特集
PCやスマホの「容量不足」にクラウドストレージが効く!では、推しはどれ?
2023年7月18日 06:14
近年、デジタル化が急速に進行し、日常生活はデジタルで記録されるようになった。スマートフォンのカメラ性能の進化や、ソーシャルメディアの普及により、1日の出来事を写真やビデオで記録しておくことが当たり前になった。
一方でデバイスのストレージ容量の不足の問題が顕著化してきた。毎日増え続ける写真やビデオのデータは、PCやスマートフォンの容量を圧迫し、管理や保管に頭を悩ませることが多くなっているのではないだろうか。
このデータの急増に対応するための解決策の1つが、クラウドストレージの活用だ。クラウドストレージは、ネットワークを通じてアクセスできるデータストレージサービスのこと。アカウントを作成すれば、即座に容量の問題を手軽に解決できる。
加えて、物理的な設置スペースを消費しない、災害などに強い、いつでもどこでも気軽にアクセスできる、即座に他人と共有できるといった副次的なメリットももたらす。PCやスマートフォンの容量を気にすることなく、大切な思い出を確実に保存し、管理、共有できるようになる。
そこで今回は、国内で知名度が高い5つのクラウドストレージサービスについて紹介しよう。基本的な料金体系や、普段の使い勝手を大きく左右するファイル共有機能などの観点から比較してみた。
著名5サービスの基本を確認
今回取り上げたのはDropbox、OneDrive、Google Drive、iCloud Drive、Boxの5サービスである。まずは価格設定とストレージ容量について詳しくまとめたので、ご覧頂きたい。どれも操作画面などはしっかり日本語化されているので、安心して使うことができるはずだ。
なお本稿では、原則としてWindows 11とChromeブラウザの組み合わせで各種操作の検証を行なっている。
Dropbox
オンラインストレージの専業企業として2008年に米国で発足したのがDropboxだ。現在は、容量2GBの「Basic」プランを無料で提供する一方、5種類の有料プランを提供。そのうち、個人単位での契約には「Dropbox Plus」プランが最も適しているだろう。料金は月額1,650円、年額1万5,840円。Webサイトに記載されている金額は税別価格なのでご注意を。
Plusプランでは容量が2TB(2,000GB)。月1,000円台のクラウドサービスとしては、ほぼ平均的な価格容量比といってよい。
ファイルの手動アップロード/ダウンロードなど、基本的な機能はブラウザさえあれば利用できる。ただし、PC内の特定フォルダーに保存されたファイルを自動アップロードしたり、より完全な意味でのバックアップをクラウドへ保存する場合は、専用のサポートソフトウェアをPCへインストールする必要がある。これはどのクラウドを利用する場合でも共通のお約束。よってDropboxには「Dropbox」アプリがあるという具合だ。
OneDrive(Microsoft 365)
Windowsを日常的に利用しているユーザーにとっては、おそらく最も身近なクラウドがOneDriveだ。Windowsの初期セットアップにあたってはほぼ必須の「Microsoftアカウント」でログインでき、しかもサポートソフトウェアはWindowsに統合されている。IDとパスワードを入力するだけで利用をスタートできるのは、他のクラウドと比較しても大きなアドバンテージになっている。
この初期状態で利用できる容量は5GB。容量を拡張したい場合、第一候補となるのが「Microsoft 365 Basic」プランだ。月額260円(年額設定なし)で、容量は100GB。また、Outlook電子メールサービス利用時に広告が非表示になる特典もある。
とはいえ、有料プランの本命は「Microsoft 365 Personal」だろう。月額1,490円(年額1万4,900円)と値は張るが、容量は1TBへ増大。そして何より、Word Excel、PowerPointなどMicrosoft 365ブランド(旧Office)の主要ビジネスアプリのフル機能版(PCインストール型)を利用することができる。
近年は無料のWeb版も存在するが、とはいえダウンロード版と比べて機能は限定的。毎日のようにExcelで作業をしている……という方にはフル機能版のほうが向いている。
Google Drive(Google One)
基本プラン(無料)の容量は15GB。Googleの各種サービスとストレージを共有しているため、たとえばGmailやGoogle フォトの保存容量を増やしたい場合にも、自然と「Google One」を契約することになる。最も安価なプランは「ベーシック」で月額250円(年額2,500円)。これで容量が足りなくなったら200GBプラン、2TBプランへと段階的にステップアップしていける。
