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【懐パーツ】ラバーでシールドされたIDE HDD「Seagate U8」

Seagate U8

 今回は読者より提供のあったSeagate製のIDE接続のHDD「U8」(型番:ST38410A)を紹介したい。

 1999年~2000年前後に製造されたSeagate Uシリーズは、5,400rpmというメインストリーム向け仕様のHDDである。容量は8,455MBと、当時としては小容量なクラスに入るが、これはメインストリームにターゲットを絞った結果である。

 U8の“8”はプラッタのサイズを指しており、つまるところ本製品は容量8GBのプラッタを1枚だけ採用したシンプルな構成で、低価格を実現している。2000年代の価格調査を見ても、その低価格ぶりは伺える。

 Uシリーズの特徴は、ラバーで囲まれた耐衝撃保護構造「SeaShield」だろう。それまでのHDDは基板と筐体が剥き出しであり、衝撃や静電気に弱かったが、UシリーズはSeaShieldによって画期的な耐衝撃性能、および静電気保護性能を手に入れた。加えて、シーク音の低減にも一役買っている(とは言え筆者はU8シリーズ自体、結構うるさかったと記憶している)。

 ただ、HDDは熱に弱い部品でもあり、断熱効果のあるラバーのSeaShieldは、自身の放熱性能低下を招き寿命を縮めてしまう。このためラバーのSeaShieldを採用したUシリーズは長く続かず、同社のラインナップから姿を消してしまった。

 SeaShieldを剥がして基板を見てみたが、ほぼ特注部品であるため、ATMEL製の1MbitフラッシュROM「AT49F1024」以外用途が分からなかった。

SeaShieldにより基板が見えない
インターフェイスはIDE。マスター/スレーブ設定用ジャンパも見える
SeaShieldを剥がしたところ
角は結構分厚く作られており、耐衝撃性は高そうだ
ユニークな筐体
ユニークな弧を描く基板
Infineon製のコントローラ
ATMEL製の1MbitフラッシュROM
ST Microelectronics製のコントローラ
電源周りの実装