【CeBIT 2011レポート】【PCパーツ編】
SF-2000シリーズ搭載SSDのサンプルを各社がデモ

会期:3月1日~3月5日(現地時間)
会場:ドイツ連邦共和国 ハノーバー市 ハノーバーメッセ



●SerialATA 6Gbps対応のSF-2000搭載SSDのデモ

 SF-1500/1200で一気にSSDコントローラメーカーとして知名度を高めたSandForce。同社の第2世代SSDコントローラとなるSF-2000シリーズを搭載するSSDが登場し始めている。

 今回のCeBITでポイントとなるのは、SandForceが先月発表したコンシューマクライアント向けSSDに利用される、Serial ATA 6Gbps対応コントローラ「SF-2200」である。SSDを展示した各社が、このコントローラを搭載したSSDをデモしている。

 OCZ Technologyは先月発表されたVertex 3シリーズを展示。先月正式に発表されたのはVertex 3とVertex 3 Proの2モデルとなる。Vertex 3はコントローラにSF-2281を採用。MLCを用い、リード550MB/sec、ライト525MB/sec、最大60,000IOPSのモデルとなる。Vertex 3 Proはコントローラにエンタープライズ向けのSF-2582を用いたモデルで、ランダムアクセス性能が最大70,000IOPSとなる。フラッシュはMLCまたはeMMCが用いられる。

 この2モデルは2週間後の出荷開始を予定。さらにその1カ月後以降、3.5インチと1.8インチのVertex 3、SF-2582とSLCを組み合わせたVertex 3 EXも順次出荷を始める予定として、ブース内で展示を行なった。

 このほか、PCI Express x8接続のカードタイプのSSDである、Z-Drive R3のデモを行なっている。Z-Drive R3自体は発表済みで、SF-1500シリーズのコントローラを容量によって2個~4個(アドオンカードが必要な容量の場合は4個になる)搭載する。最大容量は1.2TBで、リード1,000MB/sec、ライト950MB/sec、135,000IOPSの性能を持つ製品だ。

 そして、このZ-Driveシリーズの将来製品として、Z-Drive R3と同じようなローハイトタイプのボードを使ったZ-Drive R4の計画があるという。R4ではコントローラをSF-2000シリーズに変更する。6月のCOMPUTEXシーズンに合わせてローンチしたいとしている。

 その他、G.Skill、RunCore、PARTIOTがそれぞれSF-2000シリーズコントローラを搭載した製品を展示。今回の展示は動作サンプルを用いてのものであるが、製品出荷は各社ともに3月末としている。

OCZの「Vertex 3」。SF-2281+MLCの構成で、リード550MB/sec、ライト525MB/sec、60,000IOPSOCZの「Vertex 3 Pro」。SF-2582+MLCの構成で、リード550MB/sec、ライト525MB/sec、70,000IOPSOCZの「Vertex 3(3.5インチモデル)」。公称アクセス速度は2.5インチ版のVertex 3と同じ
OCZの「Vertex 3 1.8インチモデル)」。公称値はライトが500MB/secとなるほかはVertex 3と同じVertex 3シリーズの最上位モデルとなる「Vertex 3 EX」。SF-2582+SLCの構成で、リード550MB/sec、ライト525MB/sec。、80,000IOPSの性能を持つVertex 3 Proのデモで表示されたベンチマーク結果
ローハイトのボードタイプSSD「Z-Drive R3」。6月にはSF-2000シリーズを搭載した“R4”が登場予定G-Skillの「Phenix II」。リード550MB/sec、ライト500MB/secを公称するPhenox IIのベンチマーク結果
RunCoreのSF-2200シリーズ搭載SSD。フラッシュはMLCを採用。公称値はコメントをもらえなかったPATRIOTの「WildFire」。リード・ライトともに500MB/secを公称するWildFireのベンチマーク結果(右)。左は同社の前世代モデルの結果

●5画面出力が可能なZOTACのGeForce GTX 560 Ti

 ZOTACでは以前よりマルチディスプレイ出力を行なう製品を定期的にリリースする点で独自性を出していたが、CeBITのブースでは、GeForce GTX 560 Tiを搭載した一枚のビデオカードから、5画面出力を可能とした製品「GeForce GTX 560 Ti Multiview」を展示した。