Google発のサービスということもあって、Androidスマートフォンとの相性は良い。とはいえ、Windows向けのサポートソフトウェアがしっかり用意されているので、PCからアップロードしたファイルをスマートフォンから閲覧/編集するという用途も全く問題なくこなせる。
iCloud Drive(iCloud+)
対してこちらはiOS(iPhone)/iPad OS陣営たるアップルのサービス。無料の基本プランは容量5GBからスタートする。最も小容量・安価なプランは月額130円の50GBコースで、上位には200GB、2TBのコースがやはり存在する。
同じくアップル系のMacとの相性は改めて指摘するまでもないが、Windowsのサポートソフトもしっかり用意されている。PCはWindows、スマホはiPhoneという組み合わせの方も、しっかり使いこなすことができるはずだ。
Box
Dropboxと似た名称だがサービスとしては全く別。ちなみに日本国内の事業を担う株式会社Box Japanは2013年にオフィスが誕生し、今年でちょうど10周年という。
Webサイトでは法人向けの一括契約プランが大きくアピールされているが、個人利用も可能。「Individual」プランは無料ながら容量10GBを誇り、本稿で紹介するほかの無料サービスと比べて余裕がある。
個人向け有料プランは月額1,320円(年額1万5,840円)の「Personal Pro」。こちらの容量は100GBで、やや少なめ。サポートソフトウェアは「Box Drive」を利用することになる。なお5サービスの中で唯一、決済確認画面/通知メールなどが日本語対応していなかったのが、やや気になる。
5サービスの基本スペックを表で比較
上記5サービスの有料プランについて、容量や価格をとりまとめたのが以下の表である。無料プランが除外、かつ代表的プランだけをピックアップしている点にはご留意いただきたい。
サービス名 | Dropbox | OneDrive | OneDrive | Google Drive | Google Drive | iCloud Drive | iCloud Drive | Box |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
URL | https://www.dropbox.com/ | https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365 | https://one.google.com/ | https://www.icloud.com/iclouddrive/ | https://www.box.com/ja-jp/home | |||
プラン名 | Dropbox Plus | Microsoft 365 Basic | Microsoft 365 Personal | Google One ベーシック | Google Oneプレミアム | iCloud+ 50GB | iCloud+ 2TB | Personal Pro |
価格(月額) | 1,650円 | 260円 | 1,490円 | 250円 | 1,300円 | 130円 | 1,300円 | 1,320円 |
価格(年額) | 1万5,840円 | - | 1万4,900円 | 2,500円 | 1万3,000円 | - | - | 1万5,840円 |
容量 | 2TB | 100GB | 1TB | 100GB | 2TB | 50GB | 2TB | 100GB |
1ファイルあたりの容量上限 | 2TB(Webサイトでは50GB) | 250GB | 250GB | 5TB(1日あたりのアップロード容量は最大750GBまで) | 5TB(1日あたりのアップロード容量は最大750GBまで) | 50GB | 50GB | 5GB |
こうして比較してみると、サービスの傾向が見えてくる。まずサービスの平均価格帯は月額1,000円台中盤で、ストレージ容量はおよそ1~2TBが標準。その上で、月額数百円の小容量サービスを設定しているかどうかが各社で判断の分かれるところだ。
また5サービス全て無料プランが用意されている。有料プランの1カ月体験ではなく、完全に無料のプランなので、とりあえず登録しておくのもいい。ファイル共有を受ける場合にも、結局アカウントが必要になることが多いからだ。
サポートソフトウェアを使って、PC内ファイルを自動で同期&アップロード
Dropboxの項ですでに述べたように、クラウドストレージはWebブラウザさえあれば基本的な操作はすべて行なえる。だがサポートソフトウェアをインストールすれば、Windowsのエクスプローラーを操作して各クラウドにファイルを直接ドラッグ&ドロップできるようになるなど、利用感がグッと増す。
