イベントレポート

Xbox OneでXbox 360のゲームがプレイできる後方互換性が年内提供

~米Microsoft、Xbox E3 2015 Briefingを開催

 米Microsoftは6月15日(現地時間)、E3(Electronic Entertainmet Expo)の開幕を16日に控えて、恒例となるXbox Briefingを開催した。会場は例年通りに、E3会場のLos Angeles Convention Centerにもほど近いGalen Center。

E3開幕の前日に開催される恒例のXbox Briefing

 2015年末のホリデーシーズンをターゲットにして、最新HALOシリーズ「HALO 5:Gardian」を始めとするAAAクラスの独占タイトルを次々に発表した。人気タイトルのWorld Premier映像やファーストプレイを紹介する中で、MicrosoftのXbox部門責任者のフィル・スペンサー氏は、Xbox Oneに、従来のXbox 360タイトルがプレイできる後方互換性を追加することを明らかにした。

 Xbox360タイトルへの後方互換性は、今年(2015年)中盤からいわゆるβテスターに当たるXbox Preview ProgramのメンバーにXbox Oneのシステムアップデートを順次適用し、年末のホリデーシーズンまでには全てのXbox Oneコンソールに対応させるとしている。

 後方互換性は、パッケージとして販売されているディスク版、オンラインで購入できるダウンロード版ともに対応。Xbox Liveアカウントの購入情報などを元に、Xbox OneでのXbox 360タイトルの再ダウンロードや、ディスク版を読み込ませることで差分の実行ファイルなどをダウロードして適用させる。対応はタイトル毎に行なって順次対応コンテンツを増やしていくとしている。

 また、Xbox Oneのシステム上でゲームタイトルを実行するため、ゲームプレイのライブ配信やスクリーンショット撮影などXbox One独自の機能をXbox 360のタイトルでも利用できるようになる見通し。

 発表イベントの中では、Ubisoftのトム・クランシーシリーズ「RAINBOW SIX」のXbox One向けタイトルの投入に合わせて、既存のXbox 360向けRAINBOW SIXをフリープレイにするなど、新作プロモーションの一貫としても、この後方互換性は利用されるようだ。

米Microsoft、Xbox部門の最高責任者であるフィル・スペンサー氏
会場が大歓声に包まれたXbox 360への後方互換性の追加。「もう(お気に入りのゲームの対応を)待たなくても良い」とアナウンスされた
Xbox 360向けのゲームタイトル「MASS EFFECT」を使ったプレイデモ。Xbox Oneのシステムに搭載されているゲーム画面のスクリーンショット機能が使える
当初はβテスターに相当するXbox Previewのプレーヤーに対しシステムの更新で対応。年末のホリデーシーズンには全ユーザーに更新を適用する
Xbox One向けに投入される新作のトム・クランシー「RAINBOW SIX | SIEGE」は2015年10月13日に発売予定
新作のプロモーションを兼ねて、Xbox 360向けのRAINBOW SIXから、VEGAS、VEGAS2がホリデーシーズンに提供される

 周辺機器としては、Xbox Oneコントローラにヘビーゲーマー向けのエリートモデルを投入する。エリートモデルは、アナログスティックや十字パッドなどのパーツが交換可能なほか、背面にレースゲームなどで利用するパドルシフト向けのパドルなども追加する。このパドルも、さまざまなカスタマイズが可能だ。エリートコントローラは、Xbox One向けに提供されるほか、PC向けのドライバと無線受信アダプタが用意されて7月29日にリリースされるWindows 10でも利用できる。

エリートゲーマー向けのエリートコントローラを発表。Xbox OneとWindows 10に対応
精度をより高めたプロ仕様のコントローラ
アナログスティックの稼働範囲を任意にマッピングすることができる
トリガーの反応エリアを任意に設定することができるほか、背面にはパドルレバーも装備
パドル部分も付け替えたり、キーマップを変更したりできる
アナログスティックや十字パッドなどのパーツも交換可能

 先日行なわれたOculusのカンファレンスでは、コンシューマ向けの「Oculus Rift」のWindows 10への対応が予告され、パッケージにはXbox Oneコントローラも同梱されて重要なユーザーインターフェイスの1つとなるとされた。Oculus Riftへの対応はXbox One向けのゲームタイトルでも行なわれる。

ブリーフィングでのデモはなかったが、先日Oculusから発表されたコンシューマ向けのOculus Riftの発売に際してXbox Oneコントローラが同梱されることが、Microsoft側からも改めて発表された