 GeForce GTX 560 TiのGPU仕様としては2画面出力が最大となるが、これにディスプレイ出力用のチップをアドオンすることで実現している。ディスプレイ出力端子はDVI×2とHDMI×4の構成。HDMI側はGPUのDP出力からアドオンチップを介して4出力へ分岐しているとのこと。ちなみにDVI×2を両方とも使った場合にはHDMI出力を使えず、5画面出力する場合はDVI×1+HDMI×4の組み合わせで使うことになる。

 製品の価格などは未定だが、4月には出荷を開始したいとしている。

ZOTACが展示した5画面同時出力が可能なGeForce GTX 560 Ti Multiviewブースでは3基のHDMIとDVIを使って4画面出力するデモを実施していたディスプレイコントローラを追加して実現している。肝心のチップはシールで隠されていた

●Sparkleが展示した1スロットGeForce GTX 570

 Sparkleのブースでは、GeForce GTX 570を搭載しつつ、1スロットクーラーに収めた製品を展示していた。

 1スロットサイズのクーラーであると同時に、ボード長が非常に長くなっているのが印象的な製品となっている。このボード長は、レギュレータなどが独自の配置になっているためとのこと。ヒートシンクは、ボード全体ではなくGPUとメモリ上を覆う程度のサイズとしている。さらに、動作クロックはコア752MHz、メモリ1504MHzで、定格動作より若干クロックアップした仕様になっている。

 展示品は動作可能なサンプルで、6週間後の出荷を目指してCeBIT終了後にテストを開始するという。そのさい、クーラーのデザインは変更される予定だ。価格は499ドル程度を予定している。

Sparkleが展示した1スロット仕様のGeForce GTX 570搭載ビデオカード裏面側からも空気を取り入れるため、ファン部分のPCBがくり抜かれているちょっと見えにくいが、ヒートシンクはかなり奥の位置で切れていることが確認できる
担当者に手でヒートシンクサイズを示したもらったところ。おおよそ、この程度のサイズのヒートシンクだというインターフェイスはDVI、HDMI、DisplayPort(標準サイズ)を1基ずつ備える

●Intel Z68/H61搭載マザーを紹介

 さて、これまでASUSTeK、MSI、GIGABYTEの各ブースレポートにおいて、Intel Z68とIntel H61を搭載したマザーボードを紹介してきた。CeBIT会場内ではほかにも、ASRock、BIOSTAR、ECS、Giataの各社がIntel H61搭載製品を中心に展示した。

 ここでは、それらを写真で紹介する。

ASRockのIntel Z68マザー「Z68 Extreme」。ディスプレイ出力端子の種類が充実しており、D-Sub15ピン、DVI、HDMI、DisplayPortを各1個ずつ備えているASRockのIntel H61マザー「H61iCafe」。ATXフォームファクターの製品で、SATA 6Gbpsコントローラも搭載しているASRockのIntel H61マザー「H61DE/S3」。ATXフォームファクターの製品、デザインはiCafeとほぼ同様
ASRockのIntel H61マザー「H61M-GE」。microATX製品で、USB 3.0を搭載しない点が特徴ASRockのIntel H61マザー「H61M-U3S3」。microATX製品で、USB 3.0&Serial ATA 6Gbpsポートを装備ASRockのIntel H61マザー「H61M-GS」。microATX製品で、USB 3.0を搭載しないほか、H61M-GEに比べてサウンド機能も制限されたモデル
ASRockのIntel H61マザー「H61M-VS」。同じくmicroATX製品で、LANが100BASE-TXまでとなるBIOSTARのIntel H61マザー「H61MH」。microATX製品。ディスプレイ出力はHDMI、DVI、D-Sub15ピンを備えるBIOSTARのIntel H61マザー「TH61 ITX」。Mini-ITX製品で、こちらのディスプレイ出力はHDMIのみ
ECSのIntel H61マザー「H61H2-A」。195mm幅のATX製品ECSのIntel H61マザー「H61H2-M」。同社のmicroATX製品は計3モデルで、ディスプレイ出力端子やUSBポート数などで仕様にバリエーションを持たせているECSのIntel H61マザー「H61H2-M2」
ECSのIntel H61マザー「H61H2-M3」ECSのIntel H61マザー「H61H2-I2」。Mini-ITX製品。ディスプレイ出力はD-Sub15ピンとHDMIGiadaのIntel H61マザー「MI-H61」。Mini-ITX製品。PCI Express Mini Cardスロットの存在が目に留まる製品

(2011年 3月 7日)

[Reported by 多和田 新也]