基本的にどのクラウドサービスのサポートソフトウェアでも、インストールするとローカルPC内に特定のフォルダーが作成される。その配下に、ファイルを追加すればクラウドへ自動アップロードされるし、逆にWebブラウザからファイルをアップロードすれば、対象ファイルが特定フォルダーに出現するという仕組み。つまり「同期」が自動かつバックグラウンドで行なわれている。
Dropboxの場合、Windowsのユーザーフォルダーの直下に「Dropbox」フォルダーが作成される。OneDrive、iCloud Drive、Boxも生成されるフォルダーの名称こそ違うが、基本的に同じ挙動だ。Google Cloudの場合、フォルダー名ではなくドライブ文字を仮想的に割り当てることもできる。
各サポートソフトウェアはシステムトレイに常駐し、ダブルクリックで特定フォルダーを開いたり、設定メニューを呼び出したりできる。またクラウドとPC間でファイルを自動同期させる都合上、果たしてそれが完了しているか把握する必要があるわけだが、その進捗度確認にもサポートソフトウェアは役立つ。
ファイル共有は「URLリンク式」と「ログイン認証式」に大別、細かな違いも
さて、クラウドストレージが最も威力を発揮するのはファイル共有だろう。メールの添付サイズ制限を超えたファイルをやりとりしたいとか、複数人が常に最新のファイルを共有/参照したいという用途なら、是非クラウドストレージを使いたい。
OneDriveの場合、まずは共有したいファイルをクラウドにアップロードする。そしてエクスプローラーで対象ファイルを右クリックするとOneDrive関連のメニューが表示され、共有に関する設定が行なえる。
共有の方法は2種類。ファイルに紐付いた特定のリンク(URL)を生成し、これを知っていれば誰でもダウンロードできる方式。本稿では便宜的に「URLリンク式」と表現する。
ファイルを送られた側は、OneDriveにログインしなくてもファイルへアクセスできるのがメリットだ。ただしリンクが第三者に知られてしまって場合、意図しない相手にダウンロードされてしまう恐れがある。
もう1つは、メールアドレスなどで個人を特定し、クラウドサービスへユーザー登録してもらった上でダウンロードしてもらう方式。こちらは「ログイン認証式」と便宜上呼称する。セキュリティは向上するが、ファイルを受け取る側がOneDriveのアカウントを事前に取得しておかねばならず、少々ハードルは高い。
今回ご紹介する5サービスは、基本的にどれも「URLリンク式」、「ログイン認証式」どちらの共有にも対応している。ただし名称がサービスによって若干違うため、注意が必要だ。Dropboxの場合は「リンクを作成してコピー」から実行するのが「URLリンク式」にあたり、対して共有メニューからメールアドレスなどを指定すると実質的な「ログイン認証式」になる(ファイルを受け取る側がDropboxにログインする際に、Googleアカウントなどなんらかのアカウントでログインする必要がある)。
Google Driveの場合、共有メニューを実行すると「リンクを知っている全員」、「制限付き」の2種類から共有方法を選んだり、あるいはメールアドレスで共有先を指定できる。
iCloud Driveでは共有オプションにおける「対象」で、「参加依頼した人のみ」、「リンクを知っている人は誰でも」のどちらかを選べる。
Boxの共有操作はWebブラウザから行なった方が便利。右クリックメニューからの共有すれば確かに1クリックで共有用URLを取得できるのだが、共有の現況を把握しにくいのだ。Web版ではこのあたりの表示がスッキリしていて、ユーザーの招待状況、共有リンクの発行状況などが一目で分かり、操作もしやすい。
なおWindows 11の場合、Google DriveとBoxについては単純にファイルを右クリックしても共有メニューは出ない。ただし右クリックの後「その他のオプション操作を確認」を一度選択すれば、旧仕様の右クリックメニューが出るため、そちらから選べる。
このようにファイル共有は相手あってこそのものなので、自分が使いやすいからと言ってそれが相手にとっても便利かはまた違う話だ。頻繁にファイルをやりとりしたい相手がいるなら、お互いがどのクラウドストレージを使いたいか擦り合わせしたほうがよいだろう。
操作性や機能を比較した感想としては、今回の検証環境がWindows 11ということもあり、OneDriveの使い勝手も含めて優秀だと感じた。またMicrosoft 365 Personal契約者限定となるが、「URLリンク式」でもパスワードを付与できる機能が意外と重宝しそうだ。
バックアップ機能の有無は?