 ただしXbox Oneに直接Oculus Riftを接続するのではなく、Xbox Oneからホームネットワークを通じたWindows 10搭載のPCにゲームをストリーミングして、PCのハードウェアで映像をVR向けに拡張する。VRゴーグルでは3D酔いを緩和する目的などで、1080Pを超える解像度、60fpsを超えるフレームレートなどが求められており、この対応をPC側で付加するものと見られる。VRコンテンツについては、2月に発表されたValveによる「Steam VR」とも提携を行なうとしている。

 Windowsイベントや先日のBuildでも話題となったヘッドマウント式のホログラムPC「HoleLens」のデモンストレーションも行なわれた。Microsoftが買収した箱庭系ゲームのMinecraftをテーマに、HoloLensを使って壁面をディスプレイにしたり、テーブル上のMinecraftワールドを構築して見せた。HoloLens単体のプレイではなく、Surface 3でプレイしているユーザーと同一のワールドでプレイする様子がデモンストレーションされている。

 HoloLens、新しいエリートコントローラなどについては、E3会場のオープン後に、展示情報などを改めて掲載する。

Windowsイベントで発表され、Buildなどでもデモンストレーションされたホログラムスクリーンと仮想タッチインターフェイスを備える「Microsoft HoloLens」
HoloLensのデモに使われたのは、箱庭系ゲームの「Minecraft」
(HoloLensの機能を搭載する)特殊なカメラを使って、ユーザーの視界を画面上にも表示してみせる。ユーザーには壁面にディスプレイが見えている
続いて、テーブル上に立体のMinecraftワールドを構築
ユーザーには、こうしたMinecraftの世界が見えている
指先をインターフェイスとして、構造物をつまんだり移動したり破壊したりできる
Surface 3でプレイする一般プレイヤーとも共存し、相互に影響を与えることができる
HoloLensを付けたユーザーの視界にはMincraftワールドが存在するが、実際のテーブル上には何もない
通常のカメラを通してみるとこの通りだ
期限付きの独占であるTomb Raiderを含む、ホリデーシーズン向けのXbox Oneプラットホームの独占タイトル

 全体を通してはゲーム向けのブリーフィングなので、主に2015年のホリデーシーズンをターゲットとするファーストパーティーの大型タイトルが取り上げられている。発表順に挙げると、Xboxシリーズの看板タイトルでもあるHALOシリーズの最新作「HALO 5:GUARDIANS」、稲船敬二氏の最新作「recore」、Windows 10、Xbox Oneの両プラットホームで提供される「Fallout 4」、今作ではFORD車をメインに据えた「FORZA Motorsport 6」、国産RPGの「DARK SOULS III」、トムクランシーシリーズの「THE DIVISION」、「RAINBOW SIX SIEGE」、アニメ風味のアクションRPG「GiGANTiC」、トウームレイダーの最新作「Rise of the Tomb Raider」、RAREの名作ゲームを30タイトル集めて総ゲーマースコアが1万に達する「RARE REPLAY」、RARE新作の「Sea of Thieves」、「Fable Legend」、GEARS OF WARシリーズの最新作「GEAR 4」などが発表された。個々のゲームタイトルの詳細は僚誌のGame Watchを参照していただきたい。

Xboxの象徴とも言うべき看板タイトルのHALO。最新作の「HALO 5:GURADIANS」は、2015年10月27日にも発売
稲船敬二氏による新作の「recore」は、2016年春に発売予定
Fallout 4。MODによる拡張がXbox Oneでも利用可能になる
EAによる月額遊び放題のゲームコンテンツ「EA ACCESS」。MADDENシリーズの最新作や、TITANFALLなどを追加
「FORZA Motorsport 6」では、FORD GTがメインに。9月15日に発売
トムクランシーシリーズ。「THE DIVISION」の独占βテストは12月に実施予定。RAINBOW SIX SIEGEは、10月13日に発売される
カトゥーン風味のアクションRPG「GiGANTiC」。Xbox OneおよびWindows 10向けに発売される
インディーズゲームからは、盲目の少女が触覚や嗅覚などで世界を拡げていく「Beyond Eys」や、80年前のアニメ風キャラクター「CUPHEAD」などが紹介された
「Rise of the Tomb Raider」は、2015年ホリデーシーズンにおける期限付き独占タイトル
RAREの名作ゲーム30本をセットにした「RARE REPLAY」。稼げるXbox Liveのゲーマースコアは1万点
オンラインRPGの「Fable Legend」。Xbox OneとWindows 10搭載のPCとで協力プレイが可能
GEARS of WARのXbox One向けUltimate Editionは、今日から無料のβプレイが可能
GEARS of WARシリーズ最新作の「GEAR 4」は、2016年のホリデーシーズンに登場する。

(矢作 晃)