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飲食物の味と見た目を変える装置「TTTV2」を明治大学総合数理学部 宮下芳明教授が開発

明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科 宮下芳明教授は、飲食物の味と見た目を変える装置「TTTV2」(Transform The Taste and Visual appearance)を開発しました。
この装置は、総務省「異能vationプログラム」で宮下教授が開発した味覚メディア「味わうテレビ TTTV」を発展させたもので、基本五味(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)や辛味などの味を感じさせる液体を混合噴霧します。噴霧する対象は、TTTV1の透明フィルムとは異なり、飲食物となります。
7月10日(日)午後4時からは、TBS系特番「アブノーベルSHOW これがまさかの大発見!?」にて、牛乳をカニクリームコロッケの味に変えるデモンストレーションが放映予定です。甲殻アレルギーを持つ太田博久さん(ジャングルポケット)ほか、バカリズムさん、小峠英二さん(バイきんぐ)、井桁弘恵さんも実食します。

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牛乳をカニクリームコロッケの味と見た目に変える様子

■ カニクリームコロッケの味再現
元飲食物Aを目標飲食物Bの味と見た目を変えるためにはまず、元飲食物Aと目標飲食物Bを味覚センサーで測定し、味の差(B-A)を算出します。味溶液を噴霧混合しながらこの味の差を元飲食物Aにかけることで、目標飲食物Bの味に近づけます。また、可食インクの印刷によって見た目も目標飲食物Bに近づけます。
出力例として、牛乳をカニクリームコロッケと同じ味と見た目にすることに成功しました。アレルゲンとなる物質を含まないため、甲殻アレルギーの人でも安全に体験することができます。なお、苦味溶液に含まれる炭酸カリウムによってpHがアルカリ性となることで、牛乳にもともと含まれているアミン系化合物が揮発し、魚介類・甲殻類の香りを生み出しています。これにより、香料を加えることなく、味と見た目に加えて、香りまでもカニクリームコロッケに類似させることができています。

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牛乳をカニクリームコロッケの味と見た目に変える様子

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牛乳をカニクリームコロッケの味と見た目に変える様子

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牛乳をカニクリームコロッケの味と見た目に変える様子

■ TTTV2(TransformTheTasteandVisualappearance)での実験事例
TTTV2は、白おにぎりを梅干しおにぎりに変えたり、白米をちらし寿司に変えたりすることが容易にできるため、将来的には台所に設置する「調味家電」(宮下教授による造語)としての社会実装を目指しています。家庭料理をプロの味付けにすることができるなど、あらゆる飲食物の味を安全に再現することができます。極端な例としては、エリンギを毒キノコ(ベニテングダケ)と同じ味と見た目にして安全に味わうことすらも可能です。
TTTV2についての研究成果およびカニクリームコロッケの「再現レシピ」については、9月1日~3日に福知山公立大学で開催される情報処理学会「エンタテインメントコンピューティング2022」で発表される予定です。
画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/317522/img_317522_4.jpg
画像6: https://www.atpress.ne.jp/releases/317522/img_317522_5.jpg

本研究は、2022年度明治大学科学技術研究所研究費重点研究B「噴霧型味ディスプレイの改良と発展」による助成を受けています。また、特許出願済みです(特願2022-036579 出願日:2022/3/9 名称:調味装置)。

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