やじうまPC Watch
ひとまわり大きくなった「GPD WIN Max」、Ryzen採用を諦めIce Lakeを搭載へ
2020年1月14日 16:36
深センGPD Technologyは、年内に投入予定のクラムシェル型Windowsゲーム機「GPD WIN Max」についての最新状況を報告した。
GPD WIN Maxは2019年3月あたりから存在が明らかにされたモデルで、既存の「GPD WIN」よりひとまわり大きい筐体を採用する。当初は低電圧版Ryzenを搭載するとし開発を進めてきたが、ここにきてIce Lake Uへの変更が明らかとなった。
具体的には、Core i7-1065G7となった。このCPUは10nmプロセスで製造され、4コア/8スレッドのCPUを搭載。ベースクロックは1.3GHz、Turbo Boost時のクロックは3.9GHz。TDPは15W、最大25Wで稼働する。
一方、GPUはIce Lake最上位グレードの「G7」となる。液晶は1,280×800ドット表示対応のものを搭載するとしており、この解像度下ではほとんどのゲームが快適に動作。また、GPD WIN MaxにはThunderbolt 3も搭載するとしている。
このほかのスペックは明らかにされておらず、詳細は2月以降となる見込みだ。
ちなみにRyzenの搭載を計画していたモバイルWindowsゲーム機としては「SMACH Z」が挙げられるが、今日に至るまで出荷されていない。SMACH Zは組み込み向けのRyzen Embeddedプロセッサを採用しているが、GPDのWade社長の見解によれば、Ryzen Embeddedにはバッテリ制御のECファームウェアが存在しないため、開発に手こずっていると見られる。
一方、GPD WIN Maxはモバイル向けRyzenを採用するためこの問題はないが、AMDが提供しているノートPCのリファレンスデザインはいずれもDDR4メモリスロットつきのものとなっているため、GPD WIN Maxのようにメモリをオンボードで実装する場合、独自の配線設計を行なう必要がある。加えて、Ryzen Uプロセッサの性能を十分に発揮させるためには、TDP 35Wに対応できる熱設計が必要があり、こちらも足かせとなったようだ。そのため今回のIce Lakeへの切り替えは、賢明な判断だと言えるだろう。
ただ既報のとおり、Ice Lakeは供給量不足という問題を抱えており、GPD WIN Maxが欲しいすべてのユーザーの手に届くほど潤沢な供給がなされるかが、今後の焦点となりそうだ。