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今日から始めるヤフオク! 検索や安心取引のコツを伝授
2023年6月14日 06:18
ネットオークションが活況だ。コロナ禍で取引が増えたこともあり、実に1兆円市場になろうとしている。2021年の市場規模は9,689億円(経産省)で、前年比2.7%増という右肩上がりを演じている。
中でもヤフーが運営するネットオークション「ヤフオク!」は日本最大級のネットオークションで市場シェアは8割以上(同)とされる。これからネットオークションを始めるなら、まずは大手国内事業者の運営で安心感のあるヤフオク! を選ぶのが良いだろう。
そこで、ここでは初心者向けにヤフオク! の使い方を説明していきたい。ヤフオク! には「出品」と「落札」があるが、今回は落札に絞って説明する。出品については、回を改めて解説する予定だ。
幅広いアイテムのヤフオク!
ヤフオク! は1999年のスタートで、実に四半世紀近い歴史がある。長年にわたる運営実績は、利用者の満足度の高さゆえだろう。取り扱い品も食品から自動車、果ては不動産までと幅広い。アイテムは中古品が主流で、新品よりも安く手に入るのが大きな魅力だ。不要な物を必要な人に譲るのはいわゆる「リユース」にあたり、ゴミ減量の観点からも意義がある。
一方で、2013年にスタートした「メルカリ」も存在感を増している。こちらもユーズド品が主体という点では共通するが、入札を行なうヤフオク! に対して、メルカリは出品者が決めた価格で販売する点で異なる。ただ、ヤフオク! も定額での出品が可能になり、こちらのアイテム数も増えつつある。
また、良く言われることだがヤフオク! の利用者は男性の中年層以上が多く、メルカリは対照的に若年女性層が多いという評判になっている。これについては、実際に出品アイテムを眺めてみると納得できるところだ。
まずはYahoo! JAPAN IDを登録
さっそくヤフオク! の活用と行きたいところだが、まずは「Yahoo! JAPAN ID」がないとヤフオク! は利用できない。Yahoo! JAPANは有名なサービスなので、すでにIDを持っている人が多いとは思うが、まだの人は新規登録をしておこう。
Yahoo! JAPANのトップページからIDの登録画面に移動できる。携帯電話番号を使った認証方式となっている。基本的には画面に従って進めていけばOKだ。
続いては利用登録
続いて、ヤフオク! 利用の登録を行なう。利用には年齢制限があり、“高校就学が可能となる年齢に達している満15歳以上(中学生を除く)”となっている。
これもオンラインで行なえるので画面の指示に従って進めていく。入札のみならYahoo! JAPAN IDの認証だけで良いが、出品もする場合は、IDのSMS認証と出品者情報の登録が必要だ。出品もするつもりなら、ここで全て登録を済ませておくと良い。
支払に使用するYahoo! ウォレットの設定も行なう。クレジットカードか銀行口座が利用できる。落札時の支払いにはPayPayも利用できる。PayPayの登録方法については公式サイトに譲るが、Yahoo! JAPAN ID連携の設定が必要となる。
落札の利用料は無料
ヤフオク! では月額使用料は無料なので、落札代金や送料のほかにお金がかかることはない。ただし、「Yahoo!プレミアム」という月額508円の有料サービスに入っていると、ヤフオク! で落札したアイテムについて落札から120日以内に事故で破損した場合、補償が受けられる(諸条件あり)。
落札者としてYahoo! プレミアムの利点は上記くらいなのだが、出品者になると落札システム利用料が割引になったり、自分のアイテムを目立たせる表示ができたりとメリットが大きい。ヤフオク! を頻繁に活用するようになったら、ゆくゆくはYahoo! プレミアムの登録も検討したい。
アイテムの探し方
ここまでで落札ができるようになっているはずなので、さっそくアイテムを探していこうと思う。アイテムの探し方はいろいろあるが、まずは画面左端のカテゴリのツリーを辿っていくのが分かりやすい。
