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世界一スパコン「富岳」を搬送したのは、海外からの配送がやたらと速いあの会社だった

 DHLサプライチェーン株式会社は25日、TOP500など世界一を4冠ではじめて獲得したスーパーコンピュータ「富岳」の本体432台を、兵庫県神戸市にある理化学研究所の計算科学研究センターまで輸送し搬入を行なったと発表した。

 富岳の本体は1台あたり約1.6tあり、6カ月にわたって輸送された432台の総重量は約700tに達した。国内ではこの要件を満たす車両がかぎられているという困難な状況のなか、重量物に対応可能な特殊車両を確保するため、DHLはリソースとネットワークを駆使して対応する必要があった。

 また、ドア・ツー・ドアで完全な状態のまま輸送して搬入できるよう、富士通と共同プロジェクトを通じて検証を行ない、石川県にある富士通ITプロダクツ笠島工場から、兵庫県神戸市の理研施設に至るまで、保管および輸送プロセス全体の温湿度管理、そして振動対策を徹底的に行なった。

 加えて、政府による緊急事態宣言のなか、移動制限などによる影響を最小限に抑えるため、迅速かつ柔軟な対応が必要だった。DHLは状況変化による複数回のスケジュール変更に対応しつつ、精密機器の温度管理輸送の専門知識を活かし、300kmを超える距離を傷1つつけずに輸送する任務を果たしたとしている。

 海外のECサイトでPCパーツやスマートフォンなどの製品多く個人輸入しているユーザーなら、DHLの配送速度や品質が折り紙付きだということは十分に体感していると思うが、超精密機器である432台のスパコン筐体をわずか6カ月のあいだに輸送できたことは素晴らしい。