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Amazonで買った1万円台の激安Androidスマホは使い物になるのか?ゲームやYouTube視聴などで検証してみた

Xiaomi「Redmi 12C」記事執筆時点での実売価格は1万3,940円

 昨今のスマホは高価だ。フラグシップ端末であれば25万円を超える製品も存在する。とは言え電気製品は小さく、多機能なほど高価なのだから致し方ない。その一方で、円安が進んだ現在でも、1万円台から購入可能なSIMフリースマホもリリースされているのだからありがたいことだ。

 しかし、1万円台のSIMフリースマホが、どのぐらいの質感、処理能力、ディスプレイ画質、カメラ画質を備えているのか心配な方も多いことだろう。そこで今回は、Amazonにて1万3,940円で販売されていたXiaomiのAndroidスマホ「Redmi 12C」の実機レビューをお届けする。今回試用した「Redmi 12C」は、記事最後で読者プレゼントするので、ふるってご応募いただきたい。

OSは「Android 12」、SoCは「MediaTek Helio G85」

 Redmi 12CはOSにAndroid 12、SoCにMediaTek Helio G85を採用。メモリは4GB(LPDDR4X)、ストレージは128GB(eMMC 5.1)を搭載している。メモリ3GB+ストレージ64GBのモデルも存在するが、記事執筆時点では直販サイトで販売されていない。また、Amazonが販売元になっているのもメモリ4GB+ストレージ128GBのモデルだけのようだ。

 ディスプレイは6.71型HD+液晶(1,650×720ドット)を採用。サウンド機能はモノラルスピーカーとマイクを搭載している。

ディスプレイは6.71型HD+液晶(1,650×720ドット、268ppi、20.6:9、500cd/平方m、1,500:1、NTSC 70%、光沢)
本体サイズは168.76×76.41×8.77mm。カラーはこのミントグリーン以外に、グラファイトグレー、ラベンダーパープルを用意。カメラ横には指紋認証センサーが配置

 カメラはリアに5,000万画素(F1.8、LEDフラッシュ)、ポートレート用補助レンズ(248×328ドット、QVGAレンズ)、フロントに500万画素(F2.2)を装備。リアレンズのうち1つはポートレート用補助レンズであり、超広角カメラを搭載しているわけではない点に注意してほしい。

 インターフェイスはMicro USB、microSD(最大1TB)、3.5mmヘッドフォン端子を装備。通信は4G(デュアルNano SIM)、Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac)、Bluetooth 5.1をサポート。生体認証は指紋認証と「AI顔認証」に対応。おサイフケータイは非対応だ。

本体上部には3.5mmヘッドフォン端子、本体下部にはスピーカー、Micro USB×1、マイクを装備
右側面にはボリュームボタン、電源ボタン、左側面にはカードトレイを用意

 本体サイズは168.76×76.41×8.77mm、重量は192g。カラーはグラファイトグレー、ミントグリーン、ラベンダーパープルの3色。5,000mAhのバッテリを内蔵しており、バッテリ駆動時間は通話34時間、動画再生20時間、ゲームプレイ13時間と謳われている。

 2023年3月に販売が開始されたスマホとしては、USB端子がMicro USBであることは残念。しかし、発売時点の希望小売価格が3GB+64GB版で1万9,800円、4GB+128GB版で2万3,800円であった端末としてスペックは充実している。カメラ周りのデザイン性も高く、背面パネルにはテクスチャ加工が施されており、ハードウェア的には価格以上の質感を備えている。

「Redmi 12C」のパッケージ
パッケージには、本体、ACアダプタ、Micro USBケーブル、SIMピン、クイックスタートガイド、保証に関するお知らせ……が同梱
カードトレイにはNano SIMカード×2、microSDメモリーカード×1を装着可能
Micro USBケーブルの長さは実測80cm
本体の重量は実測193g(Nano SIMカード1枚装着時)
ACアダプタとMicro USBケーブルの長さは実測57g
Redmi 12Cのスペック
OSAndroid 12
SoCMediaTek Helio G85
CPUArm Cortex-A75@2GHz×2、Arm Cortex-A55@1.8GHz×6
GPUArm Mali-G52 MC2
メモリ4GB(メモリ拡張機能利用時7GB)
ストレージ128GB(最大1TBのmicroSDカードを装着可能)
ディスプレイ6.71型HD+液晶(1,650×720ドット、268ppi、20.6:9、500cd/平方m、1500:1、NTSC 70%、グレア)
サウンドモノラルスピーカー、マイク
リアカメラ5,000万画素、F1.8、LEDフラッシュ、ポートレート用補助レンズ(248×328ドット、QVGAレンズ)
フロントカメラ500万画素、F2.2
インターフェイスMicro USB、microSDカードスロット(最大1TB)、3.5mmヘッドフォン端子
ワイヤレス通信Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac)、Bluetooth 5.1
バッテリ5,000mAh
バッテリ駆動時間通話34時間、動画再生20時間、ゲームプレイ13時間
セキュリティ指紋認証、AI顔認証、スワイプ、パターン、PIN、パスワード
防水防塵なし
サイズ168.76×76.41×8.77mm
重量192g
カラーグラファイトグレー、ミントグリーン、ラベンダーパープル
価格参考価格2万3,800円(記事執筆時点実売価格1万3,940円)

