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「世界トップクラスの低性能」1bit CPU、新発売

1bit CPU 組み立てキット(実際は自身がはんだ付けなどを行なう必要がある)

 スイッチサイエンスのホームページにおいて、“世界トップクラスの低性能コンピュータ”を謳う「1bit CPU 組み立てキット」が12日より販売された。価格は2,500円だが、現在売り切れとなっている。制作はNAOTOさん。

 Core Ultraや第5世代Xeonといった最先端プロセスで世界最速CPUが続々と発表される中、時代を逆行……どころか究極に退化させていった結果こうなりました的なこの製品。汎用レジスタは驚異の1bit×1、アドレス空間は2bit、アドレスバス幅は1bit、ROM容量は4bitしかなく、プログラムカウンタも1bitだ。

 命令セットは「ADD」と「JMP」の2つで、算術演算は1bitの加算(XOR)のみ。そしてクロック周波数は約1Hzだ。できることは「Lチカ(LEDの点滅)」、「LED点灯」、「LED消灯」。たったそれだけである。

 当然、キーボードやマウス、ディスプレイなどは使えず、操作は基板上のDIPスイッチを介して行ない、結果はLEDで表示されるだけだ。たとえばAレジスタに1を加算し続けるプログラムを組みたいのであれば、DIPスイッチを「OFF/ON/ON/OFF」に設定するだけで、ニモニックとして

ADD A, 1
JMP 0

 が実行され、Lチカとして結果を返す。

 部品には2入力NANDゲート「74HC00」や、6回路シュミットトリガインバータの「74HC14」、2回路入りフリップフロップ「74HC74」、デュアル4入力マルチプレクサ「74HC153」などが用いられているが、この基板の上でもっとも先進的な部品は、電源供給用のUSB Type-Cコネクタかもしれない。

回路図