これだけクラウドストレージが普及してきた以上、普段作成している仕事用ファイルなどは最初から保存先をクラウドに指定してしまったほうがいい。とはいえ、デジタルカメラで撮影した画像を適当なフォルダーに仮置きしたままだったり、メールで送られてきたPDFがPCの「ダウンロード」フォルダーに貯まり続けている……なんて方は多いだろう。
だが一部のサービスは、各クラウドが生成した専用フォルダー以外に保存されたファイルも、オンラインへ自動バックアップする機能がある。
こうしたバックアップ機能は、ローカルPCの特定フォルダーを指定する関係上、サポートソフトウェアの機能として提供される例がほとんどだ。
Dropboxではクラウドストレージ機能とは別立てで「Dropbox Backup」という機能があり、やはりサポートソフトウェアの設定メニューから利用できる。対象となるフォルダーは、Dropboxのサポートソフトウェアがインストールされているのと同一ドライブ内のフォルダーか、あるいは外付けUSBストレージなど。1台のPC内に複数のドライブが内蔵接続されている場合、対象にできないドライブが存在するのが痛い。なおフォルダーを指定すると、初期設定では15分ごとに自動でバックアップする。「Dropbox Backup」でアップロードされたファイルは独立管理され、ストレージとしての「Dropbox」とは混ざって表示されないようになっている。
OneDriveのサポートソフトウェアにも「同期とバックアップ」のメニューがあり、OSで既定された「ドキュメント」「写真」「デスクトップ」フォルダーに限って自動バックアップを行なうことができる。
これに対してGoogle Cloudは「バックアップ」を名乗る機能こそないが、ローカルPC内のほぼすべてのフォルダーをクラウドとの自動同期先として設定できる。クラウド側の容量さえしっかりあれば、より自由なバックアップ手法として扱えるだろう。
一方で、iCloud Drive(Windowsからの利用時)とBoxには、専用フォルダー以外のフォルダーを任意にバックアップしたり、自動同期する機能はない。
結果をみると意外だが、クラウドとローカルPCがデータ同期できるのは「あくまで各クラウドが管理するフォルダーの配下のみ」で、Google Cloudはむしろ例外的な存在である事が分かる。同期フォルダーを絞り込んだほうが、データの相関関係を理解しておきやすいのは事実だろう。ただ設定に自由度を求める方なら、Google Cloud(のサポートソフトウェア)一択という結論に落ち着きそうだ。
そのほか注目の機能は?
各サービスを契約した場合、クラウドストレージの基本機能がどのように強化されるか、どんな周辺機能が利用できるかを最後にまとめた。
Dropbox
価格設定が比較的高めということもあるだろうが、5サービスの中でも特に機能が豊富なのがDropboxである。パスワード一元管理ツール「Dropbox Passwords」、デスクトップ撮影・録画ソフト「Dropbox Capture」などがそうだ。
その中でも注目したいのが「Dropbox Paper」と「Dropbox Transfer」。前者は共同編集に対応した文書ツールで、たとえば仕事のアイデアを素早くメンバー間で共有する用途に向いている。
また後者の「Dropbox Transfer」は、ファイル共有よりももっと手軽に、たとえば完成した原稿ファイルを相手に送るだけの用途に特化したファイル送信サービスだ。Dropbox Plusの契約者なら、1ファイルあたり最大2GBまでのファイルを送信できる。ただしファイルの保存期限を長くしたり、パスワードを付加したい場合はより上位プランを契約する必要がある。
OneDrive
冒頭でも述べたが、やはりMicrosoft 365 Personalプランを契約すればWord、Excel、PowerPointなどのデスクトップ版アプリがフルで使えるのは大きい。機能強化も定期的に行なわれており、ストレージ容量よりもむしろこちらのアプリ類に目がいく方は多いはずだ。
なお、Microsoft 365 Personalの特典には、「URLリンク式」の共有機能が強化されるという点もある。閲覧期限を任意に設定したり、パスワードを付加でき、このプランの隠れたメリットと言えよう。そしてMicrosoft Teamsアプリで会議機能を利用するにあたっては、無料プランだと60分制限があるが、これがMicrosoft 365 Personalでは30時間へ延長される。
