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「この身体でこの世界を生きていく」。星街すいせい、バーチャル時代のビジョンを語る
2026年3月23日 19:04
星街すいせいさんは3月22日、個人事務所「Studio STELLAR」の設立を発表。ホロライブプロダクションやカバーでの活動も継続していく中で、個人のさらなる高みを実現するための事務所だと位置づけているが、その立ち上げの背景について、3月23日に都内で記者説明会を開催した。
「バーチャル(仮想)な世界で活動しているVTuberがリアルで、しかも発表会場を用意して記者会見を開く」という一風変わったイベントには、数十名の記者が集まった。星街すいせいさんはもちろん画面越しでの登場となっているが、「こういうのもアリかな?」という思いで開催に至ったという。発表会はMCにフリーアナウンサーの藤井貴彦さんを迎え、トークショー形式での進行となった。
“前向きな”重大発表
冒頭では、22日に開催された「8周年アコースティックLIVE」を振り返った。このライブの同時接続者数は15万5,000人を超える熱気だったが、一夜明けた後、感想などについて尋ねられると、「ホッとしています。長い間準備していたものが皆さんに無事届けられて安心しました。今回の重大発表は、ファンの皆さんにどんな受け取られ方をするのか未知でした。だからライブが終わった後一生懸命エゴサしました(笑)」。
ライブの構成はどのように決まったのか、藤井さんに尋ねられると「かなりギリギリに決まったのですが、どういうコンテンツを出していけばいいのか考えたときに、過去の軌跡を振り返られるようなライブがいいのではないかということで、8年間を振り返る、エモーショナルなものにしました」とした。
また、「VTuberの重大発表というとさみしい報告をするのが多いと思いますが、私はずっとこれからも歌っていく、東京ドームを目指しているといった前向きな発言をしてきましたので、ファンの中で卒業といった言葉はよぎらないだろうと信じていましたし、皆さんにはワクワクしながら待っていてほしいと思いました。そのうえで、前向きなサプライズを用意できたのではないかなと思います」と付け加えた。
バーチャルカルチャーを当たり前に
重大発表ライブの前に、渋谷駅付近を通りがかった読者であればすでに目にしていると思うが、多くの場所で星街すいせいさんのメッセージを載せた屋外広告が展開されている。この広告の中でも、星街すいせいさんの前向きな気持ちが読み取れるのだが、改めてその気持ちについて尋ねられる場面があった。
「(VTuberを始めとする)バーチャルカルチャーは認知されてきていますが、まだまだこれからではないかと考えています。私はこの姿が当たり前で、この身体でこの世界を生きていく、その世界が当たり前になってほしいです。だからバーチャルでできることはまだまだたくさんできるんじゃないかなって思っています。
これからも、自分の中を表現したいと思っている子がたくさん出てくると思います。その子たちの選択肢の1つとして、バーチャルがあるということを提示していきたいです。もちろん、先人たちはたくさんいますが、バーチャルが当たり前になるために、私がもっと頑張っていかなければならないんだと思います。
バーチャルでも、リアルに胸を揺さぶるような体験、それを皆さんに届け続ける――その思いを私は掲げてきました。(これから自分の中を表現したい子に向かって)方向を示すというよりかは、目の前に並ぶ選択肢の1つとして現れるといいなと思っています」。
渋谷で掲出中の広告について、星街すいせいさんは「渋谷は田舎生まれの私にとって楽しい街です。初めて友人につれてきてもらった際に、踊ったり、パフォーマンスをしていたりする人がいて、夢を持った人たちなのかな?そういう夢を抱かせてくれる街なのかなと思いました。だから渋谷が好きなんです。
でも、いざ広告を出してみると実感が湧かないというか、自分のことだけど、“でっかいの出てるわ~”という感想で、初めて渋谷に来たときには想像できなかったような風景です」と語った。
Studio STELLARの活動は?
個人事務所のStudio STELLARの位置づけや活動について尋ねられると、星街すいせいさんは「個人の配信、音楽活動、メディア出演、タイアップ、グッズの展開などをしていく予定です。これまでもこうした活動は展開してきたが、もっとダイレクト、スピーディーに自身のアイデアを具現化したいと思い、立ち上げました。
立ち上げに際して、カバーさんやホロライブさんともよく話し合いましたが、カバーさんも温かく背中を押してくれたこともあって、実現することができました。“VTuberの事務所を作るぞ!”というより、“私のやりたいことを実現するための秘密基地”にする感じですね。
そのため、ホロライブにも名前を残し、ホロライブのメンバーとのコラボはもちろんのこと、ホロライブフェスといったイベントもできる限り出演したいです」と答えた。
個人のアイデアを具現化する中で、アーティストとしての表現の挑戦はどうか、と聞かれると「星街すいせいならでは、バーチャルならではの表現は、自分が納得できるようになるまで追い求めたいと思っています。しかし、そういう表現を突き詰めて自分の意志を反映しすぎると、今度は尖りすぎてしまいます。今までのことを踏襲しながら、とんがりすぎず、でも“すいちゃんってこういうこともするんだな”的なものを展開していきたいですね」と述べた。
個人事務所を立ち上げようと思った時期は?と尋ねられると「明確な時期は特にないですね。武道館でのライブを成功させたあと、自分の中で次のステップはなんだろう、その次の物語はなんだろう、と漠然と考えていた時期があって、これをカバーさんと話し合っていく中で、一番いい形ではないかということで実現した」とのこと。
もちろん、立ち上げに際して不安もあった。「(個人事務所の立ち上げは)選択肢のうちの1つでしたので、ほかの選択肢が良かったのでは?と準備をしていく期間の中で頭をよぎったこともありましたが、こういうときは神頼み!ということで、街を歩いていたらふと見つけた神社でおみくじを引いたところ“大吉”と出たので、Studio STELLARを立ち上げました」という。
バーチャルだから難しい/できないことを極力減らしていきたい
今後のあり方について聞かれると、「バーチャルってすごい自由度の高い世界なのですが、“バーチャルだから難しい”、“バーチャルだからできない”ということは極力減らしていきたいと思っています。これからも、常に自分の殻を破り続けて、バーチャルの殻を脱いで、自由な存在でありたいです。
ひとまず目の前は4会場で行なわれる5公演。これは個人事務所だからグレードダウンしたよね、と思われないように、しっかり表現について話していきたいです。
東京ドームでのライブは、10周年のとき。皆さんからは“もう裏で実はもう(東京ドーム行きは)決まってるんじゃないの?”と言われたりしていますが、そんなことはなく、まったく決まっていないです。あと2年で行きたいと思っています」と意気込みを語った。
最後に「これから星街すいせいも一人の表現者として、殻を破り続けてバーチャルカルチャーを引っ張っていきたいです」と語り、会見を締めくくった。



























