やじうまPC Watch

iPhone 7でWindows XPを走らせる

 当たり前のことだが、OSというのは本来、対応したCPUやハードウェア上でしか動作しない。しかし、あえて対応しないハードウェア上で頑張って動かそうとするのも面白い。YouTubeで活躍する“Hacking Jules”氏も、そんなことばかりチャレンジしている人物のようだ。

 同氏は3月11日に、iPhone 7上でWindows XPを動作させる動画を公開した。画面表示は16色のみで動作ももっさりしているが、リモートデスクトップや画面ハメコミ合成によるフェイクではなく、ちゃんと実機で動作しているのがミソだ。

 実は最近、こうしたハックは“お手軽”になってきている。というのも、オープンソースのPC/AT互換機エミュレータ「Bochs」や、さまざまなプラットフォームをエミュレーションできる「QEMU」が台頭してきているからだ。

 仕組み的には、VMwareやVirtualBoxなどに近いが、これらは大概高級言語で書かれており、プラットフォームに依存せずに移植できるため、異なるCPUに対応したOSを動作させるのはさほど難しくない。この動画も「iBox 2」というBochsベースのエミュレータが利用されている。

 iPhone 7はスペック上、Windows XPを動作させるのに十分すぎると思われがちだが、動画を観れば分かる通り「快適」と言うには程遠い。ここにソフトウェアエミュレーションの壁がある。それを解消するためには、龍芯のようなエミュレーションに向けたハードウェア側の本格的な実装が必要だ。