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ジーンクエストと東京大学、希少難治性疾患関連遺伝子の頻度解析を行い、研究手法の有効性を示唆

株式会社ジーンクエスト(代表取締役:高橋 祥子、以下「ジーンクエスト」)は、東京大学大学院薬学系研究科ITヘルスケア社会連携講座(特任研究員(研究当時):大倉 政宏、以下「東京大学」)と共同で、個人向け遺伝子解析サービスによるデータを用いて、日本人集団における希少難治性疾患関連遺伝子の頻度解析を行いました。その結果、希少難治性疾患研究における本研究手法の有効性および妥当性が示唆されたことを報告した論文が、学術雑誌「医療情報学」に採択され、2022年8月5日に発行されました。

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本研究成果の概要図

◆経緯
世界に先駆けた難病に関する制度の成立以降、日本では瀬川病とその原因遺伝子の発見や家族性ポリアミロイドポリニューロパチーの疾患研究など世界でも優れた希少難治性疾患の基礎研究・応用研究の実績を上げてきました。しかし、新薬の研究開発や承認の多くが希少難治性疾患にシフトしている近年の世界的潮流にも関わらず、日本では高血圧や糖尿病などのよくみられる疾患(common disease)の研究に比重が置かれるようになり、希少難治性疾患の研究開発において海外に遅れを取っています。

日本で希少難治性疾患の研究開発が遅れている要因の一つとして、日本における希少難治性疾患に関する情報の不足があげられています。欧米ではおよそ7,000の希少難治性疾患に関する情報が公的データベースで公開されており、各疾患に関して、原因遺伝子や患者数、発症年齢、治療法の有無、予後などを確認することができます。製薬企業は、注目している国におけるこうした疾患関連情報が存在しない場合、当該国での候補新薬の研究開発は実施しづらくなると言われています。そうした中で、日本には希少難治性疾患関連情報が存在しない場合が多く、研究開発の対象から外されるという事態に至っています。

また、近年の遺伝子治療技術の進展により、命に関わる遺伝性難病の根治的治療薬が実用化され、今後ますますこうした薬の増加が期待されています。しかしながら、日本人集団における遺伝子変異と難病との対応関係に関するデータが不足しているために、遺伝子治療薬の研究開発においても対象外となる事態が生じています。
本研究では、希少難治性疾患の研究開発を促進するような情報環境の構築を目指して、日本人集団における希少難治性疾患関連遺伝子の頻度を解析し、本研究手法の妥当性・有効性を検証しました。

◆結果概要
ジーンクエストが持つ個人向け遺伝子解析サービスを通じて遺伝子情報を解析した方の内、研究参加に同意いただいた方のデータを用いて、従来日本人集団では極めて低い頻度であるとされてきた希少難治性疾患/遺伝性関連遺伝子(CFTR, GBA, BRCA1, BRCA2)の頻度を分析しました。さらに、国内外の既報データと比較を行うことで、その妥当性・有効性を検証しました。

その結果、今回注目したCFTRやGBA、BRCA1/2は、いずれも検出することができ、これまでの日本人集団では超低頻度とする報告を覆す最新の報告と矛盾のない結果が得られました。本結果から、個人向け遺伝子解析サービスのデータを用いた希少難治性疾患関連遺伝子に関する頻度解析等の研究は有効であり、妥当性を有することが示唆されました。
また、今回注目した遺伝子のうち、特にCFTRは、その変異が嚢胞性肺線維症の原因であり、特に欧米白人で多く2,500人に1人の割合で発症するとされている一方、日本人では60万人に1人の頻度とされていました。しかしながら、本研究の結果から、日本人でも比較的頻度の高い病原性変異が存在することが確認でき、未診断の患者が存在する可能性が示唆されました。

本研究成果を活用し、より多くの希少難治性疾患関連遺伝子の詳細な解析を行うことで、日本人やアジア人向けの希少難治性疾患治療薬の開発につながることが期待されます。

◆本研究の限界と今後の展開
本研究で調査した遺伝子に関して、遺伝子ごとに確認されている遺伝子変異(バリアント)の一部についてのみ解析を行ったため、必ずしもすべての傾向を捕捉できているとは限りません。また、本研究では検証可能性の高い4遺伝子での比較を行いましたが、希少難治性疾患関連遺伝子における頻度解析やその研究手法の有効性を示すためには、より多くの遺伝子による網羅的な検証が必要となります。今後は、本研究成果について更なる詳細な追加解析も実施する予定です。

今回の結果を踏まえ、希少難治性疾患に関する網羅的な調査とデータベースの整備、それに応じた社会福祉制度の見直し、そして希少難治性疾患の幅広い治療法・治療薬の研究開発が進むことが期待されます。
治療法がなく、日々険しい生活を余儀なくされている7,000を超える希少難治性疾患の患者の皆様やそのご家族、新たな治療法を見つけるべくご尽力されている医療従事者の皆様、すべての皆様に少しでも科学で貢献できるよう活動を続けてまいります。

◆研究体制について
本研究はジーンクエストと東京大学の共同研究で行われております※1、2。ジーンクエストではデータの抽出が行われ、東京大学では研究計画の作成、統計解析、結果の考察が行われました。

※1 本研究について特定非営利活動法人全国臨床研究協議会の倫理審査委員会の承認を得ております
※2 個人情報や個人遺伝情報はジーンクエスト内でのみ扱われ、東京大学には個人と紐づかない集計データのみが共有されています

◆論文情報
タイトル:DTC遺伝子検査サービスの情報を用いた日本人集団における希少難治性疾患関連遺伝子(CFTR, GBA, BRCA1, BRCA2)の頻度解析とその有効性に関する検証
英文タイトル:Allele frequency analysis of rare diseases among the Japanese population using the direct-to-consumer genetic testing information.
著者名 :仁宮 洸太、野川 駿、高橋 祥子、大倉 政宏
掲載 :医療情報学42巻1号

以下のURLの第42巻 第1号
https://www.jami.jp/document/magIndex.php

<ジーンクエストについて>
2014年に国内で初めて大規模遺伝子解析サービスを個人向けに展開。生活習慣病など疾患のリスクや体質の特徴など300項目以上におよぶ遺伝子を調べ、病気や形質に関係する遺伝子をチェックできるサービスを提供しています。また「ジーンクエストリサーチ」では、国内外の企業、研究者等と連携し、主に遺伝子解析キットを通じて蓄積されたゲノムデータを活用し、遺伝子多型と体質、疾患に関する幅広い研究に取り組んでおります。研究活用に関して同意が得られたユーザーのデータを匿名化し、倫理審査委員会により情報の取扱い、提携先における利用目的等の承認を受けた上で、研究活用します。
今後も、共同研究パートナー企業、研究者とともに、サービスと研究のシナジーを創出し、新たな価値の創出を目指し実現してまいります。当社では、共同研究の研究者、パートナー企業様を広く募集しております。
ジーンクエストリサーチURL: https://genequest.jp/forbiz/

■企業情報
社名 : 株式会社ジーンクエスト
所在地 : 東京都港区芝五丁目29番11号 G-BASE田町
設立 : 2013年6月20日
資本金 : 110,000千円(資本準備金含む)
代表者 : 代表取締役 高橋 祥子
事業内容: 個人向け遺伝子解析事業
URL : https://genequest.jp/

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