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PS5やXbox Series XのCPUは、PC向けよりかなり経済的な設計

 各プロセッサのダイショットを撮影し、公開している“Frizchens Fritz”氏は15日、PlayStation 5(PS5)に使われているCPUのダイショットを公開した。

 PS5は11月12日に全世界で発売された家庭用ゲーム機。CPUについては「Zen 2ベースの8コアで3.5GHz」、GPUについては「RDNA 2ベースの36CUで2.23GHz」としているだけで、アーキテクチャの詳細はほとんど明らかにされていなかった。

 今回公開されたダイショットを分析した“Locuza”氏の見識では、PS5のダイには以下のような特徴があるという。

  1. 浮動小数点パイプラインを大胆に256bitから128bitに削減しコンパクト化しているように見える(256bitのFADDロジックだけ削除し、256bitのFMAは残している可能性はある)
  2. Infinity CacheおよびL3キャッシュがない(これはXbox Seriesと共通)
  3. 古いレンダーバックエンドデザインを採用しているように見える
  4. GPUはRDNA 1と同様に2つのサブアレイに分割されている(RDNA 2は1つになっている)

 ただ、Fritz氏が公開した写真だけでは解像度が足りず、より詳細な分析には、FPUおよびGPUフロントエンドの近くの写真が必要で、それによってTempest Audioエンジンなども分析できるだろうとしている。

 ちなみにLocuzaは以前にXbox Series XのGPUについてもソフトウェア面から分析しているが、各ブロックのバージョンの違いなどから、Xbox Series XのGPUはPCで使われているRDNA 1(Navi1x)とRDNA 2(Navi2x)のあいだに位置づけられる“Navi21 Lite”に相当するものではないか、としている。

 今回、PS5のGPUについて詳しく言及はされていないが、少なくともRadeon RX 6800/6900で特徴的なInfinity Cacheが実装されていないということは、PC向けのRDNA 1とRDNA 2の過渡期に設計されたもの、もしくは単純にダイサイズを抑えた実装であると言える。

 PS5とXbox Series XのCPU/GPUは、PC向けのアーキテクチャをベースにしながらも、ゲームで使用頻度の低い機能や高性能を追求する実装を大胆にカットし、半導体としてリーズナブルに作れるようカスタマイズを加えたものであることは間違いないようだ。