特集
Amazonで買った1万円台の激安Androidスマホは使い物になるのか?ゲームやYouTube視聴などで検証してみた
2023年10月27日 06:34
昨今のスマホは高価だ。フラグシップ端末であれば25万円を超える製品も存在する。とは言え電気製品は小さく、多機能なほど高価なのだから致し方ない。その一方で、円安が進んだ現在でも、1万円台から購入可能なSIMフリースマホもリリースされているのだからありがたいことだ。
しかし、1万円台のSIMフリースマホが、どのぐらいの質感、処理能力、ディスプレイ画質、カメラ画質を備えているのか心配な方も多いことだろう。そこで今回は、Amazonにて1万3,940円で販売されていたXiaomiのAndroidスマホ「Redmi 12C」の実機レビューをお届けする。今回試用した「Redmi 12C」は、記事最後で読者プレゼントするので、ふるってご応募いただきたい。
OSは「Android 12」、SoCは「MediaTek Helio G85」
Redmi 12CはOSにAndroid 12、SoCにMediaTek Helio G85を採用。メモリは4GB(LPDDR4X)、ストレージは128GB(eMMC 5.1)を搭載している。メモリ3GB+ストレージ64GBのモデルも存在するが、記事執筆時点では直販サイトで販売されていない。また、Amazonが販売元になっているのもメモリ4GB+ストレージ128GBのモデルだけのようだ。
ディスプレイは6.71型HD+液晶(1,650×720ドット)を採用。サウンド機能はモノラルスピーカーとマイクを搭載している。
カメラはリアに5,000万画素(F1.8、LEDフラッシュ)、ポートレート用補助レンズ(248×328ドット、QVGAレンズ)、フロントに500万画素(F2.2)を装備。リアレンズのうち1つはポートレート用補助レンズであり、超広角カメラを搭載しているわけではない点に注意してほしい。
インターフェイスはMicro USB、microSD(最大1TB)、3.5mmヘッドフォン端子を装備。通信は4G(デュアルNano SIM)、Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac)、Bluetooth 5.1をサポート。生体認証は指紋認証と「AI顔認証」に対応。おサイフケータイは非対応だ。
本体サイズは168.76×76.41×8.77mm、重量は192g。カラーはグラファイトグレー、ミントグリーン、ラベンダーパープルの3色。5,000mAhのバッテリを内蔵しており、バッテリ駆動時間は通話34時間、動画再生20時間、ゲームプレイ13時間と謳われている。
2023年3月に販売が開始されたスマホとしては、USB端子がMicro USBであることは残念。しかし、発売時点の希望小売価格が3GB+64GB版で1万9,800円、4GB+128GB版で2万3,800円であった端末としてスペックは充実している。カメラ周りのデザイン性も高く、背面パネルにはテクスチャ加工が施されており、ハードウェア的には価格以上の質感を備えている。
Redmi 12Cのスペック | |
---|---|
OS | Android 12 |
SoC | MediaTek Helio G85 |
CPU | Arm Cortex-A75@2GHz×2、Arm Cortex-A55@1.8GHz×6 |
GPU | Arm Mali-G52 MC2 |
メモリ | 4GB(メモリ拡張機能利用時7GB) |
ストレージ | 128GB(最大1TBのmicroSDカードを装着可能) |
ディスプレイ | 6.71型HD+液晶(1,650×720ドット、268ppi、20.6:9、500cd/平方m、1500:1、NTSC 70%、グレア) |
サウンド | モノラルスピーカー、マイク |
リアカメラ | 5,000万画素、F1.8、LEDフラッシュ、ポートレート用補助レンズ(248×328ドット、QVGAレンズ) |
フロントカメラ | 500万画素、F2.2 |
インターフェイス | Micro USB、microSDカードスロット(最大1TB)、3.5mmヘッドフォン端子 |
ワイヤレス通信 | Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac)、Bluetooth 5.1 |
バッテリ | 5,000mAh |
バッテリ駆動時間 | 通話34時間、動画再生20時間、ゲームプレイ13時間 |
セキュリティ | 指紋認証、AI顔認証、スワイプ、パターン、PIN、パスワード |
防水防塵 | なし |
サイズ | 168.76×76.41×8.77mm |
重量 | 192g |