カテゴリを絞って行くと、ブランド、スペック、現在の価格帯、商品の状態などで絞り込めるようになってくる。また、「すべて」、「オークション」、「定額」のタブや、その下にある並べ替えも便利。残り時間や現在価格、入札数などでの並べ替えが可能だ。入札数の多い順次すると、人気のあるアイテムを見ることができる。また、価格が低いものは安く落札できる可能性があるということになる。
ヤフオク! は1日に100万アイテム程度が追加される規模なので、カテゴリを眺めるのも楽しいが一苦労でもある。別の探し方としてはブランド名や商品名、型番で検索する「決め打ち」の方法だ。画面上部に検索窓があるので、入力する。検索窓の中には今閲覧中のカテゴリ内で探すか、全てのカテゴリから探すかを選べるボタンがあるので確認しておく。
検索窓で探す場合はいくつかコツがある。1つは表記揺れを考慮するということ。ある程度の表記揺れは吸収されるようだが、たとえば“ASUS”は「asus」と「エイスース」では検索結果が微妙に異なる。ブランドと型番を入れて検索する場合、ブランドはアルファベットと日本語の2パターンで別に検索するとヒットしやすい。
カメラで言えば「キヤノン eos」と「キヤノン イオス」でも結果が少し異なる。またニコンの古いカメラやレンズを探す場合「日本光学」や「nippon kogaku」といったワードを入れるのも手だ。
型番についてもスペースの有無、スラッシュやハイフンで区切るのかどうかなどで結果が変わる場合がある。出品者が正確な表記をするとは限らないので、いろいろ試して検索のクセを掴んでおくと良い。
もう1つはヤフオク! でよく使われるワードを入れる方法だ。例として「美品」、「未使用」、「未開封」、「即決」、「ジャンク」、「1円(一円)」などがある。ジャンク品を探しているときや、1円でスタートしているものを探す時に有用だ。
検索結果のページに「この検索条件を保存」というボタンが出る。これを押すと条件に合致するアイテムが新規出品された際にメールなどに通知が来るようにできる。気になるアイテムは通知が来るようにすると見逃さないので便利だ。
便利な「ウォッチリスト」機能
落札するか決めかねていたり、オークションの終了まで時間があるアイテムは、「ウォッチ」ボタンを押して「ウォッチリスト」に入れておくと便利だ。こうするとオークション終了の15分前にリマインダーが届くほか、一覧ページで、現在価格、入札数、残り時間などを確認できる。たとえば同一アイテムで複数の出品がある場合、見比べながらどれに入札するか決めるのにも使える。
また、参考までにそのアイテムがいくらくらいで落札されるのかをチェックしたいときもウォッチリストに入れておくとオークション終了後に確認しやすい。
オークションに関する自分のステータスやウォッチリスト、札中のオークションにアクセスできる「マイ・オークション」というページもあるので活用したい。各種の設定もここからできる。
入札前のチェックが重要
欲しいアイテムが見つかったら入札するわけだが、その前にチェックすべき項目がいくつかある。
まずはアイテムの状態だ。写真をよく見ることと、商品説明が納得できる内容を確認しておく。動作/不動作や傷などの状態、付属品の有無も忘れないようにチェックする。ここで不安があれば、出品者に質問をすることもできる。ほかの人の質問がある場合はその回答も見ておくとよい。画面の右側の商品情報にも状態や返品の可否があるので見ておこう。
送料は無料と有料がある。有料の場合は定額なのか地域や配送方法で異なるのかを見ておく。送料が異常に高いという例もあるので、妥当な金額かのチェックも必要だ。
出品者についての情報も重要だ。「評価」が低すぎないか? といった部分も見ておこう。また、ヤフオク!の利用者は本人確認をしている人としていない人がいる。「本人確認済み」のバッジが出ていれば、身分証で本人が確認されていることになり、より安心な取引ができる目安になる。
いよいよ入札!
