type-Cの充電器が使えるのは持ち運びが多い人にとっては便利だろう。

 ちなみに、microSDカードスロットに読み込み170MB/s、書き込み90MB/sのmicroSDカードを挿して、CrystalDiskMark 8.0.4を実行したが、シーケンシャルリードは93.74MB/s、ライトは84.44MB/sだった。また、無線機能はWi-Fi 6(最大2.4Gbps)に対応し、Bluetooth 5もサポートする。

左側面にHDMI出力、USB 3.0、Thunderbolt 4
USB 3.0、ヘッドセット端子、microSDカードスロット
ACアダプタは65W出力でコンパクトだ
ACアダプタの重量はケーブル込みで188gと軽い
無線LANはWi-Fi 6対応。2.4Gbpsでルーターとリンクできるのを確認した
microSDカードスロットに読み込み170MB/s、書き込み90MB/sのmicroSDカードを挿して、CrystalDiskMark 8.0.4を実行した結果

一般的な用途なら性能は十分

 次にベンチマークで基本性能をチェックしてみよう。ベンチマークは「PCMark 10」、「3DMark」、「Cinebench R23.200」、「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」、「ドラゴンクエストX ベンチマーク」、「CrystalDiskMark」だ。

 本機は、パフォーマンス、エンターテイメント、静音、省電力と4つの動作モードが用意されているが、ここではパフォーマンスに設定してテストを行なっている。

付属アプリの「CONTROL CENTER 3.0」で動作モードを設定できる。ファンの回転数制御は「自動」に設定した
【表2】STYLE-14FH057-i5-UCFXMのベンチマーク結果
PCMark 10
PCMark 10 Score4,339
Essentials8,669
App Start-up Score11,358
Video Conferencing Score7,481
Web Browsing Score7,668
Productivity5,579
Spreadsheets Score5,515
Writing Score5,644
Digital Content Creation4,584
Photo Editing Score7,636
Rendering and Visualization Score2,848
Video Editting Score4,430
3DMark
Time Spy908
Fire Strike1,931
Wild Life5,417
Night Raid8,759
Cinebench R23.200
CPU(Multi Core)5,477
CPU(Single Core)1,328
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク
1,280×720ドット 標準品質(ノ-トPC)4,061
ドラゴンクエストX ベンチマーク
1,280×720ドット 標準品質11,537
1,280×720ドット 最高品質10,361
SSDをCrystalDiskMark 8.0.4で計測
1M Q8T1 シーケンシャルリード2243.36
1M Q8T1 シーケンシャルライト1160.48
1M Q1T1 シーケンシャルリード1951.91
1M Q1T1 シーケンシャルライト1159.27
4K Q32T1 ランダムリ-ド557.51
4K Q32T1 ランダムライト525.19
4K Q1T1 ランダムリ-ド71.79
4K Q1T1 ランダムライト119.97

 PCMark 10は、Web会議/Webブラウザ/アプリ起動の“Essentials”で4,100以上、表計算/文書作成の“Productivity”で4,500以上、写真や映像編集“Digital Content Creation”で3,450以上が快適度の目安となっているが、すべて上回っている。

 4コアのCPUに8GBのメモリなので、4K動画にゴリゴリとエフェクトを追加するなど本格的な動画編集には向いていないが、クリエイティブな作業に挑戦できるだけのパワーはある。

 ゲームに関しては、「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」が1,280×720ドットの標準品質(ノートPC)で“普通”評価、「ドラゴンクエストX ベンチマーク」では1,280×720ドットで最高品質でも“すごく快適”評価だ。軽めのゲームなら遊べる程度、と思ってよいだろう。

 ストレージは、PCI Express 3.0 x4接続のNVMe SSDを搭載。シーケンシャルリードが2,243.36MB/s、シーケンシャルライトが1,160.48MB/sとPCIe 3.0 x4接続SSDとして最速クラスではないが、SATA接続のSSDに比べれば十分高速だ。ストレージに遅さを感じる場面はあまりないだろう。

 薄型で軽量ということもあり、動作音や冷却性能が気になるところ。動作モード別にCinebench R23を10分間動作させて、性能や温度、動作音がどう変化するのか試してみた。動作音はPCの前から5cmの位置に騒音計を設置して測定したときの最大値、CPUクロックと温度はHWiNFO64 v7.16の数値を追った結果だ。

各動作モードごとのCinebench R23スコア

 Cinebench R23のスコアは、パフォーマンス、エンターテイメント、省電力、静音の順となった。性能を重視するなら、パフォーマンスかエンターテイメント設定で使うのがよいだろう。しかし、静かな教室やカフェで使う場合は省電力や静音にすることをオススメしたい。動作音がかなり変わるからだ。

各動作モードごとの動作音

 パフォーマンス設定時は負荷が高くなるとファンの回転数もかなり高くなり、動作音は多くの人がうるさいと感じるレベルになる。Cinebench R23はCPUに強烈な負荷がかかるので、この動作音が常時続くような場面は少ないだろうが、静かな場所で使うのには適していない。

 その一方で、省電力や静音設定ならファンは回るが耳を近付けないとほとんど分からないレベルまで小さくなる。利用シーンによって使い分けるのがよいだろう。

各動作モードごとのCPUクロック推移
各動作モードごとの温度推移

 各モードのCPUクロックと温度も推移も見ておこう。結果としてはCinebench R23のスコア通りと言える。

 パフォーマンス設定では約2.9GHz動作、温度は70度前後、エンターテイメント設定では約2.4GHz動作、温度は60度前後、省電力設定では約1.7GHz動作、温度は55度前後、静音設定では約700MHzまで動作クロックは下がってしまうが、温度は44度前後と低くなる。性能と温度のバランスがよいのはエンターテイメント設定と言えそうだ。

軽さは正義だ! 使いたくなる魅力を持つモバイルノート

 10万円を切る価格で、約980gの軽さと安心しても運べる耐久性、実用性十分なスペックを実現できているのは素晴らしい。画面も14型とモバイルノートとしては大きい部類なので、レポートなどの文書作成もこなしやすい。

 さらに、何より学生生活を意識して4年間の長期保証に加えて24時間365日のサポート体制も整えており、学生向けノートとして非常にバランスよく仕上がっている。正直、学生向けの枠に入れるのはもったいない。使いやすい軽量ノートを求める多くの人にオススメできる1台だ。