カラー | グラファイトグレー、ミントグリーン、ラベンダーパープル |
価格 | 参考価格2万3,800円(記事執筆時点実売価格1万3,940円) |
「AnTuTu Benchmark V10」の総合スコアは277,974
それでは早速ベンチマークを実施しよう。Androidスマホ向け主要ベンチマークを実施したところ、「AnTuTu Benchmark V10」の総合スコアは277,974、「Geekbench 6」のMulti-Core Scoreは1,254、Single-Core Scoreは415、「3DMark」のWild Lifeは731、「Geekbench ML」のTensorFlow Lite(NNAPI)は92となった。
記事執筆時点のAnTuTu Benchmark V10のランキングトップが「OnePlus Ace 2 Pro」で、総合スコアは166万2,767であった。つまりRedmi 12Cはその約17%の総合スコアということになる。
ベンチマーク実施直後はRedmi 12Cの動作はさぞや遅いのではと心配していたが、いい意味で予想を裏切られた。ブラウジングでは画像が表示されるまで時間がかかったり、ゲームではデータのロードに待たされたりはしたのだが、どちらの場合でも読み込みさえ終われば操作していてストレスを感じない。1万3,940円で購入できるAndroidスマホで「原神」が、チュートリアルとは言えこれだけスムーズに動くのだから、驚くべきことだ。
バッテリ駆動時間については今回は簡易計測している。ディスプレイ輝度、ボリューム50%でYouTube動画を2時間連続再生した際のバッテリ残量は90%。同じ条件でバッテリ残量0%まで動作させたとすると、単純計算で20時間動作することになる。カタログスペックで「通話34時間、動画再生20時間、ゲームプレイ13時間」と謳われており、簡易計測ではそのスペックが証明されたことになる。
1万円台で購入できる端末とは思えないほどのディスプレイ画質
Redmi 12Cが搭載する6.71型HD+液晶は、輝度が500cd/平方m、コントラスト比が1500:1、色域がNTSC 70%。実際にディスプレイを見た感想としては、1万円台で購入できる端末とは思えないほどの品質だ。HDR再生には対応していないし、昨今の有機ELディスプレイを搭載したスマホと比べればもちろん大きな差はある。しかし、単独で使っている限りは不満を感じることはないと思う。
写真撮影を楽しめるカメラ画質を実現、動画撮影は手ぶれに注意
最後にカメラ画質を見ていただこう。実際にRedmi 12Cで撮影した写真を掲載したのでご自身で判断いただきたいが、個人的には十分合格点だ。
強い色が入るとホワイトバランスがずれたり、10倍デジタルズームの解像感が低かったり、手ぶれしやすいなどの欠点はあるが、致命的なほどではない。光学式手ぶれ補正が入っていないので少し落ち着いて撮影することさえ心がければ、あとで写真鑑賞を楽しめる画質を十分クリアできると思う。
ただ、動画撮影はかなり厳しい。電子式手ぶれ補正も入っていないので、盛大に手ぶれしてしまうのだ。Redmi 12Cで動画撮影する際には、極力揺らさない撮影方法に徹するか、スマホ用ジンバルを利用したほうがいいだろう。
一般的な用途なら多少待たされ感はあるものの実用的に利用可能
今回、Redmi 12Cを試用してみたが、意外なほど普通に使えることに驚かされた。「ゲームが快適」とは言えないが、ブラウジング、SNS、動画視聴、写真撮影などの一般的な用途であれば、多少待たされ感はあるものの実用的に利用できると思う。
ちなみに、1万円台、2万円台、3万円以上という価格帯で比較的新しいスマホをピックアップしたところ、おサイフケータイとIP68の防水防塵という条件を含めると、価格が3万円以上となることが分かった。逆に言えばこの2つの条件が必須でなければ、「MediaTek Helio G85」以上のSoCを搭載するAndroidスマホなら実用的に使える可能性が高いということになる。
今回ほかの端末については試用していないので明確に推すことはできないが、Redmi 12Cの検証結果を物差しの1つとして、低価格Androidスマホ購入時の参考にしていただければ幸いだ。
メーカー名 | 製品名 | 価格 | OS | SoC | メモリ | ストレージ | ディスプレイ | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Blackview | Blackview A52 | 1万3,900円 | Android 12 Go | Unisoc SC9863A1 | 3GB | 64GB | 6.5型(1,600×720ドット) | - |