Google Drive
PC利用の視点からみると、Google Oneへの加入特典で注目したいのがVPN機能だ。Android/iOSスマートフォン以外にPCでもVPN機能を利用できるので、たとえば出先の公衆Wi-Fiに接続するときにセキュリティ向上させたいといった用途に使える。なお利用にあたっては専用のソフトウェアが用意されている。
さらに、容量2TBのプレミアムプランでは、Google Workspace向けのプレミアム機能が一部開放される。特にWeb会議サービス「Google Meet」において、最大100人まで参加できるビデオ通話の時間制限が24時間になったり、録画機能が利用できるのは大きな魅力だろう。
iCloud Drive
iCloud Driveは、言わば“アップル公式のクラウドストレージ”であるだけに、iPhone/iPadとの相性は抜群だ。カレンダーやリマインダーのデータはWeb版のiCloudポータル画面からしっかり確認できるし、また「Pages」(文書作成)、「Numbers」(表計算)などのアプリもiCloudで同期され、編集もPCブラウザから行なえるほどだ。
なおiCloud+なら有料プランの金額に関わらず、iCloudプライベートリレー(VPN機能に相当)が利用できる。また、メールマガジンなどを登録する際に“捨てメールアドレス”がほしかったら、「メールを非公開にする」の機能を使うとよいだろう。
まとめ~AIとスマホ連携はほぼ常識
以上、いかがだったろうか。今回は価格容量比、ファイル共有機能、同期・バックアップ機能、そのほかの4点で主に比較してみたが、それぞれに性格の違いが大きく出ていたように思う。
価格容量比をとにかく重視するとなれば、Dropbox Plus、Google Oneのプレミアムプランが有望だ。どちらも2TB級で、年額プランならばさらに割安になる。なおiCloud+は年額プランの設定がないが、月額料金は同水準。iPhone/iPadを普段使っている方なら優先順位はもう少し上がるだろう。
ファイル共有機能については甲乙つけがたいが、OneDriveとBoxを支持したい。繰り返し述べている「URLリンク式」の設定自由度が高いためだ。Boxは有料プランでも容量が月額100GBと少ないのが玉に瑕だが……。
同期・バックアップ関連についてはGoogle Driveがやや有利か。とはいえ、同期フォルダーを際限なく増やしてしまうと、今度は管理が難しくなる。デフォルト設定での運用が中心であれば、どのサービスも大差ない。
ただしDropboxのサポートソフトウェアはインストール時に「自動設定の規定の選択」を大胆に選択し直してしまうクセがあるようだ。もしUSBドライブやメモリーカードをPCに接続して、いきなりDropboxのメニューが出たら、慌てず騒がずWindows設定画面の「自動再生」をチェックしよう。
そのほか機能については、なにか1つをもって絶対的優位と言い切るのが難しい。結局のところ、料金面と結びつけて考えることになるだろう。
筆者の場合、仕事でWindows、スマートフォンはAndroidという使い分け体制で、かつ仕事関連のメールはGmailに集約している。その容量を確保するという意味では、やはりGoogle Oneが優位。そしてWordやExcelは使いたい月だけMicrosoft 365 Personalを契約するのが、懐に最も優しいとみる。
この理論でいくと、普段最も使っているデバイスやサービスに合わせて、契約するというのがまず第一。その上で、機能や好みに応じてもう1つ別のクラウドストレージを組み合わせるというのが、現実的な運用・契約スタイルになるのではないだろうか。
とにかくPC中心であればOneDriveとDropbox。iPhoneをメインにしている方ならiCloudとBoxなど、ユーザーの数だけ組み合わせはありそうだ。また「Box AI」の例をみるように、各社とも機能開発を強化している。どれか1つのクラウドに依存しきることなく、興味深いサービスへいろいろ乗り換えられるような体制を作っておくのが良さそうだ。