「AnTuTu Benchmark V10」の総合スコアは277,974

 それでは早速ベンチマークを実施しよう。Androidスマホ向け主要ベンチマークを実施したところ、「AnTuTu Benchmark V10」の総合スコアは277,974、「Geekbench 6」のMulti-Core Scoreは1,254、Single-Core Scoreは415、「3DMark」のWild Lifeは731、「Geekbench ML」のTensorFlow Lite(NNAPI)は92となった。

 記事執筆時点のAnTuTu Benchmark V10のランキングトップが「OnePlus Ace 2 Pro」で、総合スコアは166万2,767であった。つまりRedmi 12Cはその約17%の総合スコアということになる。

「AnTuTu Benchmark V10」の総合スコアは277974
「Geekbench 6」のMulti-Core Scoreは1254、Single-Core Scoreは415
「3DMark」のWild Lifeは731
「Geekbench ML」のTensorFlow Lite(NNAPI)は92

 ベンチマーク実施直後はRedmi 12Cの動作はさぞや遅いのではと心配していたが、いい意味で予想を裏切られた。ブラウジングでは画像が表示されるまで時間がかかったり、ゲームではデータのロードに待たされたりはしたのだが、どちらの場合でも読み込みさえ終われば操作していてストレスを感じない。1万3,940円で購入できるAndroidスマホで「原神」が、チュートリアルとは言えこれだけスムーズに動くのだから、驚くべきことだ。

「Chrome」アプリでブラウジング
「YouTube」アプリで動画視聴
「Kindle」アプリで読書(鈴木みそ氏「ナナのリテラシー1」より)
「原神」のチュートリアルをプレイ
「AnTuTu Benchmark V10」実行中の本体背面の最大温度は38.0℃(室温24.2℃で測定)

 バッテリ駆動時間については今回は簡易計測している。ディスプレイ輝度、ボリューム50%でYouTube動画を2時間連続再生した際のバッテリ残量は90%。同じ条件でバッテリ残量0%まで動作させたとすると、単純計算で20時間動作することになる。カタログスペックで「通話34時間、動画再生20時間、ゲームプレイ13時間」と謳われており、簡易計測ではそのスペックが証明されたことになる。

ディスプレイ輝度、ボリューム50%でYouTube動画を2時間連続再生した際のバッテリ残量は90%

1万円台で購入できる端末とは思えないほどのディスプレイ画質

 Redmi 12Cが搭載する6.71型HD+液晶は、輝度が500cd/平方m、コントラスト比が1500:1、色域がNTSC 70%。実際にディスプレイを見た感想としては、1万円台で購入できる端末とは思えないほどの品質だ。HDR再生には対応していないし、昨今の有機ELディスプレイを搭載したスマホと比べればもちろん大きな差はある。しかし、単独で使っている限りは不満を感じることはないと思う。

輝度は500cd/平方m、コントラスト比は1500:1、色域はNTSC 70%。発色に癖はない
HDR非対応の液晶ディスプレイを搭載。当然「Netflix」などでHDRコンテンツを再生できない

写真撮影を楽しめるカメラ画質を実現、動画撮影は手ぶれに注意

 最後にカメラ画質を見ていただこう。実際にRedmi 12Cで撮影した写真を掲載したのでご自身で判断いただきたいが、個人的には十分合格点だ。

上がリアカメラ(5,000万画素、F1.8)、下がポートレート用補助レンズ(248×328ドット、QVGAレンズ)