AIWA | JA2-SMP0601 | 1万5,480円 | Android 12 Go | UNISOC T310 | 2GB | 32GB | 6.5型(1,600×720ドット) | - |
AIWA | aiwa phone B-2 | 1万9,280円 | Android 12 | UNISOC T310 | 4GB | 32GB | 6.5型(1,600×720ドット) | - |
OPPO | OPPO A77 | 1万9,464円 | Android 12 | MediaTek Helio G35 | 4GB | 128GB | 6.5型(1,612×720ドット) | - |
メーカー名 | 製品名 | 価格 | OS | SoC | メモリ | ストレージ | ディスプレイ | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
モトローラ | moto g13 | 2万2,800円 | Android 13 | MediaTek Helio G85 | 4GB | 128GB | 6.5型(1,600×720ドット) | - |
Orbic | Orbic FUN+ 4G | 2万4,800円 | Android 12 | Snapdragon 680 4G | 4GB | 64GB | 6.1型(1,560×720ドット) | - |
P-UP World | Mode1 RETROII | 2万9,800円 | Android 13 | MediaTek Helio G85 | 4GB | 64GB | 3.5型(1,440×720ドット) | 折りたたみ式 |
Xiaomi | Redmi 12 5G | 2万9,800円 | Android 13 | Snapdragon 4 Gen 2 | 4GB | 128GB | 6.8型(2,460×1,080ドット) | おサイフケータイ |
メーカー名 | 製品名 | 価格 | OS | SoC | メモリ | ストレージ | ディスプレイ | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Xiaomi | Redmi Note 10T | 3万4,800円 | Android 11 | Snapdragon 480 5G | 4GB | 64GB | 6.5型(2,400×1,080ドット) | おサイフケータイ、IP68 |
シャープ | AQUOS wish3 | 3万5,460円 | Android 13 | MediaTek Dimensity 700 | 4GB | 64GB | 5.7型(1,520×720ドット) | おサイフケータイ、IPX5・IPX7/IP6X |
OPPO | OPPO Reno9 A | 3万9,073円 | Android 13 | Snapdragon 695 5G | 8GB | 128GB | 6.4型(2,400×1,080ドット)OLED | おサイフケータイ、IP68 |
モトローラ | motorola edge 40 | 6万4,800円 | Android 13 | MediaTek Dimensity 8020 | 8GB | 256GB | 6.55型(2,400×1,080ドット)pOLED | おサイフケータイ、IP68 |
※価格は記事執筆時点の直販価格、プレスリリースに掲載された希望小売価格、Amazonや家電量販店の販売価格を掲載
読者プレゼント
この記事を読んでいただいた1名様に、今回の検証で使用したXiaomi「Redmi 12C」をプレゼントします。
応募方法
応募方法 :上記の条件を満たし、PC WatchのX(旧Twitter)アカウント(@pc_watch)をフォローの上、下記応募フォームに必要事項を入力して送信してください
応募締切 : 2023年11月10日(金) 11:59まで
どのプレゼントにも共通する決まりを以下に挙げます。詳しい応募方法は、各プレゼントごとの説明をご覧ください。
・当選者の発表は、商品の発送をもって代えさせていただきます。
・ご応募いただいた方の個人情報は発送のためだけに使用し、当選者決定後、データは削除します。
・いただきましたメーカーへの意見や要望につきましては、個人情報を削除の上、先方と共有させていただきます。
・発送は宅配便または普通郵便にて行ないますが、長期不在、受け取り拒否などで未着の場合は当選を無効とさせていただきます。
・ご応募は日本国内に在住の方に限らせていただきます。
・本人以外の仮名や家族名義での応募は無効とさせていただきます。
・ご応募はおひとり様1通とさせていただきます。複数の応募を確認した場合は無効といたします。
・贈呈品につき、メーカーによる通常保証を受けられません。予めご了承ください。