やじうまPC Watch

2023年になって「リアルi486」な小型PCを製作したYouTuber現る

 海外YouTubeチャンネル「The Eric Experiment」で、“超小型のIntel 486搭載PCを作る過程”が公開された。

 今どき古いOS環境を再現するだけであれば仮想マシンを用いるのが手っ取り早いのだが、当時のリアルなCPUの性能や機能、ビデオカード、サウンドを再現したいのであれば、やはり実ハードウェアを用いるのが一番だ。

 そこで同氏はISAバスに接続できるIntel 486対応シングルボードコンピュータ(SBC)を用いて超小型PCの製作に挑戦した。もちろんパーツを寄せ集めて繋げて起動すれば動作できるのだが、同氏はあえて当時のCRTのような形状の液晶モニター、昔ながらのフォルムを彷彿とさせる小型ケースを3D CADで設計し、3Dプリンタで出力して再現するなど、レトロPCへの愛を惜しみなく注ぎ込んでいる。

 組み立て手順などについては動画を参照されたいが、同氏が使用した主要パーツとポイントについて改めてリストアップしておこう。

  • CPU:Intel 486DX4(100MHz)
  • メモリ:32MB(型番不明だが、Nanya製のDRAM)
  • マザーボード:型番不明(ALI M1487+M1489)
  • バックプレーン:(ATX電源およびISAバス4基)
  • ビデオカード:Tseng Labs ET4000(カード長が短いため)
  • サウンドカード:ESS AudioDrive ES1868F(カード長が短くSB互換のため)
  • 有線LAN:SMC 83C795QF
  • HDD:SD2IDE(SDカードをHDDとして認識させる基板)
  • FDD:USBメモリなどでFDをエミュレートするエミュレータ、ケースに納めるために改造
  • 光学ドライブ:外付けIDE(元々はSATA接続のスリムドライブを利用する予定だったが、SD2IDEがマスター/スレーブ選択不可だったため認識されず)
  • 液晶:800×600ドット(ミニD-Sub15ピンから変換でき、より低い解像度も対応)
  • 電源:Pico PSU(ただしデフォルトではATXのため、AT互換にハンダ付けし直し)

 完成後、無事Windows 95もインストールでき、ゲームもプレイできていることが確認できるが、さすがにET4000は256色に落としても遅すぎたようで、シムシティ2000でもノロノロ動作。同氏は「マネをするならATI Mach 64を薦める」としている。またWINAMPでMIDIファイルは問題なく再生できたが、MP3音楽を再生するにしても途切れ途切れだった。

 MS-DOS 6.22+Windows 3.1でもグラフィカルなゲームは難しい。一方、MS-DOSのゲームならほぼ問題なく動作することが分かる。