 強い色が入るとホワイトバランスがずれたり、10倍デジタルズームの解像感が低かったり、手ぶれしやすいなどの欠点はあるが、致命的なほどではない。光学式手ぶれ補正が入っていないので少し落ち着いて撮影することさえ心がければ、あとで写真鑑賞を楽しめる画質を十分クリアできると思う。

リアカメラで撮影
リアカメラで撮影(10倍デジタルズーム)
リアカメラで撮影(HDRオフ)
リアカメラで撮影(HDRオン)
リアカメラで撮影
リアカメラで撮影
リアカメラで撮影
フロントカメラで撮影

 ただ、動画撮影はかなり厳しい。電子式手ぶれ補正も入っていないので、盛大に手ぶれしてしまうのだ。Redmi 12Cで動画撮影する際には、極力揺らさない撮影方法に徹するか、スマホ用ジンバルを利用したほうがいいだろう。

リアカメラで動画撮影(※画面が大きく揺れるので、苦手な方は再生しないことを強くおすすめする)

一般的な用途なら多少待たされ感はあるものの実用的に利用可能

 今回、Redmi 12Cを試用してみたが、意外なほど普通に使えることに驚かされた。「ゲームが快適」とは言えないが、ブラウジング、SNS、動画視聴、写真撮影などの一般的な用途であれば、多少待たされ感はあるものの実用的に利用できると思う。

 ちなみに、1万円台、2万円台、3万円以上という価格帯で比較的新しいスマホをピックアップしたところ、おサイフケータイとIP68の防水防塵という条件を含めると、価格が3万円以上となることが分かった。逆に言えばこの2つの条件が必須でなければ、「MediaTek Helio G85」以上のSoCを搭載するAndroidスマホなら実用的に使える可能性が高いということになる。

 今回ほかの端末については試用していないので明確に推すことはできないが、Redmi 12Cの検証結果を物差しの1つとして、低価格Androidスマホ購入時の参考にしていただければ幸いだ。

【1万円台】
メーカー名製品名価格OSSoCメモリストレージディスプレイ備考
BlackviewBlackview A521万3,900円Android 12 GoUnisoc SC9863A13GB64GB6.5型(1,600×720ドット)-
AIWAJA2-SMP06011万5,480円Android 12 GoUNISOC T3102GB32GB6.5型(1,600×720ドット)-
AIWAaiwa phone B-21万9,280円Android 12UNISOC T3104GB32GB6.5型(1,600×720ドット)-
OPPOOPPO A771万9,464円Android 12MediaTek Helio G354GB128GB6.5型(1,612×720ドット)-
【2万円台】
メーカー名製品名価格OSSoCメモリストレージディスプレイ備考
モトローラmoto g132万2,800円Android 13MediaTek Helio G854GB128GB6.5型(1,600×720ドット)-
OrbicOrbic FUN+ 4G2万4,800円Android 12Snapdragon 680 4G4GB64GB6.1型(1,560×720ドット)-
P-UP WorldMode1 RETROII2万9,800円Android 13MediaTek Helio G854GB64GB3.5型(1,440×720ドット)折りたたみ式
XiaomiRedmi 12 5G2万9,800円Android 13Snapdragon 4 Gen 24GB128GB6.8型(2,460×1,080ドット)おサイフケータイ
【3万円以上】
メーカー名製品名価格OSSoCメモリストレージディスプレイ備考
XiaomiRedmi Note 10T3万4,800円Android 11Snapdragon 480 5G4GB64GB6.5型(2,400×1,080ドット)おサイフケータイ、IP68
シャープAQUOS wish33万5,460円Android 13MediaTek Dimensity 7004GB64GB5.7型(1,520×720ドット)おサイフケータイ、IPX5・IPX7/IP6X
OPPOOPPO Reno9 A3万9,073円Android 13Snapdragon 695 5G8GB128GB6.4型(2,400×1,080ドット)OLEDおサイフケータイ、IP68
モトローラmotorola edge 406万4,800円Android 13MediaTek Dimensity 80208GB256GB6.55型(2,400×1,080ドット)pOLEDおサイフケータイ、IP68

※価格は記事執筆時点の直販価格、プレスリリースに掲載された希望小売価格、Amazonや家電量販店の販売価格を掲載

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応募方法

応募方法 :上記の条件を満たし、PC WatchのX(旧Twitter)アカウント(@pc_watch)をフォローの上、下記応募フォームに必要事項を入力して送信してください
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