イベントレポート

【速報】ARM、VRをモバイルで実現するCortex-A73とMali-G71を発表

記者会見で説明するARM 上級副社長兼CMO レネイ・ハス氏

 CPUのIPデザインを提供する英ARMは、31日より開催されるCOMPUTEX TAIPEIの会場で記者会見を開催し、新IPデザインとなるCPUのCortex-A73、GPUのMali-G71を発表した。両製品は2017年に発売される新しいスマートフォン/タブレットに搭載され、VRの機能を実現可能にするという。

CPUのCortex-A73、GPUのMali-G71を発表、搭載製品は2017年に登場予定

 今回発表されたCortex-A73はCortex-A72の後継となる製品で、big.LITTLE構成でARMv8(ARMの64bit命令セット)に対応。10nm FinFETプロセスルールに移行可能で、その場合65nmプロセスルール以下で製造されるARMv8プロセッサの中では、最小のダイサイズでかつ最高の電力効率を実現するという。MediaTek、HiSilicon、Marvellなど10のパートナーが採用を決めているとARMは説明する。

 GPUとなるMali-G71は、従来のハイエンドであるMali-T880を置きかえる。Mali-T880の32個のシェーダコアを持ち、50%のグラフィックス性能の向上、20%の電力効率の改善、1平方mmあたり40%の性能向上を実現しており、ARMは「現在市場にあるノートPC用単体GPUのミッドレンジ程度の性能を上回っている」と、その性能を表現している。APIとしては従来からサポートしている業界標準のAPIに加えて、Vulkanにも対応している。

 ARMはこのMali-G71により、モバイル環境でもVRやARが一般的になると説明しており、HiSilicon、MediaTek、Samsung Electronicsなどが搭載SoCをリリースする予定だ。

 両製品共に、10nm FinFETのプロセスルールを利用して製造することが可能で2017年に登場するデバイスのSoCとして採用される予定だ。

(笠原 一輝)