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Ford、ホイール盗難対策にドライバーの「声紋」を使った3Dプリントナットを開発

ロックナット

 Ford Motor Companyは28日(米国時間)、車のオーナーの“声紋”の形状を鍵とするロックナットの開発を発表した。

 自動車業界では、自動車のホイールが外され盗まれる被害が多数起きているが、自動車メーカーはホイール泥棒を阻止するべく、各ホイールを固定するナットにロックナットを採用するなどの対策が進んでいる。

 ロックナットを緩めるには特殊なアダプタまたは鍵が必要となるため、簡単に盗み出すことができなくなるが、それらもナットの型をとって互換アダプタを作成されるなど、完全な対策には至っていなかった。

 今回Fordが開発した3Dプリントロックナットは、金属やポリマーの工業用3Dプリントソリューションを手掛けるEOSと共同で開発されたもので、自動車オーナーの声をベースに唯一無二の鍵を持ったロックナットを生成する。

 具体的には、「私はフォードマスタングを運転します」などオーナーの1秒以上の発声をともなう文章を録音し、その声紋からロックナットのインデントと鍵のデザインデータを生成する。

 ロックナット自体の設計もナットの複製を防止する機構を備えており、ナット内側の不均等なリブや窪みによって、ワックスを押し付けて型取りすることを防ぐという。

 なお3Dプリントのため、声紋を使わない場合には、ドライバーのイニシャルやマスタングロゴなど車固有のデザインをあしらうことも可能で、今後さらに3Dプリントされた自動車部品の採用を進めていくとしている。