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パソコンや小型家電を無料で廃棄。リネットジャパンの回収サービスを使ってみた
2022年2月18日 06:43
いざ廃棄しようと思った際に面倒なのが、パソコン(デスクトップPC/ノートPC/一体型PC)、ディスプレイだ。これらの製品は、平成15年10月1日から施行された「資源有効利用促進法」により、自治体に粗大ごみとして出すことができず、基本的には製品販売元のメーカーに直接回収を依頼する必要がある。
回収の方法は各メーカーのWebページで確認できるのだが、メーカーによっては回収について紹介しているページの場所が非常に分かりづらく、回収方法を確認するだけでも一苦労だったりする。
料金は、リサイクルマークが付いている製品の場合は無料だが、リサイクルマークが付いていない製品の場合は有料となる。有料の場合は、まず料金支払い用の用紙を取り寄せ、料金を支払った上で、回収日を決める必要があるなど、結構手間がかかる。
そのため、費用や時間、手間をかけたくないという場合は、メーカーに回収を依頼するよりは、PCなどを無料で回収してくれるリサイクル業者を利用した方がよい。
もちろん、業者は慎重に選択する必要がある。今回、筆者は環境省認定で自治体やメーカー、大手家電量販店なども提携している「リネットジャパン」を利用してみたので、その使い勝手などをレポートしてみたい。2022年3月31日までPCの無料回収を行なっている。
PCをむやみに廃品回収業者に出してはいけない
リネットジャパンを選んだ理由の1つは、環境省、経済産業省から認定を受けた「小型家電リサイクル法」の認定事業者であることだ。
小型家電リサイクル法は、PCや小型家電に含まれる鉄、アルミ、銅、貴金属、レアメタルといったリサイクルが可能な有用資源を有効活用するための法律。認定業者にPCなどの回収を依頼した場合は、環境に配慮した方法で適切にリサイクルされる。
非認定業者にPCなどの回収を依頼した場合は、有用資源だけ取り出し、プラスチックや鉛やヒ素などの有害物質を含んだ部材が不法投棄され、環境破壊の一端を担う可能性がある。町中を巡回している廃品回収業者などは、小型家電リサイクル法の認定事業者でない場合があるので要注意だ。
リネットジャパンは小型家電リサイクル法の認定事業者として多くの自治体やメーカー、大手家電量販店と提携してPCや家電の回収を行なっている実績があり、その点安心感がある。
個人情報などは初期化などでは消えない。業者に悪用されることも
有料となるが、「おまかせ安全データ消去サービス」を実施している点もリネットジャパンをおすすめできるポイントだ。
SSDやHDDに保存したデータはPCを初期化しても完全には消えない。専用ソフトなどを利用すれば復元することが可能だ。そのため、ただファイルを消去したり、PCを初期化しただけで廃棄すると、個人情報などを抜き取られ悪用されてしまう恐れがある。
SSDやHDDに保存したデータを完全に消去するには、物理的に破壊するか、専用アプリを使用して消去するしかない。前者はSSDやHDDをPCから取り出す手間がかかるし、HDDの場合は破壊するのが難しい。後者の場合は、使い勝手のよい有料アプリを使用した場合は大体3,000円以上費用がかかる上、容量にもよるが消去に数時間以上かかることもある。
なお、リネットジャパンでは無料で利用可能な消去ソフトを用意しているが、対応OSが「WindowsXP/7等」となっており、Windows OSのバージョンによっては動かない可能性がある。ちなみに筆者がWindows 10環境で試したところ動作しなかった。
上記のことが面倒という人は、リネットジャパンの「おまかせ安全データ消去サービス」を利用するとよい。費用は1台3,300円(税込)で、データ消去完了後には、消去証明書が発行される
PCと周辺機器や家電を20kgまで無料回収してくれる
リネットジャパンでは、PC本体を含む回収1回につき、1箱(3辺合計140cm・20kg以内)を無料で回収してくれる。PC複数台入れても、PCと一緒に携帯電話や小型家電を一緒に入れても1箱内に収まれば回収料金は無料だ。
3辺合計140cmで20kgまで詰められればかなりの数のPCや周辺機器を詰め込むことが可能だ。PCは壊れていて動かないものやSSDやHDDがないものでもOKで、自作PCやPCパーツも対象となる。
家電もほとんどのものが回収対象に含まれるが、家電リサイクル法に定められたTV、エアコン、洗濯機、冷蔵庫のほか、電池、石油・灯油を利用したストーブ等は対象外となる。
一度に大量の機器を廃棄できるのもリネットジャパンの魅力だ。
今回、筆者は壊れて処分に困っていたSurface Pro 4とMacBook Airに加え、27型液晶ディスプレイ、スキャナなどの周辺機器、マザーボードなどのパーツ、扇風機などの不用品を回収してもらうことにした。
箱は家にあった3辺合計140cmのものを利用したが、箱がない場合は事前配送サービスで縦42cm、横31cm、高さ35cmのものを438円で購入することもできる。リネットジャパンによれば緩衝材などは入れる必要がないということだが、液晶ディスプレイだけは液晶画面が割れて液晶が飛散しないように緩衝材で包んだ