入札する場合は「入札」のボタンを押す。入札金額が表示されるのでそれで良ければ「確認」を押すと入札となる。一度入札すると、基本的に取り消せない。入札や落札を辞退すると自分にマイナスの評価が付いたりとペナルティが生じるので注意したい。
入札額には現在価格に上乗せする最少額の「入札単位」というものがある。現在価格によってその金額は異なるが、たとえば1万-5万円未満は500円などとなっている。
自分が最高値になった場合は、「現在の最高額入札者」といった表示が出る。他の人が上まわる金額で入札すると落札の権利はなくなるので、金額を見つつ再入札を行なう。通常は出品者が「自動延長」を設定しているので、終了時間間際で最高値が更新されると終了時間が10分延びて別の人が入札しやすくなる仕組みがある。
なお、入札した際に最高入札額が上がる場合がある。これは「自動入札」という仕組みで、別の入札者が「他の人が入札してもこの金額までは払う」という予算を設定しているからだ。この時は自動入札の最高額を上まわらないと落札できない。
逆に自分が自動入札を設定するのも手だ。予算が決まっていれば、再入札の手間が省ける。入札単位を超える金額で入札すると自動的に自動入札が設定される。ほかに入札者がいなければ現在価格で落札できるし、自動入札額以下の入札しかなければ、その金額に入札単価を足した額で落札可能だ。自動入札の額を超えて他者が入札するとその自動入札での落札はできなくなる。
なお、金額に関しては「即決」価格を設定しているアイテムもある。即決金額で良ければ、「今すぐ落札する」ボタンで落札者になれる。オークション形式よりも割高になる可能性はあるが、オークションではなかなか落札できなかったり、逆に落札したいアイテムで金額に納得できるなら利用するのも良いだろう。
アイテムが届いたら「受け取り連絡」を忘れずに
落札者になったら「取引ナビ」で出品者とやり取りを進める。基本的には落札者から取引を開始する。以前はメールのように文章でのやり取りが必要だったが、現在は画面の指示に従って情報を入力するだけで良くなった。
金額や送料を確認して問題無ければ代金の支払いを行なう。ヤフオク! では基本的に「Yahoo! かんたん決済」というシステムで支払うことになっており、PayPayやクレジットカード、コンビニ支払や銀行振込などが利用できる。Yahoo! JAPANが口座情報を管理しており、トラブルの可能性がある口座へは振り込めないようになっているのも安心だ。
落札者が支払をすると「支払った」という連絡が出品者に届き、出品者は発送を行なう。アイテムが届いたら中身を確認して、取引ナビで「受け取り連絡」を行なう。受け取り連絡をするまでは代金はヤフオク! が保管しており、受け取り連絡をして初めて出品者に送金される。出品者は入金を待っている状態なので、受け取り連絡は早めに行ないたい。
そして、最後にお互い「評価」をしあって取引を終える。ヤフオク! は出品者と落札者の信用で成り立っているわけだが、それを支える大きなポイントが評価のシステムだ。問題無く取引が行なわれれば多くの場合、互いに「非常に良い」の評価が付く。
落札者であっても悪い評価が多いと、出品者から入札を拒否される場合があるので要注意だ。良い評価を保てるように責任を持って利用したい。
そしてヤフオク! ではさまざまなクーポンが配布されており、お得に決済できることもある。使えそうなクーポンが出ているか決済前に見ておこう。
まずは少額からチャレンジ
長々とした説明が続いてしまったが、“習うより慣れろ”で何度か落札しているうちにシステムも理解できてくる。最初は少額アイテムの落札から始めると失敗しても痛手が小さい。慣れてきたら大きな金額での落札にもチャレンジしていきたい。
他人と競って落札を目指すヤフオク! には、「これでどうだ?」、「やられたー!」といった一種のゲーム性があると考えており、結構ハマるものだ。それだけに、入札であまり熱くなってしまうと相場より高い金額を入れてしまって、後から「この金額で入手するべきモノだったのだろか」と“反省”することもある。最初からある程度の予算を決めておき、冷静に入札を進めることも頭に入れておきたい。
今回はPC画面でのやり方を見てきたが、ヤフオク! にはスマホアプリもあり、なかなか充実している。もちろん入札もできるし、ウォッチリストの確認や各種通知の受信もできる。ヤフオク! を利用するならアプリもインストールしておくのがオススメだ。
武石修。1981年生まれ。2006年からインプレスのニュースサイト「デジカメ Watch」の編集者として、カメラ/写真業界の取材や機材レビューの執筆などを行なう。2018年からフリーのライター、フォト/ビデオグラファーに。