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ランダムと思われていた素数に、ある偏りが見出される

 これまでランダムと思われていた素数にある偏りが見出された。Natureが14日付けで報じたところによると、スタンフォード大学のKannan Soundararajan氏が3月11日に公開した論文で、「ある素数とその次の素数は、最後の桁の数字が同じものになることを避ける傾向にある」ことが判明したという。

 素数の最後の桁の数字は、1、3、7、9のいずれかである。なぜなら、最後の桁が偶数の場合、その数字は2で割り切れるし、0か5の場合は5で割り切れるからだ。そのため、例えばある素数の最後の桁が1だった場合、素数が本当にランダムであるなら、次の素数の最後の桁が1になる可能性は4分の1の25%となるはずだ。

 ところが、Soundararajan氏らが10億個の素数について調べたところ、最後の桁の数字が1で終わる素数の、次の素数の最後の桁が1である割合は18%しかなく、3か7である割合が30%、9である割合が22%だった。最終桁が1以外の場合も同様に、続く2つの素数のペアは、同じ数字で終わることを避ける傾向が見出された。このことは、「ハーディ・リトルウッド予想」が真ならば、全ての素数に当てはまるという。

 なお、素数は、デジタルデータの暗号化に使われているが、今回の研究成果が暗号解読に与える影響はほとんどないという。

(若杉 紀彦)